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業界ニュース

【JR西日本】本格生産スタート 3~4万尾 来年出荷へ 「お嬢サバ」

JR西日本が6月から、養殖マサバ「お嬢サバ」の生産を鳥取県岩美町で本格的にスタートした。初年度の今年は鳥取県栽培センターの稚魚6万尾を投入。地下海水で体長25㌢まで育てた成魚を来年3~5月に出荷する。同センターが2012年からマサバの養殖試験を実施。15年から同社が養殖試験に加わり、陸上養殖に関する共同研究に取り組んできた。同年から関西や関東で試験販売やマーケティングを行ってきた。来年の出荷尾数は3万~4万尾を計画。関東と関西の飲食店やホテル、鳥取県の飲食店などに販売する。販売先を限定し、ブランドの認知度向上に努める。 

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【日水子会社・弓ヶ浜水産(鳥取県境港市)】今期23万尾を計画 「境(さかえ)さば」

日本水産(東京都港区)の連結子会社、弓ヶ浜水産(鳥取県境港市)は2016年2月に、人工種苗による養殖マサバ「境(さかえ)さば」の出荷を開始した。一部は活魚で出荷し、大手回転寿司チェーンが取り扱うなど、年々生産量を拡大。17年度は23万尾の出荷を計画する。日本水産グループではブリ、ギンザケ、マグロ、ハマチなど多くの養殖魚を生産。同社ではギンザケ(「活〆境港サーモン」)の出荷が終わる時期を利用し、サバ養殖・出荷を行っている。同社は14年に鳥取県栽培漁業センターが試験的に生産したマサバ人工種苗を海面漁場に搬入、初出荷。その後、日本水産大分海洋研究センターによる採卵時期を早めた人工種苗も加えるなど、研究も続けている。生産量は初出荷の15年度が1.5万尾、16年度が5.5万尾と伸長。17、18年度はそれぞれ23万尾の生産を計画する。寄生虫などのリスクに対しては、「人工種苗による養殖魚に配合飼料を給餌することでリスクの大幅な低減が可能」(同社)と、安定供給に向け取り組んでいる。 

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【近畿大学】1万尾の種苗生産実績 02年完全養殖に成功

【大阪】近畿大学水産研究所と水産養殖種苗センターでは、1999年から本格的にマサバの種苗生産を始めた。当初はマサバの養殖研究を通じて、同じサバ科であるクロマグロの種苗生産技術を向上させることが目的だった。稚魚からの成長も順調で2002年に完全養殖に成功した。その後も成育環境などの研究を続けた結果、脂のりが良く、口の中でとろけるような食感になった。1万尾の種苗生産実績を持つ。今年は同大が経営する飲食店「近畿大学水産研究所」2店舗に、完全養殖マサバ708尾を初めて出荷。8月に期間限定メニューとして提供した。今年は種苗を生産していない。来年の種苗生産計画は未定。ただし、マサバの研究は続ける。

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【小浜鯖】来年度は1万尾に増産

福井県小浜市では「小浜鯖」の養殖技術確立に取り組み、まちづくり、観光、水産業振興を目指している。今年度は5000~6000尾を出荷し、来年度は1万尾程度まで養殖規模を拡大する計画だ。同市は京都に至る「鯖街道」の起点。「鯖、復活プロジェクト」の一環として昨年、小浜市が地元漁協に委託する形で試験養殖を開始。900尾弱を出荷サイズ(約500㌘サイズ)まで生産・出荷した。今年度は6月から出荷を開始し、餌食いの落ちる夏場を過ぎた10月から本格出荷を計画している。消費は地元がメーン。地域活性化のため、「小浜に来てもらい、食べてもらいたい」(市農林水産課)思いがある。地域の関係機関と連携し、人工種苗生産や食味改善に向けた検討も進めている。鯖やとも連携。鯖街道のアンテナ料理店を4月の大阪、9月の京都に続き、10月には東京にオープン予定だ。 

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【唐津Qサバ】卵から完全養殖

九州大と佐賀県唐津市は卵から育てた完全養殖マサバ「唐津Qサバ」を2014年に共同開発。今年度は4万尾を出荷する見通しだ。同商品の特徴は安定した脂のり。天然マサバの脂質が平均10%なのに対し、養殖は25%ある。配合飼料で一貫して育てるため、食中毒の原因となるアニサキス(寄生虫)はほとんど付かない。販路の中心は唐津市内の飲食店。1尾1000円前後(400㌘以上サイズ)で卸している。課題は卵から種苗への歩留まり向上。「現在は平均2割だが、ロットによっては4割台のものもある。さらに引き上げたい」(唐津市)  

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【ひむか本サバ】今後も増産を予定

宮崎の北浦養殖マサバ協業体は無投薬で養殖したマサバ「ひむか本サバ」を年間10万尾ほど販売している。卸売価格は1尾1000円前後(400㌘以上サイズ)。県内外の飲食店から需要があり、近年は関東地区の引き合いが強いという。「まだまだ販路開拓の余地があり、今後も生産量を増やしていく」(同協業体)。課題は全国でマサバを養殖する業者が増えていること。「競合する商品は多く、価格競争が激しくなっている」(同)   

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【長崎ハーブ鯖】健康志向で需要高まり

長崎県佐世保市と松浦市の4つの業者でつくる「長崎さば生産グループ」は、ハーブ入り飼料で育てた養殖マサバ「長崎ハーブ鯖」を年間35万尾ほど出荷する。主な販路は全国の回転寿司店、市場。1尾1000円前後(400㌘以上サイズ)で卸す。「天然マサバの水揚げ減、消費者の健康志向の高まりから着実に需要は伸びている」(同グループ) 課題は稚魚の確保と、稚魚から成魚への歩留まり向上。稚魚の漁獲量次第で養殖生産量は変動するため、安定供給面で不安がある。歩留りについては現状で平均7割だが、「さらに養殖技術を高めて9割台に持っていきたい」(同)という。  

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【養殖マサバ参入続々、出荷量拡大】天然生食の減産カバー 品質制御など技術開発も

マサバ養殖に参入する企業などが増え、出荷量も年々拡大している。天然の稚魚を成魚に育成するだけでなく、人工種苗を使う、さらには完全養殖を実現するなど、技術開発も進んできた。鮮度落ちが早く安定した品質で提供が難しい天然サバに比べ、養殖物は配合飼料などで品質をコントロールでき、刺身で食べることができるのが長所。完全養殖物はもちろん、人工種苗物も飼料や陸上養殖など育成環境で寄生虫のリスクを低減できる点も、養殖サバが注目される理由だ。国内のサバ類漁獲量はここ10年40万~50万㌧で安定しているが、小型サイズが多く、マグロなど養殖魚の餌向けや輸出に向けられる割合が高くなってきた。一方、フィレーや塩サバなど国内の食用向けにはノルウェー産が大きなシェアを占めてきた。ノルウェーからの日本向け冷凍サバの2015~17年供給量は14万~15万㌧強に上る。生食用として天然物、特に西日本産地に水揚げされる対馬暖流系の供給が減っており、養殖マサバの需要は伸びている。需要先は地域の特産物として今のところ、「地元に客を呼び込み食べてもらう」型と「全国に出荷」型に分かれるといえる。養殖業者はまだま販路開拓の余地があり、できれば増産したい方針。卸売価格は1尾1000円前後(400㌘以上のサイズ)が多い。ただ、参入業者が増えてくると、価格面の競争が激しくなる。 

(みなと新聞 2017年10月6日の記事より)

【近大マグロ輸出本格化へ】豊田通商と連携 20年までに2000本目標

豊田通商(名古屋市、加留部淳社長)と近畿大(大阪府東大阪市、清水由洋理事長)は完全養殖マグロ「近大マグロ」の東南アジア輸出を本格化させる。11~13日に千葉県内の幕張メッセで開かれる「第1回“日本の食品”輸出EXPO」で商談を開始。2020年までに、年間生産量目標の6000本中、2000本を輸出したい考えだ。試験的な輸出は昨年から、シンガポールや香港に向けて実施している。現地からの評価は高く、「継続的な取り扱いの意向をもらっている」(豊田通商)。今後、同展示会で商談を重ね、販売量を増やしていく方針。2国に加え台湾、ベトナムなどへの輸出を始めたいとする。「近大マグロ」の生みの親である近畿大は02年、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功。04年に「近大マグロ」として初出荷し、10年、豊田通商との技術協力提携を結んだ。14年には同社による「近大マグロ」生産販売が始まった。「近大マグロ」の生産量は、16年が3500~4000本。今後、幼魚の生存率を向上させることで歩留まりを高め、20年までに年間6000本の生産量となるよう目指す。豊田通商は「クロマグロは14年に絶滅危惧種に規定されるなど、世界的に天然資源の保護に対する関心が高まっている。持続可能な完全養殖が注目されている」とし、拡販に意欲をみせる。
完全養殖ブリも海外輸出に意欲
同展示会には、近畿大が技術支援する食縁(和歌山県新宮市、有路昌彦社長)の完全養殖ブリも出展。マダイやシマアジ、カンパチなど他の完全養殖魚も提案するが、「まずはマグロとブリを主体に商談する。他魚種は商談の中でニーズを探りながら、販売を進めていきたい」と豊田通商は話す。 

(みなと新聞 2017年10月10日の記事より)

養ブリ来春にも初ASC GOWと黒瀬水産で審査

【鹿児島】養殖ブリの加工を手がけるグローバル・オーシャン・ワークス(GOW、鹿児島県垂水市)がASC(水産養殖管理協議会)認証の取得に動き出した。2~3日は委託先の養殖業者である福山養殖(同県霧島市)、4日はグループ会社のアクアブルー(垂水市)で審査団を受け入れ。審査に通れば来春にも取得できる見通し。ニッスイグループの黒瀬水産(宮崎県串間市)も審査段階で、どちらかが取得すればブリで初の認証となる。ASC認証は環境に大きな負荷をかけず、地域社会に配慮した養殖業を認証する国際的な制度。生産者を対象とするASC養殖場認証と、加工・流通業者を対象とするASC-CoC認証がある。対象魚種サケ、カキ、テラピア、ブリなど12品目。認証された製品にはロゴマークが付けられる。今回GOWが動いたのは2020年の東京五輪を見据えたもの。持続可能な製品を作って価値を高めるため、まずは福山養殖でASC養殖場認証、冷蔵加工を行うアクアブルーでASC-CoC認証取得を目指す。冷蔵で国内販売が対象。福山養殖のブリの生産数量は少ないが、「持続可能と評価してくれる国内客に販売したい」とGOWの増永勇治社長は強調する。2~3日は審査機関のアミタホールディングス(アミタHD、京都市)が福山養殖の水揚げ施設、餌の保管状況、労働環境、4日はアクアブルーの加工施設などを確認した。「きちんと審査に合わせて準備がされていた」(アミタHD) 日本国内でASC養殖場認証を取得しているのは、JFみやぎ志津川支所戸倉事務所のカキ養殖のみ。ブリについては黒瀬水産かGOWのどちらかが初の認証になりそう。GOWは今後も委託先の養殖業者に取得を呼びかけ、認証品の取り扱いを増やしたい考え。ASC-CoC認証については築地魚市場(東京都中央区)、丸水札幌中央水産(北海道札幌市)など47社が取得している。(8月末現在)。 

(みなと新聞 2017年10月5日の記事より)

フィード・ワンがマグロ稚魚餌 完全養殖用に月内販売

フィード・ワン(横浜市、山内孝史社長)はクロマグロの完全養殖用に開発した稚魚向けの餌「アンブロシア」を月内に発売する。餌にはホタテから抽出したエキスを使用。食いつきが良くなり、稚魚の摂餌量を増やすことで生存率を底上げする。成魚の生産量の拡大を狙う。同商品はふ化後1~2週間を目安に与える。消化に良く、水を汚さない顆粒タイプで展開。摂餌量が増えれば消化器官の発達を促すことができ、生存率アップにつながるという。従来1%といわれる稚魚の生存率を数%上げる。販売は春のふ化シーズンに合わせて強化。仕向け先はクロマグロの完全養殖に取り組む極洋やマルハニチロ、日本水産などの大手水産会社の他、大学などを予定する。同社は現在ふ化後2~3週間に与える餌の開発を進めている。「ふ化から成魚に至るまで、それぞれの段階に合った餌を開発する」(同社)。給餌の効果や販売する価格帯の調整などを行っている。同社は極洋との合弁会社、極洋フィードワンマリン(愛媛県愛南町)でクロマグロの完全養殖に取り組んでおり、11月に「本鮪の極 つなぐ〈TUNAGU〉」として出荷する。 

(みなと新聞 2017年10月5日の記事より)

【がん研センター】魚食が高齢期うつ病抑制 1日111㌘でリスク低減

国立がん研究センターの予防研究グループは27日、長期間経過観察するコホート研究により、日本人が魚を多く食べると高齢期にうつ病になりにくいという研究結果を公表した。欧米では青魚に多く含まれるn-3不飽和脂肪酸がうつ病予防や治療に有益との研究成果が報告されているが、魚介類摂取量が多い日本人を対象にした研究成果は今回が初めて。調査では魚介類を1日111㌘食べるグループでうつ病のリスクが最も低下した。同研究は1990年に40~59歳だった1万2000人のうち、2014~15年に行った検診に参加した1181人を対象に追加調査した。サケ・マス、アジ、イワシなど魚類、タラコなど魚卵、アサリなど貝類、かまぼこなど加工品の摂取量、n-3不飽和脂肪酸摂取量を調べ、対象者をグループ分け。摂取量とうつ病発症の関連性を調べた。調査結果では1日57㌘(中央値)の魚介類を食べるグループに比べ、111㌘(中央値)を食べるグループでうつ病リスクが低下。また、エイコサペンタエン酸(EPA)は1日200㌘摂取に比べ307㌘摂取のグループ、ドコサペンタエン酸(DPA)は1日67㌘摂取に比べ、123㌘摂取グループで同リスクが低下した。一方、報告では「とればとるほどリスクが下がるという関連ではなく、ある量でリスクが下がり、それ以上とると影響が見られなくなる」とした。理由は不明とするが、「魚介類摂取量が多い人は野菜摂取量が多く、また、炒めて調理している傾向が強いことが報告されていることから、n-6系不飽和脂肪酸(サラダ油に含まれ炎症を惹起する)の摂取量が増えたことで、n-3系不飽和脂肪酸の予防的効果が打ち消されたかもしれない」とつけ加えた。これまでの研究では、うつ病患者と健常者と比べ血液中のn-3不飽和脂肪酸が低いこと、n-3不飽和脂肪酸サプリメント(EPA含有率の高いもの)がうつ病治療に有益なことが報告されていた。n-3不飽和脂肪酸には抗炎症、免疫調整、神経伝達物質調整、神経保護など多くの作用があり、抗うつ効果を示すと考えられている。16年に発表された欧米の研究では、1日50㌘の魚摂取、1.8㌘のn-3不飽和脂肪酸摂取でうつ病の発症リスクを最も下げられると報告。ただし、魚介類摂取量の多い日本人のデータがわずかしか含まれていなかった。

(みなと新聞 2017年9月29日の記事より)

広島カキ生産目標2万㌧ 今期採苗順調で1割増

【広島】広島県は2017年度(17年7月~18年6月)のカキの生産目標を平年並みの2万㌧(むき身換算)と発表した。16年度のカキ種の天然採苗が順調だったこともあり、16年度の生産実績を約1割上回る目標値を設定した。今年度の出荷開始日は10月2日からで平年並み。県が9月29日に発表した広島かき生産出荷状況によると、16年度の生産量は前年度比9.9%増の1万8800㌧。シーズン当初は天候不順で出荷量が伸び悩んだが、年明け以降は水温低下とともに身入りが回復し、出荷も安定した。ただ、計画していた2万㌧には届かず、3年連続で2万㌧を割った。16年度の生産額は2%減の176億円。平均単価は931円で11%下げた。

(みなと新聞 2017年9月29日の記事より)

【全漁連】漁獲量管理も検討 政府規制改革会議 新たら手法導入に示唆

政府の規制改革推進会議の水産ワーキンググループ(水産WG、野坂美穂座長)は25日東京都内で開いた第2回会合で、水産研究・教育機構とJF全漁連から資源管理などについて意見を聞いた。水研機構は科学的な資源調査や資源管理、そこに向けた漁業者との対話を強めるべきだと提言。全漁連は既存の資源管理システムの利点を強調しつつも「現行の管理手法を基本に、(漁獲の)数量管理など新たな手法の導入も含め点検・改善する」とまとめた。水研機構の宮原正典理事長らは、1990年代以降日本の漁獲量と資源状態が右肩下がりにあると説明。背景として、各魚種を将来的にどこまで回復させるかの議論が足りないこと、主要資源の管理目標が低く、漁獲可能量(TAC)の設定が緩いことなどを解説した。
加入量など調査や漁業者との対話を 水産機構
同機構は今後の強化課題として、厳格な資源管理へ協力を得るための漁業者との対話や、資源調査、外国船の漁獲実態の調査などを列挙。特に、日本近海では環境条件次第で小魚の発生量(加入)が乱高下しやすいことから、年ごとの加入を精密に調査し資源管理に役立てるべきとした。全漁連の長屋信博専務らは、国内の漁業者が地域の実情に合わせた休漁、操業域制限、漁獲量規制などの管理をしていると説明。全国で1930の資源管理計画が定められていること、漁協系統組織が漁業の免許を受け漁業種間の利害調整に当たっていることなどを紹介。その上で「現行の管理手法を基本に、数量管理など新たな手法の導入も含め点検・改善。管理内容を対外的に説明していく」との考えを示した。管理の改善策については「現時点で具体的な提案はなかった」(内閣府)。水産WGは来年まで議論し、取りまとめた結果を総理大臣に答申する予定。

(みなと新聞 2017年9月27日の記事より)

【宮城・養殖生カキ】出荷29日に県内統一 振興連絡調整会議 GI登録、年内にも申請

【仙台】宮城県やJFみやぎなどは22日、第2回宮城県カキ養殖振興連絡調整会議を開き、県産むき生カキの県内統一出荷日を今月29日とすることを確認した。会議では県産カキのさらなるブランド化として、「みやぎの生かき」(仮称)として地理的表示(GI)保護制度登録申請に向けて取り組んでいくことを合意。また、ノロウイルス対策強化として対象海域を細分化した。会議には県をはじめ、JFみやぎ、塩釜市漁協、県かき出荷協同組合連合会、桃浦かき生産者合同会社、仙台水産などが出席。同会議は今年から、出荷日の県内統一化、ブランド強化、ノロウイルス対策を目的にカキを扱う関係各所が一堂に集まり情報交換や意思疎通を行うため、今年から始まった。今期の県産カキは訪卵が順調で、身入りもよいことから、今月29日からの出荷開始で各団体が合意した。ノロウイルス対策として、検査海域を従来の11海域から14海域に細分化。各海域の検査ポイントも増すことで検査体制の強化を図る。また、ブランド強化として、来年度の出荷開始前を目標に、GI登録を目指す。今後、関係各所と協議し、申請内容や条件などをまとめ、年内中に申請する計画だ。会議後、小林徳光県農林水産部長は「県内で出荷開始日の統一は初めて。県産カキのさらなるブランド強化のために、業界一丸となった取り組みが必要だ。ノロウイルスに対する厳しい検査体制も当地の大きな特徴。GI登録も含めて生産者、仲買人、流通関係者が一丸となって取り組んでいきたい」と話した。

(みなと新聞 2017年9月26日の記事より)

ヒラメ 緑色LEDで成長促進 重量2割上回る 大分県が稚魚で実証試験

【大分】ヒラメ稚魚(中間魚)に緑色LED光を照射しながら育てると、自然光に比べて重量で2割以上大きくなることが、大分県の実証試験で分かった。LED照射区のヒラメは活発な行動を見せ、餌食いが良く、摂餌量も多かった。
県、現場普及へ意欲
県農林水産研究指導センターは、6月6日から8月21日までの77日間、津久見市の深良津二世養殖漁業生産組合(竹尾久信組合長)で、緑色LED光の照射によるヒラメ中間魚の成長促進効果を検証する試験を実施した。試験開始時のヒラメの重量は1尾平均20㌘。照明器具メーカーのスタンレー電気(東京)の緑色LED灯(波長518㌨㍍)を毎日12時間照射した区と、自然光のみの対照区で比較した。試験終了時の平均重量はLED照射区が157.8㌘で、自然光区の127.2㌘に対して1.24倍と有意な差が出た。また、増肉形数はLED照射区0.81に対し自然光区0.90となり、餌料効果でもLED照射区が上回った。緑LEDの照射による成長促進は、メラニン凝集ホルモンが食欲増進につながったなどが要因とみられる。県の試験に協力してきた竹尾組合長は、「成長促進につながった結果から、器材が安く購入できれば導入したい」と強い関心を示した。県は今後、出荷サイズ(約800㌘)までの成長試験を計画しており、LED光の効率的な照射方法や飼育水槽の適正環境維持などの検討を進め、養殖現場への普及を目指す。県はヒラメ養殖の収穫量は650トン(2015年)で、鹿児島県の670㌧とともに全国の4分の1を占める。10年ごろは倍の約1300トンあったが、割安な韓国産養殖物に押され、また、クドア食中毒の発生で量販店の扱い減少、トラフグへの魚種転換などで収穫量が落ちてきた。

(みなと新聞 2017年9月20日の記事より)

養マグロ産卵制御に道 東京海洋大吉崎教授ら 量産へ「食べるホルモン」

クロマグロの完全養殖・量産化で最大の課題となっている産卵を完全にコントロールできる可能性が出てきた。東京海洋大の吉崎悟朗教授らのグループはこのほど、魚の産卵を誘発するホルモンの腸管吸収を促すペプチド(タンパク質)の開発に成功した。
吸収促すペプチド開発
クロマグロの近縁種であるサバやスマに同ペプチドと成熟誘起ホルモンを混ぜた餌を与え、産卵することを確認。今後、課題の多いクロマグロの完全養殖でも、餌を与えるだけで産卵の管理ができるようになる可能性がある。研究を行ったのは、同大吉崎研究室(指導教官・吉崎教授、博士課程4年の雨澤孝太朗氏ら)グループ。2011年に研究を始め、14年にホルモンの経口投与による産卵誘発などの内容を含む特許を取得した。今回、成熟誘起ホルモンの小腸吸収を促すペプチド「改変型ペネトラチン」を開発。このペプチドとともに餌としてホルモンを与えることで、ホルモンが小腸の上皮細胞から取り込まれ、効率的に血中に吸収されることを確認した。サバの場合、ペプチドとホルモンを混ぜた餌を与えたとき、ホルモンのみを与えた場合と比べ、投与30分後で血中ホルモン量は10倍に増加。16年5月にサバ、スマで投与3日以内の産卵を確認した(特許申請中)。通常、成熟を誘発するホルモンは腸管から吸収されず経口投与では効果がほとんどない。このため現在、養殖魚に直接注射を行って産卵を促すのが主流となっている。ただ、成熟したクロマグロは60~100㌔と大きく生きたまま捕まえると急速に弱るため、ホルモン注射は困難。産卵量や産卵日の予想や調整が難しいのが課題だった。
良質受精卵確保へ
吉崎教授は、ホルモンを餌に混ぜることで注射などの負担がなく「質の良い受精卵が取れる」と説明。今後、「産業レベルで利用できる技術開発を目指す」と吉崎教授。海外の研究グループとの産学連携も視野に入れる。水産研究・教育機構によると、特に陸上養殖では、狭い飼育環境によるストレスなどが原因でクロマグロの雌の成熟率が悪いという。同大の竹内俊郎学長は今回の研究成果について、「今後、陸上養殖の場でも活用できるかもしれない。こちらから推していきたい研究」と期待を寄せる。

(みなと新聞 2017年9月19日の記事より)

【近大水研】持続可能へ種苗認証制 世界視野に“日本版”12月創設

【大阪】近畿大学水産研究所は12月に、海産人工種苗を用いた養殖魚の持続可能性を担保する認証制度を創設する。正式名称は「持続可能な水産養殖のための種苗認証制度」。認証要求事項、原則、基準のファーストドラフト(原案)を現在作成し、説明会を開催。今後、専門家間での吟味とパブリックコメントを募集し、10月末には内容を完成させる計画。近畿大学世界経済研究所の有路昌彦教授は「研究所では10年前から制度を構想していた。日本から世界的に認められ、本当の意味でサステナブルを担保する認証制度をつくる」と話す。同制度創設の背景には、水産物を輸出する場合、「持続可能を示す認証商品であること」がハードルになっていることがある。世界的に水産資源の減少が顕著で、持続可能性を示す商品でないと扱わない小売企業が増えつつある。世界市場に対応する持続可能性を示す認証を国内で確立し、認証商品を増やす必要があるため。持続可能な水産物を提供する上で、人工種苗の果たす役割は大きい。世界人口が急増する中、水産物の需要の拡大から天然水産資源に対する漁獲圧が高く、養殖が持続可能な水産物供給を可能にすると期待されているため。しかし、天然種苗を使った養殖では資源に影響がある。種苗を天然資源に頼らない人工種苗を用いることで、資源の持続可能性を担保できる。人工種苗は必要な量の種苗を人間の手で生み出すため、天然資源に影響を与えないからだ。また、選抜育種などにより餌の節約、薬の使用低減、生産物価格の安定などにつながり、養殖業者の経営が安定化する。
種苗業界も支持
同制度を創設するため近畿大学らは、7月にNPO法人持続可能な水産養殖のための種苗認証協議会(SCSA)を立ち上げ、10月中旬に登記する予定。同協議会の理事長に同研究所所長の升間主計教授が就いた。制度の運営は同協議会が務め、認証機関(認証会社)が種苗業者や養殖業者を審査して認証する。加工・流通業者についてはCoC認証とする。8月上旬に広島県尾道市であった「第15回種苗生産技術交流会」で、有路教授は人工種苗の認証制度について講演。「出席した種苗業者や養殖業者からはこのような認証制度を待っていた、やっとつくってくれたとの反応があった。反応が良くて驚いた」と有路教授。今後は水研機構とも連携していく。

(みなと新聞 2017年9月14日の記事より)

IUU流通リスクにウナギ WWFが国内動向を分析

世界自然保護基金(WWF)ジャパンは日本の水産物市場を対象に、違法・無報告・無規制(IUU)漁業産品が流通する可能性の高さを魚種別で分析し、7日に公表した。リスクが高いと評価したのはウナギ類、ヒラメ・カレイ類、サケ・マス類など。高リスクの魚種を中心に、流通経路のトレーサビリティー不足や魚種分類のあいまいさを指摘し対策を提言した。最もIUU産品が流通する可能性の高い魚種としてウナギ類を挙げた。採捕者の身分証明制度などが不十分で、IUU物でないという証拠を示せていないとした。またウナギの種類が区別されず取引され、どの種のウナギがどの供給源からきているか不透明なことから、IUU産品が混入しやすいとも指摘した。
「トレーサビリティー確立を」
ヒラメ・カレイ類やサケ・マス類についても、魚種や個体群ごとの区別がつけられていないことからIUU産品や持続的でない産品が混入しやすいと分析した。加えて、日本政府が多くの魚種に対し輸入品へのトレーサビリティーを求めていないことから、漁獲、加工、流通などどこかの段階でIUU産品が混入しても、混入を認知したり混入源を特定したりできないと懸念。「欧州連合(EU)や米国のように、全ての水産製品に魚種の証明や流通経路のトレーサビリティーを確保すべき」と提言した。WWFは日本で生産量・輸入量の多い50魚種に対し、簡単な方法でIUU産品が混入する危険性を分析。危険の高い10魚種について詳細な評価を行った。詳細はWWFウェブサイトhttps://www.wwf.or.jp/activities/2017/09/1383007.htmlで確認できる。

(みなと新聞 2017年9月12日の記事より)

【今鰻年度輸入】かば焼き前年度並み1.4万㌧ ジャポニカ種60%、米種35%

今鰻年度(2016年9月~17年8月)のかば焼き輸入量は、ほぼ前年度並みの1万4340㌧前後になったとみられている。うち、ジャポニカ種約60%、注目のロストラータ種(米種)が35%になったもようだ。今年度の輸入では、ワシントン条約(CITES)で輸入が規制されている欧州種(アンギラ種)が減り、これに代わって中国で育った米国種のロストラータ種が増加した。昨年9月から今年7月までの輸入は中国からの1万3569トンなど1万3840㌧。前年同期に比べそれぞれ4%増加している。8月の輸入は、先安観がある中で約500㌧にとどまったとみられ、鰻年度の輸入量は約1万4340㌧前後となったとみられている。当初、欧州種輸入が減少する見通しの中、今鰻年度の輸入は1万2000㌧程度とみられていた。しかし、ロストラータ種の中国での養殖生産の増加で搬入は予想を上回る結果となった。輸入業者は1万4000㌧強の輸入量のうち、ジャポニカ種かば焼きの数量を約6割の8600㌧とみる。これに対してロストラータ種は約35%の5000㌧と推定。5%の800㌧弱を欧州種とみている。輸入量は当初見通しより多かったが、繰り越し在庫は少ないとみている。輸入されたかば焼きのサイズアソートは太物の比率が多く、当初販売が懸念されていたロストラータ種も含めて太物を中心に好調な売れ行きだったことで、輸入業者や中間流通業者の手持ち在庫は少ないとみられている。

(みなと新聞 2017年9月6日の記事より)

【近大生まれのマダイ発売】生産履歴表示で安心PR イトーヨーカ堂

イトーヨーカ堂(東京都千代田区、三枝富博社長)は4日、「顔が見えるお魚。近畿大学生まれの真鯛」を全国のイトーヨーカドー約150店で発売した。近畿大が生産した稚魚をイトーヨーカ堂が契約している業者で育てる。「顔が見えるお魚」は同社のプライベートブランド。既にマダイやヒラメなどを発売している。生産履歴がわかることから、消費者の安全・安心につながるとする。同商品は完全養殖マダイとして販売する。完全養殖マダイは一般に流通しているが、完全養殖を売りにする商品は珍しい。同社は「消費者の環境に対するイメージが高まっている」とし、これまでの安心・安全に加え、環境への配慮をアピールする。「現在販売中の『顔が見えるお魚』の養殖マダイに比べて1割の売り上げ増を見込む」と同社。価格は100㌘当たり税込み598円で、通年販売する。

(みなと新聞 2017年9月6日の記事より)

【みやぎサーモン】押し寿司に 銀ざけ振興協 JR東日本 仙台駅で販売開始

【仙台】今年5月、国の地理的表示(GI)保護制度の登録を受けた宮城産養殖ギンザケ「みやぎサーモン」を使った駅弁(押し寿司)が1日、JR仙台駅で販売を開始した。さっぱりした脂が特徴のみやぎサーモンのうま味を生かすため、酢飯に使う酢の量を抑えるなど工夫を凝らした。みやぎ銀ざけ振興協議会とJR東日本グループが共同開発したもの。価格は1100円(税込み)で6000食限定。同協議会の小野秀悦会長(JFみやぎ代表理事理事長)は「弁当の販売を通じ、ブランドをさらに売り込んでいきたい」と話した。同日には小野会長の他、JR東日本仙台支社の酒井究支社長、日本レストランエンタプライズ仙台支店の鈴木重敏支店長らが宮城県庁を訪れ、村井嘉浩知事に弁当開発の経緯を説明し、「みやぎサーモン押し寿司」の販売開始を報告した。早速、押し寿司を試食した村井知事は、「酢飯と相性抜群でおいしい。全国、世界から宮城を訪れる人にぜひ味わってもらいたい」と期待を込めた。

(みなと新聞 2017年9月6日の記事より)

【完全養殖マサバ】 今期4倍4万尾販売へ 九州大と唐津市開発 抜群の脂のり刺身用

【佐賀】九州大と佐賀県唐津市が共同開発した完全養殖マサバ「唐津Qサバ」の出荷が9月中旬以降に始まる。今年度は前年度比4倍の4万尾を佐賀玄海漁協(唐津市)を通じて販売する予定。同漁協の青木茂業務部長は「地元客や観光客を中心に売り込み、地域活性化に貢献したい」と意気込む。完全養殖マサバは唐津市の活性化のため市と九州大が行う「新水産資源創出研究プロジェクト」(2012~18年度)の一環で開発。14年度に初出荷が実現した。両者でつくる唐津市水産業活性化支援センターが生産した人工種苗を地元の養殖業者が育て、佐賀玄海漁協がとりまとめて販売する。毎年5~6月に採卵し、翌年9月に出荷している。完全養殖マサバの特徴は安定した脂ののり。天然マサバの脂質が平均10%なのに対し、養殖は25%ある。配合飼料で一貫して育てるため食中毒の原因となるアニサキス(寄生虫)はほとんど付かない。活魚で出荷でき、新鮮なまま刺身で食べられる。
成魚歩留まり5割弱
出荷量は年々増加。14年度の3000尾から、15年度6000尾、16年度1万尾、今年度は一気に4万尾となった。「採卵を増やしたこと、養殖業者の人工種苗を育てる技術が上がったことが大きい」(佐賀玄海漁協)。卵から種苗への歩留まりは2割、種苗から成魚への歩留まりは5割弱で、「今後さらなる向上を目指す」(唐津市水産業活性化支援センター)。主な販路は唐津市内の飲食店や量販店。1尾1000円前後(400㌘アップサイズ)の卸売価格で販売している。昨年は市の公募で完全養殖マサバの愛称を「唐津Qサバ」と決定。知名度は向上しており、「最近は関東の飲食店からも問い合わせがある」(佐賀玄海漁協)という。

(みなと新聞 2017年9月5日の記事より)

【日本鰻輸入組合】シラス取引透明化へ 台湾との交渉打開支援

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は23日開いた夏の総括・情報交換会で、ニホンウナギのシラス(稚魚)国際取引の透明化の取り組みを全面的に支援することを確認した。ニホンウナギは漁獲の減少が続く一方、シラス採捕量も低い水準が続き、2014年に国際自然保護連合が絶滅危惧種に指定。昨年9月のワシントン条約締約国会議で商業取引規制の対象となる付属書掲載が懸念された。結果的に付属書掲載の提案は行われなかったが、欧州連合(EU)が生態や取引実態調査の実施を求め、日本を含む全会一致でこの提案を採択した。国際取引の中で問題視されているのが香港からのシラス輸入。香港はシラス採捕を行っておらず、日本が輸入するシラスは中国本土もしくは台湾から香港に密輸出されたシラスとみられている。水産庁は、国際取引の透明化を図るため取り組みを進めている。日本はシラス(13㌘以下の稚魚)輸出を国内保護のため規制。輸出貿易管理令(貿管令)で承認期間を5月1日から11月30日までと定めている。台湾側は、日本の措置に対抗しシラスの日本への輸出を禁止してきた。水産庁は、貿管令を撤廃して全面的に貿易の自由化を図る考えで、台湾と交渉しているが、日本が先に貿易規制を行ったことなどを理由に難色を示し、交渉は進んでいない。森山理事長は情報交換会で、2年後のワシントン条約の行方を懸念。ウナギの持続的利用で中心的役割を担う全日本持続的養鰻機構の賛助会員になっていることもあって、台湾との交渉をサポートし、国際的取引の透明化に協力していく考えを強調した。ウナギは国際的に資源が減少。07年にはヨーロッパウナギがワシントン条約付属書Ⅱに掲載され、商業取引が規制されている。

(みなと新聞 2017年8月25日の記事より)

ウナギかば焼き輸入1.4万㌧へ 前年度並み 今夏販売は前期超え

今鰻年度(2016年9月~17年8月)のかば焼き輸入量はほぼ前年度並みの1万4000㌧の見込み。23日の日本鰻輸入組合の情報交換会で報告された。来シーズンはジャポニカ種の供給が増える。会合では国産かば焼きの末端小売価格を長焼き1尾1480円と予想。近年では最安値で、来期に向けたかば焼き輸入価格はかなり抑えられる形になる見通しだ。昨年9月から今年6月現在のかば焼き輸入量は、中国産の1万2021㌧など1万2266㌧、ロストラータ種(アメリカ種)の搬入がまとまったことで予想を上回る数量となった。7、8月の2ヵ月の輸入は約2000㌧と予想されており、鰻年度では1万4000㌧強とほぼ前年度(1万4516㌧)並みの見通し。国内の今夏の輸入かば焼き販売は厳しかった昨年と比べると改善した。中心の中国産ジャポニカ種販売は外食など含めて前年を上回る。量販店・スーパー関係は、アニサキス問題で生鮮品の売れ行きが落ち込み、これに代わるアイテムとしてかば焼きに注力。販売増の追い風になった。懸念されたロストラータ種の評価も問題なく、会議では来期も引き続き中国からの供給を期待する声が聞かれた。今期のジャポニカ種シラス採捕が前期を上回ったことで、来鰻年度のジャポニカ種かば焼きの供給は増える。国内かば焼き加工は今期、製品ベースで約7000㌧。9月から11月にかけ、来期に向けた加工が始まる。国内の新仔池上げ価格は供給増を背景に、丑(うし)の日前から下げに入った。加工向けの価格も近年では最安値となり、会議は来シーズンの国産かば焼きの末端小売価格について長焼き1尾(有頭50尾)1480円と予想。「これに対抗して中国産を手当しなければならない」との声が聞かれた。

(みなと新聞 2017年8月25日の記事より)

生食振るわず4%減 ウナギかば焼き国産好調 スーパーマーケット協

中堅スーパーで組織する日本スーパーマーケット協会によると、傘下55社4619店舗の7月水産品売上高(既存店ベース)は前年同月比3.8%減だった。前月に続きアニサキス報道の影響による刺身を中心に生食商材の販売が振るわなかった。ウナギかば焼きは相場が前年より1割ほど安かったため、国産を中心に好調に推移。スルメイカは入荷減により前年割れ。総菜は1.1%増。気温が高かったため、冷やし中華やざるそばなどの販売が好調に推移。家庭で火や油を使わずに済む天ぷらや、唐揚げ商品が売り上げを伸ばした。

(みなと新聞 2017年8月24日の記事より)

7年連続増産4.8万㌧ 世界養マグロ 日本が国別出荷トップ

今年度(2017年4月~18年3月)の世界養殖マグロ生産量(ラウンド、出荷量ベース)は前年度比1割増の4万7540㌧と7年連続で前年度を上回りそうだ。大西洋の天然資源回復から畜養物の出荷は増えるが、赤身の代替需要の増加から相場は強含みで推移するとの見方もある。
資源回復の地中海も増
商社によると出荷量が増えるのは地中海と国別でトップの日本。地中海は大西洋クロマグロの漁獲枠増から畜養物の出荷が増え、各国2割ほどの増加を見込む。ただ、日本への搬入量は「増えない」と商社はみる。品薄が続くメバチ、キハダの代替商材として養殖クロマグロの引き合いが増えているため。日本産の出荷量は3割増の1万3000㌧となる見通し。「1万3000㌧以上の生産量はあるが、値崩れを防ぎたい生産者は出荷を抑えるだろう」(商社)との見方。国産マグロも赤身の代替需要増から相場は強含むと予想する。豪州ミナミマグロ出荷量は1割減の7000㌧。前年までの生産増から相場が下落。利益減から生産者が出荷を控えているため。日本への搬入量も減る見通し。各国の出荷時の中心サイズ(GGベース)はクロアチアが1本65~75㌔。その他地中海産が240㌔、国産は40~50㌔。今後国内の養殖マグロ供給量は「赤身次第」と商社は話す。国内刺身マグロ供給量の過半を占めるメバチ、キハダなどの赤身は現在深刻な品薄状態が続いている。世界的な日本食ブームなどの需要増に加え、漁が振るわないからだ。赤身は品薄高から養殖マグロとの値差が縮まり、赤身の代替需要として養殖マグロを選ぶ動きが出ている。「今後も赤身の品薄が続くようであれば、国内の養殖マグロ供給量は増えるだろう。一方でメバチ・キハダの漁獲量が上向けば、養殖マグロの供給量は減る可能性もある」(同)

(みなと新聞 2017年8月23日の記事より)

長崎松浦市の赤潮へい死 養フグなど50万尾 10日で倍 7月末発生 被害額は5億円以上

【松浦】長崎県松浦市の伊万里湾で7月下旬から発生している赤潮被害が大幅に拡大している。市によると、17日午後5時現在、トラフグやクロマグロなどの養殖魚のへい死被害は約50万2800尾に及び、被害尾数は10日間で倍になった。被害額は5億円以上と推定される。
フグ9割が当歳魚
同湾の赤潮は7月27日に湾南部で確認。その後は湾北部の鷹島海域や星鹿海域に広がっている。同日現在の同湾養殖魚の被害はフグが最も多く、約43万2000尾がへい死。内訳は当歳魚が9割を占め、2歳魚が1割。養殖マグロは当歳魚2000本、2~4歳魚800本の合計2800本。ハマチは、2歳魚が2万9000尾▽ヒラスは当歳魚8000尾に加え2歳魚が1万3000尾▽カンパチは当歳魚1万3000尾と2歳魚500尾▽マダイが2歳魚1000尾▽シマアジが2歳魚3000尾-となっている。市は緊急対策本部を設置し、県と国に養殖魚の再生産へ支援を求める方針。同湾を管内とする新松浦漁協(志水正司組合長)は8日、緊急の対策理事会を開き行政と協力し被害状況を把握、赤潮防除剤の調達と散布などに取り組んでいる。同漁協管内は例年、60万尾を出荷する養殖フグの最大クラスの産地。同漁協の下松哲理事(同養殖トラフグ部会長)は管内養フグの被害状況について「2歳魚の被害は比較的少なく、今秋出荷への影響は今のところ小さい」と説明する。しかし下松理事は例年、約90万尾の養フグ種苗を投入する管内で既に約3分の1の種苗がへい死したことを受け、来年秋の出荷量を懸念。「赤潮収束後に新たな種苗を投入、来春は中間魚を導入する予定。取引先が必要とする養フグ尾数を確保するよう既に種苗探しを始めている」養フグの主要産地である長崎県では近年、生産量が縮小ぎみ。その影響で九州北部の種苗生産尾数は減少傾向にある。下松理事は「熊本など近県の種苗業者や生産者に呼びかけ種苗確保を進めているが、今のところ成果はない」と説明する一方、「生産量復活に向け最大限の努力をする予定だが、それでも及ばない収入減については行政支援を願う」と話す。

(みなと新聞 2017年8月23日の記事より)

完全養殖マグロ11月出荷 フィード・ワンとの合弁 初年度60㌧目標

【極洋】極洋(今井賢司社長)とフィード・ワン(横浜市、山内孝史社長)は16日、合弁会社の極洋フィードワンマリン(愛媛県愛南町、林泰史社長)が11月に完全養殖クロマグロの出荷を始めると発表した。ブランド名は「本鮪の極 つなぐ〈TUNAGU〉」。2017年度に60㌧、18年度に200㌧の出荷を計画し、海外展開も視野に入れる。同マグロは極洋と配合飼料のトップメーカーのフィード・ワンがタッグを組み開発。養殖生産と飼料開発を一体的に進めることで、「両社のノウハウにより、クロマグロが本来持つ色目、身質、風味にこだわった高品質な完全養殖クロマグロとなった」(極洋)。同社の完全養殖は約3年程度で1本40㌔ほどの出荷サイズに育てる。サイクルでは1カ月ほど陸上水槽で飼育した後に沖出し。海面イケスでの中間魚飼育を8~9カ月行い、さらに広いイケスに移して2年から2年半をかけて育てる。11月に販売を始めるのは14年に沖出ししたマグロ(1本40㌔前後)。15年魚は順調に成長すれば、来春にも出荷する予定だ。「本鮪の極」は極洋グループが09年から出荷している養殖マグロのオリジナルブランド。「つなぐ」は天然資源の負荷軽減と持続可能性(資源をつなぐ)、完全養殖のサイクル(次世代につなぐ)、四国西南部での一貫生産体制(同一エリア内でつなぐ)、極洋とフィード・ワンの連携(事業をつなぐ)、海外販売展開(世界につなぐ)の意味を込め、命名した。

(みなと新聞 2017年8月17日の記事より)

【讃岐さーもん5割増産へ】出荷好調 来年10万尾超を計画 香川県漁連集計

【高松】香川県漁連によると、讃岐さーもん(瀬戸内海で養殖するトラウトサーモン)の2017年4~5月の出荷尾数は前期比6割増の7万5000尾だった。今年12月の種苗池入れ尾数は12万尾を計画。18年の出荷尾数は5割増の約11万尾を見込む。11年に香川県で養殖が始まった讃岐さーもんの集荷尾数は12年に4000尾で始まり、13年7000尾▽14年1万5000尾▽15年は3万5000尾▽16年4万7000尾-と順調に生産を拡大。17年の出荷尾数は7万5000尾で前年を大幅に上回った。一方で、種苗導入量の確保や馴致方法、選別、歩留まり、サイズアップ(2㌔サイズの安定生産)などいくつかの重要な課題を残している。今後こうした課題をクリアしながら生産規模の拡大、ブランド認知度向上と全国的な販路拡大を図り、県内魚類養殖業者の収益向上を目指す方針だ。

(みなと新聞 2017年8月16日の記事より)

【チョウザメ養殖に異業種参入:山口】今秋キャビア試験生産 3年後3000尾計画 太陽光発電の長州産業

太陽光発電システムなどを手掛ける長州産業(山口県山陽小野田市)はキャビアの生産を目指し、チョウザメの養殖事業に参入した。今秋にもキャビアを試験生産し、同県下関市にチョウザメ料理を提供するアンテナショップも出店する計画。岡本晋社長は「山口の新たな名産ブランドに育て、地域創生につなげたい」と意気込む。県水産振興課によると「県内でのチョウザメ養殖は例がなく初の事例」という。異業種参入のきっかけは今年6月に逝去した創業者の岡本要会長の「山口産キャビアへの夢」。昨春から研究に着手し、同10月までに下関市などに飼育場を開設。県栽培漁業センターや県水産研究センターなどから技術指導を受け、現在は購入した稚魚や幼魚計400尾を陸上の淡水水槽で養殖する。今月下旬までに約1200尾に増やし、3年後には約3000尾まで引き上げる計画。チョウザメは成魚に成育して採卵できるまで7~8年かかるとされる。キャビアの本格生産はまだ先だが、抱卵した雌の成魚を導入して10月ころから試験生産に着手。来年初以降にキャビアの販売を目指す。同時期に下関市に飲食店を併設したアンテナショップをオープンし、観光客をターゲットにチョウザメ肉のメニューなどを提供する。今後は事業拡大に向け、廃校になった空き校舎を利用し、養殖場の増設も検討する。地下水が豊富などの条件を満たせばプールを水槽として活用するなどして生産規模の拡大を目指す。すでに下関市、美祢市などに打診していると話す。

(みなと新聞 2017年8月16日の記事より)

【近大】養マサバとマイワシ料理 期間限定、直営2店舗で提供

【大阪】近畿大学の養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」は1日から9月中旬まで、同大学が養殖したマサバとマイワシの料理を初めて試験的に提供する。大阪店と銀座店の2店舗で、ディナー用の特別メニューを1日10食限定で提供する。同大学は「お客さまの反応を研究にフィードバックしていきたい」と話す。提供する料理は「近大産完全養殖マサバのお造り」(税抜き800円)、「近大産マイワシの唐揚げ」(同600円)。2店舗でマサバ約800尾、マイワシ約4000尾を仕入れる予定。マサバは入荷尾数で提供する料理の数が変わる。同大学のマサバの養殖研究は、同じサバ科のクロマグロの種苗生産技術の向上を目的に、1999年から本格的に始まった。2002年に完全養殖に成功。成育環境などの研究を続けたことで、天然魚よりも脂ののりが良くなったという。現在も研究中だ。マイワシは90年に卵からの人工ふ化に成功した。10年からは養殖用餌料として、特に近大マグロの餌料の一部を自家生産する目的で、完全養殖の研究を始めた。食用の養殖研究にも取り組んでおり、今後は安定生産と完全養殖の技術開発を目指す。

(みなと新聞 2017年8月16日の記事より)

養フグ26万尾へい死 長崎県松浦で赤潮被害

【松浦】長崎県松浦市は7日、伊万里湾で7月下旬から発生している赤潮で新松浦漁協(志水正司組合長)管内の養殖トラフグや養殖クロマグロなどの養殖魚約27万1800尾がへい死、被害額が数億円に上ると発表した。同市は緊急対策本部を設置し、県と国に養殖魚の再生産へ支援を求める方針。同湾の赤潮は7月27日に確認され、8月7日現在は鷹島海域や星鹿海域に発生海域が移っている。6日午後5時現在の養殖魚被害はフグ約25万5000尾、マグロ約2800尾などで被害額は数億円に上るとみられる。中でも被害が大きい養フグは同市鷹島地域で当歳魚が14万尾、2歳魚1万3000尾がへい死、同市新星鹿地域では当歳10万尾、2歳2000尾がへい死した。新星鹿地域では養マグロ当歳が2000尾、2~5歳800尾がへい死した他、ハマチ2歳1万尾、ヒラス2歳4000尾が死ぬなど被害が大きい。同漁協は8日、緊急の対策理事会を開く他、市は漁協と協力し被害状況を把握、赤潮防除剤の調達と散布などに取り組む。「甚大な被害がでるのは明白。生産者の収入減を補填(ほてん)するよう緊急支援を国や県に強く要望する」と同漁協。

(みなと新聞 2017年8月9日の記事より)

「仔魚用餌の開発を」大規模水槽も急務 水研機構 ウナギ完全養殖へ課題整理

水産研究・教育機構ウナギ種苗量産研究センターの田中秀樹量産基盤グループ長は22日、東京都内でニホンウナギの完全養殖技術について講演した。今後の課題として、仔魚用の餌作りや水槽開発を掲げた。田中グループ長が最大の課題に挙げたのが、仔魚用の餌の開発。ウナギ仔魚は、ワムシなど他魚種仔魚用の飼料にあまり興味を示さない。水研機構はサメの卵を主原料とする餌で餌付けに成功したが、サメ卵は数量が限られ調達コストが高く、水槽の底面や壁を汚しやすい。代替原料の模索が続いており、仔魚が好むものを見つけつつあると報告した。餌の原料だけでなく、与え方も課題に。現状はドロドロした水溶性の餌を水槽の底に置いて与えている。「今の餌は水底にいる仔魚にしか与えられない。開発のめどは立たないが、中層を泳ぐ仔魚が食べられるよう、水中を漂うタイプの餌を開発したい」(田中グループ長)。漂うタイプの餌ができれば、今の餌と違い、食べ残しが水槽の底や壁にこびりつくことも減る。こびりついた食べ残しは汚れとして仔魚の健康を損なうため、それを防ぐ意味でも餌の開発が急務だという。こびりついた汚れをこまめに掃除するため、現状の仔魚水槽は扱いやすい小型サイズが中心。ただ、サイズが小さければ飼育尾数を増やせず、生産単価も下げられない。飼育尾数を増やしつつ効果的に水替えできるよう、水槽の開発も重要課題とした。また、田中グループ長は講演後、「“漂うタイプ”の餌を開発でき掃除頻度を下げられる際には、より大規模な水槽の開発にも取り組む必要がある」と述べた。講演は東アジア鰻学会が開いた公開シンポジウム「うな丼の未来Ⅴ」の一環。約300人が聴講した。
研究成果発表も
研究者によるポスター発表では、利根川水系で生息地点ごとのウナギの種類の違いを分析した東京大の新井考磨氏、口頭発表では海中に漂うDNAを分析しニホンウナギの産卵場や産卵時期を解析した日本大の竹内綾氏がそれぞれ優秀発表として表彰された。

(みなと新聞 2017年7月28日の記事より)

東南亜ウナギ管理強化へ SEAFDEC ビカーラ種など対象

東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日本でつくる東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)は8月、「東南アジアにおける熱帯性アンギラ種ウナギの持続的利用と管理体制の強化プロジェクト」を実施する。日本に多く輸出されているビカーラ・ビカーラなどが対象になる。同種は2019年開催予定のワシントン条約(CITES)第18回締結国会議で管理対象種とされる懸念がある。同センターは漁業や養殖の生産実態を明らかにし、管理体制を整備。同種が管理対象種となるのを回避したい考えだ。養殖技術の開発・普及を通じた同種の生存率向上も目指す。事業費は2年間で84万2853米㌦。ASEAN共同体設立や域内格差是正などを目的とする「日ASEAN統合基金」から資金が支出される。プロジェクトの対象となるのは、日本に多く輸出されているビカーラ・ビカーラやビカーラ・パシフィコ、アンギラ・セルベンシスなど熱帯性アンギラ8種。プロジェクトではシラスや成魚の漁獲量を統計データとして収集。養殖生産量も調べる。ASEAN加盟国の関係者を対象としたワークショップや地域会議を開催し、同種の資源管理体制の強化を図る。
養殖技術の開発も
養殖技術の開発はフィリピンの研究所で行う。「シラスからクロコになるまでに、小規模養殖業者では相当数死んでしまう」(同センター)。向上した養殖技術を普及し、シラスからの生存率を高めたい考え。

(みなと新聞 2017年7月27日の記事より)

【築地市場】活ウナギ販売ピーク 1割安も数量例年並み

【築地】25日の土用の丑(うし)の日に向け、築地市場は24日に活ウナギの販売のピークを迎えた。同日の相場は産地の単価安を受け前年同期比1割安だったものの、販売数量は前年同期並みとなった。卸によると「毎年固定の仲卸に仕向けるため、取扱量は相場の変動の影響を受けなかった」という。メーンは愛知、静岡産の養殖物。サイズは1尾200㌘が主力だ。同日の中心卸値はキロ4000~3500円、上場数量は約2㌧だった。今後は「需要期を過ぎたため入荷が減り、相場も下がる」(卸)見通しだ。
丑の日前に商戦本番 少し安め、猛暑も追い風
25日と8月6日の「土用の丑(うし)の日」を前に、スーパーや百貨店でウナギ商戦が本格化している。今年、かば焼きなどは例年より少し安め。30度を超える猛暑日が続く中、夏バテ防止にウナギを買い求める人が増えそうだ。スーパー大手イオンは国産ウナギのかば焼き(1尾)を昨年より200円値下げし、1922円で販売。コンビニエンスストア大手ファミリーマートもうな重(半尾)を100円値下げし、1880円で販売している。水産庁などによると、ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの漁がシーズン初期に好調で、取引価格が低めに推移したことが背景にある。一方、三越日本橋本店ではウナギ専門店を中心に価格を据え置いた。コンビニのミニストップも前年並みとしたが、うな重などの予約状況は「昨年を上回るペース」(担当者)という。日本ウナギは資源量が減り、絶滅も危惧されている。このため代用食材の利用は今年も活発で、日本生活協同組合連合会(生協)は近畿大学が開発した養殖ナマズのかば焼きを初めて販売する。

(みなと新聞 2017年7月25日の記事より)

【水産庁】養殖参入の指針策定検討 企業手数料を透明化

水産庁は、養殖業への企業参入を促すため、企業や地元漁業者向けのガイドラインの策定を検討している。企業が参入の承諾を得られなかったり、手数料を求められてトラブルになったりすることがあるため、手数料の積算根拠を示すなどして手続きを透明化する。養殖をめぐっては、誰がどこに養殖場を造るか、漁場を譲る代わりにいくら支払うかといった問題が発生しやすい。企業からは「どうやって参入すればいいか分からない」「よく分からないお金を取られた」「漁協に提携を打診しても引き受けてもらえない」といった困惑の声が上がっているという。ガイドラインは、参入時の漁業者へのアプローチ方法や、企業が漁場を使うことによって生じる漁業者の損失を算出する根拠などを示す。漁業調整や漁業権の付与を担う都道府県にも、漁業者への指導の際にガイドラインを活用してもらう。企業は、漁協の代表者に参入を打診することが多い。しかし、漁協によって代表者の権限や合意形成の方法はまちまちで、なかなか同意が得られず、たらい回しになるケースもある。そこで水産庁は、県の商工部局や商工会を間に立て、マッチングしてもらう手法なども考えている。企業参入に関しては、以前にも企業側から「参入しやすい特区を作ってほしい」との要望があったという。ただ、水産庁幹部は「問題の本質は両者のコミュニケーションが取れていないこと。特区で企業が漁業者を押しのけるのでは問題は解決しない」と指摘。ガイドラインやマッチングで両者のコミュニケーションを円滑化し、漁場の共同利用を進める。

(みなと新聞 2017年7月25日の記事より)

関係業界の協力策議論 ウナギ保全へ東大でシンポ

東アジア鰻学会は22日、東京大弥生キャンパスで公開シンポジウム「うな丼の未来V」を開き、ウナギ資源の保全へ水産や建設業界、行政など多様な関係者の協力関係づくりについて議論した。各業界関係者など300人が聴講した。ニホンウナギ資源が減った理由として、乱獲や河川改修による生息環境悪化などが考えられている。シンポには、漁獲を管轄する水産庁や河川改修を管轄する国交省、環境省などの役職員が参加。総合討論の司会を務めた東京大の山川卓准教授は、「各利害関係者のコラボレーションが重要」と強調した。鹿児島県からは塩先尊志水産技師が登壇。県行政として2012年、養鰻業者と内水面漁連、県行政、シラスウナギ採捕団体、研究者らを束ね鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会を設置した経緯を説明した。同協議会は禁漁期延長などを決定。「協議会が機能したのは内水面漁連の協力が大きい。漁連が関係漁業者らにウナギ保全の必要性を訴えた。行政がシステムを作るのは大切だが、業界内に引っ張っていく人間が重要」と分析した。

(みなと新聞 2017年7月25日の記事より)

近大発ナマズが特別メニューに 同大経営の専門料理店で

【大阪】近畿大学の養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」は、土用の丑(うし)の日に合わせ23~25日の3日間、「近大発ナマズ」を使った特別メニューを提供する。今年で3年目。
23日からの3日間
23日と24日はランチ30食、丑の日の25日にはランチ30食に加えてディナー20食を大阪店と銀座店で販売する。メニューは、ランチの「近大発ナマズ重」が税込2200円、ディナーの「近大発ナマズ蒲焼」が同2000円。ランチとディナーは各日、なくなり次第終了する。「近大発ナマズ」は同大学世界経済研究所の有路昌彦教授が2015年に開発に成功した。水質と餌の工夫で、ナマズ特有の泥臭さを取り除き、ウナギに迫る脂ののりを実現した。

(みなと新聞 2017年7月24日の記事より)

関西加工ウナギ好販売の兆し 二の丑や盆、加熱需要も

【大阪】関西の量販店では、7月25日の土用の丑(うし)の日を過ぎた8月以降も加工ウナギの取り扱いが増えそうだ。卸値が昨年7月に比べ約1割安くなっていることに加え、猛暑とアニサキス食中毒の風評被害により加熱品の需要が高まっているためだ。8月に入り、二の丑(8月6日)と盆の需要もあり、「ウナギが売れる好条件がそろっている」(大阪本場卸筋)。丑を前にした21日現在、量販店の店頭売価は国産が1尾(160~210㌘)1380~1780円、中国産が1尾(290~330㌘)880~1280円。国産の価格が下がり量販店が値入れを取って売りやすいことから、「取り扱い意欲が強い」と卸担当者は話す。大阪本場では国産は10㌔50、60尾、中国産は30、35尾が主体。国産の産地は鹿児島と宮崎の各県が中心で、一部が愛知県となっている。中国産はロストラータ種が中心。大阪本場の卸筋によると、8月に入ると量販店では10㌔70、80尾の細物を1280~1380円の特売で販売し、取り扱い拡大を狙う。昨年は二の丑がなかったことに加え、国産の価格が高値で推移したため、8月以降に需要が減退。高値の在庫が余った。今年は注文が増えていることから「製品在庫が一掃されるのでは」と卸筋は話す。近年はウナギの価格が高く、若者のウナギ離れが進んでいる。「外食やコンビニのウナギも売れそうな雰囲気だ。若い人にもウナギを食べてもらえる機会になれば」と話している。

(みなと新聞 2017年7月24日の記事より)

【躍進する養殖事業 日本水産グループの挑戦】鹿児島でエビ陸上養殖 18年度に200㌧出荷

日本水産(東京都港区)の養殖事業が躍進している。2016年度の同事業売上高は約390億円。10年前に比べると2倍以上に増えた。16年11月からはフィージビリティースタディー(事業可能性調査)として、バナメイの陸上養殖を開始。04年に設立した子会社の黒瀬水産(宮崎県串間市)も年々養殖ブリの販路を拡大している。日本水産グループの養殖事業を取材した。(東京支社・山本一樹)
日本水産は16年11月から、エビの陸上養殖を始めた。事業化に向けた調査として、鹿児島県南九州市頴娃(えい)町にある黒瀬水産頴娃種苗センターの隣に種苗施設を構えた。施設の広さは3㌶。3ユニットに分かれ、1ユニット内に稚エビ用の100㌧水槽が2基、育成用の400㌧水槽が3基備わる。3ユニット合わせて稚エビ用が6基、育成用水槽が9基あることとなる。現在4ユニット目を建設中で今秋にも完成する予定だ。4ユニット目が完成すれば、年間200㌧のバナメイが生産できる。施設の中は非公開だった。理由を聞くと「エビの陸上養殖はちょっとしたアイデアが生産性の向上につながる。難しい技術ではないが、そのアイデアは公開できない」(日本水産)とのことだった。説明によると、まず親エビを米国ハワイから輸入。中央研究所大分海洋研究センター(大分県佐伯市)で採卵し、幼生まで育てる。20日ほど育てるとPL10と呼ばれる体重約1ミリグラムの幼生まで育つ。PL10は頴娃町の施設に移し、3か月かけて出荷サイズの1尾20㌘まで育てる。PL10から出荷までの生残率は6割程度という。池揚げした後は枕崎水産加工業協同組合(鹿児島県枕崎市)内に設置した加工場で包装して出荷する。「白姫えび」と名付け、今年2月から出荷を始めている。16年度は3㌧を出荷し、17年度は80㌧、18年度は200㌧の出荷を目指す。
価格1.5倍でも売れる
「白姫えび」は生食が可能で、将来的には生鮮での流通も検討している。試食すると外側は弾力ある食感だが、かめば生エビ特有のねっとり感がある。臭みはなく甘みを感じた。「白姫えび」を提供する和食料理店は「普段提供しているほかの生食エビと比べて価格が1.5倍でも十分販売できる価値はある」と話し、築地卸は「甘みが強いのが特徴。国産をアピールできるのが強み」と評する。水槽の水温は29度で管理しており、取材した7月上旬ならほぼ加熱・冷却なしで循環できる。ただ冬はボイラーで海水を加熱するため生産コストは上がるという。今後は年間を通じていかに生産コストを抑え、国産と生食可能という付加価値をアピールできるかが事業化の鍵となりそうだ。

(みなと新聞 2017年7月20日の記事より)

養マダイ高騰を危惧 産地、過去踏まえ「慎重に」の声

養殖マダイの産地相場が4月の値上げを機にアクセルを踏み込んだ。昨年キロ800~750円だった相場は、在池簿を背景に値上げを繰り返し現在、900円台に乗った。強含みでさらに値上げの可能性に対し、産地でも過去の高騰の反動を踏まえ、在池が増えるなどを危惧する声が出ている。養殖マダイの相場は、2015年秋から今春まで800~750円。それが6月に880~850円、7月には920円と上昇が続く。全海水で決めたマダイの養殖尾数は15年に4271万3000尾(前年比2%減)▽16年4058万7000尾(同5%減)▽17年4044万2000尾(同0.4%減)-と3年続けて減産の意思を示したが、この抑制的な養殖尾数設定の行方が問われる。大阪市場本場の3~5月の養殖マダイ取扱量が前年同期比6.7%増の968㌧に対し、平均価格は3月1007円(16円高)▽4月1018円(50円高)▽5月1033円(31円高)。一方、同じ時期の天然マダイ取扱量は32.5%減の337㌧だった。平均価格は3月933円(58円高)▽4月668円(129円高)▽5月651円(210円高)。天然マダイの取扱量は3割減少。平均価格は養殖マダイより約200円安い。品質と入荷量が安定することで評価されている養殖マダイ。しかし、カーブの前でブレーキを踏むタイミングを逃してはならないようにみえる。

(みなと新聞 2017年7月13日の記事より)

ウナギ池入れ上限、前年等量 17/18年漁期 日中台韓政府が発表

日本、中国、台湾、韓国の政府は11日、合同で「ウナギの国際的資源保護・管理に係る第10回非公式協議」の結果を発表した。11月~来年10月漁期の池入れ量上限を、前年までと等量とすることを初めて公式に発表。6月1~2日に開いた協議で、中国は参加しなかったが、池入れ量規制には引き続き取り組むことが決まった。ニホンウナギの種苗(シラスウナギ)養殖池入れ量上限は、日本が21.7㌧▽中国36㌧▽韓国11.1㌧▽台湾10㌧。来漁期もこの上限で各国・地域が管理する。国内の二ホンウナギシラス採捕量は1975年に96㌧あったものが2010年以降、5.2~17.4㌧に激減。資源が減ったためとみられ、資源管理の重要性が指摘される。生物学者からは現行の池入れ量規制に、「シラス採捕が比較的好調だった13~14年漁期から2割引いただけのゆるい値」「2割減に科学的根拠はなく、各国政府や養殖業者が合意できる値を与えただけ」「中国が池入れ制限の法制化を進めていない」など批判もある。

(みなと新聞 2017年7月13日の記事より)

【水研機構】ブリ養殖、振興・発展へ 福岡で勉強会、240人が参加

【福岡】水産研究・教育機構(宮原正典理事長)主催の第3回ブリ類養殖振興勉強会が10日、福岡市内で開かれた。ブリ類の人工種苗や育種、低魚粉飼料の最新の研究開発の他、海外輸出と物流に関する講演があり、生産、流通、加工、研究分野の関係者240人が参加した。宮原理事長は同勉強会の今後の対応について、研究開発の情報発信だけにとどまらず、資源管理・保護など環境面を切り口にした国内外への売り込みなど、業やビジネスとしての振興・発展に役立つテーマにも取り組むとした。
参加者「ビジネスに役立つ情報を」
講演では、ブリの人工種苗について同機構西海区水産研究所の藤浪祐一郎魚介類生産グループ長が、今年度から試験実施する「8月採卵、秋に種苗供給」の研究を紹介。「(この人工種苗を導入することで)2年魚の出荷端境期の4月に4㌔サイズを供給できる」と説明した。続いて、奥澤公一増養殖研究所種苗研究センター長がブリ、カンパチのゲノム解読と育種技術で成長が良く、病気に強いといった優良親魚を選抜する方法など紹介。今後の育種技術向上に関しては「同機構だけで近親交配を避けながら多数の家系(親魚)を継続的に飼うことは困難」とし、実際の養殖場を育種現場と位置付けるなど「業界が参加し、共同事業体として実践していくことが重要」と述べた。低魚粉飼料の開発について山本剛史増養殖研究所飼餌料グループ長が講演。特に摂餌性に関して「低魚粉飼料は摂餌性が悪いと聞くが、マス類に低魚粉飼料を与えて成長選抜すると摂餌性が改善された」との研究結果を紹介。低魚粉飼料の品質改善と同時に、それに適応した育種に取り組むことも必要と指摘した。また、海外でのブリ類市場などに関する情勢として、「米国の日本産養殖ブリ市場の構造の課題」でUSA Trading Consultantの西永豊光氏が、「国際間小口保冷輸送サービス・国際クール宅急便ブリの事例」でヤマトグローバルロジスティックジャパンの下簗亮一氏が講演した。勉強家参加者からは、国内外のマーケットや消費者ニーズにマッチした研究開発やビジネスに役立つ情報発信を望む声などがあった。

(みなと新聞 2017年7月12日の記事より)

日欧EPA大枠合意 輸出ブリ関税即撤廃 ホタテは8年かけ無税に

安倍晋三首相は6日、欧州連合(EU)と首脳協議し、約4年かけて交渉してきた日本とEUの経済連携協定(EPA)で大枠合意した。水産物は、EUが日本にかけていた冷凍ブリや水産ねり製品の関税を協定発効後、即時撤廃で合意。冷凍ホタテガイにかかる関税8%は段階的に減らし、発行後8年間で無税にする。一方、日本がEUの水産物にかける生鮮大西洋クロマグロの関税は6年、アジ・サバ類は16年かけて無税にする。今後、協定条文を作成・署名後、日本の国会と欧州議会の承認を得て発効時期を決定。協定発効後、関税撤廃や引き下げの措置が始まる。外務省は「発行時期は不明だが、できるだけ早く手続きを進めたい」とする。日本からEUへの輸出にかかる関税は、冷凍ブリフィレーの15%、水産ねり製品の20%を即時撤廃することで合意。現行関税8%の冷凍ホタテは8年をかけて撤廃する。2016年のEUへのホタテ輸出額は前年比10%増の35億円。EUへの水産物輸出額の46%を占める重要輸出産品の1つ。
輸入生大西洋マグロは6年後
EUから日本への輸入ではヒラメ・カレイ、大西洋サケや冷凍マスなどの関税を即時撤廃。EUからの水産物輸入額の約半分を占めるカツオ・マグロ類については、キハダ、冷凍メバチ、冷凍の大西洋クロマグロの関税を即時撤廃。太平洋クロマグロは11年、生鮮の大西洋クロマグロとクロマグロの冷凍フィレーは6年かけて無税にする。国内生産者の保護が課題とされていた干しノリ、コンブなどの海藻類は、関税撤廃・削減対象から「除外」で合意した。山本有二農水大臣は6日、大枠合意を受け「EU5億人の市場への農林水産物の輸出促進に向けた環境整備ができた」と談話を発表。合意結果を最大限に生かし、輸出条件の改善や国内の環境整備、国内外で消費拡大対策を行う意向を示した。

(みなと新聞 2017年7月10日の記事より)

【日本水産】エビ陸上養殖200㌧へ 18年度 事業化、新拠点視野

日本水産(東京都港区、大木伸介社長)は鹿児島県南九州市で進めているバナメイの陸上養殖について、2018年度に年産200㌧を目指す。18年度までに品質や生産コストのデータを集め、事業化を検討する。事業化する場合は鹿児島や宮崎で新たな生産拠点を設置することも視野に入れる。同社のバナメイ陸上養殖は昨年11月から開始。高密度養殖が可能となるバイオフロック式と呼ばれる方式を国内で初めて導入している。微生物で水を浄化するため、従来の循環式に比べコストが安い。生産したバナメイは今年2~3月に3㌧を出荷した。17年度は80㌧の出荷を見込む。バナメイは「白姫えび」としてブランド化し、生食向けに国内の飲食店などに販売する。5日にあった説明会で日本水産中央研究所の山下伸也所長は「当面は冷凍での出荷だが、将来的には生鮮での出荷も予定する」と話した。国産と生鮮販売を武器に拡販を目指す。

(みなと新聞 2017年7月7日の記事より)

水研機構と理研が協定 効率的な養殖実現へ 水産物を医薬品に活用も

水産研究・教育機構(宮原正典理事長)と理化学研究所(松本紘理事長)は6日、両機関の連携をより強化するための基本協定締結式を行った。持続可能な水産業の実現を目標に、効率的な養殖業や、水産物の医薬品への活用などを推進。他機関や企業との連携により、研究費用の確保も視野に入れる。両機関は3年前から、互いの課題や研究内容を議論。クロマグロの初期餌料開発や、養殖環境の改善に関する共同研究を行ってきた。連携締結により、水産業のイノベーションと、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指す。共同研究・人材交流の他、大学や企業を巻き込み、研究資金を獲得、研究を推進させたいとした。同機構は連携により、養殖場での底質汚濁の進行をリアルタイムで把握、改善する技術や、スジアラの専用飼料の開発、貝毒の医薬品への活用などの研究を進めたいとした。理化学研究所は、サンゴやウナギが持つ蛍光タンパク質の活用、シビレエイの発電機能を応用した装置開発などを提案。他機関と協力し、AI(人工知能)を活用したデータの管理もしたいとした。宮原理事長は「魚を獲り育てるだけではなく、医学などにも役立てることで次世代への新しい水産業につながる」と期待。「養殖は餌を大量に使う点で本当にサステイナブルなのか問われている。どう持続可能な方向にできるのかを解決できたら」と持続可能な水産業達成に向け意欲を示した。松本理事長は「個人の連携ではなく、機関同士の連携が重要」と締結の意義を説明。「科学技術を使って社会をよくしたい。イノベーションを見据え、基礎研究を行っていく」と話した。

(みなと新聞 2017年7月7日の記事より)

【福井県】マハタ、トラウト種苗開発本腰 養殖拡大向け生産施設整備へ

【福井】福井県はマハタと、トラウトの養殖用種苗の開発を進めている。県は今年度、マハタ種苗生産施設の整備に向けた実施設計と、トラウト生産拡大の施設整備に向けた地下海水調査を行う。マハタの養殖は2015年から県水産試験場で実験的に開始。試験養殖は三重や愛媛産の種苗を使い、敦賀市、若狭町、小浜市、高浜町の養殖業者とも連携して進めている。種苗生産施設は県栽培漁業センターに設ける予定で、県内需要を満たす年間3万尾の種苗生産を目指す。県内に400軒ある漁家民宿などで、観光客や地元住民に提供する。県農林水産部水産課の担当者は「地場で育てた地魚として、マハタは誘客が期待できる素材。夏の商材として、『若狭ふぐ』に次ぐブランドになれば」と話す。県によるとマハタの売価は高く、養殖業者の所得増にもつながるという。
ふくいサーモン400㌧目指す
一方、「ふくいサーモン」としてブランド化を進めているトラウトサーモンは地下海水の調査後、来年度以降に種苗生産施設の整備を具体化する方針。トラウトサーモンの生産量は16年が18㌧、17年が約100㌧(県水産課)だった。県は19年に400㌧の水揚げを目指す。県水産課は養殖トラウトサーモンについて、種苗が安定して手に入らないことや、生産現場の生存率が低いことを課題と挙げる。これらの課題を解決しようと、福井中央魚市と県水産試験場、福井県立大と水研機構・日本海区水産研究所が主体で共同研究を開始。効率性の高い中間育成技術の確立や魚病抑制技術の導入によるへい死率低減の実証などの研究を行っている。県はマハタとトラウトサーモンの生産量が増えれば、県外への販路拡大も視野に入れている。

(みなと新聞 2017年7月5日の記事より)

ナマズかば焼き拡大 日生協開始、イオンはベトナム産も

土用の丑(うし)を控え、ナマズかば焼きの販売が拡大している。ウナギは国産が昨年よりやや安いとはいえ依然高値。輸入の活鰻、かば焼きは搬入減で価格は前年から横ばい。国産ウナギかば焼きの1割安から3分の1という値段が需要に火を付けるのか。

〝日本産″で商品開発
【日生協】日本生活協同組合連合会(日生協、本田英一会長)は6月30日から、近畿大(大阪府東大阪市)が開発したウナギ味のナマズ「近大発なまず」を一部会員生協に順次供給を始めた。同大は2015年から近大発なまずの安定生産・産業化に着手。16年にはイオンが取り扱いを始め、現在も外食チェーンが採用を検討するなど販路が徐々に広がっている。近大発なまずは完全養殖が可能な日本産ニホンナマズを原料に使用。日生協は水産資源保護の観点から、近大発なまずの商品開発を検討した。日生協はブランドウナギの生産地・鹿児島県大隅地域で育った近大ブランドの完全養殖ニホンナマズを現地でフィレー加工後、生の状態からかば焼きに調理。4回のたれ付けを行いながら、しっかり焼き上げる。加工後、産地で凍結。ワンフローズンのため「ふっくらとした食感が楽しめる」(日生協)。取り扱い予定生協と期間は次の通り。コープみらい(さいたま市)の12店で6月30日~7月23日▽ユーコープ(横浜市中区)の47店で7月23~25日▽コープこうべ(神戸市東灘区)の65店で7月23~26日▽ララコープ(長崎県長与町)の8店で7月1~25日▽生協くまもと(熊本県水俣市)の2店で7月1~25日。

(みなと新聞 2017年7月3日の記事より)

道秋サケ今年も不漁か 来遊予想4%減 4年魚低水準続く

【札幌】北海道の秋サケは今年も不漁予測―。北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場は27日、札幌市であった道連合海区漁業調整委員会で、今年の秋サケ来遊予測(沿岸・河川捕獲を含む)を2480万6000尾と公表した。昨年実績比4%減。昨年の3年魚来遊が極端に少なく、今年の主群となる4年魚の回帰も少ない予想で、凶漁だった昨年を下回る可能性が示された。昨年の来遊数は前年比3割減の2579万4000尾。道漁連集計の漁獲量は3割減の7万5000トン。1992年(7万7000トン)以来、24年ぶりの凶漁だった。目回りに左右される側面はあるが、今年の漁獲量は昨年を下回る可能性がある。予測は昨年3年魚来遊数から今年の4年魚、昨年4年魚から今年の5年魚の来遊数を推定するシブリング法に基づいた。昨年の年齢別来遊数は、5年魚(2011年生まれ)が1366万尾で平年並み。しかし、主群であるべき4年魚(12年生まれ)が1069万尾と全体の4割にとどまり、さらに3年魚(13年生まれ)が85万尾といずれも平成以降で最低の来遊だった。そのため今年の5年魚、4年魚の低迷予測につながった。なお、海区別の来遊予測は、オホーツク1233万2000尾(前年比3%減)▽根室514万8000尾(5%増)▽えりも以東190万6000尾(29%減)▽えりも以西342万5000尾(8%減)▽日本海199万6000尾(13%増)。増)。

(みなと新聞 2017年6月29日の記事より)

【製品輸入動向】今鰻年度は1.3万㌧か 数量限られ相場横ばい

今鰻年度の製品輸入は前年度を16%下回る1万3000㌧の見通し。かば焼きなど製品輸入は、2010年から続いたジャポニカ種シラス不漁で11年以降輸入量が減少。13、14鰻年度は1万㌧を切る輸入に終わった。15鰻年度は13/14年シーズンのジャポニカ種シラスの好漁で1万3000㌧台まで回復。昨年は、増産された太物を原料としたかば焼きが増え、円高も加わって輸入量は1万4000㌧台まで増えた。昨年9月から今年5月現在の累計輸入量は1万463㌧。ほぼ前年並みの水準。ただ、6~8月は前年を下回る見通しで、6月1000㌧、7月800㌧、8月500㌧、合わせて2300㌧前後にとどまると輸入業者はみている。数量が減るのはCITESの付属書Ⅱに掲載された欧州種(アンギラアンギラ)のかば焼きの中国からの搬入が減るため。既にEU関係のCITES証明書付の数量はなくなった。6月に入りモロッコ産クロコを原料とした欧州種かば焼きの輸入の可能性が出ているが、どの程度の搬入になるかは不明。一方、中国は16鰻年度に約30㌧のアメリカ種シラスを輸入。このかば焼きがまとまって搬入される。どのような評価になるのか注目されている。国内の輸入かば焼き販売価格は昨年9月以降、ほぼ横ばいで推移する。現状50尾(10㌔当たり)は昨年同期をやや下回る価格レベル。2年ぶりにシラスがまとまり、来シーズンの供給は増える見通しにあるが、8月までの供給量は限られていることから、価格は横ばいで推移するとみられている。

(みなと新聞 2017年6月30日の記事より)

【活鰻輸入動向】5500㌧弱の見込み 相場は横ばい推移へ

今鰻年度(2016年9月~17年8月)の活鰻輸入は5500㌧弱の見込み。昨年9月から今年5月現在の輸入量はジャポニカ種を中心に4247㌧で、前年同期を11%下回る。うち、台湾からの輸入は5月現在1171㌧と前年同期比40%減。14/15、15/16年と2シーズン続いたシラスの不漁から前年を下回る搬入が続く。一方、中国産は5月現在、3056㌧の輸入。過去2年のシラス池入れが少なかったことで「現在、台湾だけでなく中国も在池量が少ない」(輸入業者)。このため輸入業者は「6~8月は月平均400㌧程度の輸入にとどまる」とみている。このレベルで推移すれば、輸入は8月までの3ヵ月で1200㌧、鰻年度累計で5447㌧と前鰻年度(7468㌧)を27%下回ることになる。今鰻年度、ジャポニカ種シラス採捕は3年ぶりにややまとまった。池入れ量は台湾が6㌧(前シーズン1.5㌧)、中国が25㌧(同9㌧)になったとなったとみられている。このため、今年後半からは輸入量は増えていき、来年は安定した供給になると予想されている。活鰻相場は昨年10月以降、ほぼ横ばいで推移。中国産相場は6月初旬、5P3800円/㌔の水準にあったが、国産新仔の下げから12日には3600円となった。台湾産相場も5P3450円がほぼ50円下げ3400円になった。今後も国産新仔の価格に影響されるとみられるが、中心となる中国では生産者、輸出業者が実質的にカルテルを結び輸出価格と数量をコントロールしているといわれており、在池量も限られることから相場は横ばいで推移するとみられている。

(みなと新聞 2017年6月30日の記事より)

【7/25 8/6 土用の丑 ウナギ商戦本番!!】
活鰻、かば焼き輸入前年割れ 前々期、前期シラス不漁で

7月25日の土用の丑(うし)、8月6日の二の丑に向けてウナギ商戦はヤマ場を迎える。資源悪化から昨年のワシントン条約(CITES)締約国会議での絶滅危惧種付属書への掲載が懸念されたジャポニカ種シラス。提案は回避されたが、欧州連合(EU)が貿易や資源、流通の実態調査を求め、日本をはじめ関係各国は抜本的な対応に迫られている。2016~17年シーズン、ジャポニカ種シラスの採捕量はやや増加。9月以降、来年に向けて活鰻、かば焼きの輸入増加が予想されているが、この夏場にかけての供給は前々期、前期間のシラス不漁の影響で減少する見込みだ。今夏は猛暑予想で2回の丑をはさみ8月まで活発な消費が予想される。供給量が限られる中、輸入活鰻は産地が価格をコントロール。一方、かば焼きはCITESの規制で欧州種が限られる中、養殖量が増えたアメリカ(ロストラータ)種を消費者がどう評価するのか注目されている。

(みなと新聞 2017年6月30日の記事より)

【ニホンウナギ稚魚の流通】水産庁 密輸横行、透明化が急務 国際取引規制の回避へ

2019年のワシントン条約(CITES)締約国会議でニホンウナギの国際取引が規制されるのでは、とうわさされる。同種資源は近年、危機的な状態が続き、国際的な「密輸」も横行、規制を訴える声がある。規制されれば、日本への養殖種苗や活鰻、かば焼きの輸入減が見込まれる。水産庁は規制を防ぐ意図で、国際的な流通の透明化を急ぐ。
◆難航の対台湾交渉
輸入価格が1㌔当たり200万円にもなる日本ウナギの種苗(シラスウナギ)。主に香港から輸入される。シラスの採捕実態のない香港だが、輸出は続く。発端は40年前までさかのぼる。日本は1976年、自国養鰻業者への安定供給を目的に種苗の輸出を禁止した。輸出先は主に台湾。対抗した台湾は2007年から同様の禁輸措置を取った。結果、台湾から日本への輸出ルートは閉鎖、種苗を香港に迂回させ日本に入れる密輸網が出来上がった。水産庁は香港経由の不透明な流通をなくし、種苗貿易のイメージを改善するため「日台間で直接の(香港を通さない)輸出入を解禁できるよう交渉中」(同庁の長谷成人次長)。ただ、「交渉はまとまっていない。(台湾政府に発言力を持つ)台湾の養鰻業者は『輸出を先に止めたのは日本。今さら解禁とは都合がよすぎる』『仮に解禁となっても、経済力で劣る台湾側に入荷があるか不明』などと考えているようだ。解禁のめどは立たない」(同庁栽培養殖課)状況にある。
◆国内でも裏流通
日本国内の流通も不透明だ。水産庁の資料によると、国内のシラスウナギ生産量のうち密漁または未報告流通物の占めた割合が、15年で63%、16年で43%に上がったとみられる。同課は「一部の県が、県内養鰻業者に種苗を安定供給するため、種苗を指定の集荷場所・低価格でしか販売させていない。そこで、種苗を県の正規取引より高く買い取る非正規業者が介在。採捕者は採った量の一部だけを県に報告して正規販売、残りの採捕分を非正規業者に高値で売っている」と分析している。同課は「採捕者が採った量を過小報告するのに、集荷場所の指定システムの影響は大きい。都道府県にシステムの廃止や、採捕量をごまかした者への採捕許可発給差し止め、採捕者への出荷先ごとの出荷量報告義務付けなどを求めている。許可人数の見直し、許可証を写真付きにするなどの工夫も推進している」とする。
◆実効ある管理へ
同庁は「重要なのはCITES回避ではなく資源の保全。闇流通のシラスも最終的に必ず養殖池に入る。現行のように池入量を規制すれば、シラスの過剰採捕は防げる」とも強調する。一方で生物学者からは「密流通のせいでウナギの獲れた場所や量が分からず、資源の分析や管理に支障となっている」と指摘がある。また、昨年のCITES会合では欧州連合(EU)がウナギ類の流通透明化を提案、採択されている。現行の池入れ量規制にも、学者らから「シラス採捕が比較的好調だった13~14年漁期から2割引いただけのゆるい値」「2割減に科学的根拠はなく、関係国の政府や養殖業者が合意できる値を与えたにすぎない」「一部の国で池入れ制限の法制化が済んでいない」などの批判が強い。今後、いかにして持続的にウナギの養殖と輸入を行うか。透明化を含む取り組みが急がれる。

(みなと新聞 2017年6月27日の記事より)

【築地5月輸入生鮮大物】メキシコ産養マグロ激減 豪州上質メバチも低調入荷

時事通信社が集計した築地市場5月の生鮮大物売り場、輸入物の入荷本数は2569本で前年同月比23%減少した。メキシコ産養殖マグロやメバチが引き続き入荷不振となった他、前月まで増加傾向にあったミナミマグロ(インド)も減少に転じた。マグロ全体は531本で52%減。主力のメキシコ産養殖物が355本と3分の1近くまで落ち込んだことが響いた。同養殖物は前年に比べ生産者1社の出荷が停止した状態が継続し、市場外での引き合いが強まっていることもあって入荷が落ち込んでいる。養殖のスペイン産なども同様で、入荷は6本(前年同月18本)のみだったが、国産天然物の代替品となる100㌔以上の大型主体に「市場外での販売は順調に拡大している」(大手水産会社)という。天然マグロは、前年は漁獲枠がなかったギリシャ産が90本とまとまったが、キプロスやマルタ、イタリアなど他の地中海産はいずれも減少。ニュージーランド(NZ)産も24本と前年同期(38本)を下回った。ミナミマグロは、天然NZ産が984本と引き続き高水準だが、前年同月(1062本)比ではやや減少。例年より早くシーズン入りしていたため、漁獲のピークがずれていることも一因だが、主力漁場の南島で中盤から小型魚が増えるなどで漁獲内容が悪化し、北島に漁場を移動していたことも影響したもよう。天然豪州産は「シドニー沖漁場への回遊が例年より遅れている」(輸入業者)ことで、ポートリンカーンやタスマニア漁場物主体に91本と27%減少した。豪州産養殖ミナミマグロは、競合する三陸産定置マグロの増加安などで集荷が調整され、410本(前年同月425本)と4%減少した。メバチは全体で548本と14%減。豪州(252本、同352本)やNZ(36本、同97本)、ケープタウン産(24本、同46本)といった上級品の多くが国内搬入量の減少に加え、販売好調な仙台市場などの東北各市場に流れたことが主因。一方インドネシア(バリ表示含む)産は前年同月が操業違反の取り締まり強化で水揚げが落ち込んでいたため、今年は152本と44%増えた。水揚げ港も従来のジャカルタなどから、漁業当局の厳格な管理下にあるアンボン主体に切り替わっているという。クック諸島や台湾からも入荷はやや増えた。

(みなと新聞 2017年6月15日の記事より)

【弓ヶ浜水産】ギンザケ沖合養殖に手応え 鳥取境港PF式 生残率9割、全量出荷

鳥取県境港市沖で弓ヶ浜水産(鶴岡比呂志社長)が昨年末から、新日鉄住金エンジニアリング(藤原真一社長)と共同で進めていた大規模沖合養殖システムによるギンザケの試験養殖が所期の目標を達成して「順調に終わった」(鶴岡社長)。夏場からマサバの養殖試験を手掛ける計画で、将来的には「規模を拡大した実用化プラントの導入も視野に入れ、試験を続ける」。

◆事業化へ試験継続 夏からマサバ計画

試験は境港の3㌔沖合に新日鉄住金エンジニアリングが製作した面積320平方㍍、高さ18㍍の洋上プラットフォーム(PF)に弓ヶ浜水産既設の直径25㍍の円形イケス5基を使って実施。12月に200~300㌘サイズの種苗25万尾を池入れし、5月19日までに1.5~2.5㌔に育て全量出荷した。池入れ直後は安全のために手まき給餌をしたが、1月13日から洋上プラットフォームに設置した合計約30㌧のEP飼料が貯蔵できるサイロ2基から、最長500㍍強のホースでイケスに飼料を空気圧送する自動給餌を続けた。うち、4イケスには日本水産が開発した魚の餌食いが落ちると投餌を止める自動給餌制御システム「アクアリンガル」を配備した。この間の生残率は90%程度で「大きな問題もなく成長、歩留まりなど事業区と遜色のない成績で修了した」。詳細なデータは近く総括会議を開きまとめる予定。弓ヶ浜水産ではギンザケの出荷を終えて空いたイケスにマサバを入れ、「冬場はサケ、夏場はサバの二毛作を計画している」。一連の試験養殖を通じ、「改善点などを見いだしながら規模拡大して、コスト競争力の高い実用化プラントの導入も考えていく」という。一方、新日鉄住金エンジニアリングは「設備後1ヵ月くらいは初期トラブルがあり迷惑をかけたが、2月半ばからは問題なく運転を続け、実用化に耐え得ると評価を得ている」(松原淳一養殖システム事業推進部長)と試験を振り返る。また、空気圧送によるEP飼料の破損率は「陸上試験で3%にとどまったが、近く洋上プラントで実測する」ことにしている。

(みなと新聞 2017年6月14日の記事より)

【スーパー・生協 売れた商品はこれだ!!】生活協同組合コープこうべ(神戸市)
<水産・4月> 養殖切り身22%増 マダイや境港サーモン好評

【神戸】生活協同組合コープこうべの4月の店舗供給高(売上高、160店舗)は前年同月比2.3%増だった。養殖切り身や生食加工品、ウナギ、チリメンが特に好調。また、水産全体の単価が2%アップしたことも要因のひとつ。一方で、アニサキスの報道で生鮮魚やお造りは苦戦した。店舗商品部水産チームの岩崎たかし担当係長に聞いた。前年比は全店ベース。養殖切り身は21.6%増。養殖のタイ、生ギンザケなどの切り身が好調だった。4月はタイの旬の時期でもあり、イベントとして「タイ祭り」を開催。天然物やプライベートブランドの養殖マダイの切り身、生食用のサクも並べた売り場をつくった。生ギンザケの扱いスタートを昨年の4月中旬から、今年は4月の初めに早めた。日本水産の「境港サーモン」好評だった。即食できるボイルホタテやイカ、スモークサーモンなど生食加工品は20.8%増。生食加工品は賞味期限が長いこともあり、お造りに比べチャンスロスがない。施策として販売を強化した。昨年までは5アイテムの取り扱いを10アイテム増やした。さらに、生食加工品のコーナーを作り、お客さまの目に留まるような売り場をつくったことが功を奏した。ウナギは7.7%増。かば焼きの1本物、ハーフ、真空を品ぞろえ。ウナギの相場は昨年に比べ下がっていることもあり、1本物の販売は昨年の80尾サイズから、今年は60尾サイズにサイズアップした。日生協の鹿児島産の製品。サイズアップし、1パック当たりの価格は上がったが、価格に見合ったおいしさやボリューム感があり、お客さまから支持された。チリメンは26.9%増。特に釜揚げシラスは3.5倍と伸長した。地元産で兵庫県漁連の製品。例年4月中旬までは、生イカナゴやボイルイカナゴを販売したが、今年は不漁だったこともあり、釜揚げシラスの販売に力を入れた結果だ。ゴールデンウィークの前半は順調だったが、後半苦戦した。冷凍エビやボイルタコ、ウナギ、塩蔵は順調だった半面、アニサキス報道が影響し、お造りや生食(サク)が振るわなかった。

(みなと新聞 2017年6月9日の記事より)

日水がマダコ完全養殖 世界で2例目、量産へ前進

日本水産(細見典男社長)は8日、マダコの完全養殖技術の構築に成功したと発表した。マダコ完全養殖は難しく、世界的に成功事例が1件あるのみで、その後も進展していないのが現状。同社は今年4月、2016年4月にふ化した成魚由来の卵から、数万尾のマダコ幼生が誕生し、完全養殖に成功した。ニッスイ中央研究所大分海洋研究センターが研究を続けてきた。同センターは親ダコから安定的に採卵する技術、ふ化幼生を飼育する環境づくり、稚ダコ飼育の飼料開発などを行ってきた。15年、少数ながら稚ダコの人工種苗生産に成功。16年には4月にふ化した浮遊幼生数千尾のうち、数十尾が7月に稚ダコに成長した。「稚ダコ段階に入ると比較的安定した飼育ができる」と同社。ふ化から7ヵ月で1㌔程度に成長し、9~11ヵ月で交尾や産卵する個体がみられたという。今回の成功は、浮遊幼生から稚ダコまでの飼育特性の把握、短期間での完全養殖技術の構築、養殖特性の把握など「量産化に向けた大きな一歩」(同社)。今後は浮遊幼生から稚ダコまでの生残率の向上、稚ダコ初期の育成技術の向上など課題があるものの、安定供給体制の構築を路目指す。

(みなと新聞 2017年6月9日の記事より)

【マリノフォーラム21】ウナギ種苗量産実証へ 自動給餌システム改良など

マリノフォーラム21(東京都中央区、井貫晴介会長)は6日、東京都内で2017年度定時総会を開いた。今年度は水産庁からの受託事業として、ウナギ種苗の大量生産システムの実証事業を予定。自動給餌システムの改良や、受精卵を安定的に確保するための実証実験を行い、将来的に商業ベースでの大量生産を目指す。有明海の漁場環境改善実証事業は継続実施。事業最終年度として、二枚貝の増殖技術を作業手引きとして取りまとめる。
井貫会長を再選
任期満了に伴う役員改選では井貫会長を再選した。胃貫会長は「16年度は予定事業を円滑に行い、黒字決算となった。17年度については、今年度に修了する主要事業もあるので、18年度に向け新規継続できるよう水産庁に要請したい」とあいさつした。井貫会長はあいさつの中で、今期2年で会長職を退く意向を示した。    

(みなと新聞 2017年6月8日の記事より)

宮城ではギンザケ登録祝う 振興協 海外においしさ発信

【仙台】みやぎ銀ざけ振興協議会(会長・小野秀悦JFみやぎ専務)は5日、仙台市内のホテルで「みやぎサーモン地理的表示(GI)登録お披露目会」を開いた。水産庁、宮城県や水産関係、飲食業関係者ら80人が出席し、宮城県で初登録となったみやぎサーモンの新しい門出を盛大に祝った。小野会長は「40年の歴史を持つ宮城の養殖ギンザケがGI登録されたことは、先人たちが大切に育ててきた養殖産業が認められたこと。これから消費者が宮城を訪れた際、どこでもみやぎサーモンが味わえるよう一層PRしていきたい。国内はもちろん、海外へもこのおいしさを積極的に発信していく」とあいさつ。保科正樹水産庁増殖推進部部長(代読)、武政功復興庁宮城復興局局長(同)、川端章好宮城県知事らが祝辞を述べ、GI登録証がお披露目された。丹野一雄JFみやぎ経営管理委員会会長の乾杯発声で開宴。刺身やにぎり寿司、パエリヤなどみやぎサーモンを使った料理が提供された。須能邦雄石巻魚市場社長が相撲甚句「みやぎサーモンの唱」披露し、宇壽山純一みやぎ銀ざけ振興協議会副会長(太協物産社長)の中締めで閉会した。    

(みなと新聞 2017年6月7日の記事より)

国内初 海水掛流でウナギ養殖 松永水産(長崎)温排水利用し出荷

【長崎】松永水産(長崎県平戸市、松永彰寿社長)は、火力発電所の温排水を利用して育てた日本初の海水掛け流し式陸上養殖ウナギの出荷を5月下旬から始めた。10月には長崎県産シラスで養殖した“純県産”ウナギの販売開始を予定。松永社長は「成長はすこぶる順調。量販店や料亭などへの直接販売を増やしたい」と新たな販路の開拓に取り組む。同社は長崎県でトラフグの陸上養殖を手掛け、年間4万~5万尾を南風泊市場(山口県下関市)などに出荷している。養殖トラフグは価格変動が大きく、秋から冬に出荷作業が集中。収入の向上と安定化を図るため、トラフグの“裏作”として3年前からウナギの試験養殖に着手した。同社のウナギ養殖の最大の特徴は、九州電力「松浦火力発電所」の温排水が混ざった沿岸の海水を陸上イケスにくみ上げて使っていること。この温排水は平均的な県内の海水より年間5度ほど高く、陸上養殖場の海水温度を維持するための燃料費を低く抑えられる。現在、出荷中のウナギは宮崎、鹿児島県のウナギの稚魚を導入して試験的に養殖したもので、在池量は約1万尾。松永社長は「フグの陸上イケスで試験養殖を繰り返した結果、低コストで高品質なウナギを安定的に出荷できる体制が確立した」と説明。淡水養殖と比べた食味は「従来と同じ調理方法でおいしく食べられる。流水かけ流し式なので臭みも少なく、取引先からも好評価」と話す。早ければ10月に長崎県産シラスを使った“純県産品ウナギ”の販売を始める。県産ウナギは昨年完成した専用イケスで、今年3月から約2万尾を養殖中。順調に育っているそうだ。同社の陸上ウナギ養殖は、低コストの加え国内では例が少ない海水養殖であるため、2015年に中小企業庁のものづくり・商業・サービス支援補助金事業に、「日本初低コスト流水かけ流し保温型の陸上養鰻システム開発事業」として採択された。    

(みなと新聞 2017年6月6日の記事より)

【アユ商戦幕開け】入荷減も相場前年並み <築地市場>

【築地】全国の主要河川でアユ釣りが解禁された1日を皮切りに、築地市場のアユ商戦が始まった。築地卸は主力の和歌山県産の品薄に苦戦しており、「入荷が安定しなければ売り込むのが難しい」と話す。5月22日~6月2日の日量平均上場数量は前年同期比24%減にとどまった。全て養殖物。卸値は前年並みだ。好天が続いた影響もあり、焼き物商材は引き合いが弱く「荷動きは鈍い」(築地卸)という。3日の養殖物の卸値は主力の1尾80~100㌘サイズがキロ1500~1300円。110~120㌘サイズは1300~1200円だった。同日、同市場に初入荷した天然物(高知県産)の1尾50㌘サイズはキロ1万5000円の値を付け、養殖・天然ともに前年並みの相場となった。主に量販店や業務筋に焼き物商材として仕向ける。養殖物は愛知、岐阜、和歌山県産を中心に出回っており、築地卸は「和歌山県産の入荷が例年より1~2週間遅かったため、商戦の本格化もずれるのでは」とみる。     

(みなと新聞 2017年6月5日の記事より)

【ウナギ管理非公式協議】シラス池入れ上限維持 日本21.7㌧、中国36㌧

1、2日、韓国・釜山であったウナギの国際的資源保護・管理第10回非公式協議で参加各国は、来漁期(2017年11月~18年10月)も今漁期と同じシラス池入れ上限とすることを確認した。日本、韓国、台湾、フィリピンの4者は出席したが、最大生産国の中国は欠席した。

◆中国は出席せず
シラス池入れ上限は、14年9月の第7回会合で合意した数量。ニホンウナギのシラス池入れ量上限は日本が21.7㌧、中国36㌧、韓国11.1㌧、台湾10㌧。来漁期もこの上限で各国・地域が管理する。今漁期の池入れ量は5月31日にあった日本鰻輸入組合の総会での発表では中国25㌧(前年8㌧)、日本19.5㌧(同19.7㌧)、台湾6㌧(同2.5㌧)などとなっている(日本の数量は水産庁まとめ)。今回の協議では、来漁期の池入れ上限の他、14年9月の共同声明の順守状況や共同声明以降に各国・地域がとってきた管理措置のレビューをフィリピンも含め議論したが、その内容は2日現在、公表されていない。日本、中国、韓国および台湾の4者共同声明内容は ①養殖池への種苗の池入れ量制限 ②保存管理措置の適切な実施を確保するための養鰻管理団体の設立 ③法的拘束力のある枠組み設立の可能性の検討など。次回非公式協議は18年5月ごろに開く。    

(みなと新聞 2017年6月5日の記事より)

末端がアニサキス対策
生鮮魚の荷動き低下 知識や器具で予防 首都圏

芸能人らがアニサキス症にかかったとSNSで取り上げたことなどが発端となり、生鮮魚の荷動きが落ちている。水産物流通業界では従来、業者らの知識に基づいたさまざまなアニサキス症予防策を行ってきた。ただ、食の安心・安全への関心の高まりから、首都圏で鮮魚を扱う小売店や飲食店ではブラックライトなど器具を使った予防に乗り出す企業も出てきた。
東京都北区の商店街に店を構える魚長(中澤茂社長)では対面販売の強みを生かし、客に「アニサキスによる食中毒が流行しているように思われているが、昔からある」と説明。知識を広めて過度な不安を取り除くよう努めている。生サバは鮮度が良いものだけを扱い、内臓を早めに取り除く他、「市場に適切な物がない時は冷凍物を仕入れる」などプロの知識に基づいた予防策を徹底している。寿司店などを展開するにっぽん(東京・築地、近藤洋一社長)は5月から、水産物を扱う全40店ほどで懐中電灯型のブラックライトを2本配置した。「アジなど従来はアニサキスが多くはなかった魚種からも発見するケースが出てきた。職人の習慣だけでは対応しきれない」(同社)との危機感から、魚をおろした後に必ず同ライトで身を照らして確認している。鮮魚小売チェーンの東信水産(東京都杉並区、織茂信尋社長)は昨年、「食中毒が出れば水産業界全体への不信感につながってしまう」(同社)との懸念から、全31店に静岡産業社(静岡市、渡邉琢也社長)のアニサキス発見補助器を導入した。ボックス型の器具内部に切り身を入れ、ブラックライトを当ててのぞき穴から確認する。箱の外側にはLED灯が取り付けてあり、おろした白身をかざすことでアニサキスを見えやすくした。検査体制を整えたことにより「他の業者も対策を練るきっかけになるのでは」(東信水産)と期待する。    

(みなと新聞 2017年6月2日の記事より)

【ウナギかば焼き】中国の欧州種輸出再開懸念
日本鰻輸入組合 森山理事長「混乱避けられない」

日本鰻輸入組合の森山喬司理事長は5月31日、東京都内であった総会で中国からの欧州種ウナギかば焼きの輸出再開情報に「混乱は避けられない」と懸念した。中国産のウナギかば焼きで同組合各社は今シーズン、中国での養殖が増えるロストラータ種(アメリカ種)の輸入・拡販に力を入れる。欧州種は、昨年の段階で中国のCITES(ワシントン条約)輸出証明付輸出許可数量が修了。森山理事長は「ロストラータ種を売り込もうと取り組んでいる中でCITES証明書付のモロッコ産クロコの再輸出とはいえ欧州種の輸出を再開されては困る」と懸念。「予想外の出来事で困惑している。組合員以外の扱いでもあり混乱は避けられない」と懸念、中国側に輸出の再検討を求める考えを語った。森山理事長は、組合外の一部でロストラータ種をジャポニカ種、欧州種として販売しているケースがあることに、「買う方は安ければよいと考えているのかもしれないが、あってはならないこと」と厳しく批判した。任期満了の役員改選では森山理事長ら現執行部を再任。森山理事長は、長く厳しい状況が続いた同組合運営について「ようやく安定した状況になってきた」とした。

◆シラス池入れ日中台で51㌧
森山理事長は今年度の見通しを説明する中で、各国のシラス池入れに言及。「この春までに各国が池入れしたジャポニカ種シラスは、中国25㌧(前年8㌧)、日本19.5㌧(19.5㌧)、台湾6㌧(2.5㌧)、計約51㌧(30㌧)で、3年ぶりに良かった」と語り、「日本の池入れのうち香港経由の輸入物は4.1㌧と大幅に減った。今春のシラス動向の特徴は、池入れ規制が進む日本は上限にあり、たとえシラス漁が良くてもこれ以上にはならない。これに反し中国、台湾は採捕増、日本の輸入減で池入れ量が拡大した」としている。ジャポニカ種以外の池入れ量が拡大した」としている。ジャポニカ種以外の池入れ量は中国がロストラータ種17~18㌧(同25㌧)、アンギラ種クロコ1.5㌧(同3.7㌧)とみている。    

(みなと新聞 2017年6月2日の記事より)

ウナギ池入れ上限協議 東アジア養殖国 韓国で6月1、2日

東アジアのウナギ養殖国の漁業関係当局らは6月1~2日、韓国の釜山で「ウナギの国際的資源保護・管理に係る第10回非公式協議」を開く。2014年に各国漁業当局間で合意した「13年漁期(同年11月~14年10月)比、毎年のウナギ種苗養殖池入れ量2割減」の実施状況を報告。17年漁期の池入れ上限を従来と等量にするかなどを議論する。会合の参加国は「まだはっきりしないが、最大で日本、中国、韓国、台湾、フィリピンの5カ国となる」(水産庁漁場資源課)。現行の池入れ上限については「14~16年の会合で、各国から削減を求める声は出ていない」(同)。17年漁期も等量の可能性が高そうだ。現行の池入れ量管理については、生物学者や環境保護団体などから「ニホンウナギ種苗の採捕が比較的好調だった14年漁期から2割引いても、意味は薄い」「2割減に科学的な根拠はなく、各国政府や養殖業者が合意できる数値を与えたにすぎない」「一部の国で池入れ制限の法制化ができていない」などの批判もある。    

(みなと新聞 2017年5月25日の記事より)

【愛媛・八幡浜】養スズキ出荷3倍 地元漁協はブランド化へ協議会

【八幡浜】愛媛県西部の八幡浜周辺で養殖スズキの生産量が増えている。八幡浜漁協によると、2015年の八幡浜管内の水揚量は4万尾だったが、16年は約3倍の11万尾に増加。八幡浜漁協の水温が上昇し、八幡浜管内がスズキ養殖の適地になったことや、収益性の高い養殖魚を生産者が模索していたこともあるようだ。同管内では現在、生産者7社がスズキ養殖を行うが、同漁協では6年前から生産者にスズキの養殖を紹介していた。同漁協では生産者数社や関係者とブランド協議会も立ち上げ、ブランド化に乗り出した。森商事(福岡市)の「黒糖仕上げ」を混ぜた餌などを与えたスズキで、「黒糖スズキ」とネーミング。昨年は試験食販売した。今年7月から本格的に出荷をスタートする計画。1.5㌔以上のサイズを、同漁協を通じて活魚や産地締めで出荷する。今後について同漁協経済事業部の菊地賢一部長は「種苗確保の課題をクリアできれば、将来的には年間15万尾の出荷も可能だろう」と話す。さらには、「八幡浜は小規模の生産者が多く、アジ、イサキ、シマアジなど複数魚種を養殖している。それらも付加価値をつけ、ブランド化していく」とも協調した。   

(みなと新聞 2017年5月10日の記事より)

「近大マグロ」皮で財布 近大が民間企業と開発

近畿大学(大阪府東大阪市)は、世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロ「近大マグロ」の皮で財布を作製した。革製品を手がける民間企業のコードバン(兵庫県姫路市)と共同開発し、同社の直営店で4月28日に発売した。「うろこのでこぼこした手触りと上品な光沢が特長という。ブランド名は英語で魚を意味する「PISCINE(ピサイン)」。主に背の部分の皮を使い、脂肪を丁寧に取り除いてマグロ特有の臭みをなくした。マグロの皮は革製品に使う他の動物より薄いため、柔軟性を長期間維持するためのなめし工程が難しかったという。養殖育ちの近大マグロは傷が少なく、安定的に皮を調達できる点も商品化を後押しした。財布以外にも、コインケースや名刺入れを開発したが、数量に限りがあるため、大阪市内にあるコードバンの直営店でのみ販売する。色は黒一色で、財布は3万240円。売り切れれば受注販売となる。   

(みなと新聞 2017年5月9日の記事より)

【にほん海洋牧場】新潟でギンザケ陸上養殖 今秋開始、来年2月初出荷へ

初年度70㌧計画
【新潟】にほん海洋牧場(新潟市、生田敦之社長)は新潟市でギンザケの陸上養殖事業をスタートする。9月には養殖施設が完成予定で、秋に稚魚を池入れし、来年2月に出荷を開始する予定。初年度は2~4月に70㌧を出荷する計画だ。同社はギンザケの陸上養殖、加工品販売を目的に昨年3月、にいがた海洋牧場として設立。今年3月には現社名に変更し、太協物産(宮城県石巻市、宇壽山純一社長)のグループ会社で宮城産ギンザケの出荷・加工販売を手掛けていたみやぎ海洋飼料(同、生田敦之社長)の営業権を譲受し、宮城県塩釜市にみやぎ海洋本部を開設している。昨年からふ化事業を開始し、稚魚を飼育中。成魚を飼育するための陸上施設が完成次第、池入れを行う予定だ。施設は最大で400㌧程度の生産が可能で、初年度70㌧を皮切りに2年目200~250㌧、3年目に400㌧の生産を目指し周年出荷体制を整えていく。出荷サイズは1尾2.5㌔程度。生田社長は「日本各地の浜で水温が上昇し、ギンザケのシーズンが短くなる中、陸上養殖は水温調整が可能で管理しやすく、周年チルドでの出荷が可能になる。この陸上養殖パッケージで成功すれば、各地で海面に限定されることなく魚類養殖が広がる」と力を込める。今後は、新潟での養殖事業とみやぎ海洋本部での宮城産ギンザケ販売を2本柱に事業を展開していく。  

(みなと新聞 2017年4月24日の記事より)

【仙台水産】みやぎサーモン刺身試食 「水産の日」おすすめPR 

【仙台】4月の「みやぎ水産の日」オススメはみやぎサーモンとアサリ。仙台水産(仙台市、島貫文好会長CEO)は18日早朝、仙台市場の同社卸売場で宮城県産活締めギンザケ「みやぎサーモン」刺身の試食、県産アサリのPRを行い、仲卸や買参人ら市場関係者の関心を集めた。みやぎサーモンは活締め処理された養殖ギンザケで、従来の氷締め(野締め)物よりも身色、身質の品質保持時間が長く、刺身向けに適している。5月にはかねてから申請中だったみやぎサーモンの名称で地理的表示(GI)保護制度認証の取得が見込まれるなど、刺身商材としての注目度が高い。アサリは宮城県内では七ヶ浜なとで解禁を控える他、震災以来操業が行われてこなかった石巻市万石浦のアサリ漁が6年ぶりに再開される見通し。  

(みなと新聞 2017年4月21日の記事より)

【サクラマス陸上養殖で連携】JR西日本と富山・射水市 地域活性化へ協定 

【大阪】JR西日本と富山県射水市は14日、サクラマスの陸上養殖における連携に関する協定を締結した。両者は産業振興による地域活性化へ取り組むことで一致、高付加価値サクラマスを新たな地域産品に育て、サクラマスの陸上養殖を推進していく。①養殖・販売 ②マーケティング・ブランディング ③プロモーション で協力する。
中期経営計画2017で掲げた「地域共生企業」を目指すJR西日本グループは、西日本の新たな地域産品の開発に取り組み、新たな産業を振興し、雇用を創出することによって地域活性化に貢献する。これまで地下海水を使った陸上養殖のマサバ「お嬢サバ」とカキ「オイスターぼんぼん」を手掛けた。今回のサクラマスはこれらの取り組みに続くもの。射水市は2015年サクラマスの完全養殖に成功。大門漁協が射水市を流れる庄川の伏流水を使って、採卵、ふ化、稚魚(ヤマメ)の陸上養殖、その後、場所を移し、堀岡養殖漁協が富山湾の水深100㍍からくみ上げた海水を使って成魚(サクラマス)の陸上養殖を行う。伏流水と水深100㍍からくみ上げた海水を使って陸上で養殖するので、寄生虫が付きにくく新鮮なまま生で食べられる他、サケ科特有の臭みが少ないのが特長。また、伏流水を使って陸上養殖することで稚魚が海水に適用できるようになる銀毛(ぎんけ)現象が起きやすいため早くサクラマスになる。養殖期間は1年半程度なので、名前と遡上する時期からなじみが深い春から出荷できる。JR西日本では、漁獲量が少ないという希少性に加え、陸上育ちで寄生虫がつきにくく新鮮なまま生で食べられる特別品に仕立てたことや、伏流水と富山湾の水深100㍍からくみ上げた海水という2種のきれいな水の中で美しさに磨きをかけて育ってきたことから、「べっ嬪(ぴん)さくらます」と名付けた。愛称には春を連想させる「うらら」と命名した。  

(みなと新聞 2017年4月21日の記事より)

7月に養フグ生販サミット 全国連盟 適正価格形成へ協議

フグ料理人や流通関係者、生産者でつくる全国ふぐ連盟(亀井一洋会長)は14日、東京都内で理事会を開き、養殖トラフグの適正価格形成に向けて7月ころに生産・流通・販売の3者が情報交換、交流するサミットを開く方針を決めた。事務局によると今シーズンの養殖トラフグ販売は、9月にキロ4500円前後の超高値でスタート。需給のアンマッチから価格が暴落し、4月上旬は2000円を割っている。「毎年安定した価格で売っていきたい」(前田若男理事・全海水トラフグ養殖部会部会長)と、生産者と消費地との情報交換、交流のサミットを開く方針となった。7月に予定する通常総会と同時に開催する計画で、今後準備を進める。理事会ではこの他、11月29日の「いいふぐの日」に合わせた需要喚起のポスターを今年も作製することなどを決めた。  

(みなと新聞 2017年4月18日の記事より)

【福井】拡大する海面トラウト養殖 県内3カ所 沖合にイケス 今期120トン水揚げへ

【福井】福井県で海面養殖トラウトサーモンの生産が拡大している。県では2014年から沖合海域での養殖を推進するプロジェクトをスタート。初出荷となった15年には2㌧、16年には18㌧を水揚げ。今年は100~120㌧(平均1.5㌔~2㌔サイズ)の水揚げを計画する。2年後となる19年の出荷分では「400㌧を目指している」(県水産課)。
生産地は当初の福井市鷹巣沖から県西部のおおい町大島沖、さらに今シーズンからは小浜市西小川沖と3カ所に拡大。西小川の生産には地元建設企業のイワタも参画する。県によると、今年の出荷量は試験養殖的な位置づけとしている鷹巣で2㌧、大島で80~100㌧、西小川で20㌧を見込む。イケスは直径25㍍の大型を3カ所合計で4基導入。「1基当たり最大で80㌧の水揚げ能力」といい、生産余力は大きい。種苗については今シーズン、大島の池入れ分は全量が稚魚(50㌘)の段階から県内で育成したもの。16年から大野市で稚魚育成の研究を進めており、将来的には完全養殖の確立も視野に入れる。販売は福井中央魚市、小浜海産物、福井県漁業協同組合連合会が担う。福井中央魚市は18日から「ふくいサーモン」、小浜海産物は24日から「若狭小浜サーモン」の名称で今期分の出荷を開始。県漁連も一部生鮮品の他、昨年稼働した水産加工施設(敦賀市)を活用し「ふくいサーモン」を展開する。県内の海面養殖期間は11月~5月まで。県内ではこの他、丹生湾、敦賀湾でも養殖している。  

(みなと新聞 2017年4月13日の記事より)

【オリーブ水産】小豆島サーモン 今期6.7万尾 4、5月限定出荷 水槽新設、来期増産へ

【坂出】オリーブ水産(香川県坂出市、大賀昭司社長)の養殖サーモントラウト「小豆島オリーブサーモン」の出荷が4月からスタートした。今年で2年目。今期は約6万7000尾の出荷を計画し、5月末までに出荷を終える。来期はさらに増産する計画だ。小豆島オリーブサーモンは12月上旬、富士山の湧水で育った400㌘の幼魚を、成長に合わせEP飼料を与えながら瀬戸内海木沢湾の自社イケスで育てたサーモントラウト。特に、出荷1ヵ月前には小豆島産オリーブオイルの製造で使った実を粉末にし、配合したオリジナル飼料を与える。プリプリの食感で、うま味があり、鮮やかなオレンジ色が特徴的。出荷形態は産地活締めと活魚。現在の平均出荷サイズは1.7㌔だが、今後は2㌔を超えるようだ。出荷先は親会社の大黒天物産(岡山県倉敷市)と三共水産(同)で、三共水産が全国に出荷する。浅見学執行役員事業統括部長は「幼魚の生産者とも提携した。これでノルウェーやチリのサーモンにも対抗できるような生産から販売まで一貫体制の魚ができた」と強調する。淡水から海水に馴致する水槽を新設し、稚魚の生存率をアップ。身質の向上の研究にも力を入れる。今年12月には10万尾の稚魚の池入れを計画。将来的にはさらなる増産も視野に入れる。  

(みなと新聞 2017年4月12日の記事より)

讃岐さーもん販売開始 今期7万尾に拡大見込む

【高松】新たな讃岐の春の味覚「讃岐さーもん」の販売が7日から始まった。香川県内ではスーパー、百貨店、鮮魚店で販売される。期間は5月末(冷凍品、加工品は以降も販売)まで。県外では首都圏、京阪神のデパート、スーパーの食品売り場で販売する。今期の販売は約7万尾(昨年実績4万6000尾)。県内では7日、高松市内のマルナカパワーシティレインボー店、マルヨシセンターグランデリーズ太田店、ムーミー川島店、ピカソ詫間店などで試食宣伝販売が行われ、消費者に讃岐さーもんをPRした。マルナカパワーシティレインボー店(高松市多肥下町)では鮮魚売り場の平台で讃岐さーもんの刺身パック(1パック6切れ入り、税込み429円)、切り身(100㌘当たり同386円)、カルパッチョ(1パック同429円)を品ぞろえした。販売価格は昨年並み。同店では午前9時30分から試食販売を開始。訪れた消費者に香川おさかな大使が「地元香川で養殖したサーモンです」とPRし、試食用の讃岐さーもんを勧めた。香川県産のサーモンは好評で、複数パック購入する消費者も結構いた。今後、15日に県内のイオン4店舗(イオンじものの日)で試食販売を行う他、県内外のスーパー、百貨店でPRする。 

(みなと新聞 2017年4月10日の記事より)

【養クロマグロ種苗】過去5年で最多 16年活け込み103万尾 人工種苗が減り天然種苗が増えた

水産庁は3月31日、2016年の養殖クロマグロ種苗活け込み尾数が102万7000尾だったと発表した。過去5年で最多。人工種苗は49万1000尾と前年を下回ったが、天然種苗は53万6000尾と前年を上回った。種苗は池入れ後2~3年後に出荷する。16年の種苗は18~19年に成魚として出荷される見通し。水産庁は12年に資源管理のため、天然種苗の活け込み尾数が11年実績の53万9000尾を超えないよう規制している。一方で人工種苗は11年と比べると2.3倍に増えており、活け込み尾数の増加を下支えしている。経営体数は前年から1経営体増の95。鹿児島県で1つ増えた。養殖場の数は15増の175養殖場、イケスは221増の1657台となった。水産庁は養殖場の増加について「人工種苗を用いる養殖場の増加と養殖場の分割などによるもの」としている。出荷尾数は8%減の20万9000尾、重量ベースでは10%減の1万3413㌧だった。   

(みなと新聞 2017年4月3日の記事より)

【輸入:加工ウナギ】中国産はロストラータ主体 欧州種から切り替え順調

シラスウナギの不漁が続き近年は高値が続いてきた加工ウナギ。昨年は太物が値下がりし売れ行きが良かった中国産に対し、国産は最需要期を過ぎた盆あたりから国産価格が下落。以降はほぼ横ばいの推移。「国産は安くなった分、末端の扱い意欲は強い。シーズンオフの底上げで数量は伸びるだろう」と卸筋は今年の販売を予想する。国産の価格下落は「高値による消費離れ、在庫増」が主因。現在の卸値(有頭腹開)は国産が10㌔版60~70尾中心でキロ7000~6800円。値下がり前と比べると「800~1000円程度安い」。中国産はロストラータ種主体の30~35尾中心で2400~2300円。従来の中心で、ワシントン条約の規制にかかり昨年9月に証明書の枠が切れた欧州種(アンギラアンギラ種)から「順調に切り替わっている。価格も大差ない」。輸入量は前年をやや下回るレベルとなりそうだ。ジャポニカ種の池入れは3月中旬現在、日本が17.5㌧で「最終的には前年より若干少ない18~19㌧」、中国は前年より多い18㌧が入り「23㌧程度の着地か」。シラスキロ単価は「昨年活鰻価格が崩れた影響で平均100万~120万円くらいでは」と前漁期の182万円を大きく下回りそう。今期国内は「新仔の池入れが早かった分、8月以降から池揚げが集中する可能性がある。   

(みなと新聞 2017年3月31日の記事より)

【輸入:サケ・マス】16年 各魚種軒並み減少 養殖減産、海外高需要が影響

2016年のサケ・マス輸入(冷凍・生鮮合算、フィレーや加工品除く)は前年比10%減の17万2600万㌧だった。魚種別ではアトランティックサーモン、ベニサケ、ギンザケ、トラウトと主力魚種が軒並み減少。主力養殖生産国の減産や欧米の高い需要を背景に、供給は前年を下回った。

【アトランティックサーモン】
世界各地で計200万㌧以上を生産しているサケ・マスの一大魚種。主力生産国のノルウェーやチリは昨年、魚病や天災に見舞われ、日本の輸入量は2万1799㌧と前年を6%下回った。うち、95%は生鮮。減産基調は依然続いているものの、今年後半から回復するとみられる。

【トラウト】
16年の輸入量は2万2647㌧と8%減。特にチリは12年には25万㌧を生産するトップ生産国だったが、以降は魚病などの影響で減産が続く。今年の生産量は6万5000~7万㌧となる見込み。代替えとして数年前からノルウェー産の供給が拡大する他、フィンランドや米国などからの搬入も増え始めている。

【ギンザケ】
昨年の輸入は5%減の8万7800㌧。うち98%はチリ産だ。昨年はチリ現地の減産に加え、第三国需要や搬入遅れなどが影響した。チリの今期(16年7月~17年6月)生産量は9万から10万トンと前年並み予想。ただ、商社各社はアトランやトラウトの高騰により第三国需要の高まり、対日供給は前年を下回るとみる。

【ベニザケ】
生産はアラスカやロシアの天然漁業が中心。昨年はアラスカ・ブリストル湾が2年連続の豊漁となったが、養殖アトランの減産などで米国内需要が強まり、対日供給は前年を下回った。16年の輸入量は40%減の1万1535㌧。一方、ロシアからの輸入は3%増の2万5100㌧。全体では15%減の3万7000トンとなった。ブ湾の今期漁獲予想は昨年実績比26%減の2747万尾となっている。   

(みなと新聞 2017年3月31日の記事より)

【輸入:冷凍エビ】16年 底打ち前年から6%増 円高で安定販売奏功

無頭殻付き、むきなど冷凍エビの2016年輸入量は16万2958㌧と、過去最低だった15年から6%増えた。米国、中国の買い付け強化、主要生産国での干ばつや熱波による池揚げの遅れにより、現地価格は15年より高かったが、円高効果で輸入コストは低下。バナメイは安値安定で販売できたことが奏功した。一方、減産のため現地価格が高騰したブラックタイガー(BT)は数量が絞られた。日本の冷エビ輸入量はピーク時(1994年)の32万トンから半減。米国や中国の旺盛な消費を受けて世界の養殖生産量は増えているが、日本は需要が減退し価格形成力が弱まっている。3月時点で既に「中国がインドでの買い付けを予想以上に強めているとパッカーが口をそろえる」(商社筋)との声も上がっており、17年は日本にとって厳しい商戦となりそうだ。「冷エビ対日搬入量は横ばいか微減で着地するのでは」(同)と見通す。
◆バナメイ生産増加続く
養殖エビ主要生産国では、BTより生産効率が良いバナメイへ転換が進んでいる。17年シーズンは「西海岸を中心に新しい養殖池を造る余地があるインドは、確実に増産する」(同)見込み。慢性的な病気や気象面の懸念から、ベトナム、タイ、インドネシアなどでは微増か横ばいかで見方が分かれている。BTは16年、インドで集約養殖物が大幅に減るなど各地の減産により、現地相場が大幅に上昇。17年は生産意欲が高まり供給が増えるとの期待もあるが、「現在のBT養殖池に投入尾数を増やす」(同)程度という。天然エビでは安価で販売できるアルゼンチン(AR)アカエビが国内市場に定着した。16年は過去最高の17万㌧を漁獲、対日搬入量も1万6455㌧と最多を更新。ただ「マーケットへの浸透は米国や中国も同じ。需要が強まり、17年の現地価格は16年より上がるのでは」(同)との観測も出ており、輸入量が続伸するかは不透明だ。   

(みなと新聞 2017年3月31日の記事より)

活締め「みやぎサーモン」初入荷 石巻市場で最高値1040円

【石巻】活締め処理を施した宮城県産養殖ギンザケ「みやぎサーモン」の出荷が17日からスタートした。当日は石巻市場(同県石巻市)に6㌧が初入荷。13日に氷締め(野締め)のギンザケが初入荷しているが、活締めはこの日が初めて。最高値はキロ1040円、平均で同972円となった。石巻魚市場の担当者によると前日の氷締め(野締め)に比べてキロ当たり100円ほど高値を付けた。「みやぎサーモン」は地理的表示(GI)保護制度への登録を目指している。石巻市場における活締めギンザケの取り扱いは今年で3年目となる。昨年の活締めの扱い実績は平均単価が634円で、氷締めに比べて42円高かった。活締め処理した「みやぎサーモン」は氷締めに比べて身色、身質の鮮度維持が長い。刺身など生食向けに特化した商材として、高付加価値化、ブランド化を図る。GI登録後は、セリ場でもGIを添付して販売する予定。石巻魚市場の担当者によると「昨年に比べて活締めを扱う買受人が増えた。GI登録後に海外輸出を狙う動きもあるなど、関心が高い」という。GI登録は5月中旬になる見通し。GI登録後に運用管理を行うみやぎ銀ざけ振興協議会の担当者は「活締めは氷締めよりも手間がかかる。みやぎサーモンを定着させるためにも、品質に見合った適正な価格が維持してくれれば」と話した。   

(みなと新聞 2017年3月22日の記事より)

【鹿児島】下りウナギ禁漁期間拡大へ 産卵魚保護、パブコメ募集

【鹿児島】鹿児島県はこのほど、ニホンウナギの採捕禁止期間を拡大する案を示し、パブリックコメントを募集している。これまで10~12月だった禁止期間を10月~翌年2月に延ばし、さらなる資源保護を図る。意見の募集は来月10日まで。対象は産卵のため川から海へ下る全長21㌢を超えるニホンウナギ。県内で漁獲実績のある鹿児島海区、熊毛海区の漁業調整委員会指示として発令する。指示の有効期間は2018年3月31日とした。ニホンウナギをめぐっては14年に国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定。昨年のワシントン条約会議でも資源状態や貿易のあり方などを今後議論することが決まっていた。日本はニホンウナギ保護について、鹿児島、宮崎など主要な養鰻県で採捕禁止期間を定めている。  

(みなと新聞 2017年3月16日の記事より)

宮城養ギン、初水揚げ 13日、石巻市場 1100円超のご祝儀相場

【石巻】宮城県産養殖ギンザケの水揚げシーズンがスタートした。13日に石巻市場で初入札があり、石巻市鮎川で水揚げされたギンザケ5.9㌧が上場された。高値キロ1177円のご祝儀相場。氷締め(野締め)のみで、全量が入札により販売された。活締めは17日から販売する予定。初入札時期は昨年に比べて4日早い。導入した稚魚のサイズが大きかったことや、摂餌が良く、成育が良好だったことから水揚げ時期が早まった。入荷サイズは1尾1㌔を中心に、1.5㌔まで。卸値は1.5㌔サイズが同1100~1004円、1㌔サイズが同1177~1000円。近年で最も高値を付けた昨年に比べてキロ当たり200~300円安いものの、高値水準だ。チリ産ギンザケのドレス原料がキロ900円を付けるなど高値を更新する状況の中、それに呼応するように宮城産ギンザケも高値スタートとなった。石巻魚市場の担当者は「浜ごとに多少の差はあるようだが、おおむね成育が順調だ。身質も1㌔アップにしては、色も良くのり、買受人の評価も高い」と話す。石巻魚市場は今シーズンも従来の氷締め(野締め)と活締め物を扱う。活締めは地理的表示(GI)保護制度の認証を目指す「みやぎサーモン」と掲示して販売する。認証取得後はGIマークを陳列用のタンクに添付して販売する予定だ。  

(みなと新聞 2017年3月14日の記事より)

【JR西】陸上養殖サバ発売 17年1000尾、18年3万尾計画

【大阪】西日本旅客鉄道(大阪市、以下JR西日本)は3月8日の「サバの日」から、地下海水を使った陸上で養殖された高付加価値マサバ「お嬢サバ」の販売を開始した。2017年に1000尾、18年は3万尾の出荷を計画する。お嬢サバは、JR西日本が鳥取県と岩美町と連携し、17年から事業化を行う養殖マサバ。鳥取県栽培漁業センターが生産した完全養殖サバの稚魚を地下海水を使い、同センターが陸上で養殖。養殖期間は約9カ月。特長はアニサキスがつきにくく、刺身でも食べられる。昨年は、とろさば専門店を展開する鯖や(大阪府豊中市)が試験的にメニュー化した。JR西日本の創造本部部長の水田整ビジネスプロデュースグループリーダーは「生食のサバへの期待値が高まっていると感じる。来年からは常時提供できるだろう」と述べた。6月からは鳥取県岩美町の陸上養殖施設で養殖を本格的にスタートする。6万尾の稚魚を池入れする。

大阪駅では寿司などPR
鯖やに加え、JR西日本グループの京都市内のホテル、鳥取県内の飲食店などが8日~4月末までの特定の日に、お嬢サバを使った姿造りやにぎり寿司、てまり寿司などで提供している。鯖やの右田孝宣社長はお嬢サバについて、「サバ独特のくさみがなく、一方脂にうま味がある。白子が食べられることが魅力的だ。フグの白子よりもうま味があると思う」と力説した。8日には、鯖やとJR西日本がサバの啓蒙とお嬢サバPRを大阪駅のアナトリウム広場で開いた。お嬢サバの特徴など説明するとともに、JR西日本と鯖やが共同開発した「てまり寿司」や福井、京都、鳥取、岡山の各県の飲食店や弁当料理製造販売店のサバ寿司の販売があった。元祖鯖街道VS平成の鯖街道と題し、サバ寿司の食べ比べもあった。 

(みなと新聞 2017年3月13日の記事より)

【鹿児島シラスウナギ採捕量】1.5倍の577㌔ 取引値2割安の72万円

【鹿児島】鹿児島県はこのほど、今シーズン(2016年12月1日~3月1日)のニホンウナギ稚魚のシラス採捕量が前年同期比1.5倍の577.6㌔だったと発表した。昨シーズンの1.5倍となる。平均取引価格は2割安の71.6万円だった。ニホンウナギ稚魚の国内採捕量は1975年以降、低水準で推移している。14年には国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定。昨年のワシントン条約会議でもウナギの資源状態や貿易のあり方などを今後議論することが決まっている。鹿児島は養殖ウナギの生産量が日本一。今回県内で採捕された稚魚に加え、他県や海外で漁獲された稚魚も使ってウナギを養殖する。国が県に割り当てるニホンウナギ稚魚の今期池入れ量は7.7㌧となっていた。 

(みなと新聞 2017年3月13日の記事より)

養アユ 業務ルート再開拓へ 全鮎連と築地卸 意見交換会で確認

【築地】全国鮎養殖漁業組合連合会(全鮎連、木村泰造会長)は7日、東京・築地市場で卸5社と合同会議を開き、養殖アユの消費拡大に向けて意見交換した。業務筋向けが減り、年々量販店のウエートが高まる中、料亭でアユを食べ残す顧客が多いとの指摘があった。ただ、量販店ルートでの大幅な販売増も見込みにくい中、「業務筋への販路開拓があらためて必要」との認識で一致した。市場流通でのアユ取扱量は年々減少傾向にあるとみられ、需要縮小にいかに歯止めをかけるか、需要を維持拡大して魚価低迷を脱するかは、生産者の切実な課題だ。卸は養殖アユの販売動向について「仕向け先の中心が業務筋から量販店にシフトしている」と指摘。「(仲卸を通じて)料亭のコースに入っているアユ料理を残すお客さんが多いと聞いている」と、業務筋からの引き合いが弱まった理由を説明した。若い世代が丸の魚を買わなくなったことなどによる「魚離れ」は今後も続く可能性が高いとみられるため、卸筋は「業務筋への販路開拓があらためて必要」と助言した。全鮎連は養殖アユをPRする機関誌を発行し、調理法や商品の情報発信を行っているが、「(末端に)どこまで機関誌(の情報)が浸透しているのかがわからない」として、卸に対策を相談。卸は「量販店などに配りたいが、部数が限られるため、機関誌が必要なところに行き渡っていない可能性がある」と答えた。卸、生産者双方とも、調理法など食べ方を伝える機会が少ないから消費が落ち込んでいる、との見方で一致。卸は「インターネットで(機関誌の)一部閲覧を可能にするなど、読みたい人が手に取りやすい形で情報発信すべき」と助言した。 

(みなと新聞 2017年3月9日の記事より)

【長崎トラフグ養殖】今秋販売の2歳魚確保 不漁で苦戦、生産量回復へ

【長崎】長崎県の養殖トラフグの今秋以降販売予定2歳魚の在池尾数は7日現在、昨年同期より1割ほど多く在池。県内主要産地は今後、2年連続の不漁回避に向け給餌など在池管理を徹底、今後は例年の在池尾数を確保することで一致している。一方、昨秋~今春販売予定の養フグは同現在、全体の1割ほどが養殖池に残っており各産地は3月中の完売を見込む。長崎県は国産養フグの6割を生産する国内養フグの最大産地。しかし近年は管内のへい死率が高く、販売尾数は例年を大きく下回っている。昨夏は主に県北地区でへい死が増加、同地区の在池尾数は計画の半数近くまで落ち込んだ。昨冬の販売スタートは中国産フグの増加から大きく遅れ、県内産地は1月中旬まで多くの在池尾数を抱えていた。今秋販売の県内2歳魚について長崎県漁連の担当者は「県内在池尾数は昨年同時期より1割ほど多い。特に県北地区は夏場のへい死を見越し例年より若干多めに種苗投入している」。産地別では新松浦漁協(松浦市)の下松哲理事(県トラフグ養殖連絡協議会長)が「長崎の在池が不安定になることは輸入フグの増加を招く要因になる」と指摘した上で県内2歳魚について「今秋に向け順調に成育している。夏場以降の病気に耐えるよう給餌など管理を徹底。より高品質な養フグの出荷で輸入フグとの差別化を図る」。九十九島漁協(佐世保市)の山村高義部長は「現在、在池は全く問題ない。今秋は予定する販売尾数を確実に確保する。例年並みの生産量を取り戻す」。長崎市たちばな漁協の鳥越大雄参事は「ほぼ例年並みの在池状況。当管内は昨夏、大幅なへい死はなかったが今後も気を緩めず在池管理を行う。 

(みなと新聞 2017年3月9日の記事より)

【福良漁協生産】サクラマス当地グルメに 淡路島で5月まで丼、鍋提供

【兵庫】福良漁協(兵庫県南あわじ市)が生産する「淡路島サクラマス」を使った料理の提供が1日、南あわじ市内のホテルやレストランで始まった。20店舗が5月まで丼や鍋料理を提供し、冬の「3年とらふぐ」、夏の「べっぴん鱧」に続く、春のご当地グルメ化を目指す。福良漁協は2015年から淡路島サクラマスの生産を開始。今年は池入れした約7000尾が成育し、本格的な出荷ができる見通しになった。これに合わせ、市、市商工会、淡路島観光協会と、旅行情報サイト「じゃらん」を展開するリクルートライフスタイルなどが連携し、新メニューの開発を進めてきた。主に宿泊客向けに鍋10種類、日帰り客向けに丼13種類を提供する。開発に当たり、鍋はしゃぶしゃぶ形式にして、締めに淡路島のコメか手延べそうめんを使用。丼は淡路島産の野菜やコメを使うなどのルールを設定した。2月28日には、南あわじ市内で報道関係者向けのメニューのお披露目会があり、「サクラマスのレアカツと新玉ねぎのリゾット」「豆乳しゃぶしゃぶ」「うにしゃぶ」などが並んだ。天丼を販売するカフェ「KEKKOI」の藤江明美さんは「サクラマスは臭みが少なく、味がすっきりしているので、女性でも食べやすい」と話す。あいさつに立った福良漁協の前田若男組合長は「3月は甘みがあり、5月になると脂ののりが増す。毎月味が違うから、それぞれ食べに来てもらえれば」と呼びかけた。 

(みなと新聞 2017年3月6日の記事より)

近大が養サクラマス提供 関係2店で期間限定 お好み焼き「千房」も販売

【大阪】近畿大が生産している「近大サクラマス」を使用した料理の提供が1日から、同大の養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」と千房ホールディングス(大阪市)の高級お好み焼き店「ぷれじでんと千房」で始まった。同大では水産研究所富山実験場(富山県射水市)で2011年からサクラマスの養殖研究を開始。16年には完全養殖を実現した。完全養殖の魚は育っていないため、提供するのは天然種苗から生産したものになる。近畿大学水産研究所大阪店と銀座店では8日まで1日10食限定で「近大キャビア」とサクラマスのムニエルを出す。ぷれじでんと千房は、4月30日までの期間限定で鉄板焼きを提供する。 

(みなと新聞 2017年3月3日の記事より)

【長崎トラフグ養殖】減産で中国台頭許す
最大産地、安定供給へ回帰 今秋向け2歳魚すくすく

国産養殖トラフグ販売は年末から年明け以降、主要消費地の関西地区を中心に動きが鈍い。市場関係者は主な理由を「値決め時期の昨秋の高値で外食のメニューや量販店の品ぞろえから国産養フグが外れた」。産地関係者は「最大産地の長崎県で近年へい死が増加。業界が供給不足を懸念した結果、中国産のフグの輸入が増えたのでは」と頭を抱える。
流通業界が国産養フグの安定供給を今後不安視する中、最大産地・長崎は昨年までの減産の反省を踏まえ、生産量安定を第一とする姿勢に立ち返ろうとしている。長崎県はこれまで養トラフグ生産量日本一を維持してきたが、近年は在池中の病気などが原因でへい死が急増するなど県内養フグの生存率が著しく低下。同県北部地区では昨年12月、今期出荷予定の養フグ在池量が前年同期の半数近くまで落ち込み、県内養フグの安定生産に対する流通筋の信頼が低下している。国産養フグの約6割を生産する長崎県が予定在池量を確保できないことは、国内実需者が必要とする養フグ数量の不足に直結する。今後も同県内の生存率低下が続けば、国産フグの供給量が不安視され、中国産養フグの輸入を増加させる懸念もある。

行き過ぎた? コスト削減
県内養フグの近年の急激な生存率低下については現在、関係機関が原因究明を行っている。原因について産地関係者は「県内生産者の多くが餌や栄養剤を節約するなど必要不可欠なコストを削減した結果ではないか」と指摘する。コスト削減とへい死増加の因果関係を産地関係者は「県内養フグの生存率が低下し始めたのは、ここ数年の餌代高騰の時期と符合する」と説明。魚の栄養不足や管理不足で魚の体力が低下し、近年の急激な海水温度の変化など海の環境変化に耐えられなかったのではと分析する。一方、今秋冬に向けた県内2歳魚の2月現在の成育は順調で、県内生産者の多くが予定する販売量の在池尾数を確保。先の反省から安定生産に向けた飼育を既に実践している。同県生産者は「今後は供給量を安定化させることで市場や問屋など販売先が抱える『量確保の不安』を払拭する。養殖業の本質『安定品質の魚を安定供給』を再認識することで、より高品質な養フグを出荷、輸入フグとの差別化を図りたい」と話す。 

(みなと新聞 2017年2月15日の記事より)

ウナギに「隠れ場所」を 環境省が保全へ指針案

絶滅の恐れがあるニホンウナギの保全をめぐり、環境省の検討会は7日、成育に適した環境づくりに向けた指針案をまとめた。海や河川を行き来しやすくし、日中に身を潜める隠れ場所を確保することなどの重要性を明記。パブリックコメント(意見公募)を経て、3月にも公表する予定だ。指針案は、海から川へさかのぼりやすくなるよう、落差の大きいせきで魚道を設けるなど障害を少なくすることが望ましいと指摘。水際をコンクリートで覆うのではなく、隠れ場所となる植生や浮き石など周辺環境を回復することも求めている。ニホンウナギは生息環境の変化や乱獲などで、資源量が減少。絶滅の恐れがあるとして、環境省や国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに掲載されている。 

(みなと新聞 2017年2月10日の記事より)

淡路島サクラマス知名度拡大へ 兵庫・福良漁協 6000尾を池入れ

【福良】「淡路島3年とらふぐ」で有名な福良漁協(兵庫県南あわじ市、前田若男組合長)がこのほど、サクラマス稚魚6000尾を池入れした。稚魚数は初池入れした2015年の2倍。「淡路島サクラマス」として売り込み、県や市などの行政や地域の団体と連携し、ブランド浸透を図る。前田組合長は「淡路島サクラマスを冬の3年とらふぐと6月からの『べっぴん鱧』の端境期の名物にしたい」と意気込む。3月から出荷を開始する。サクラマスとはヤマメの降海型で、他県でも養殖は行われている。淡路島サクラマスの特徴は「淡路島たまねぎ」の皮を餌に混ぜ、抗酸化作用で身色の変化が遅いこと。鳴門海峡の影響で潮流があり、水温が低い福良湾で育てられるため、その身が引き締まっている。静岡産の種苗を池入れし、11月から4~7カ月をかけて育てる。1尾当たり出荷サイズは1.2~2.5㌔。15年は静岡の業者から稚魚3000尾を購入し、養殖をスタートした。初めて養殖する魚種で、約半数が出荷できなかったもようだ。成長したサクラマスの試験販売や漁協イベントでの料理の振る舞いで、好評で、来期以降の手ごたえをつかんでいた。16年は約200㌘の種苗を6000尾池入れした。昨年馴致、給餌、分養などの反省点を生かし、今のところ順調に成長している。現在、淡路島サクラマスの養殖を手掛ける生産者は前田組合長ただ1人。「養殖方法がある程度分かり、需要が高まれば、他のトラフグの養殖業者なども生産するだろう」と強調した。ブランドの浸透を図るため、26日の漁協イベントで淡路島サクラマス祭りを開催し、今年も料理を振る舞う。南あわじ市と淡路島観光協会、南あわじ市商工会主催の「淡路島サクラマスを使ったご当地グルメ開発のお披露目会」が28日に神戸市内である。3月からは南あわじ市内のホテル・飲食店20店舗が淡路サクラマスの料理を提供する。 

(みなと新聞 2017年2月6日の記事より)

【米メーン州】シラスウナギ枠前年並み 総枠4.39㌧・一般3.43㌧

【バンクーバー】米メーン州海洋資源局(DMR)は25日、今期の同州水域シラスウナギ総漁獲枠を前年並みの4.39㌧と発表した。うち、先住民枠を差し引いた一般枠は3.43㌧。各地で行う公聴会で関係者の意見を聴取し、2月下旬以降に操業関連規則を最終決定し、操業開始となる。昨漁期は3月22日から5月31日まで操業。総漁獲枠を獲り切った。密漁、密売防止のために漁師やバイヤーにはカード制度を実施。今年も同制度が厳しく適用される。なお、先住民枠は0.93㌧。パサマクオッディー、ペンブスコット、ホールトン・バンド・オブ・マリセクト・インディアン、アルートック・バンド・オブ・ミクマック・インディアンズなどが対象となる。 

(みなと新聞 2017年1月30日の記事より)

山梨県が新魚開発 【ニジマス×キングサーモン】 五輪目指しブランド化へ

山梨県の後藤斎知事は26日の記者会見で、いずれもマス類の県産ニジマスとキングサーモンの交配に日本で初めて成功したと発表した。2020年東京五輪・パラリンピックまでに、新たな県産ブランド品として普及させたい考えだ。県水産技術センターで研究を重ね、稚魚が約3500尾、成魚が同300尾存在するとしう。今後、流通体制の確立などについて検討を進めるとともに、魚の名称を公募する。既に試食した後藤知事は「(味は)キングサーモンに近い。硬い感じはしたがおいしかった」と感想を述べた。新魚は育成に数年かかるが、県産品を観光客に食べてもらう「地産訪消」の目玉とするためにも、五輪の直前までに味わえるようにする方針を示した。 

(みなと新聞 2017年1月30日の記事より)

「輸入活鰻の割高是正必要」
輸入組合が意見交換 かば焼き3種併存商戦に

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は24日、新春鰻情報交換会でシラス、活鰻、かば焼きの需給見通しを話し合った。ジャポニカ種シラスの現在までの池入れ量は約19㌧。活鰻は国産に比べて高値を付けている輸入物の価格「適正化」が課題とされ、かば焼きは3種のウナギが流通する中、国産が値下がりした影響が懸念された。ジャポニカ種シラスの今シーズンの池入れは現在までのところ日本約10㌧(うち3~4㌧が輸入)、中国5㌧強、台湾1㌧、韓国3㌧弱(主に中国からの輸入)、計19㌧。活鰻は国産と流通価格が逆転している。矢澤栄二活鰻部会長は「今シーズンはスタートから台湾産の在鰻不足、円安などが影響し、サイズによって(輸入物と)国産の価格が逆転。(輸入物が)高くなり輸入量が激減している」と説明する。同氏は「問題は価格差。2016年の値差をみると、(国産に比べて)中国産が400~750円安、台湾産が800~1250円安。今期は(価格を下げた)国産に比べ、中国物が高い。売れ行きに響いている」と懸念した。同氏によると、現在の在鰻量は中国8000㌧(うち、加工向け5000㌧)、台湾1200㌧。活鰻向けは昨年1~8月の輸入実績より少ない。かば焼きを総括した中村祐治副会長は「旧正月以降、大サイズが下がるとの見方もあるが、(活鰻相場をみると)かば焼きも下げないのでは」と予想。昨年販売に貢献した太物を「多少上がっているが、昨年同期と比べるとまだ安い。動きは昨年より良い」とした。今後の見通しについては「為替の影響で輸入物は安くならない」とする一方、モロッコ産欧州種について3~4月にもCITES(ワシントン条約)の証明書が発給される可能性があるとし、「欧州種が欲しいお客さんもいる。ジャポニカ、欧州、ロストラータの3種が市場に出てくる年になる」とした。一方、国産かば焼きはメーカー在庫がかなりあるとし、「一年を通じ安価で出てくると思う」とした。   

(みなと新聞 2017年1月26日の記事より)

クロマグロ養殖 全国団体発足 輸出強化し価格維持へ 産官学で供給増に対応

クロマグロ養殖業者の団体・全国クロマグロ養殖連絡協議会(Bluefin Japan 宮原正典代表)が24日、発足した。全国のクロマグロ養殖業者が加盟する団体の設立は初めて。養殖クロマグロは2年後に生産量の大幅増が見込まれている。協議会が海外需要を喚起し、輸出量を増やすことで価格の下落を防ぐ狙い。日本水産、マルハニチロ、極洋といった大手水産系、双日ツナファーム八勝や東洋冷蔵、ツナドリーム五島などの商社系、フィードワン、長崎県まぐろ養殖協議会、高知・長崎・愛媛・熊本・鹿児島といった自治体、近畿大学、水産研究・教育機構(神奈川県横浜市)などが名を連ねており、約20の会社と団体が官民一体となって国外の需要喚起と輸出振興に取り組む。太平洋クロマグロは資源が危機的な状態にあるものの、養殖は天然種苗に加えて人工種苗の供給もあり、順調に生産が推移すれば、今後供給量の増加が見込まれる。発起人の宮原代表は養殖マグロ業者のほとんどをカバーできている。団体はオープンなのでクロマグロ養殖業者ならば誰でも加盟できる」とした。4月以降、輸出促進のキャンペーンや輸出手続きの窓口一元化、などを協議会が主体となって進めていく予定。当面事務局は水研機構内に設置する。宮原代表は「研究機関が立ち上げるのはいかがなものかと悩んだが、2年後に出荷が増えることが目に見えている。今動かないと間に合わない。今年度内にも定款などを取りまとめたい」と話した。  

(みなと新聞 2017年1月25日の記事より)

浮沈式イケスでギンザケ養殖
マリノフォーラム21 井貫晴介会長

マリノフォーラ21の井貫晴介会長は23日、東京都内で年頭会見を開いた。環境IT技術を活用した養殖技術開発事業は、昨年度に引き続き実施。同団体が開発した可変深度型浮沈イケスを使い、従来の養殖方法では夏前までだった養殖ギンザケの出荷時期を8月のお盆まで延ばして高価格での販売を目指す。同イケスを使い、今秋から宮城県女川市で、地元業者がギンザケ養殖を始める予定だ。水産研究・教育機構などと共同で行う「ウナギ種苗の大量生産のシステム実証事業」は2016年度で修了。「(幼生レベルで)安定した量を確保できるようになったが、シラスウナギまで育てるのが困難。給餌方法などの検討が必要」とし、ウナギ養殖の商業化に向け、17年度からも同機構などと協力し事業を行えるよう準備したいと話した。同団体が進める水産庁の補助事業・有明海漁場環境改善実証事業は「最も大きな事業の一つ」と位置づけ。17年度も漁場改善に向けた技術開発を行うとした。これまで同事業により、アサリの着底と成育の最適場所が異なると判明。今後は、着底貝を成育に適した場所に移す「移植作業」を行い、アサリの成育を促したいとした。井貫会長は、17年度でいったん修了する事業について「今後の予算付けに関して不安が大きい」としながらも、「漁業者の皆さんに評価をもらえる成果を出しつつある」と話した。  

(みなと新聞 2017年1月25日の記事より)

食用魚介自給率70%に 27年度 水産庁が目標示す

15年比11㌽上昇
水産庁は16日、農水省で開いた水産政策審議会企画部会で、2027年度の食用魚介類自給率を15年度(概算値)比11㌽増の70%とする目標を提案した。非食用を含む魚介類全体は、同10㌽増の64%。消費減退を抑えつつ、国内生産増加などで目標達成を目指す。同提案は3月の水産基本計画閣議決定に向けたもの。同部会は委員から目立った反対がなく、大筋了承した。水産庁は、15年度48.3㌔あった国民年間1人当たりの食用魚介類消費量(粗食料ベース)が、このままでは27年度に42.7㌔まで減ると想定。消費者ニーズに対応した供給や未利用魚の活用などで減少幅を抑え、46.4㌔の消費を保つことを目標に設定した。

国内生産 回復前提
人工減などを加味し、27年度の消費量は553万㌧(15年度比10%減)を想定。国内の生産量は、漁業管理と環境保全による資源回復などを通し、387万㌧(同7%増)とした。非食用を含む魚介類消費仕向け量は711万㌧を想定。生産量を15年度の418万㌧から27年度455万㌧に増やすことで自給率アップを目指す。目標は「輸入量減少や輸出量の増大を考慮しても整合する」(同庁)。魚介類統計に含まない海藻は、27年度の生産量49万㌧、消費量66万㌧、自給率74%(同4㌽アップ)を目標とした。各数値目標への反対は出なかった。同部会は2月2日に次回会合を開き、水産基本計画の大枠を固める。 

(みなと新聞 2017年1月17日の記事より)

【水産庁・養殖魚需給検討会】活け込み目標前年並み ブリ類2700万尾、マダイ5300万尾

水産庁は12日、養殖魚需給検討会を開き、2017年漁期のブリ類(ブリ・カンパチ)目標種苗活け込み尾数を2700万尾程度、マダイを5300万尾程度とすると決めた。いずれも前年と同水準。尾数に強制力はないが、生産者は目標に従い活け込み尾数を設定する。目標生産数量(育成後の出荷尾数)も前年と同じブリ類14万㌧、マダイ7万2000㌧に据え置いた。検討会は需要に合った養殖魚生産を進めるため14年に設置。目標は06~10年の活け込み実績のうち最大と最小の年を除いた3年の平均を基準に各養殖業者ごとに毎年設定している。昨年、目標に従い活け込みを行った養殖業者の割合はマダイが58%、ブリが70%、カンパチが75%だった。いずれも増加傾向にあるが、全業者が目標に従っているわけではない。目標に従っていない業者が大量に種苗を活け込みした場合、生産量が目標値を超え、価格下落につながる可能性がある。出席した全国海水養魚協会の嶋野勝路会長は「目標に従うよう生産者に呼びかけてほしい」と水産庁に求めた。同庁は目標値を設定する一方、輸出した養殖魚は生産尾数に含めていない。委員からは「活け込んだが輸出ができなかったと、国内に供給されては困る」「輸出している尾数も把握すべき」との意見があった。養殖のブリ、カンパチは養殖場へ活け込んで1~2年後、マダイは同2年程度で出荷する。今年の活け込み尾数は主に18~19年の出荷となる。

(みなと新聞 2017年1月13日の記事より)

道秋サケ漁 低迷続く恐れ 4年魚激減、3年魚も低水準
(道さけます・内水面水試研究主幹 藤原 真氏が講演)

【札幌】4年魚(2012年級)の低回帰で平成以降で最も低い来遊・・・。道総研さけます・内水面水産試験場の藤原真研究主幹は、15日にあった定置漁業振興会議(主催・北海道定置漁業協会)で今年の道秋サケ来遊の特徴を講演した。

今年の来遊 平成で最低
今年の道秋サケ来遊数は11月時点で前年比3割減の2569万尾。1992(平成4)年2755万尾を下回り、平成以降の不漁記録を更新する。海区別ではオホーツク1267万尾(21%減)、根室490万尾(34%減)、えりも以東270万尾(45%減)、えりも以西366万尾(38%減)、日本海176万尾(26%減)。年齢組成は3年魚3%、4年魚38%、5年魚56%、6年魚2%。例年ならば主群となるはずの4年魚が極端に少なく5年魚を下回るという異例の組成だった。海区別で見ても4年魚は根室、えりも以東で平成以降で最低、その他の海区でも2~3番目に低い回帰で、藤原氏は「4年魚の低調な回帰が来遊不振の要因」とした。加えて8月に相次いで上陸・接近した台風と低気圧が操業始期に影響、その後の流木被害も定置網揚げを妨げた。9~10月いっぱい道東沖の海水温が平年よりも3~4度高く推移したことも不漁の要因に挙げた。4年魚低回帰の要因は、稚魚が降海した13年春の沿岸水温や気象。この年5月は寒の戻りで降雪があり、全道的な低水温だった上、2~6月に親潮勢力が強く、各地区の放流時期と沿岸水温を照らし合わせると、「適水温の7~13度に達した時期が非常に短期間だった」という。近年の道近海水温は冬から春に低く、夏に高く、年変動が大きい傾向にあり、気象変動に対応した資源づくりの必要性を説いた。さらに「今年は4年魚だけでなく、3年魚も少ない。今後、数年低調な来遊が続く可能性もあり、来年も4年後の資源を見据えた種卵確保対策が必要」などと述べた。   

(みなと新聞 2016年12月26日の記事より)

【水研機構】クロマグロ養殖協設立へ 中国中心に海外需要喚起

輸入物など供給過剰にらむ
水産研究・教育機構(宮原正典理事長)は22日、東京都内で会見し、全国のクロマグロ養殖業者の協議会「ブルーフィン ジャパン」を来年1月にも立ち上げると発表した。狙いは中国など国外需要喚起と輸出振興。背景には諸外国のクロマグロ類資源回復や国内の養殖規模拡大による供給過剰、値崩れ懸念がある。また、水研機構は同協議会参加企業から資金を募り、太平洋クロマグロ人工種苗の安定化・低コスト化も担う方針だ。大西洋クロマグロやミナミマグロなど海外のクロマグロ類は、乱獲による資源減少から脱却し回復傾向。2018年には両種の漁獲枠増枠が内定している。また今年、「国内養殖場でクロマグロの池入れ量が伸びた。18年には養殖も生産量が増える」(宮原理事長)。ただ「日本はクロマグロ類市場はせいぜい4.3万㌧。これをこえる供給が来れば、需要が追い付かず値崩れするのは目に見えている」(同)。値崩れが起きた場合に、多額の運転資金を必要とする養殖業者の倒産などを懸念している。値崩れを避けるため、水研機構が発起人となり、同協議会を立ち上げ。政府に輸出振興の後押しを求める。「中国では、少量ながら日本の生鮮のクロマグロが人気を集めている。現地のシーフードショーで、政府がクロマグロを売り込むことなどを期待したい」(同)   

(みなと新聞 2016年12月26日の記事より)

【中国】国内向けフグ加工場初認可 天正実業など2社2施設

中国政府は11月10日に養殖トラフグ最大手の天正実業集団(大連市、孟雪松董事長=中国漁業協会河豚魚分会副会長)、同29日に養メフグ最大手の中洋集団(江蘇省海安市、同会長)のフグ加工2社2施設を「加工基地」として認可した。中国国内で販売するフグを加工する施設として認定した格好。中国水産加工流通協会が同30日までに発表した。両社のフグ養殖施設は9月30日、同国政府が「魚源基地」に認定した。養殖、加工の両施設がフグの国内流通に対応していると認められたため、両社は同国内でフグを正式に販売できるようになった。これまでは政府が認めた一部の企業や飲食店が、試験的に国内販売を行っていた。国内流通を認められるのは、中国で養殖・加工したメフグとトラフグ。メーカーが加工基地の認可を受けるには、すべてのフグ加工製品にQRコードを付け、生産・流通履歴を追跡できるトレーサビリティーシステムを導入しているのが前提。両社は同システムを取り入れ、中国政府の認可を受けた。

冷凍4尾8000円
天正実業集団は養殖場に続いて加工場でも政府の認可を得たのを受け、直販サイトでフグ加工品の販売を本格化させた。同社は、腹抜き皮つきの冷凍身欠きフグをパック詰めし、合計重量1㌔の4尾入りが498元(約8000円)、同400㌘の2尾入りが249元(約4000円)で販売。フグギョーザなども売り込んでいる。さらに1尾丸ごと白湯やしょうゆで煮る調理法などを動画付きで紹介し、国内需要創出に取り組む。   

(みなと新聞 2016年12月16日の記事より)

日韓台の養鰻業者が調印式 ウナギ維持利用へ強調 管理規約 中国欠席も同調か

日本、中国、韓国、台湾の養鰻団体で構成する「持続可能な養鰻同盟(ASEA)の規約調印式が9日、東京都内であった。中国を除く3ヵ国の団体代表者が調印し、ワシントン条約(CITES)によるニホンウナギの取引規制阻止、そのための資源管理徹底へ、あらためて協力を誓った。ASEAは2014年設立。ウナギの資源を管理するため、天然由来の養殖種苗の池入れ量制限などを目指している。今回、あらためて同盟の目的などを規約として明文化し、強調を誓った。今後は、各国養鰻場への池入れ制限の順守呼びかけ、CITESでの取引規制阻止に向けた欧米へのロビー活動を強める。中韓両国は池入れ制限が法制化できていないが「今後、同盟が両政府に法制化を求めることになるのでは」(事務局)。調印式に出席したのは全日本持続的養鰻機構の村上寅美会長、韓国の養鰻水産協同組合の金成大組合長、台湾区鰻魚発展基金会の蔡秋棠董事長。中国漁業協会鰻業工作委員会の林美嬌会長は、出国手続きの問題などから欠席した。村上会長は「自然や食文化を守るため、各国で協力する。中国側も協力姿勢だ。近日中には中国側も調印できるのでは」と強調した。蔡董事長は「台湾では14年からウナギの池入れを許可制にしている。(規制強化にあたり)利害をめぐる衝突があったが、今は産業界の理解を得られた」と、資源管理の実効性向上に期待した。金組合長は「民間団体として協力を約束したい。今後、養殖種苗だけでなく野生の産卵親魚の保護も重要」と指摘した。   

(みなと新聞 2016年12月13日の記事より)

讃岐さーもん種苗池入れ開始 香川各地で

【高松】香川県の直島、鴨庄、引田の漁場で「讃岐さーもん」の種苗池入れが始まった。東かがわ市引田の安戸池では3日、服部水産(服部秀俊社長)の漁場で種苗4㌧(約1万尾、サイズ1尾300~500㌘サイズ)を池入れした。この日、引田湾の海水温は17度、満潮はおよそ午後2時ごろ。種苗を積み込んだ活魚トラック4台は午前7時半ころには馴致作業に取り掛かった。同11時半ころには馴致作業を終えイケスのある安戸池に移動。種苗4㌧を無事池入れした。イケスに入れた種苗の状態は非常に良く、元気にイケス内を群泳。「これだと明日から餌を食べそうだ」と関係者も種苗の状態に満足していた。服部水産の服部社長は「この種苗は高知から運んだもの。元気で状態が良い。今年もがんばって育てる」と笑顔を見せた。讃岐さーもんは、昨年12月に直島、鴨庄、引田の3漁場で種苗33㌧を池入れし、翌年春に5万尾を出荷した。今年は全体で45㌧(9万尾)の種苗導入を計画しており、今月中には池入れを完了する見込みだ。  

(みなと新聞 2016年12月6日の記事より)

ウナギ「闇取引」是正で論争 【うなぎ未来会議2016】
専門家:資源解析に支障来す  水産庁:池入れ制限で管理可能

「うなぎ未来会議2016」が10月28~30日に東京都内であり、絶滅が危ぶまれるニホンウナギ資源について、複数の科学者が闇取引の是正を訴えた。科学者らは、水産庁の「闇取引があっても、現行の池入れ数量制限で資源管理できる」という見解を疑問視。東京大の吉田丈人准教授は「ウナギの獲れた場所や量がわからなくなり、資源の分析や管理に支障となる」と述べた。
会議では、生物学者や環境保護団体職員がウナギの密流通を指摘した。昨年漁期、ウナギ種苗(シラスウナギ)の国内採捕量は5.7㌧で、輸入量は3㌧。計8.7㌧は、同時期に国内養鰻場に池入れされた18.3㌧のうち半分に満たず、残りは密流通が絡んでいるとした。また報告のあった輸入物にも不法な取引が関わっていると分析した。「近年の輸入種苗はほぼ全て香港からのもの。香港ではシラス採捕の報告がなく、東アジア諸国から非正規ルートで香港に集まったものが日本に出荷されたと考えられる」(国際NGO・トラフィックイーストアジアジャパンの白石広美氏) 専門家らは東アジア諸国による池入れ量制限にも課題を挙げた。2015~16年漁期、日本、中国、台湾、韓国はニホンウナギの池入を14年漁期比2割減で合意。だが「採捕が比較的好調だった14年漁期から2割引いても、規制の意味は薄い」「2割減に科学的な根拠はなく、各国政府や養殖業者が合意できる数値を与えたにすぎない」「一部の国では池入れ制限の法制化もできていない」などと指摘があった。闇流通に対する水産庁の姿勢も話題に。水産庁は闇流通の存在を認めつつ「闇流通のシラスも最終的には必ず養殖池に入る。池入れ量を規制すれば、シラスの過剰採捕は防げる」との姿勢。これについて吉田准教授は「闇流通があるとウナギの獲れた場所や量が分からなくなり、資源解析に支障を来す。科学的な漁獲規制を行うことも難しくなる」と反論。「社会からウナギ業界への不信感にもつながる」と問題視した。吉田准教授に対し、中央大の海部健三准教授なども賛同した。東京大の山川卓准教授は「水産庁の施策には進歩があり一定の効果が期待できる」と認めつつ「資源データは足りない」と強調。会議後は本紙取材に「各地の漁協にある程度埋もれているはず。そのデータを管理に生かすべき」とコメントを残した。会議は日本自然保護協会、国際自然保護連合(IUCN)種の保存委員会ウナギ属魚類専門家グループ、中央大学研究開発機構、北里大学海洋生命科学部、ロンドン動物学会が共催。専門家や消費者による知識の共有を目指した。28日に市民パネルへの説明会を開き、29~30日に専門家がウナギを取り巻く現状を分析。30日には、市民パネルや傍聴者を交えてシンポジウムを開いた。   

(みなと新聞 2016年11月8日の記事より)

【宮城】養ギン稚魚池入れ開始 「伊達のぎん」は310㌧計画

【鳴子】宮城県産養殖ギンザケの海面養殖が前月下旬から順次始まっている。JFみやぎが生産を指導する銘柄ギンザケ「伊達のぎん」は1日から順次、山間部の淡水養殖場から沿岸部の海面イケスへの池入れを開始。2日は宮城県大崎市の淡水養殖場から宮城県南三陸町戸倉のイケスにギンザケ稚魚約6㌧を移入した。この日の稚魚は1尾174㌘。池入れ作業は今月下旬まで行われる。「伊達のぎん」は稚魚ベースで310㌧の池入れを計画している。ギンザケは、山間部の淡水養殖場で採卵、ふ化させて1年弱の間、淡水で飼育する。その後、1尾150~180㌘に育った稚魚をトラックで沿岸に運び、海面イケスに入れて養殖する。10~11月に移入された稚魚は、半年から9ヵ月かけて1尾1~3㌔前後に成長。3月末から順次、水揚げ・出荷が始まる。来期の宮城県全体の生産・水揚げ予報はまだ見えてこないが、台風10号で岩手県岩泉町の養殖施設が甚大な被害を受けたことから、稚魚の池入れ量に影響が出る可能性もある。「1ヵ所が全滅し、約80㌧の稚魚を失った。他の養殖施設からの手当てを検討しており、カバーはできる見通し」とJFみやぎ。  

(みなと新聞 2016年11月7日の記事より)

「ウナギ資源の危機」共有へ 専門家と市民が議論 都内で国際シンポ

「うなぎ未来会議2016」シンポジウムが10月30日に東京都内であり、国内外の専門家、一般市民が、絶滅が危ぶまれるニホンウナギ資源について議論した。専門家は「資源管理に必要なデータがそろっていない」「絶滅危惧種なのにスーパーなどで安売りされている」など問題点を指摘。市民からは「消費者に資源の危機が知られていない。知識啓発と生産の透明化を行い、資源管理できているウナギだけを差別化して宣伝しては」などと提案があった。会議は日本自然保護協会、国際自然保護連合(IUCN)、中央大、北里大、ロンドン動物学会が共催。専門家、市民ら150人が参加した。同29~30日には専門家による評価会議を開催。生物学や環境保全の専門家がウナギの資源状態や生息環境、流通など現状を分析した。会議後のシンポジウムでは公募で集まった7人の市民パネリストが課題と対策を考えシンポで発表した。評価会議では、ニホンウナギ減少の理由として漁業や河川改修、海洋環境の変化などを整理。昨年漁期に国内で養殖したウナギの約7割が無報告採捕物または違法取引物と推定されること、資源管理に必要なデータが十分にそろっていないこと、東アジア各地で河川環境が悪化していることなど問題点を報告した。シンポジウムでは、環境保護団体所属のパネリストが「いまだにスーパーには安価なウナギが多くあり、消費者が『絶滅危惧種だ』と実感できない。絶滅危惧と知っても『食べてよいのか』『食べるなら今のうちでは』と混乱し、結局、消費が続いているのでは。消費者に資源の危機を伝えつつ生産や流通を透明化、資源管理できているウナギのみを差別化して宣伝しては」と提案した。都内から参加の女子高校生は「絶滅が危ぶまれるまでデータが集まっていなかったのは滑稽」としつつ「今できることをするしかない」と調査研究の強化を提言。また、河川環境の改善に向け、利害関係者同士の調整を強めるべきという声も目立った。 

(みなと新聞 2016年11月1日の記事より)

香港経由闇シラス議題か 12月厦門で日中加工鰻座談会

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は12月2日、2016年日中加工鰻座談会を中国の福建省厦門市で開く。中国側は福建省、広東省の加工業者が出席する。会議は、来年に向けたウナギの加工生産量、輸出量見通しで意見交換する他、原料動向で意見を交わす。原料はジャポニカ種の池入れが減少する中でどう安定的に確保するかが中国の課題となっている。中国側は、香港経由で日本に密輸出されているジャポニカ種シラスを問題視するとみられる。密輸出のシラスは日本がキロ300万円を超える高値で買い付ける場合もある。あまりの高値で中国の池に入れなれない状態。昨年11月以降香港からのシラス輸入量は6091㌔、140億8723万9000円。輸入単価はキロ231万2796円だった。養殖後の成鰻重量に換算すると、約6000㌧になる。中国が欧州から輸入したワシントン条約(CITES)証明書付アンギラ種シラスは同国内で育てられ、かば焼きに加工されていたが、枠の消化に伴って対日供給が一段落した。このため米国から中国へ搬出されたロストラータ種の動向が注目されており、同種の加工も議題になる見通し。中国はモロッコからCITES証明書付アンギラ種クロコ(中間魚)を14年に150㌔、15年350㌔、16年2500㌔輸入。中国国内で養殖した。会議ではこのクロコの動向も議題になる見通し。 

(みなと新聞 2016年10月27日の記事より)

【CITES閉幕】ウナギ議論継続へ 
次期会議 持続取引確保へ勧告焦点

ワシントン条約(CITES)第17回締約国会議が9月24日~10月4日、南アフリカのヨハネスブルグであり、ウナギ類と宝石サンゴの資源状態や貿易の実態、今後の貿易のあり方について、今後2~3年、CITES関連会合で継続的に議論することを決めた。また一部サメエイ類の国際取引規制も決めた。ウナギ類についての議論は、欧州連合(EU)が「現在も乱獲や密取引の懸念がある」と提案したもの。密輸のうわさが絶えないニホンウナギも対象となる。次回(2~3年後)のCITES本会議まで科学的な議論を続け、「ウナギの持続的な取引を担保するための勧告」つくるよう求めた。EU案に対し日本は「われわれはウナギの生息国かつ消費国。持続的利用に責任を負う」と支持を表明。他国も同調し、反対意見は出なかった。今後の議論の流れ次第では、次回CITES本会議でニホンウナギが取引規制の対象となる可能性がある。宝石サンゴの資源や貿易に関する議論も、異論なく採択された。日本も「資源管理に有効」との立場で賛成に回った。
オナガザメ類など 取引規制を可決
オナガザメ類とクロトガリザメ、イトマキエイ類に対する取引規制も、賛成多数で可決。今後の国際的な商業取引には、輸出国からの許可証が求められる。対象のサメエイ種について日本は「資源状態が悪いというデータが不十分」などの理由で規制に反対していた。対象のサメ、エイについて「日本の漁獲量は極めて限られている。これらが輸出されている可能性もあるが、輸出が規制された場合の影響は現在調査中。日本として今回の規制を留保する(従わない)かも未決定だ」(水産庁生態系保全室)。 

(みなと新聞 2016年10月7日の記事より)

【愛媛県】養スマ「媛貴海」関西でPR 百貨店・飲食店 全身トロのおいしさ提供

【大阪】全国販促に先駆け、近畿圏で愛媛県養殖スマ「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」の魅力を届けるフェアを飲食店や百貨店で展開・・・。愛媛県が大阪市内で開いたプレス懇談会で発表した。期間限定だが、飲食業界では初めて、伊予の媛貴海を使ったメニューが採用される。大阪で飲食店や小売業を展開する大起水産(大阪市)は29、30日に「天下の台所 大起水産海鮮レストラン堺店」で伊予の媛貴海の刺身や寿司を提供。阪神百貨店梅田本店鮮魚売り場・うお組では12~18日の愛媛のうまいもん祭りで、寿司や刺身で販売する。「全身トロのおいしい『伊予の媛貴海』をはじめ、愛媛の魚を堪能してほしい」と愛媛県大阪事務所の三谷誠一所長。その他、今月中には大阪市内の別の百貨店での販売を計画している。
今年の種苗 池入れ1万尾
愛媛県は2013年からスマの養殖技術研究開発を愛媛大学と共同で始めた。14年に成功し、15年に養殖スマを「伊予の媛貴海」とブランディング。今年には完全養殖に成功した。一方で、今年から試験販売を実施中。伊予の媛貴海には基準があり、魚体に変形がなく、重量は2.5㌔以上で、脂質含有率が25%以上のスマで、さらに一本釣で釣り上げ、船上で即殺・脱血。高機能水で輸送し、専用タグが取り付けられたものだけが名乗ることができる。今年の種苗は5月までに池入れし、その数は前年の約2.5倍の1万尾。今年の池入れの種苗は年末ごろから一部出荷するという。県によると、養殖業者、生産量を増やすうえで、共食いや網への衝突などによる生残率が低いという課題がある。現在は2業者だけが養殖に取り組む。生産量が限られ、また、天然資源の影響を受けないことから、伊予の媛貴海の浜値は1㌔3000円以上。県は「もうかる養殖業の魚種として伊予の媛貴海を育てたい」と話している。 

(みなと新聞 2016年10月6日の記事より)

【中国】フグ流通解禁へ養殖場公示 1年更新、12社16カ所認可

自国内でのフグ流通解禁を決めた中国農業部は9月30日、国内流通を認める中国国内のフグ養殖場「魚源基地」12社16拠点を正式に公示した。認定は1年ごと更新する。中国国内でのフグ流通には政府認定の養殖場で生産し、生産企業が運営する加工場を「加工基地」として認定を受ける必要がある。当局は並行して認定養殖企業が保有するフグ加工施設の審査を進めており、養殖場と加工施設が認定された企業は順次、中国国内での流通が認められる。

(みなと新聞 2016年10月3日の記事より)

【水研機構】スジアラ完全養殖に成功 世界初、種苗の安定供給へ道

水産研究・教育機構は28日、スジアラの完全養殖に世界で初めて成功したと発表した。スジアラはスズキ目ハタ科の魚。中国などでは高級食材として高値で取引されている。しかし天然のスジアラは世界的に資源量が減少しており、適切な資源管理が求められている。完全養殖が普及すれば、資源への負荷を抑えながら安定生産が可能となる。これまで人工種苗は、底に沈んで死ぬ沈降死が多発。ふ化後10日までの生残率は数%だった。2011年に種苗育成用の水槽の水を撹拌し、沈降死を防ぐ技術を確立。ふ化後10日までの生残率は66%までに改善し、完全養殖に結びついた。今回開発した完全養殖により種苗の安定供給が可能となる。国内で成魚まで育て、中国などに輸出する産業が確立する可能性がある。また安定生産が可能となれば「国内中華料理店のメニューに入れてもらえるようになるかもしれない」と同機構西海区水産研究所亜熱帯研究センターの照屋和久センター長は、国内市場の拡大にも期待する。完全養殖の実現によるメリットは品質面にもある。中国では外観が赤いほど高値で取引されている。完全養殖なら発色の良い個体を選別して育種可能。より単価の高い魚を生産できる。今後同機構では、正確な生産コストの算出を進める。稚魚1万尾を出荷サイズのむ1尾500㌘まで育てた際のコストを算出。産業化への道を模索する。稚魚から500㌘まで育つのにおよそ2年かかるため、正確な生産コストが算出できるのは早くても18年以降となる。照屋センター長は 「簡単な試算で生産コストは、陸上養殖でキロ4000円ほどになるとみている」と説明。中国での取引価格キロ6000~5000円を下回る見込みだ。

(みなと新聞 2016年9月30日の記事より)

日中韓台養鰻業者 「池入れ上限順守」 ニホンウナギ管理徹底で一致

【鹿児島】全日本持続的養鰻機構の村上寅美会長は12日、鹿児島県内で会見し、日本、中国、韓国、台湾の養鰻業者がニホンウナギの資源管理を強化することで一致したと発表した。2年前に4カ国の政府が合意した稚魚(シラス)の池入れ上限を順守するもの。ニホンウナギの国際資源管理をめぐっては、日本の池入れ上限を年間21.6㌧、中国36㌧、韓国10㌧、台湾11.1㌧とする政府間合意がある。これに基づき4ヵ国・地域の民間団体でつくる「持続可能な養鰻同盟(ASEA)」が協議を進めてきた。ただ、これまでは中国の抵抗などで足並みがそろっていなかった。
異種ウナギは同意せず
日本の民間団体である全日本持続的養鰻機構は6~8月に中国、台湾、韓国を訪問。ニホンウナギと別種の「異種ウナギ」の管理は中国、韓国の反対でまとまらなかったが、ニホンウナギは池入れ上限を守ることで一致した。「10~11月には4カ国・地域による正式な調印ができる」と村上会長。ニホンウナギのワシントン条約付属書掲載阻止でも4カ国・地域は合意した。中国・福建省で獲れたニホンウナギは香港経由で日本に入るため、日本は透明性のある流通を今会合で要望。「中国から香港への輸出関税は無税のため現在は黙認されているが、ワシントン条約への掲載を阻止すべきとの意見はよく分かったとの回答を(中国から)得た」と村上会長。

(みなと新聞 2016年9月14日の記事より)

中国でフグ販売秒読み 政府が認定養殖企業を公示

中国農業部は10日、同国内フグ食(国内でのフグ販売)正式解禁に向け、認定養殖企業12社を公示した。今後、フグ加工に関する一定の条件を満たせば、同国内でのフグの販売を認められる。現在は試験的に国内販売が行われている段階。消費筋によると、農業部がフグ加工企業の認定を行い、月内にも正式に国内販売が実現する見通しだ。実現すれば、1990年に同国衛生部が施行した「水産品衛生管理法」でフグ食が禁止されて以来、26年ぶりの国内販売解禁となる。国内販売の対象は生産履歴が追跡可能な国内養殖・加工のトラフグ、メフグのみ。養殖フグでも活魚、また天然フグの流通は禁止する。中国農業部は今回の公示に意義がある場合、12~16日に中国漁業協会養殖河豚魚源基地準備案審査工作委員会に意見を出すよう通知した。今回認定した12社は次の通り。
【江蘇省】江蘇中洋生態魚類株式有限公司▽南通龍洋有限公司 (広東江門基地)
【遼寧省】大連天正実業有限公司▽大連富谷食品有限公司▽盤錦華魨産業開発有限公司
【広東省】広州市金洋水産養殖有限公司▽中山市坦州鎮水産品専業合作社
【山東省】菜州明波水産有限公司▽栄成市泓泰漁業有限公司▽文登駿馬水産食品有限公司
【河北省】唐山海都水産食品有限公司▽唐山市曹妃甸祥盛水産養殖場
「中日フグ業界共同の勝利」養トラフグ最大手・天正集団 孟董事長
中国農業部から養殖企業認定を受けた中国養殖トラフグ生産・加工最大手の大連天正実業集団(大連市)董事長で中国漁業協会河豚会副会長の孟雪松氏は「中国フグ業界にとって共同の勝利だ」と喜ぶ。その上で「当社では中国フグ食解禁を見込み、中国国内で300~500店舗のチェーンを展開する料理店と交渉を進めている。中国では火鍋などの中華料理で食べるため1人当たりの消費量が多くなる」と中国国内の潜在需要の大きさを指摘する。日本産フグの輸入については、「将来的には日本加工の唐揚げなど高次加工フグの輸入を考えている。中国は日本の高い加工技術にまだ及ばない。日本の加工技術を学びたい」。

(みなと新聞 2016年9月13日の記事より)

【下関南風泊市場】外海物トラフグ本格化
  初セリ式 高値4000円安の2万円

【下関】下関南風泊市場(山口県下関市)で26日午前3時20分から、外海トラフグの初セリ式があり、本格的なフグシーズンに突入した。外海物は山口県萩市越ヶ浜の明福丸、福岡県鐘崎の星宝丸、明光丸、海幸丸などが日本海で漁獲した57尾、150㌔(前年比2.1倍)が上場。相場は1尾2㌔以上の活大サイズがキロ2万~1万3000円、2㌔以下の活小サイズは1万5000円~7000円だった。前年に比べ、高値がそれぞれ4000円安、2000円安だった。見原宏下関唐戸魚市場専務は「外海物は入荷量、相場ともまずまずのスタートとなり、今期の好漁を期待している。安定集荷・供給に全力を尽くし、安心安全の下関ふくを多くの消費者に届けたい」と話す。この日は外海物の他に内海物400㌔、養殖物3㌧が上場した。

(みなと新聞 2016年9月27日の記事より)

【ワシントン条約会議】ウナギ保護 国際議論へ
EU提案 第1委で承認 資源、取引解明に一歩

【ロンドン時事】南アフリカで開かれているワシントン条約締約国会議は25日の第1委員会で、世界各地のウナギの生息状況や実態に関するデータを各国が持ち寄り、今後の保護の在り方を国際的に議論するよう求めた欧州連合(EU)の提案を承認した。10月4日の全体会合で採択される見通し。ニホンウナギは絶滅の恐れがあり、日本政府も委員会で提案を支持した。EUは、科学的データを基に2、3年かけて討議し、次回会議までに「ウナギの持続的取引を確実なものとするための勧告」をまとめるよう呼び掛けている。提案でEUは、乱獲で数が減少したヨーロッパウナギの国際取引が2009年に規制されたことにより、アメリカウナギなど別の種の需要が飛躍的に増加したと指摘。さまざまな種のウナギの生態や漁獲量などを把握し、対策を練る必要があると強調した。

(みなと新聞 2016年9月27日の記事より)

【スーパー販売統計 8月水産部門】売上軒並み前年割れ
暑さ、台風で客数激減 サンマ・ウナギ苦戦

日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、全国の中小スーパー3団体がこれほどそれぞれ発表した販売統計によると、8月の水産物売上高(既存店ベース)はいずれも前年同月を下回った。水揚げ減で入荷が不安定だったサンマ、土用の二の丑(うし)がなかった影響を受けたウナギかば焼きが苦戦した。さらに全国的に平均気温が高く、台風の発生数も2006年に並び過去12年間で最多の7回。客足が遠のき、水産のみならず全部門の売上高を減少させた。中小スーパー3団体が21日公表したスーパーマーケット景気動向調査によると、8月は店舗の客単価と客数を表す指数が前月に比べ低下(悪化)。特に客数を表す指数が大幅に落ち込んだ。

(みなと新聞 2016年9月27日の記事より)

ウナギ流通透明化へ布石 「資源」「 密貿易」EUが議論提案

◆24日からCITES会合
ワシントン条約(CITES)第17回締約国会議が24~10月5日、南アフリカのヨハネスブルグである。欧州連合(EU)は、資源悪化や密貿易を含む不透明な国際流通の存在も指摘されているウナギ類の資源状態、貿易実態について今後のCITES関連会合で継続的に話し合うよう、提案している。日本は会合の議論次第で同提案に「賛成する可能性がある」(水産庁生態系保全室)としている。水産関係の主な議題は、一部サメ・エイ類の国際取引規制、ウナギ類と宝石サンゴに関するCITES関連会合での継続的な議論の場の設置だ。うち、ウナギはEU、宝石サンゴは米国が議論の場の設置を求めている。日本はサメ・エイ類規制に反対の一方、ウナギや宝石サンゴの議論は「内容次第で賛成」(同)に回る。一部島国からはオナガザメ類とクロトガリザメ、イトマキエイ類について、取引規制の提案がある。商業取引の際、輸出国からの許可証を求めるもの。対象のサメ・エイ種について、日本は「資源状態が悪いというデータがない」などの理由から、提案に反対の方針だ。各提案は、締約国会議で投票国の3分の2以上から支持を集めた場合に可決される。

(みなと新聞 2016年9月21日の記事より)

シラス池入れ上限を順守 日韓中台で今漁期40.4㌧ 
中国欠席しウナギ管理非公式会議

日本、韓国、中国、台湾の今漁期ウナギシラス池入れ量が40.4㌧(前漁期37.8㌧)であることが6日、東京都内であった第9回「ウナギの国際的資源保護・管理に係る非公式会議」で分かった。会議は日本、韓国、台湾が出席、中国は都合により欠席した。2カ国1地域は、昨年11月からのシラスウナギ漁の池入れ状況を議論。各国とも池入れ量上限を順守していることを確認した。日本のシラスウナギの今漁期(2015年11月~16年10月)池入れ量は5月31日時点で上限21.7㌧に対し、19.7㌧(前漁期実績18.3㌧) ▽韓国は上限11.1㌧に対して池入れ量9.3㌧(同7.4㌧) ▽台湾は上限10㌧に対し池入れ量3.2㌧(同2.8㌧) ▽欠席した中国は36㌧の上限で8.2㌧(同9.3㌧)の池入れにとどまった。出席者は24日から始まる第17回ワシントン条約(CITES)締約国会議に際し、欧州連合(EU)が議題としてウナギ資源調査を求めている点でも意見交換した。水産庁は、締約国会議での意見のため今後の会議に差し支えるとし、意見内容は「言えない」としている。第10回の非公式会議は、来年5月の予定。

(みなと新聞 2016年9月8日の記事より)

養スマ少ない受精卵も有効活用 
和歌山県水試 混合飼育に成果

和歌山県水産試験場は2012年からスマの研究を開始。東京海洋大学と地元の養殖業者「丸東」(和歌山県串本町)と共同で、スマの採卵から販売サイズに達するまでの養殖技術開発に取り組み、今年1月に人工種苗由来の養成魚の初出荷にこぎ着けた。種苗の量産化と低コスト化などを進め、県下養殖業者への技術移転を目指す。同試験場では、少量の受精卵を効率よく稚魚に育て上げることを目的に、12年度から混合飼育法によるスマの種苗生産技術の開発に取り組んでいる。この一環で、飼育水槽の容積に対してスマの受精卵数が少ない場合でも、他魚種(イシダイ・シロギス)の受精卵を同時に収容することで、餌のワムシを適正密度で与えることを可能にした。さらに、スマ仔雑魚は共食いが激しいことから、スマより小さな他魚種を混合収容することで、スマ同士の共食いを軽減させる効果も確認している。一連の研究開発を通じて混合飼育法の最適化を図り、15年度には小型陸上水槽(15㌧)1基の1回の種苗生産試験で最高8875尾(全長4~6㌢の沖出しサイズ)の種苗生産に成功。平均でも1回2000尾以上の量産実績を得た。スマの受精卵は東京海洋大館山ステーション(千葉県)で採卵し、同試験場に輸送して種苗生産を行っている。スマの親魚養成を手掛ける東京海洋大は、飼育環境調整とホルモン投与による採卵誘発技術を確立し、周年採卵が可能になった。低水温に弱いスマ当歳魚だが、春に種苗生産することで、夏場の成長期をフルに使って大きく育てられる。これにより和歌山県串本町の養殖漁場でも越冬(経験的に1㌔以上の個体)ができる。

(みなと新聞 2016年9月5日の記事より)

養スマ1年半で4㌔物目指す 愛媛大 採卵時期早め種苗生産

愛媛大学南予水産研究センターは、2013年度からスマ養殖の研究開発に着手。14年度からは愛媛県と共同で県産ブランドの養殖スマ「媛貴海(ひめたかみ)の安定生産・販売に向け研究開発を進めている。現在は産卵・ふ化から1年半で4㌔サイズの成魚出荷を目指し、早期人工種苗生産技術の開発に取り組んでいる。愛媛大ではこれまで、県海面で飼育したスマ親魚の産卵・採卵を7~8月に行っていたが、これを4~5月に前倒しして早期種苗を作ろうとする試み。スマは熱帯・亜熱帯海域に分布する魚で、海水温の高い夏場が高成長期とされる。この早期種苗は最初の夏場の高成長期を逃さずに過ごせるので、成育が早まることが期待できる。環境制御、性ホルモン処理による早期採卵誘導が15年5月に成功。県内養殖業者が約4000尾を試験養殖し、12月初旬には平均2.2㌔(最大2.9㌔)に育てた。天然魚と比べても2倍近い成長を遂げることが判明した。今年は昨年より12日早い生まれの完全養殖の種苗1万1000尾で試験養殖を行っている。また、スマは低水温になると成育が停滞。生存限界ラインは13度で、魚体が大きい方が低水温に強い(へい死率が低い)ことがわかっている。早期種苗はより大きく育った状態で越冬できるため、歩留まり向上の効果も期待できる。スマの商業的養殖の実現・普及には「早期種苗が大量生産できる初期の飼育技術向上」「育種による成長促進」「品質の均一化」「冬場の低水温耐性」を課題に、16~18年の3年間で研究開発に取り組む。

(みなと新聞 2016年9月5日の記事より)

スマ商業養殖へ前進 ブリ並みコストで単価3倍

ブリ、クロマグロに続く新種の養殖魚として期待を集める「スマ」が商業化に向けて前進している。スマはブリ並みのコストでマグロと同等の味、価値を備えている。愛媛、和歌山の両県は1月、人工種苗由来の養殖スマを初出荷。まだ試験養殖段階だが、今秋以降には3~4㌔級の2年魚の出荷を見込み、来年以降は量産化が軌道に乗りそうな勢いだ。
愛媛、和歌山で量産化に勢い
養殖スマは「全身がトロ」と例えられるほど脂がのって、味は養殖クロマグロと遜色ないと評価される。資源減少を背景に国際的な漁獲規制が敷かれるマグロの代替品として、需要が広がる要素も有している。特に、スマ養殖が大規模施設や大量給餌なとで多額の資金を要するマグロと一線を画す点は、ブリやタイなどの既存イケスが活用でき、ブリ並みの給餌量(増肉係数8前後・生餌ベース)で、1年半で4㌔級の出荷サイズに育てられる可能性が高いことだ。その上、魚価は今のところ、マグロ並みのキロ3000円(愛媛県)とブリの3倍強の値が付くことから、収益を生む新たな養魚として今後広がっていく可能性がある。広島県尾道市で8月に開かれた「種苗生産技術交流会」では、愛媛大南予水産研究センターと和歌山県水産試験場がそれぞれに取り組んでいるスマの人工種苗生産、完全養殖システムの最新の研究成果などを発表した。

◆スマ
熱帯、亜熱帯の太平洋沿岸に広く分布する魚。マグロと同じサバ科に分類される。最大で体長1㍍、体重15㌔程度に育つ。天然物はさっぱりとした味であるのに対し、養殖したスマは「全身がトロ」と例えられるほど脂がのって、養殖クロマグロに勝るとも劣らない味になる。資源減少を背景に国際的な漁獲規制が強化されているマグロの代替魚としても期待がかかる。マグロに比べて小型なのでタイ、ブリなどの既存の養殖施設が活用でき、成長が速く、単価が高いため、収益性のある新たな養殖魚種として広がる可能性も。すでに愛媛と和歌山の両県が種苗生産・養殖技術の研究開発に取り組み、2016年1月の両県が養殖スマを初出荷。完全養殖にも成功した。 

(みなと新聞 2016年9月5日の記事より)

近大 絶滅危惧タマカイ試験養殖 
奄美実験場 技術確立、新交雑種開発へ

【白浜】近畿大学は8日、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているタマカイの親魚養成試験を、同大奄美実験場の海上イケスで開始する。完全養殖技術の確立とともに、人工種苗生産技術、高級魚・ハタ類との交雑による新しい養殖魚種の開発を目指す。将来的には天然資源の保護に貢献する狙いだ。タマカイは現在、マレーシアの「近畿大学マレーシア・サバ大学養殖開発センター」でも親魚養成の研究が進められている。また、東アジアや東南アジアでは交雑種を含めた人工種苗の養殖例もある。日本ではタマカイの養成例や交雑種の作出例はほとんどない。養成する魚は2015年11月に台湾から搬入した、ふ化後10カ月の稚魚280尾(全長約20㌢)。近畿大学によれば、マレーシアで成育に適した環境では3年で30㌔の親魚に成長する。日本では環境の違いからそれ以上の年月を費やす。タマカイは亜熱帯域に生息する世界最大級のハタ科の魚類。太平洋やインド洋に分布。国内では和歌山や琉球列島、伊豆、小笠原諸島などに生息する。全長2㍍を超え、体重は400㌔程度になるものもいる。 

(みなと新聞 2016年8月4日の記事より)

宮城養ギン終漁14%減 1万1000㌧ 平均単価553円、20年で最高

【石巻】宮城県産養殖ギンザケの水揚げが7月末で修了した。JFみやぎのまとめによると、7月31日までの累計水揚数量は速報値で1万949㌧と、昨シーズンに比べて14%減となった。一方、単価は25%高のキロ553円と過去20年の最高値を更新。金額が10%増の60億5600万円となった。数量は100~200㌧程度の積み増しがある可能性がある。今シーズンは、チリ産ギンザケやトラウトの高値に加えて、昨年のヒネ物在庫が消化された状態でスタートしたことから、序盤から高値が続いた。JFみやぎによると「一度だけ、400円台となったタイミングがあったが、それ以外は550~530円で安定していた」という。シーズン通して高値を維持し、2014年を超える高値水準となった。例年8月上旬まで、水揚げが続くが、今期は7月末で修了となった。冬場から続く高水温の影響で、例年よりも早くへい死が発生する可能性が高いという見込みから、各生産者とも早期出荷をおこなってきたため。シーズン後半は、志津川や女川の一部地域で酸素欠乏症によるへい死も発生。さらに、序盤から各地でビブリオ病も発生していた。また、シーズンを通じて、1尾当たりの目回りが例年よりも一回り小さいことなどさまざまな要因が重なり、生産数量を減らす結果となった。 

(みなと新聞 2016年8月3日の記事より)

【ウナギ丑商戦】価格上昇も販売好調

「土用の丑(うし)の日」に当たる7月30日、全国各地のスーパーや専門店などでウナギ商戦がピークを迎えた。今年の販売価格は、稚魚のシラスウナギの不漁などでやや上昇傾向にあるが、売れ行きは各社とも好調だったという。スーパー大手のイオンでは、売れ筋サイズの国産かば焼きを昨年より300円余り高い2138円で販売。西友も国産の「大サイズ」を100円強値上げして1695円としたが、いずれも堅調な販売を続けている。大丸東京店(東京都)の地下食料品売り場にある専門店「日本橋伊勢定」のウナギは、大サイズのかば焼きが3780円など、スーパーの商品に比べて高額だ。しかし、価格を去年と同額に据え置いたこともあり、7月に入ってからの売上高は前年比約10%増のペースで推移しているという。普段は手が出せない「特別な日のごちそう」だからこそ、奮発する顧客も多いようだ。30日に西友赤羽店(同)でかば焼きを購入した70代の主婦は「土用の丑の日はやはり特別。きょうは特に暑いので夏バテ防止になれば」と話した。西友では、梅雨明けで気温が高くなってから売り上げがさらに伸びたという。資源の枯渇が懸念されるウナギに関しては、イワシやサンマなどが代用魚として取り上げられてきたが、今年は近畿大学が開発した養殖ナマズのかば焼きがスーパー店頭に並び、話題を呼んでいる。近畿大は使用する水や餌を工夫し、泥臭さがないウナギのような味のナマズの養殖を実現。イオングループが1598円でこのナマズを売り出した。「今年は脂がのって、本物のウナギに近づいた」と同大の有路昌彦教授。今後は養殖量を増やすなどして、さらに低価格化を進める考えだ。 

(みなと新聞 2016年8月2日の記事より)

【完全養殖マサバ】今期1.5万尾販売へ 
九州大と唐津市開発 歩留まり向上、生産2.5倍

【佐賀】九州大と佐賀県唐津市が共同開発した完全養殖マサバ「唐津Qサバ」の出荷が9月から始まる。今年度は前期比2.5倍の1万5000尾を販売予定。研究を主導する九州大大学院農学研究院唐津水産研究センター共同研究部門の長野直樹准教授は「当初は5割前後だった(種苗から成魚の)歩留まりが現在7~8割まで向上した。養殖産者が人工種苗を育てる技術レベルが上がっている」と説明する。完全養殖マサバは唐津市の水産業活性化のため同市と九州大が行う「新水産資源創出研究プロジェクト」(2012~18年度)の一環で開発。14年度に初出荷が実現した。両者でつくる唐津市水産業活性化支援センターが生産した人工種苗を地元の養殖業者が育て、JF佐賀玄海が取りまとめて販売する。毎年5~6月に採卵し、翌年9月に出荷するスケジュールで進めている。完全養殖マサバの特徴は年間通じ一定以上の脂のりがあること。「天然マサバの脂質が平均10%なのに対し養殖は25%」(長野准教授)。配合飼料で育てるため、寄生虫(アニサキス)はほとんど付かない。活魚で出荷でき、新鮮なまま刺身で食べられる。現在は唐津市内の旅館、料理店、同市や福岡市のスーパーなどに卸しており、今後は東京出荷も予定する。出荷量は年々増加。14年度は3000尾。15年度6000尾、今年度は1万5000尾。来年度は5万~6万尾を予定する。養殖業者が人工種苗を育てる技術が年々向上している。事業目的である地域活性化にも貢献。当初はマサバを養殖する生産者は1業者だったが、現在は6業者に増えた。「このうち1件は新規生産者で、地元の漁業就業者を増やすことができた」(同)
愛称「唐津Qサバ」
6月には市が公募を通じて完全養殖マサバの愛称を「唐津Qサバ」と決定。「九州大学のQ、クオリティーのQなど皆の話題になるようにと選んだ」(唐津市) 今後の課題は卵から種苗になるまでの歩留まりを上げること。現在は平均2割だが、「将来的には平均3割になるよう努めたい」(長野准教授)という。

(みなと新聞 2016年8月2日の記事より)

近大ナマズ開発1年で量販 生産量10倍の10㌧超 イオンなど数社扱いへ

近畿大学(大阪府東大阪市)が開発したウナギ味のナマズ「近大発ナマズ」が、開発成功から1年で量販店の店頭に並ぶ。イオンをはじめ量販店4~5社(各社一部店舗のみ)が採用予定。19日、東京都内で報道発表した有路昌彦・同大世界経済研究所教授は生産、1次加工、調理加工までのラインが整った点を強調した。生産量は昨年の1㌧から10㌧超に増加。脂質を前年比2.2㌽増の15.1%に引き上げることに成功し、「1年間の最大の変化は味」(有路教授)と自信を見せた。「口に入れた時に、ウナギっぽいではなく、おいしいと感じられる」(同)と、脂質はウナギの19%により近づけた。「脂質含有量が上がり、パサつき感がなくなった」(同)という。店頭価格は「安いウナギとあまり変わらない」(同)水準。養殖場からの出荷価格はウナギに比べ7割近く安いが、作業工程や物量などの問題から経費がかかるため、今後の課題。加工工程ではナマズ用のフィレーマシンを導入する他、ナマズ専用のかば焼きラインも完成した。物量確保と加工経費の抑制で、より安いナマズ提供を目指す。海外からの関心も高く、「1万㌧クラスの引き合いもあった」と有路教授。ナマズ類の世界市場は大きいが、「脂ののり」で差別化できると指摘する。また、世界各地から技術に関する問い合わせもあるが、「世界中に需要があり、輸出できる。(技術を)出すつもりはない。(ポイントとなる餌の配合について)秘伝のたれ方式でいきたい」と、国内生産にこだわる。国内生産は牧原養鰻(鹿児島・東串良町)と共同で設立した日本なまず生産を拠点に養殖。地域の養殖会社にフランチャイズ形式で技術を提供することで、養殖数量を増やしている。来年初めに100㌧体制を構築。「ウナギ養殖業者は過去の実績に基づく、シラスの割り当てに依存するしかない。新たにやってみたいという業者が出てきており、来年はさらに規模を拡大したい」と、来年以降も増産に向けた取り組みを強化する。一方、「種苗の取り合いが出ている」と、業界全般にナマズへの関心が上昇。現在の種苗生産体制は5万尾(40㌧)程度。種苗と中間育成拠点の整備が課題となっている。飲食店の「近畿大学水産研究所」の2店舗(大阪・梅田、東京・銀座)では30日、「近大発ナマズ重」(各店50食限定、税込み2200円)、「近大発ナマズ蒲焼」(同、2000円)を提供する。昨年は開店前に売り切れるなど話題となった。

(みなと新聞 2016年7月21日の記事より)

【水研機構】資源評価、消費者に発信 今年度中に10魚種 持続可能な利用呼びかけ

水産研究・教育機構(宮原正典理事長)は13日、日本で獲れる魚の資源状態などを評価し公開するSH“U”N(サステイナブルでヘルシーなうまい日本の魚)プロジェクトの概要を発表した。消費者に“持続可能な”水産物利用を呼びかけるのが目的。各魚種の資源状況を総合的に評価し、分かりやすく透明性の高い情報提供を行う。今年度中に10魚種の評価を公開予定。2019年末に50魚種に広げる意向だ。同プロジェクトでは、水研機構が海域、魚種ごとの「資源状態」「(漁業の)環境への配慮」「管理の状況」「地域の持続性」を点数化して評価。米国海洋大気庁(NOAA)の「FISHWATCH」を参考にする。担当者は「星3つ、のように一目見て分かる表現にしたい」と話す。プロジェクトでは客観性と透明性を確保し、国外からも信頼を得たい考え。「資源状態」「環境への配慮」の評価基準は、国際NGOであるGSSIの基準を参照。魚種ごとの評価は、完了前に外部委員会や一般からの意見を募る。完了した評価は、資源状態の良い魚だけでなく、悪い魚の情報も提供する。「例えば、海外のエコラベルは、サケ・マスの種苗放流を『遺伝子汚染を招き環境に悪影響』と評価しない傾向がある。ただ、日本では種苗放流が長年継続的に行われている。日本的な価値観も加え基準を作りたい」(宮原理事長) 魚種別の評価は、インターネットやパンフレットで公開予定。また、情報公開専用のスマートフォンアプリも開発している。情報発信の際、消費者が持ちやすいよう、魚種ごとの食材としての安全性や調理法などの情報も交える。宮原理事長は、乱獲や環境破壊につながらない「持続可能な漁業」を消費者にPRするエコラベルが世界的に普及していると説明。一方で「エコラベルの取得費用は高い。全国で多数の漁業が認証を受けるのは難しい」とし、公的な研究機関が水産物の持続性を証明する意義を強調した。20年の東京五輪組織委が会場で提供する水産物の持続性確保を目指していることから、同プロジェクトの認知度を上げ、プロジェクト内で評価の高い魚種を五輪でも提供したい姿勢だ。

(みなと新聞 2016年7月15日の記事より)

【水産庁決定】シラス池入れ前年度並み ウナギ管理「上限に効果」

水産庁の水産政策審議会資源管理分科会が13日、農水省であり、2017年漁期(11月から1年間)の国内養鰻場への種苗(シラス)池入れ許可量の上限を前年度と等量(ニホンウナギ21.7㌧、その他ウナギ種3.5㌧)とする農水大臣案を承認した。上限値をめぐっては学識経験者などから「過大」との批判もあるが、水産庁は本紙取材に「採捕規制として効果を発揮している」と反論する。水産庁はウナギ資源管理に向け、16年漁期から養鰻業者ごとの池入れ量規制を始めた。池入れ量上限は14年漁期比の20%減の水準。同漁期は比較的シラスウナギ(種苗)の採捕が多かったことから一部に「ウナギが減った今、天然シラスウナギを獲りたい放題獲っても池入れ上限を満たせるほどの採捕量にならない。池入れ上限が過大」と批判があるが、水産庁栽培養殖課は本紙取材に対し「採捕規制として効果を発揮している」と反論する。同課が成果として挙げるのが、静岡と鹿児島の事例だ。静岡は4月15日時点で、県全体の池入れ上限2.4㌧のうち2.1㌧を消化し、養殖業者団体が現地漁協にシラスウナギ採捕ストップを要請。以後の池入れを止めた。鹿児島も5月末、県全体の枠の94%を消化した時点で池入れを止めた。池入れ量の設定根拠は「国際的な議論の下、まずはできる規制からということで21.7㌧が上限となった。ニホンウナギの資源量はデータ不足で未解明。どの程度規制が必要か、しばらくシラスウナギの来遊増減などを見ながら考える必要がある」(水産庁栽培養殖課)。同課は「国内24都府県の川や砂浜で、2万人以上がシラスウナギを採っている。全員を監視するのは、行政コストを考えても不可能。ただ、採られたシラスウナギは全てが養鰻池に入る。養鰻業者の数は国内500で、監視の実現性がある」としている。

(みなと新聞 2016年7月15日の記事より)

【イオン】近大開発のウナギ味ナマズ販売 丑の日目玉に

流通大手のイオンは、絶滅が危惧されるニホンウナギの代替品として近畿大学が開発したナマズの販売を始める。関係者が11日、明らかにした。30日の「土用の丑の日」の目玉商品として、下旬からマナズのかば焼きを売り出す。ニホンウナギは近年資源量が減少し、国際的に絶滅が懸念されている。クロマグロの養殖で知られる近大は、かば焼きやうな丼の需要を支えるため、有路昌彦教授が中心となりウナギの代用品となるナマズの開発に着手。ナマズ特有の泥臭さを消すため、水や餌に工夫を重ね、昨年、ウナギ味のナマズの開発に成功した。近大がこれまで行ったテスト販売では、消費者から「ウナギと似ている」「また食べたい」など支持する声が多かったという。ただ、供給量が少ないため、イオンの販売も一部店舗に限定される見込み。近大は今後の拡販に向け、量産態勢を整える方針だ。

(みなと新聞 2016年7月15日の記事より)

【日大・塚本教授】下りウナギ禁漁訴える 親魚と産卵の循環保護

日本大学の塚本勝巳教授は9日、東京都内で講演し、産卵に向け川を下るウナギの禁漁を訴えた。太平洋の産卵場に訪れる親ウナギは日本の河川由来のものが多く、日本の川を下るウナギを守ることが重要と結論付けた。東アジア鰻資源協議会・日本支部会(支部会長・塚本教授)が開いたシンポジウム「うな丼の未来Ⅳ」で話した。塚本教授は、ニホンウナギ産卵場である太平洋マリアナ海溝付近での調査結果を説明。採集した親ウナギ7尾のうち日本の太平洋岸河川から来たものが3尾を占めたことから、日本の川を下るウナギはマリアナ海溝まで泳ぎ着く可能性が高いと考察。日本で下りウナギを保護すれば、効果的に親魚と産卵を確保できると論じた。一方で人間が育成して放流したウナギは自然界での死亡率が高く、日本から放流しても効果は望めないとした。禁漁時には漁業者の漁獲や収入が減る。対策として、塚本教授は「ウナギを大量消費している企業や組合が漁業者にお金を渡すなど、枠組みが必要では」と提案した。塚本教授は、ニホンウナギの資源量指数が1960年代の1割水準まで減っていることも指摘。一方で資源量のデータに信ぴょう性がないことから、国が予算をつけて長期的に資源量をモニタリングし、採捕規制につなげるべきだとした。現在、日本、中国、台湾、韓国はウナギの資源管理に向け、養殖種苗の池入れ量制限に合意している。これについて塚本教授は「制限の上限が大きすぎるため、規制になっていない」と批判した。シンポジウムではこの他、有識者が養鰻技術の歴史やウナギが河川を遡上する時期の変化、ウナギの代替商材としてのナマズの価値などについて講演。参加者全体を交え討論会も開いた。210人が来場した。水産庁は下りウナギの保護を呼びかけるが、漁獲規制は設けていない。一部の県は、漁業関係の委員会指示などでウナギが川を下る時期の禁漁措置を行っている。

(みなと新聞 2016年7月13日の記事より)

25年世界漁業・養殖生産量<FAOが予想> 日本唯一の2桁減 世界は17%増2億㌧

世界の漁業・養殖生産量(原魚ベース、海藻類を除く)は2025年に1億9500万㌧に達しそうだ。13~15年平均比で17%増える。養殖が39%増と総生産の52%を占める見通し。アジアやアフリカ、中南米など発展途上国が全体を押し上げる。一方、日本は14%減の372万㌧まで落ち込み、主要生産国で最大の減少幅となる見込みだ。
国連食糧農業機関(FAO)が隔年で発行する報告書「世界漁業・養殖業白書」最新版に、25年の未来予測を盛り込んだ。漁業・養殖生産量の今後10年の年平均成長率は1.5%と、過去10年の2.5%に比べて勢いが鈍る。うち、養殖生産は1億200万㌧まで拡大しそうだ。年平均成長率は5.4%から3%に低下するものの、動物性タンパク質分野で最高を維持する見込み。漁獲と養殖の生産割合は海藻類を除いた場合でも養殖が漁獲を上回り、本格的な海の耕作時代が到来する。今後10年で予測される総生産2900万㌧増のうち、アジアが2500万㌧を賄う。中南米で180万㌧、アフリカで160万㌧、欧州で70万㌧を上積みする。主要生産国で減産になるのはカナダ、日本のみにとどまる。日本は唯一の2桁減で、天然魚の漁獲生産が急速に先細る。水産物価格は14年に頭打ちし、15年から下落基調に転じた。今後10年は前半が主要国の景気減退や鶏肉との競争などを受け、名目ベースで続落する見込み。だが、需要過多が続くことで後半は反転し、25年時点で13~15年平均をやや上回る水準に達する見通しだ。世界1人当たりの魚介類消費量は13~15年比8%増の21.8㌔に増える。発展途上国での可処分所得向上や都市化、物流網の整備が追い風となる。消費量に占める天然魚と養魚の割合は14年に初めて養殖が過半を占めたが、養魚比率が今後10年で57%まで上昇する。1人当たりの摂取量をめぐっては、ブラジル、ペルー、チリ、中国、メキシコで大幅に増えそうだ。一方、日本、ロシア、アルゼンチン、カナダで落ち込む。報告書はサハラ以南のアフリカを除いた発展途上国の消費量が24.3㌔まで増加し、先進国の23.4%を超えると予測する。貿易量は13~15年平均比18%増の4600㌧となる見通し。天然漁獲の伸び悩みや地場消費の増加を受け、16~25年の年平均成長率は06~15年の2.3%から1.9%に低下する。日本や欧州、北米の先進国は輸入依存が続く。インドネシア、フィリピン、ベトナム、ブラジルなどは輸入量が増える見込みだ。  

(みなと新聞 2016年7月13日の記事より)

【土用の丑 ウナギ商戦佳境へ】大手コンビニ<下> 予約 順調な滑り出し 中国産も「予定上回る」

◆ファミリーマート うなぎめし 予想外の伸び
ファミリーマートは土用の丑に向け、国産4品、中国産1品の5品で予約を受け付ける。国産はいずれも鹿児島産のウナギを使用。6月14日から受け付けを始めたが、「全体的には予定通りの予約」(ファミリーマート)。特に税込み1350円の鹿児島県産うなぎめし」の予約が「予想外に伸びている」(同)。売れ筋は「鹿児島県産うなぎ蒲焼(特上)」。1尾120㌘のかば焼きを使い、コメは魚沼産コシヒカリを使用。税込み2380円で「他社に比べてやや安い価格」(同)に設定。予約は「予想通りの動き」(同)となっており、丑に向けてさらに予約を伸ばしそうだ。「ハレの日向け、自分へのご褒美」(同)として今年初めて投入したのが「鹿児島県産うなぎ蒲焼御膳」。特上のうな重にエビや野菜の天ぷら、煮物、黒豆、卵焼きなどを盛り付けた御前タイプの弁当。価格は税込み2780円と特上より400円高いだけ。「おおむね予想通りの予約がとれている」(同) 「予想外に伸びている」(同)のが一口サイズの食べやすいウナギをたれで炊き込んだご飯に載せ「鹿児島県産うなぎめし」。税込み1350円と買いやすい価格帯も影響しているとみられる。中国産の「うなぎ蒲焼重」も「予定よりもよい」(同)ペースで予約が入っている。白焼きの段階で日本酒に漬け込み、香ばしく焼き上げている。
◆サークルKサンクス 6品そろえ国産に特化
サークルKサンクスは30日の土用の丑に備え、25日まで全国のサークルKとサンクス店舗で予約を受け付ける。ウナギはローソン同様に昨年に続いて全て国産を使用。うな重をはじめ、手軽に食べられるおにぎりなど4社の中では最も多い6品をそろえる。丑に向けてうなぎの他、焼肉重など5品も予約販売しているが、これらを合わせて18万食の販売を計画している。予約は6月6日と最も早い。例年、予約件数は7月に入り増えていく。「あと3週間近くあり、追い込みをかけて予約を取る」(サークルKサンクス) 最上位の「特上 九州産うなぎ蒲焼重」は宮崎県宮崎市のうなぎ処「鰻楽」と共同開発。九州産ウナギを1尾使い、丁寧に焼き上げた。税込み価格は2580円。他社同等品の価格帯の中間の価格設定となっている。以下、3分の2尾を使った上、2分の1尾を使った「九州産うなぎ蒲焼重」をラインアップ。価格訴求の牛めしとコラボした「九州産うなぎ蒲焼&牛めし重」、愛知県産刻みウナギの太巻きと穴子にぎりを盛り合わせた「うなぎ太巻と穴子にぎり」、そして愛知県産ウナギかば焼きを具材にしたおにぎりを用意する。
◆ミニストップ 国産2品、中国産3品
イオン系列のミニストップも全店(2187店)で土用の丑に向け6月6日から5品の店頭予約を受け付けている。国産2品に中国産が3品。最高値は鹿児島県産のウナギを老舗・東京麹町の「うなぎの秋本」監修の秘伝のたれで焼き上げた「鹿児島県産上うなぎ蒲焼重」。価格は税込み2580円。1尾130~150㌘のかば焼きを使う。主力は税込み1980円の「九州産 うなぎ蒲焼重」。トップバリュグリーンアイのウナギを使用。かば焼きの重量は95~110㌘。税込み1180円の「うなぎ蒲焼重」は、脂ののった中国産ウナギをじっくりと焼き上げた。かば焼きの重量は80~90㌘。売価980円の「うなぎ蒲焼し牛めし」も中国産を使う。かば焼きの重量は35㌘前後。この他、中国産のウナギを使った「うなぎ太巻寿司」も用意する。

(みなと新聞 2016年7月11日の記事より)

シラス池入れ量据え置き 日中韓台合意 17年も21.7㌧上限

水産庁は8日、絶滅が懸念されるニホンウナギについて、11月から始まる2017年漁期の国内養殖に使う稚魚の量を3年連続となる「最大21.7㌧」に据え置く方針を明らかにした。養殖量を現状と同じ水準に抑制し、稚魚であるシラスウナギの減少に歯止めをかける。ニホンウナギの資源管理強化では、主要産地である日本、中国、韓国、台湾の4カ国・地域による協議が難航。水産庁によると、今回は次期漁期の養殖量についてのみ、書面のやりとりなどで合意したという。ニホンウナギをめぐっては、近年シラスウナギの獲れる量が減少しており、乱獲や生息環境の変化などが指摘されている。4ヵ国・地域は14年9月、15年漁期の養殖に使うシラスウナギの量を前期実績から2割削減する規制の導入などで合意。16、17年漁期もこのとき決めた水準に据え置かれる。ただ、この養殖量規制には法的拘束力がないため、日本はこれまでの協議で強制力を持つ条約の締結などを働き掛けてきた。しかし、国内業者への影響などを懸念する中国や台湾が難色を示し、協議は15年6月を最後に中断したままだ。ウナギの商業取引に対する国際的な目も厳しさを増している。(EU)は今年4月、ウナギ全般の資源量や貿易状況を調査することを提案。取引禁止対象となるワシントン条約の「付属書」に、ニホンウナギを掲載する提案こそ見送ったが、規制強化を求める声が今後強まることも予想される。日本の消費者に大きな影響が出る可能性は消えていない。

(みなと新聞 2016年7月11日の記事より)

輸出好調のブリに強敵? 増養殖研究所 奥澤センター長 米欧で生産拡大の動き

水産研究・教育機構増養殖研究所の奥澤公一育種研究センター長は、「今後米国や欧州のブリ類養殖の生産量増大が見込まれる。日本が輸出しているブリ類のライバルが増えるだろう」と強調した。7日、神奈川県横浜市であったブリ類養殖振興勉強会で話した。ブリの輸出は世界的な和食ブームを背景に、近年増加傾向にある。財務省の貿易統計にブリが加わった2007年以降、輸出量が右肩上がり。07年は2505㌧だった年間輸出量は、15年は7949㌧と3.2倍にも増えた。輸出先は7割が米国、次いでカナダ、香港、英国と続く。米国では貿易赤字縮小のため、自国でブリ類を養殖する動きがあると奥澤センター長は説明。「カリフォルニアの沖合でブリ類を養殖する計画がある。23年までに、米国のすしネタ用ブリ類の年間需要の1割にあたる5000㌧を生産するようだ」とした。またデンマークでも、最大で年間4800㌧を生産する陸上養殖設備を建設。17年内にも欧州へ出荷を開始する。水産庁の今井浩人課長補佐は「今後もブリの輸出拡大を進めていきたい」との見解を示した。ただ会場からは「5年後までに何㌧のような、具体的な数量目標を示してほしい。水産庁の本気度が分からないと民間業者は追加投資できない」との声が上がった。

(みなと新聞 2016年7月11日の記事より)

【土用の丑 ウナギ商戦佳境へ】大手コンビニ<上> 4社21品中18品『国産』 高価格帯強化が鮮明

30日の土用の丑の日に向け大手コンビニ各社は、先月からうな重の予約を受け付けている。大手4社が揃えた今年のうな重などの製品は21品。うち、18品が国産で、中国産は3品にとどまった。輸入商社の取り組みに続き、大手コンビニの予約販売状況を上下2回で紹介する。
◆セブン-イレブン 全店ベース昨年上回る予約件数
セブン-イレブン・ジャパンは、27日までうな重などの予約を全国のセブン-イレブン店舗とインターネットサイト「オムニ7」で受け付けている。「高付加価値、高単価商品を投入。昨年を上回る予算を設けている」(セブン-イレブン) 現在までの予約状況は「順調に推移している。店舗数が増えていることもあり、グロスの予約件数は増えている」(同)。ベースとなる商品は、税込み1980円の「九州産 うなぎ蒲焼重」。ウナギは指定の養殖場で管理・選別。たれ漬けと焼きを3回繰り返し、蒸し焼き製法で仕上げた。価値の高い商品を求める消費者の声に応じ、このベース商品より「約2割大きなウナギかば焼き」(同)を使い、専用工場の炭火焼焼成機を使って炭火で焼き上げた「炭火焼九州産うなぎ蒲焼重」は今年新たに投入した。ご飯の量もベース商品より2割増やし、食べ応えのある商品にしている。さらに大きなウナギ1尾を使ったかば焼き単品の「九州産うなぎ蒲焼」も販売する。税込み価格は3280円。価格的に割安な中国産を使った「うなぎ蒲焼重」も「毎年提供しており、お客さまも定着している」(同)と順調。この他、豚丼と合わせた「炭火焼豚丼&うなぎ蒲焼重」を用意する。
◆ローソン 愛知の兼光調理 1食3280円も
ローソンは6月7日から全国のローソン店舗でうな重などの予約を開始した。アイテムは昨年に続き国産のみで5品。全て数量限定。計画数量は公表していないが、「昨年実績超え」(ローソン)を目指す。予約から1ヵ月たつが、7月に入ったばかりで予約がまとまるのはこれから。「丑が近づくと予約は増えてくる」(同) 他社も含め国産では九州産ウナギが主流を占める中で、値段が高くてもおいしいものを食べたいという消費者の声を受け、愛知県三河一色産のウナギを使った「炭火手焼うなぎ蒲焼重」を投入した。ウナギ料理の名店という愛知県西尾市の「兼光」が調理。ウナギ1尾を蒸さずに炭火で焼き、うま味を閉じ込めた。小売価格は税込み3280円。うな重としては最高値となった。他に大サイズ1尾を使った「九州産うなぎ蒲焼重」、さらに価格対応で4分の3尾、2分の1尾を使ったうな重を用意。価格訴求品として鹿児島県産のウナギを使った「うな玉太巻寿司」を販売する。予約受付期間は30日午後6時まで。

(みなと新聞 2016年7月8日の記事より)

宮城ギン1万2000㌧弱か 小型化、魚病響き前年割れ

【宮城】宮城県産養殖ギンザケシーズンが終盤を迎える。宮城県漁協(JFみやぎ)のまとめによると、シーズンが始まった3月から6月末までの水揚量は速報値で7145㌧と前年並みのペース。平均単価は前年比3割高のキロ562円と高値を維持し、金額は同3割増の40億1300万円だ。魚体の小型化や魚病発生で、今シーズンの総量は前年を下回る1万2000㌧弱となる見通しだ。平均単価は3月がキロ810円、5月が600円台、6月が500円台。シーズンを通して前年比3割高を維持している。25日におおむね水揚げが修了する見通し。例年なら7月末から8月初めまで続くが、冬場から続く高水温の影響で、例年よりも早くへい死が発生する可能性が高いため、各生産者とも早期出荷の意識が高い。既に一部の浜で高水温によるへい死が発生している。今期の生産量は昨年実績より500㌧多い1万3000㌧を計画しているが、「現在のペースでは1万2000㌧を割る可能性がある」(JFみやぎ)。現在の平均サイズは1尾2.5~3㌔が中心で、例年に比べ中心が500㌘小さい。序盤から魚体に穴が開くビブリオ病が発生。終盤の高水温によるへい死なども重なり「既に水揚げを修了している生産者もいる。まだ総量は把握しづらいが、前年実績を下回りそう」(同)。

(みなと新聞 2016年7月7日の記事より)

【ジャポニカ種】依然遠い、資源回復 密貿易根絶が課題

かつて200㌧を超える国内採捕量があったジャポニカ種シラス。乱獲などから減少し2010~13年は10㌧を切る水準となった。資源状態が悪化する中、13年2月に環境省が絶滅危種1B類に指定。14年6月には、国際自然保護連合も絶滅危惧種1B類に指定。今秋に南アフリカであるCITES(ワシントン条約)締約国会議で絶滅危惧種付属書への掲載が懸念されたが、今回は掲載提案はない。ただ、欧州連合(EU)は国際取引や資源、管理の実態調査を要望する。日本は、ウナギ資源の管理のために14年6月、内水面漁業振興法を制定。昨年6月養殖業を許可制に移行した。一方、ジャポニカ種を利用する中国、台湾、韓国と協議(非公式協議)して、15年シラス漁期の池入れ量から2割減らすことで合意(日本21.7㌧・中国36㌧・台湾8㌧・韓国11.8㌧)。しかし、前漁期の池入れは各国とも限度量に満たず、今漁期も40㌧足らずで終わった。日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は輸入先の中国、台湾と連携しシラス資源回復に協力する。今年のCITESで欧州種シラスの中国への密輸出、香港経由での日本への輸出が焦点になると同組合はみており、これらの違法な取引の根絶のために取り組みを継続。持続的なウナギ輸入の確立を目指している。

(みなと新聞 2016年7月5日の記事より)

【輸入製品】今鰻年度1.3万㌧搬入か 相場安定、太物に割安感

今鰻年度の製品輸入は前年度並みの1万3200㌧の見通し。かば焼きなど製品輸入は、2010年から続いたジャポニカ種シラス不漁で11年以降輸入量が減少。13、14鰻年度は1万㌧を切る輸入に終わった。前鰻年度は13/14年シーズンのジャポニカ種シラスの好漁で1万3000㌧台まで回復した。昨年9月から今年5月現在の累計輸入量は1万191㌧。前鰻年度の流れを受け前年同期を15%上回る。為替が円高に振れたが輸入業者によれば6~8月の3ヵ月3000㌧の輸入を予想。8月までの今鰻年度の搬入量は1万3200㌧とみられている。5月まで前年同期を上回っているにもかかわらず前鰻年度並み予想なのはワシントン条約(CITES)の付属書Ⅱに掲載された欧州種(アンギラアンギラ)のかば焼きの中国からの搬入が後半減る見通しにあるため。CITES証明書付枠が少なくなる一方、申請から通関までの時間がかかるようになったことで、昨年度を下回るとみられている。国内の輸入かば焼き販売価格は13/14年のジャポニカ種好漁の影響が続く。昨秋から今年1月にかけてやや値を上げたものの、ほぼ横ばいで推移。現状50~70尾は昨年同期をやや下回る価格レベル。2年続けてシラスが不漁で、来シーズンの供給が減少するにもかかわらず上がってこない。特に数量が増えている25~40尾の太物は、前年同期比2割安の水準。輸入業者は「繰り越し在庫が多かった上に輸入量も比較的潤沢で、価格はそう上がらない。しかし、丑(うし)以降のどこかで上がる」とみている。ただ、太物の比率が多く、割安で消費が先行しているために、7、8月の最需要期に不足する可能性も指摘されている。

(みなと新聞 2016年7月5日の記事より)

【7・30土用の丑 ウナギ商戦本番!!】輸入前年度並みも太物増 シラス不漁で来期減

30日の土用の丑(うし)に向けてウナギ商戦はヤマ場を迎える。一昨年、5年ぶりのジャポニカ種シラス好漁で一息ついたかに見えた輸入だが、前期、今期と再びシラスが不漁となり再度供給状況が変わろうとしている。資源悪化から懸念されていたワシントン条約(CITES)締約国会議での絶滅危惧種付属書への掲載提案は回避されたものの、欧州連合(EU)が貿易や資源、流通の実態調査を求め、問題は今も解決していない。当面、今シーズンの輸入は前シーズン並みの予想で、今夏は猛暑予想で丑をはさみ8月まで活発な消費が予想される。シラス不漁が続き活鰻は国産との値差が縮まる。かば焼きは比率が高まった割安な太物を使った加工品の販売が増加している。
7100㌧の見込み 国産と値差縮まる
今鰻年度の活鰻輸入は前年度をやや上回る7100㌧の見込み。昨年9月から今年5月現在の輸入量はジャポニカ種を中心に4784㌧で、前年同期を18%上回る。うち、台湾からの輸入は5月現在1962㌧と前年同期比69%増。かつての水準には及ばないが2013/14年シーズンのシラスの好漁から昨年に続き前年を上回る。一方、中国産は5月現在、2816㌧の輸入。前年同期を3%下回る。6月以降の3ヵ月で中国、台湾合わせて約2300㌧の搬入見込み。今鰻年度、ジャポニカ種シラスは再び不漁に陥った。池入れ量は昨年に続いて低調で台湾は1.5㌧(前シーズン1.2㌧)、中国は9㌧(同10㌧)にとどまったとみられている。2シーズン前の2割となった。一昨年の残鰻で昨年並みの輸入量をキープしているが、サイズ組成は昨年にも増して太物の割合が増え「細物サイズは不足。対応が厳しい」(輸入業者)といわれる。活鰻相場は昨年9月以降はほぼ横ばいで推移。2年連続でシラスの不漁が確定した4月以降再び強含んだ。特に値差があった台湾産が急騰。5、6月でサイズによって500~750円値を上げた。6月下旬の中国産相場は5P4250円/㌔(前年同期3400円)、4P3800円(同3050円)、3P3250円(同2600円)、台湾産相場は5P4200円(同3200円)、4P3600円(同2900円)、3P2850円(同2550円)。池揚げが始まっている国産新仔の価格がヒネ物の価格で推移。ヒネ物が下げている中、国産物との値差が着実に縮まっている。  

(みなと新聞 2016年7月5日の記事より)

【7月30日】丑の日ウナギ商戦スタート “高級”売り込むコンビニ 

今年も土用の丑(うし)の日商戦が始まった。丑の日の7月30日に向け、コンビニ大手5社はうな重の予約受け付けをスタート。今年は「高くてもおいしいものを」という消費者の声を受け、価格が2000円台後半のワンランク上の商品が目立つ。
ワンランク上の商品目立つ
セブン-イレブン・ジャパンは「炭火焼九州産 うなぎ蒲焼重」(税込み2680円)を用意する。九州産ウナギを丸々1尾使用。かば焼きと米飯を定番商品に比べ1~2割増量した。ローソンは「愛知三河一色産 炭火手焼うなぎ蒲焼重(1尾)」(同3280円)をそろえる。愛知県西尾市一色町産のウナギ1尾を、ウナギの名店「兼光」で手焼き。「兼光」特製たれに付けて焼いた。ファミリーマートは「鹿児島県産うなぎ蒲焼重(特上)」(同2380円)を展開。鹿児島県産ウナギ1尾(120㌘)を使用。コメは魚沼産コシヒカリ、付け合わせの山椒は香り高い和歌山・紀州有田産の「ぶどう山椒」を添える。ミニストップ・スリーエフも鹿児島産ウナギ使用のうな重を品ぞろえ。炭火焼きや特製たれ使用など、製法にこだわった。
西友は実質値下げ サイズアップも価格維持
西友は27日、7月30日の土用の丑の日に合わせ、「国産うなぎ長焼」の価格を実質値下げした。26日まで販売していた「国産うなぎ長焼」のウナギのサイズを10㌔70尾入り(1尾140㌘前後)から同60尾入り(同170㌘前後)へサイズアップ。価格は税抜き1570円に据え置いた。27日から8月5日まで、同商品を「他店チラシ同額保証」の対象とする。他店のチラシ価格が西友のものより安い場合、同額に値下げして販売する。西友は「市場最安値を目指す」としている。  

(みなと新聞 2016年6月29日の記事より)

中国農業部、意見交換拒否 鰻輸入組合 シラス管理で打診 

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)はウナギのシラス管理で中国農業部に意見交換を求めていたが、中国農業部が断っていたことがわかった。ジャポニカ種ウナギは、国際自然保護連合(IUCN)が2014年に「絶滅危惧1B類」に指定。今年9月に南アフリカであるワシントン条約(CITES)締約国会議での絶滅危惧種付属書への掲載が危ぶまれていた。幸い今回は提案を行う国・地域はなかったが、欧州委員会(EU)が国際取引や資源および管理の実態調査を要望、話し合うことになった。現在、ジャポニカ種ウナギのシラス採捕では日本、中国、韓国、台湾の4者が池入れ量の管理を行っているが、密貿易が公然と行われている実態がある。日本鰻輸入組合は、今回のCITESで欧州種シラスの中国への密輸入、香港経由で日本に輸出されているジャポニカ種ウナギのシラスが問題になってくるとみており、シラスの中国内の取引を管轄する中国農業部に日ごろから交流のある中国食品土蓄進出口商会を通じて意見交換の機会を求めていた。15日の取材で森山理事長は「ジャポニカ種シラスの保全管理とフランス種の輸入について意見交換をしたいと商会を通じ農業部に申し入れていたが、13日に商会から連絡があった。中国政府として日本の民間の団体と意見交換はできないということだった」と農業部が意見交換を拒否したことをあきらかにした。  

(みなと新聞 2016年6月20日の記事より)

人工種苗フグ毒化で生残向上 西日本研究会で阪倉長崎大教授 天敵捕食から身守る 

長崎大学の阪倉良孝教授は、人工種苗生産した無毒のトラフグ稚魚(全長3~5㌢)にフグ毒を与えて放流すると、生残率が高まるとの研究結果を、山口県下関市でこのほど開かれた西日本フク研究会で発表した。「毒を持つ個体は天敵に捕食されにくい」と阪倉教授。模擬放流実験で、フグ毒を与えた人工種苗は、与えていない個体に比べて天敵(スズキ)による被食率が下がった。また、フグ毒が人工種苗の行動にも影響を与えたことを説明。「毒を与えた種苗は底層を泳ぎ、かみ合いの頻度が減少。天然稚魚の行動に近づいた」と述べた。一方、毒を与えなかった種苗は表層を浮くように泳ぎ、かみ合いもしたそうだ。さらに、フグ種苗の放流適地について言及。実験の結果、フグ種苗は低塩分の海水を好むことが分かり、フグは低層で砂に潜ることを加味して、「河口の砂浜域が放流場所に適している」とまとめた。 

(みなと新聞 2016年6月15日の記事より)

【白石日鰻連会長】ウナギ放流効果的に 水研センターなど共同 手法確立へ研究参画 

日本養鰻漁業協同組合連合会(日鰻連)の白石嘉男会長は3日の総会で、ニホンウナギの保全管理努力を呼びかける一方、今年度から取り組むニホンウナギの放流手法確立に全面的に協力する考えを語った。白石会長はワシントン条約(CITES)に関して「(ニホンウナギ提案がなく)ひと安心というところだが、安心といっても2年後か3年後かわからないが(欧州連合<EU>から)厳しい提案が行われており安心はできない」と語り、「こういう時こそ業界団体皆で(CITES附属書に)掲載されないように努力が必要と思っている」と引き続いた保全管理の取り組みへの協力を呼びかけた。一方、日鰻連の事業として行ってきた放流事業について、「本年度から放流事業そのものはなくなる。(水産総合研究センター増養殖研究所などで)放流手法を研究していただくという形で、それに日鰻連も参画する」とし、「今までのようにやみくもに放流するということでなくて、効果ある放流手法を探すということで今年度から4年間かけて放流手法を見つけていただく。協力をお願いしたい。一番大事な放流という事業が確実にできるような形に早くなればと思っている」と語った。 

(みなと新聞 2016年6月7日の記事より)

【養アユ商戦本格スタート:築地市場】月初休市影響なし 入荷、相場前年並み 

【築地】全国主要河川でアユ釣りが解禁する1日に合わせ、養殖アユの荷動きが本格化した。今年は1日が水曜休市だったが、入荷量、卸値、荷動きともに「前年並み」(築地卸)と、商戦は無事スタートした。3日の卸値は主力の1尾100㌘が前年並みのキロ1500~1200円。1日が休市だったため、入荷は31日に集中した。30日、2日の入荷量6~7㌧に比べ、2倍の14㌧だった。築地市場で例年トップシェアの愛知からの出荷量が今年は減少しており、6月初旬時点で和歌山が最も多い。岐阜、静岡が続く。天然アユ釣りが解禁されたが、入荷の9割以上が養殖物。売り先は量販店が7~8割を占める。料亭などの業務筋需要は「年々縮小している」(築地卸)。養殖アユの入荷は、量販店・スーパーの販促日である1日前後がピーク。今後は数量が落ち込むが、バーベキューや七夕などの行事需要から引き続き堅調な販売が続く。卸値は横ばいで推移する見通し。  

(みなと新聞 2016年6月6日の記事より)

【イオングループが国内初】PBの完全養殖ブリ 全国1000店で2万尾販売 

イオングループは3日、完全養殖ブリを日本初のプライベートブランドとして発売した。販売するのはイオン、イオンスタイルなど全国約1000店舗。4.5~5㌔サイズの宮崎産ブリを2ヵ月間で2万尾扱う予定だ。イオンリテール担当者は「この規模で完全養殖のブリを売れることは画期的」とアピールする。「宮崎県産活き〆ぶり(養殖)」を同社のブランド・トップバリューとして販売する。価格は「完全養殖といっても、普通のブリより高めには設定しない」(イオンリテール担当者)と、切り身用が100㌘当たり税込み321円、刺身用が同473円などを想定する。イオングループは近年、環境に配慮した“持続可能な水産物”をPRしている。この一環として、自然界から種苗を獲る必要のない完全養殖ブリの販売を強化。同日から月末まではWWFジャパンなどが主催する「サステナブル・シーフード・ウィーク」に賛同し、海洋管理協議会(MSC)認定商品の販促も実施する。  

(みなと新聞 2016年6月6日の記事より)

【ニホンウナギ】「シラス流通透明化を」 養鰻機構村上会長 さらなる管理強化訴え 

ウナギ資源の持続的な利用の確保を目的に活動する全日本持続的養鰻機構の村上寅美会長は2日の総会で、ニホンウナギ資源の管理取り組みのさらなる化を訴えた。村上会長は、今年9月のワシントン条約(CITES)締約国会議でニホンウナギの付属書記載提案が行われないことになったことについて、「(登録)阻止というより(登録)延長になったと考えている」との見方を説明。今後、「3年間が非常に大事になるのではないか」と語り、「欧州連合(EU)、米国、アフリカ(など)のご理解をいただくために、3年間は内外問わず積極的に、国の主導の下に対応していかなければならない」と取り組みを強化する考えを示した。村上会長は特にシラスの管理で「養鰻業はシラスに始まりシラスに終わると言っても過言ではない」「日本鰻輸入組合さんも含めてシラスは絶対必要だ。適正価格でぜひ日本の生産者に入るような形にするためにも流通の適正化、透明化を国にも業界の皆さんにもお願いしている」と語った。さらに「私たちはシラス30㌧、(成鰻にして)3万㌧が水揚げできるだけの池の準備はある。しかし、ワシントン条約に関する強い国の要望によって、アジア4地域の協議で日本の割り当ては21.6㌧になった。制限されている。食文化継続という大きな視点もある。使命感と責任感を持って今後もやっていかなければならない」とした。同機構は、2014年9月にニホンウナギを利用する日本、中国、韓国、台湾によるウナギの国際的資源保護・管理に係る第7回非公式協議で各国・地域に各1つの養鰻管理団体を設立することが決まり同年10月に設立された。15年漁期から4者によるシラス池入れ制限も行われている。村上会長は、4者の管理団体で組織する持続可能な養鰻同盟の初代会長も務める。 

(みなと新聞 2016年6月6日の記事より)

【日本水産がバナメイ陸上養殖】生食向け、鹿児島で11月開始 年産200㌧、周年出荷目指す 

日本水産(東京都港区、細見典男社長)は11月から、バナメイの陸上養殖を始める。鹿児島県南九州市頴娃町に養殖施設を置き、年間200㌧を生産、周年出荷する。2016年度は6㌧を池揚げし、1800万円の売り上げを予定。輸入物とは差別化し、高鮮度なワンランク上の商品として売り出す。同社は大分県佐伯市の大分海洋研究センターで、バナメイ陸上養殖の研究を進めてきた。同市近辺の海水温であればバナメイを養殖でき、また離島などに比べ流通面でアクセスが良いことから、同市を建設地に選んだ。
ブランドは「白姫えび」
養殖したバナメイは「白姫(しろひめ)えび」のブランド名で、生食用、寿司ネタ向けに販売する。同市の新たな特産品としての確立も目指す。用地面積は約3万平方㍍、建物面積は約1万2500平方㍍、総工費は4億2100万円。今後は同市に限らず、さらに養殖拠点の建設を進める見通しだ。 

(みなと新聞 2016年6月2日の記事より)

【6月1日は『アユの日』:兼升養魚漁業生産組合】アユ料理専門店オープン 養殖業の6次化モデルに 

【愛知】6月1日の「アユの日」を境に、アユがシーズン本番を迎える。「和鮎」のブランドで知られる大手養殖業者の兼升養魚漁業生産組合(愛知県豊川市、井澤茂組合長)は3月、同県豊橋市にアユ料理専門店「鮎知(あいち)」をオープンし、ブランド力強化に乗り出した。6次産業化を推し進め、新たなビジネスモデルを構築する狙いだ。養殖アユの生産量が3年連続で日本一となった愛知県から、新風を巻き起こす。天竜川の伏流水に恵まれた東三河地方を中心にアユの養殖が盛んな愛知県。農林水産省の漁業生産統計によると、2015年の養殖アユ生産量は1160㌧と全国の2割強を占める。兼升は農水省の「農山漁村6次産業化対策事業」を活用。加工センターや養殖場を新設して生産力を引き上げるとともに、料理店経営に進出した。新会社「鮎知」を立ち上げ、兼升の井澤章専務が社長を務める。コンセプトは「まちなかのやな場」。店全体をすのこ状の台でアユを獲る簗(やな)に見立て、カウンターの水槽で泳ぐ新鮮なアユを目の前で料理する。メニューは夏の若アユの他、春の氷魚(稚アユ)や秋の子持ちアユなどの創作料理で、四季を楽しむことができる。現在、名物料理になっているのは「鮎の炙り升めし」。アユのフィレーを蒸した後にバーナーで焼き目を付け、特製のたれで味付けした。升のヒノキの香りと、アユのジューシーな食感を楽しむことができる。ノリやごま、わさびなどの薬味をのせることで味は様変わりする。カウンター、テーブルと合わせ26席。4人入りの個室も完備する。前日までの完全予約制で、コースは5000円から。井澤社長は「6次化の一つのモデルとして全国の生産者や取引先に来ていただきたい」と話す。「鮎知」は豊橋駅から徒歩5分。  

(みなと新聞 2016年6月1日の記事より)

【鰻輸入組合森山理事長】1、2年が正念場 密輸念頭、流通透明化を

日本鰻輸入組合の森山喬司理事長は5月30日の総会で、継続してニホンウナギ資源管理に対応する必要性を強調。中国がワシントン条約(CITES)による規制で香港経由の密貿易を止めようと考えているのでは、との見方を示した。9月24日から南アフリカであるワシントン条約締約国会議でニホンウナギの国際取引を規制する提案は見送られたが、森山理事長は「欧州連合(EU)から宿題が出された。ウナギ資源量の調査とシラスの流通の透明化だ。狙いは仏国から密輸出されるアンギラアンギラ、香港からシラスを輸入する日本。これが明らかにターゲットと思われる」とし、「今後1~2年、真剣に受け止めて(対応を)検討しなければ」と訴えた。同組合は4月20日に中国、5月17日に台湾と貿易会議を行った。森山理事長は両会議について「台湾とはほぼ同じ方向を向いているので話がかみ合ったが、中国とはまったくかみ合わなかった」と総括。「(中国は)広東省と福建省で業界が対立している。真っ二つ。ニホンウナギと異種ウナギと言い換えてもいいが、業界が一つになっていないので動きようがないというのが中国政府の考え方のようだ」とした。
条約利用し密貿阻止か (中国)
さらに「探っていくと、中国のシラスが池に入らず香港に出る。これを止めるにはワシントン条約で規制され、シラスの取引が制限、禁止される、香港から出るシラスを貿易できなくする。こういうことを(中国政府は)期待している。ワシントン条約に早く乗ればいい。そうするとシラスが出ていかず中国の池に入る。そうすると日本の減産、中国の増産になるという考え方が奥底にあるようだ」との見方を示し、中国側の真意を確かめるため同国農業部に面会を申し入れていることを明らかにした。  

(みなと新聞 2016年6月1日の記事より)

「大きくなって戻っておいで」 府立環境農林水産研 大阪湾にトラフグ稚魚放流

【大阪】大阪府立環境農林水産総合研究所水産研究部(大阪府岬町)は5月10日、トラフグの稚魚計1万8000尾を大阪湾の男里川河口沖(阪南市)とサザンビーチ沖(泉南市)に標識をつけて放流した。放流サイズは全長8㌢前後。体重約8㌘前後。全国的に漁獲量が減る中、稚魚放流で資源増大を目指す。府は2015年から放流技術開発魚種としてトラフグを位置づけ、同研究所が試験研究を行い、大阪府漁業振興基金栽培事業場が稚魚の飼育などを行っている。昨年は受精卵のふ化が不調で、1万5000尾(平均全長7㌢・体重約8㌘)しか放流できなかった。今年は空気でなく、水流で卵を撹拌する技術を導入。順調に育ち、放流サイズまで育てられた。放流したトラフグは2年以内に商品サイズ(全長約40㌢、体重約1.5㌔)に成長する。他県の放流魚と区別できるように標識を付け、環境農林水産総合研究所が放流後の回遊生態を調べる。トラフグは大阪湾でも1965年ごろまでは漁獲があったが、その後、ほとんどみられなくなった。現在の府内の水揚げは年間100㌔程度。同研究所によると、最近の研究でトラフグは放流場所に戻ることが分かっている。  

(みなと新聞 2016年6月1日の記事より)

【中国フグ食解禁】不安広がる日本養殖業界 まずは国内需要量の把握を

養殖トラフグを取り巻く環境が大きな転機を迎えようとしている。中国でフグ食(国内流通)解禁が現実味を帯び、同国の大幅増産は必至。日本の生産者は「中国の需要が未知数なため、増産の余剰量が日本に輸出される可能性もある」と警戒、解禁後の中国の需給不透明に不安が広がっている。国内産地は「業界が極端な輸出入に走らないよう、再生産可能な魚価を維持できる国内需要量をしっかり把握する必要がある」と課題を挙げる。中国の養フグ生産量は近年1000㌧前後。うち600~500㌧が日本に輸入される。現地では最大5000㌧の生産が可能という。一方で、中国内の需要次第では「日本向けがなくなる」「中国から高値で直接買い付けにくる」など日本の輸出先となる可能性にも話が及び、解禁後の見通しは混沌としている。国産養フグの価格は現在、主要産地の減産などで2014年の暴落から回復。16年初頭はキロ3000円台で推移、それ以上の高値取引もあった。産地関係者は「やっと再生産可能な相場になった」と評価。「今後は安定相場を望む。極端な価格乱高下は経営の見通しを暗くし、料理店のトラフグ離れにもつながる」とみる。
年間4500~5000㌧
国内フグの年間需要量は04年の約9000㌧をピークに右肩下がりで、近年は5000㌧台で推移。特に05年以降の需要減は著しく、団塊世代の定年時期と一致する。08年リーマンショックが需要低迷に拍車を掛けた。12年の東京都のフグ条例改正に向け増産されたが、肩透かし。供給過多からその後の価格低迷につながった。産地関係者スムーズな販売が可能で再生産可能な相場を形成できる需要量を「年間4500~5000㌧ではないか」と推定。活魚輸入量は「国内生産者が現在の数量を継続生産すると仮定し、500~600㌧が妥当だろう」とみる。過去の供給量から推測すると、需要に合わせ供給量の調整を主に担っていたのは実は輸入業者とわかる。活魚輸入はピーク時の04年ごろの3500㌧から11年以降は500~600㌧台にとどまる。輸入活魚のFOBキロ価格は、06年までの約1000円が近年、2000~1500円と高騰気味。赤字取引を避けたいのは輸入業者も同じで、国内相場が下落しないよう結果的に輸入量を調整していると考えられる。ただ、中国で大量の余剰分が出た場合、新規の輸入業者が参入し日本国内の需給を無視して輸入したら、需給バランスは一気に崩れる。一方で、国内需要を優先しない過度な中国への輸出依存は国内顧客の信用を失墜させ、相場にも影響を与える。フグ業界全体が「国内需要量」をしっかり把握することが重要だ。  

(みなと新聞 2016年5月20日の記事より)

弓ヶ浜水産、新潟でサケ養殖 23日から出荷、初年度200㌧

日本水産の連結子会社である弓ヶ浜水産(鳥取県境港市、鶴岡比呂志社長)は新潟県佐渡市で養殖したギンザケ「活〆佐渡サーモン」を23日から出荷する。初年度の今年は200㌧の出荷を予定。2018年をめどに1000㌧まで拡大する計画だ。同社境港を中心に養殖ギンザケのふ化、育成、加工を展開。15年3月には本社工場が完成し、「活〆境港サーモン」を販売している。養殖ギンザケのさらなる供給拡大を狙い、ニッスイグループの山津水産の協力も得て15年7月に佐渡事業所を設置。第2の生産拠点としてギンザケ稚魚の淡水養殖に着手し、12月から海面養殖を行ってきた。ギンザケは水揚げ後、活締めして、ラウンドやドレス、加熱用フィレーに加工して出荷。チルドのまま関東甲信越をはじめ全国の量販店や外食店に販売する。  

(みなと新聞 2016年5月20日の記事より)

【近大ナマズ機内食に】生産量100㌧体制にめど 事業化へ一歩

【大阪】土用の丑(うし)の日はナマズ・・・と昨年近畿大学が試験販売した「うなぎ味のナマズ」がLCC(格安航空会社)のPeach Aviation(ピーチ・アビエーション)の機内食として6月1日から販売される。メニュー名は「近大発うなぎ味のナマズごはん」で1350円。販売対象路線は飛行時間が90分以上のすべての国内線と、一部を除くすべての国際線で約700食限定で提供。18日にPeach本社であったメディア試食会の席上、開発者の近畿大学世界経済研究所の有路昌彦教授は、「事業化へ大きな一歩が踏み出せた」と述べ、目標の生産量100㌧体制についても「今年中の実現にめどが立っている」と力強く語った。2000年ごろ15万~16万㌧あったウナギ類の総供給量は14年には4万~5万㌧にまで落ち込んだ。潜在需要として存在する、その差11万~12万㌧を代替魚種でカバーしようという試みとして6年前に研究がスタート。①温水性の淡水魚であること ②資源状態に問題がなく、完全養殖が可能で種苗の確保が容易なこと ③ウナギのかば焼きの味に似せられるか。脂が十分にあって、泥臭くなく、甘みが十分な魚種であること・・・・・これらの条件をクリアしたのがマナマズだったというわけだ。今回のコラボはPeachからのアプローチで実現。同社の機内食の開発コンセプトは ①おもろい(おもしろい) ②美味しい ③イノベーティブの3つ。 この条件を満たしていることから「うなぎ味のナマズ」に着目、1年かけて近畿大学と共同で開発、夏メニューの目玉としての販売にこぎつけた。  

(みなと新聞 2016年5月20日の記事より)

関門海がウナギ料理 夏場の目玉に提供

トラフグ料理専門店「玄品ふぐ」を展開する関門海(大阪市、田中正社長)は18日、7月からウナギ料理の提供を始めると発表した。ウナギ料理専門店と提携。ノウハウや原材料の供給を受ける。7月に「玄品ふぐ神楽坂の関」で取り扱いを開始。以降順次扱い店舗を拡大する計画だ。「フグ料理の閑散期となる夏場やランチタイムの起爆剤に据える。提携するのは新宮川(東京・新宿区)。1893年創業の老舗専門店「つきじ宮川本廛」流れをくみ、同じ屋号で都内に店舗を展開している。提携内容にはウナギ料理を提供する新規業態・商品開発のコンサルティング、店舗スタッフの教育、研修、指導、原材料(ウナギ・調味料・資材)の供給の他、「つきじ宮川本廛」の商標が含まれる。 

(みなと新聞 2016年5月20日の記事より)

【日本鰻輸入組合】ウナギ保全へ強調継続 日台鰻貿易会議で確認

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)、台湾区鰻魚発展基金会(蔡秋棠董事長)は17日、東京都内で行った2016年日台鰻貿易会議で、引き続きニホンウナギ資源の保全・管理に全力を挙げることを確認した。ニホンウナギは、国際自然保護連合(IUCN)が14年に「絶滅危惧1B類」に指定。今年10月のワシントン条約(CITES)締約国会議での絶滅危惧種指定が危ぶまれていた。幸い今回は指定提案を行う国・地域はなかったが、欧州連合(EU)が国際取引や資源および管理の実態調査を要望。日本政府はこれに協力していく。会議で森山理事長はCITESの動きに触れ、「今後も資源の保全・管理をしっかりやっていかなければならないことは言うまでもない」とし、「台湾は政府を中心に資源管理に力を入れている。この会議が持続的発展に寄与する場になることを期待する」と語った。東アジアのシラスウナギ資源管理は現在、中国、韓国を含め行われているが、森山理事長は中国の対応が鍵になるとみており、所管の中国農業部と話し合う考えも語った。蔡董事長も「3年後に絶滅危惧種指定で提案されないように資源管理を厳格に実施していかなければならない」「(今期の)シラスウナギ採捕は昨年に比べ良いとは言えない。シラスウナギの価格は高く、養殖コストは上がっている。よい傾向とは言えない」とした。来賓で出席した全日本持続的養鰻機構の村上寅美会長はCITESをめぐる状況を「一服つき胸をなで下ろしているが、付箋(EUの調査要望)が付いているので一日たりとも余裕はない」とし、「われわれの生命はシラスウナギにかかっている。特に台湾、中国との協議を密にし、資源管理をしながら養殖を続けることを誓う」と語った。 

(みなと新聞 2016年5月19日の記事より)

【日本鰻輸入組合】ウナギ保全へ強調継続 日台鰻貿易会議で確認

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)、台湾区鰻魚発展基金会(蔡秋棠董事長)は17日、東京都内で行った2016年日台鰻貿易会議で、引き続きニホンウナギ資源の保全・管理に全力を挙げることを確認した。ニホンウナギは、国際自然保護連合(IUCN)が14年に「絶滅危惧1B類」に指定。今年10月のワシントン条約(CITES)締約国会議での絶滅危惧種指定が危ぶまれていた。幸い今回は指定提案を行う国・地域はなかったが、欧州連合(EU)が国際取引や資源および管理の実態調査を要望。日本政府はこれに協力していく。会議で森山理事長はCITESの動きに触れ、「今後も資源の保全・管理をしっかりやっていかなければならないことは言うまでもない」とし、「台湾は政府を中心に資源管理に力を入れている。この会議が持続的発展に寄与する場になることを期待する」と語った。東アジアのシラスウナギ資源管理は現在、中国、韓国を含め行われているが、森山理事長は中国の対応が鍵になるとみており、所管の中国農業部と話し合う考えも語った。蔡董事長も「3年後に絶滅危惧種指定で提案されないように資源管理を厳格に実施していかなければならない」「(今期の)シラスウナギ採捕は昨年に比べ良いとは言えない。シラスウナギの価格は高く、養殖コストは上がっている。よい傾向とは言えない」とした。来賓で出席した全日本持続的養鰻機構の村上寅美会長はCITESをめぐる状況を「一服つき胸をなで下ろしているが、付箋(EUの調査要望)が付いているので一日たりとも余裕はない」とし、「われわれの生命はシラスウナギにかかっている。特に台湾、中国との協議を密にし、資源管理をしながら養殖を続けることを誓う」と語った。 

(みなと新聞 2016年5月19日の記事より)

【千代田水産】うな重冷凍で発売 山田水産などと共同開発 初年度2万食目指す

築地市場の水産卸・丸千千代田水産(石橋利至子社長)はこのほど、ウナギ業者の山田水産(本社・大分県佐伯市)、冷凍米飯を製造するヨコヤマ(本社・佐賀県唐津市)と冷凍のうな重を共同開発した。土用の丑(うし)商戦に向け、本格的に売り込む。千代田水産が冷凍うな重を発売するのは初めて。同社は4月下旬から、コンビニ大手・ローソンの通販サイト「ローソンフレッシュ」で限定100セットを先行発売中。ウナギを米飯と一緒に冷凍してあるため、電子レンジで温めるだけで本格うな重が食べられる。土用の丑の日商戦に照準を合わせ、初年度は全販路トータルで1万箱・2万食の販売を目指す。ウナギは鹿児島産「霧島湧水鰻」の60尾サイズ(1尾160~170㌘)。脂ののった身に甘めのたれを絡ませ、香ばしく焼き上げた。「百貨店にも卸す上級で大きなウナギを使った」と、千代田水産の佐藤淳営業副本部長は自信を見せる。コメは、程よい粘りが特徴の佐賀唐津産特別栽培米「夢しずく」を使用。通常、コメを冷凍すると水分が抜け品質が落ちやすいが、特殊製法で加工しているため、解凍しても炊きたてのおいしさを保持できるという。冷凍品のため、製造後1年間保存が可能。販売店では廃棄のリスクを抑えられ、消費者は「急な来客用にも使える」(佐藤副本部長)。末端売価は1箱・2食入りで4000円前後を想定。1食ずつのバラ売りにも対応する。すでにスーパーや築地仲卸から引き合いがあるという。「今年の販売状況次第だが、来年は販売数を増やしたい」(同) 

(みなと新聞 2016年5月10日の記事より)

【米メーン州】シラス枠7割消化 切り上げ前に終漁か

【バンクーバー】米メーン州の今期シラスウナギ漁は4月24日、累計漁獲量が漁獲枠の7割に達した。現在の漁獲ペースが続けば、6月7日の切り上げ日を待たずに終漁する見通しだ。同州海洋資源局が24日午後5時、最新の漁獲状況を発表した。一般漁業と先住民を合わせた同日までの累計漁獲量は6818.63㍀。平均魚価はポンド1377㌦とした。現地報道は魚価が1450㌦と伝えている。今期枠は9688㍀。うち一般漁業に7566.3㍀を振り向け、同日までに5080.01㍀を消化した。一般漁業とは別に先住民4部族にも枠を配分している。部族別の漁獲量(枠消化率)は次の通り。▽パサマクオディー族1356.3㍀(消化率100%) ▽マリシート族12.72㍀(消化率16%) ▽ミクマック族21㍀(消化率54%) ▽ペノブスコット族276.92㍀(消化率45%) 

(みなと新聞 2016年5月6日の記事より)

【中国、フグ巨大市場へ】養殖最大手 日本産輸入に動く

8月にもフグ食解禁
中国政府はこのほど、1990年から続くフグ食禁止令を解禁することを決めた。6月にも条例が明文化され8月ごろ、施行の運びとなる見込み。これを受けて、中国のトラフグ養殖最大手「天正実業集団」(大連市)の孟雪松董事長は「中国でフグの需要と供給は倍増する」と野心的な観測を示し、「政府に刺身や身欠きなど日本製フグ調理品の輸入許可を申請した」ことを明らかにした。孟氏は中国漁業協会河豚分会の副会長を務める。中国農業部、食品薬品検査監督総局などが定めるフグ食の条件は「中国企業が加工する養殖トラフグと養殖メフグに限定し、天然と活魚の流通は全面禁止」。両魚種は中国で過去20年にわたって養殖実績があり、トラフグは輸出向けに生産していたことが背景にある。中国では既に特例としてトラフグを国内で販売し、2015年販売実績は200㌧。天正実業集団はこのうち50%のシェアを握っている。このため、解禁後には同社がフグ販売認定企業となるのは確実だ。孟氏は本紙の取材に対して「(解禁は)今度こそ本当。中日フグ業界共同の勝利」とコメント。中国にマーケットができると、日本のフグ養殖業界にもメリットがあるとの見方を示した。孟氏によると、中国養殖トラフグ生産量は昨年、約144万尾(1尾750㌘換算で1000㌧)。過去最低となった。総量の約8割を占める輸出向けが、最大の仕向け国である日本の市況低迷によって低迷したため。潜在的な養殖フグ生産能力は5000㌧とされる。孟氏は今回のフグ食解禁によって、これまで大阪などでみられた中国観光客による「フグ爆食」現象が中国国内で起こると予想。「今期の中国国内生産は増加に転じる」と断言する。さらに「食の安全安心が確かな日本製の需要も今後中国国内で創出される」とみて、次の照準を「日本製フグ輸入認定」に合わせる。 

(みなと新聞 2016年4月27日の記事より)

【中国ウナギ供給】活2100㌧、かば焼き2500㌧ 4~8月 日中鰻貿易会議で見通し

中国のジャポニカ種の今期採捕量は、現在のところ約20㌧。このうち、池入れされた数量は、ジャポニカ種が6.5㌧。まだ、採捕が続いており、最終的に7.5㌧の見通し。池入れされた数量を除いた13.5㌧は韓国や日本に向けられたとみられる。価格やキロ当たり安値25万円。最高値300万円。20日は140万円で平均では120万円~130万円という。ジャポニカ種以外では、フランス種(アンギラ・アンギラ)がクロコで3.7㌧池入れ。その他の異種ウナギは25㌧が池入れされたとみられている。さらに今後、北米のシラスが6㌧池入れされる見通し。一方、現在の在鰻量はジャポニカ種約1万㌧・異種ウナギ約2万6000㌧。今後夏に向けた日本へのジャポニカ種の供給は、活鰻が▽4月300㌧ ▽5月350㌧ ▽6月500トン ▽7月700㌧ ▽8月250㌧ 計2100㌧の見込み。かば焼きは4~8月で合わせて2500㌧にとどまる見通し。ワシントン条約で規制されているフランス種の輸出できる残枠は9月末までで2500㌧。
国産は最低8000㌧
日本の活鰻供給量は、8月まででヒネ物、新仔合わせて最低8000㌧の見通し。新仔の供給は6月後半から始まるが、愛知・一色産は8月までで1200~1500㌧、9月5000㌧の供給となる予定。生産者からは、シラス代をはじめとする生産原価を考えると現在の相場よりキロ500~600円上げていきたいとの発言があったが、消費地問屋は国産が現状より500円上げた場合、全国の扱いが中国産、台湾産になるとけん制した。 

(みなと新聞 2016年4月25日の記事より)

【15年国内養殖クロマグロ】高まる人工種苗由来 完全養殖 出荷量2.4倍に増加

完全養殖クロマグロの出荷比率が高まっている。水産庁によると、2015年の人工種苗由来の出荷数量は前年比2.4倍の943㌧。統計を始めた11年以降、増え続けている。天然種苗由来の出荷数量は4%減の1万3783㌧。養殖マグロ出荷量全体に占める人工種苗由来の出荷構成比は前年比3.8㌽増の6.4%と、これまででは最大の伸びとなった。尾数ベースは人工由来が91%増の2万1000尾、天然由来が6%減の20万5000尾。活け込み尾数も人工種苗が85%増の54万8000尾と、11年以降増加している。天然種苗も80%増の40万尾と伸びたため、人工種苗の活け込み比率は1㌽増の58%にとどまった。経営体数は1経営体減の94。うち、長崎が43と全体の42%を占める。県別の出荷数量は、長崎11%減の4128㌧ ▽鹿児島13%増の3295㌧ ▽高知10%増の1517㌧ ▽三重5%増の1358㌧ ▽和歌山21%増の1045㌧ ▽大分46%減の897㌧ ▽その他25%増の2486㌧。 

(みなと新聞 2016年3月31日の記事より)

【農水省・14年漁業生産額】6年ぶり1.5兆円超 5%増 漁業・養殖とも好調

2014年の漁業生産額は前年比4.6%増の1兆5057億円だった。1.5兆円超は6年ぶり。農水省が18日、発表した。海面漁業のマグロ類、サバ類、ブリ類が大幅に伸びた他、海面養殖業のブリ類、貝類、クロマグロが伸長。内水面は天然アユ、シジミ、養殖ウナギなどが前年を上回った。海面漁業生産額は、前年比2.2%増の9693億円。漁獲量の増えたサバ類とブリ類は、それぞれ19.9%増(500億円)と23.5%増(340億円)を記録した。前年に落ち込みが目立ったマグロ類は7.8%持ち直し1168億円。一方で、漁獲の減ったカツオ類とイカ類はそれぞれ15.9%減(615億円)と7.7%減(716億円)だった。海面養殖業は9.1%増の4435億円。生産量の伸びたクロマグロが43.3%増(420億円)、ホタテの収穫量・価格とも好調だった貝類が24%増(781億円)、価格が上がったブリ類が7%増(1193億円)となった。一方、価格の下がったマダイは10.6%減(439億円)だった。シジミの漁獲増やアユの価格上昇などで、内水面漁業の生産額は5.5%増の177億円。前年にウナギが記録的な生産不振にあえいだ内水面養殖業は、9.3%増の751億円となった。08年まで1.6兆円を超えていた漁業生損額は09年以降、1.4兆円台に低迷。14年は6年ぶりの1.5兆円以上を記録した。

(みなと新聞 2016年3月23日の記事より)

【石巻魚市場】養ギンが初入荷 前年比60円高 キロ889円

【石巻】石巻魚市場(宮城県石巻市)に22日、同市場としては今シーズン初となるギンザケが入荷した。同市鮎川地区から5.5㌧が陸送で入荷。相場は高値がキロ889円と、昨年の初水揚げを60円上回った。この日は全量野締めの入荷となった。相場は1尾1.5㌔アップがキロ869~859円、同1㌔が最高値の889~750円。今年は、17日に女川魚市場で初水揚げがあり、キロ1400円を超える高値を付けた。22日は初水揚げから4回目の水揚げとなったが、3連休を挟んだこともあり、高値を維持した。石巻魚市場では昨年7月に整備した自動選別機2機を今シーズンから使用を開始する。17日は1機を稼働、本格的な入荷増に向けて設定や、使い勝手などを入念に試した。担当者は「手選別は1台につき、6人の人手が必要だったが、機械なら1機当たり4人で作業が可能だ。少人数化はもちろん、従来よりも作業時間が短縮できる」と説明する。石巻魚市場のギンザケは23日以降も連日続く予定だ。

(みなと新聞 2016年3月23日の記事より)

【長崎・今春養フグ種苗】主要産地 投入横ばい
価格落ち着き 変動不安払拭へ

【長崎】長崎県内主要3漁協管内の今春4~5月の養殖トラフグ種苗投入量は、前年同期とほぼ同じの計192万尾か若干の増となる見通しが、みなと新聞の調査でわかった。同県の生産量は国内シェア5割強。県内養フグの浜値は年明け以降、主要産地の在池数不足で前年から急伸、キロ3000円前後で推移する。県内産地関係者は「生産過剰による価格下落がようやく落ち着いた。全国の冷凍在庫も少なく、今冬は急激な価格下落にはならない」と見通す半面、「価格持ち直しで生産者が今春の種苗投入を増やす可能性がある。再度、需給バランスが乱れる可能性もある」と不安をみせ、県内主要産地の種苗投入量が注目されていた。種苗投入が前年並みに落ち着きそうなことから、大きな価格変動の不安は払拭される見通し。県内産大産地のうち、九十九島漁協(佐世保市、高平真二組合長)の管内生産者は投入量を若干増やす考えで、前春の約52万尾から5%ほど増える見込み。九十九島漁協の山村高義部長は「昨年11月から今年3月に販売した2歳魚はへい死が多く、予定販売数に届かない生産者が多かった。今春の種苗投入はへい死を考慮し、あくまで予定量に達するよう増やす考え」。同時に「一部で養フグと並行し、他魚種を生産する動きもある」と話す。新松浦漁協(松浦市、志水正司組合長)と長崎市たちばな漁協(長崎市戸石町、長野正照組合長)管内は、前年同期の投入量にほぼ準ずる予定。同漁協の玉井満課長は「今春の投入は約60万尾。特にへい死対策は大きな課題。へい死は海の環境他、種苗の良しあしも影響する。今春の種苗選択は特にシビアになるだろう」。新松浦漁協の下松哲理事(県トラフグ養殖連絡協議会長)は「投入は約80万尾で前春と同様、生産量調整に取り組む。価格持ち直しで『喉元過ぎれば熱さを忘れる』ではいけない。管内で養フグと並行し、新たに養アジ生産に着手する考え」と話している。

(みなと新聞 2016年3月22日の記事より)

『超オス』フグ、長崎で19年養殖着手 優良育種で早熟・白子持ち
県内外生産者に不安感も

【長崎】子どもが全て雄になり高成長、早熟で白子が発達するトラフグ「超オス」の養殖が2019年春から始まる。18年末に長崎県総合水産試験場が卵と精子を県内の種苗生産機関に配布、翌年春に種苗が養殖業者に市販される計画。長崎県は国産養フグの約6割を生産する国内最大産地。養フグ生産者のほとんどは白子発達前の2歳魚を市場や問屋へ販売している。2歳で白子を持つ早熟フグは少ないため、白子を持つトラフグは高値で取引される。県水試は昨年、東京海洋大と連携してトラフグの子どもが全て雄になる「全オス」化技術を確立。同時に高成長で白子が早熟発達する優良育種にも取り組んでいる。現在は全オス化に加え、高成長・早熟の特性を兼ね備えた「超オス」の養殖適正確立を目指し、検討試験中。「18年には種苗機関に超オスを導入できる。これまではある程度運まかせの早熟白子生産だったが、計画的な生産が可能になる」と同水試種苗量産技術開発センター魚類科の吉川壮太主任研究員。一方、県内外生産者の超オス化に対する不安は大きい。他県生産者は「最大産地が取り組むことだけに不安が大きい。白子が一般化すれば価値が失墜しかねない上、雌の価値はどうなることか」。県トラフグ養殖連絡協議会の下松哲会長(新松浦漁協理事・同養トラフグ部会長)は「導入量を誤れば相場に大打撃を与える。適正な導入量を関係者と十分協議し決めたい。消費者が遺伝子操作と勘違いする懸念もあるので、しっかりとした説明とPRを行うべき」と話す。「超オス化の基となる技術は国内畜産業でも行われる一般的な技術。市販化にあたり同技術の安全性を正しく伝えていく予定」吉川主任研究員。 

(みなと新聞 2016年3月15日の記事より)

サバの日に「お嬢サバ」PR 鯖や JR大阪駅でイベント

【大阪】とろさば料理専門店「SABAR」などを運営する鯖や(大阪府豊中市)は8日、JR大阪駅のアトリウム広場で、同社が制定し、昨年11月に日本記念日協会が認定した3月8日「サバの日」を記念して、「お嬢サバ」PRイベントを開催した。「鳥取生まれの箱入り娘 お嬢サバ」は、鳥取県栽培漁業センターが生産した完全養殖の稚魚を地下海水を使って陸上養殖したマサバで、寄生虫が付きにくいので刺身で食べられるのが特長。JR西日本と鳥取県栽培漁業センターが共同で研究し、事業化を進めてきたが、12日から「お嬢サバ」と、とろさばを使ったプレミアムコースをSABAR3店舗で試験販売した。イベントでは“サバ博士”鯖やの右田孝宣社長が開催宣言をした後、MCとのQ&A形式による「お嬢サバ」のPR、サバ博士検定試験が行われた他、サプライズとして“ふるまいサバ”380個が無料で配られた。サバ博士検定は、2014年から鯖やが毎年開催している。「3月8日に、サバにまつわる38問の問題を、38名で、PM3時8分から38分間」行う検定試験。

(みなと新聞 2016年3月14日の記事より)

【チリ産サケ・マス】赤潮被害、市況に飛び火
アトラン上昇、ギン売止め

チリの養殖サケ・マスで広がる赤潮被害による影響が国際市況にも波及し始めた。主力のアトランティックサーモンは損害が10万㌧強に達するとの観測が浮上し、米国向けの生鮮市況が急上昇。日本向けが主体のチリギンは生産者が委託販売の中止に踏み切った。トラウトは減産幅が一段と拡大する見通しで、国内の刺身相場に影響を及ぼしそうだ。南米に位置する同国は例年、水温は2月にピークを迎える。現地情報筋などによると、今年はエルニーニョの影響で主産地の海水温が昨年の18度から20度超に上昇。藻類が大量発生し、へい死や早期池揚げによる生産減に追い込まれている。損害の全容は9日現在、明らかになっていない。赤潮の勢力は衰えず、今後も被害が膨れ上がる可能性がある。現時点では池揚げサイズ換算でアトランが10万㌧強、ギンザケは7000㌧強がへい死、早期池揚げされたもようだ。大幅減産が濃厚になったことを受け、米国向け生鮮トリムDのスポット価格は今年第8週のポンド4㌦(FOBマイアミ)から4.40~5.50㌦に急騰。ノルウェー産は生産者からの聞き取りを取りまとめたナスダックサケ指標価格が同第9週に小幅上昇している。
日本国内のアトラン需要は一部にとどまる。輸入業者によると、冷凍トリムCは従来のキロ900円から同1000円超に、トリムEは同1100円から同1250~1200円に上方修正される見通しだ。今後も上振れする可能性がある。一方、ギンの新物池揚げは例年8月からで、2015/16年期端境期に入っている。生産者は日本市場に振り向けた委託分を売り止めする動きを加速。シーズン当初のキロ680円から同600円水準まで下げた国内相場は生産者の思惑で反転する可能性が強まった。ギンの焦点はスモルト(海水耐性した稚魚)の池入れ状況だ。例年は12月から3月に作業を進めるが、同国水産庁は生産者に池入れの中止を勧告。3月初めまでは前期と同水準の池入れ規模との見方があるものの、勧告が長期化すれば16/17年度の生産量は前期を下回るとの見方が強い。トラウトの現地情報は錯綜。一部では被害が1万~2万㌧に広がるとの観測がある。今年の当初生産は前年の10万㌧から7万㌧に減る予想だったため、前年対比で半減に落ち込む見通しが浮上した。回転寿司や量販店向けの刺身商材として人気が高く、市場関係者は情報収集を急いでいる。

(みなと新聞 2016年3月10日の記事より)

【築地市場】新物養アユ初入荷 相場前年並み、順調スタート

養殖アユの新物入荷が1日、全国の卸売市場で始まった。東京・築地市場の入荷量、卸値はともに前年並みで順調なスタートを切った。生産量は昨年から減る見方が出ており、相場は今後、堅調に推移するとみられる。築地市場の入荷量は愛知産が60㌔、岐阜産が130㌔、静岡産が40㌔の合計230㌔と前年並み。サイズはキロ当たり9~13尾が中心。前年同日並みのキロ1600~1500円で主に量販店向けに販売した。「季節感を重視する料理屋など業務筋向けにはまだ売れない」と築地卸。身質は「色、締め方ともに良かった」と好評価だ。今季の養殖アユをめぐっては、生産量の目安となる1月の配合飼料使用量が366㌧と、前年同月に比べ24%減と過去最低を記録。減産となる見方が出ている。生産者によると、冷凍在庫も全国的に少なく、供給過剰の懸念は薄らいでいる。生産者の兼升養魚漁業生産組合(愛知県豊川市)の井澤章専務は「育成は順調で昨年並みの出荷を計画している」と話す。相場については「3月はだぶつくかもしれないが、4月からは堅調な展開が期待できるだろう」との見方を示す。

(みなと新聞 2016年3月4日の記事より)

被災全漁港が完全復旧 年度内 防波堤整備などに軸足

【水産庁見通し】今月末に被災漁港が全て復旧へ・・・。東日本大震災から5年目となる今月、水産庁は被災地の最新の復旧状況を公表した。7道県(北海道・青森・岩手・宮城・茨城・福島・千葉)の被災漁港うち、9割に当たる311施設で魚の陸揚げ機能が回復。「今月末には全ての港が復旧する見通し。今後は防波堤の整備などに取り組む」(水産庁)と説明する。
東日本大震災では7道県で319漁港が被災。8230億円の被害が出た。水産庁によると、このうち9割の311港が1月末までに復旧した。漁港の復旧は魚を陸揚げするときの岸壁が回復したかを基準にするが、311港のうち7割は全ての岸壁が回復、2割は部分的に回復している。今後は防波堤の整備、住宅の高台移転などを進める。「住宅移転は2017年度、防波堤は18年度をめどに完了させたい」(同)という。
漁船も9割復旧
漁船は3県(岩手・宮城・福島)で約2万9000隻が被災したが、現在までに9割の1万8247隻が復旧している。被災地の要望を踏まえ、今月末までに2万隻の回復を目指す。加工流通施設は再開を希望する業者のうち8割が業務を再開。水産庁が補助事業で販路回復、新規開拓などを支援している。原発事故のあった福島では現在、底引網、刺網など全9漁業種で試験操業を実施。漁獲された水産物は福島県内に加え、仙台、東京などの市場に出荷している。農水省は風評被害を払拭すべく、メディアやイベントなどを活用した情報発信に力を入れる。
先端技術で成長支援
被災地で成長力のある新たな水産業を育てるため、農水省は先端技術の実証研究も支援している。宮城県漁協志津川支所ではカキ養殖業を高度化。養殖期間の短縮、出荷期の延長を行い、これまで1粒80円だった殻付きカキを380円まで上昇させた。水産総合研究センターは被災したアワビの緊急増養殖技術を開発。同じ親から2回排卵させる研究を進め、親貝飼育数をこれまでの3分の2に削減した。

(みなと新聞 2016年3月3日の記事より)

【近畿大水研】東南アジアウナギ完全養殖へ
マレーシア・サバ大学と提携

近畿大水産研究所は2月29日、マレーシア・サバ大学と提携し、「近畿大学 マレーシア・サバ大学養殖開発センター」を設立した。同センターでは東南アジアで需要の高いナポレオンフィッシュやハタ類、アフリカナマズの種苗生産、高品質化研究に取り組む。将来は東南アジア産ウナギの完全養殖を目指す。同センターはサバ大学ボルネオ海洋研究所内に設置。センター長には瀬尾重治近畿大水産養殖種苗センター教授が就いた。ナマズ類では品質や東南アジア産の価値向上、ナポレオンフィッシュでは完全養殖や大量種苗生産の確立を目指す。東南アジアウナギは完全養殖や大量生産の確立の他、ニホンウナギへのノウハウ転用などを研究する。また、同センター内には同大水産研究所初の海外拠点「近畿大学水産養殖種苗センター東南アジア事業場」を開設した。同日、マレーシア・サバ大学ボルネオ海洋研究所で調印式を開催。近畿大の塩崎均学長、近畿大水産養殖種苗センターの瀬尾教授、マレーシア・サバ大のダトゥ・モハメド・ハルン・アブドラ学長、マレーシア高等教育庁のダトゥ・アスマ・イスメイル長官が出席した。

(みなと新聞 2016年3月1日の記事より)

【近大種苗の完全養殖ブリ】普及目的、食縁が加工販売
大手スーパー一部で供給 業界初 小売段階での識別

【大阪】近大種苗などを用いた国内養殖魚を用いた国内養殖魚をフィレー加工し、販売する食縁(和歌山県新宮市、有路昌彦社長=近畿大学農学部水産学科准教授)は「近大種苗を育てた完全養殖ブリ」をイトーヨーカドーやイオンなど大手スーパーの一部店舗で20日から販売を開始した。完全養殖を普及させるために実施したもので、近畿大学産のブリ人工種苗を養殖企業の兵殖(大分県津久見市)が育てた2歳魚(平均5.5㌔)を食縁がフィレー加工する。小売段階で、近大種苗由来と識別できる形で販売されるのは今回が初めて(種苗トレーサビリティーをパイロット認証することで可能にしている)。完全養殖とは、人工種苗から育てられた親魚の産んだ種苗で養殖するもので、天然資源に種苗を依存しない“究極の持続可能な養殖方法”。完全養殖を行うためには高度な種苗生産技術が必要となるが、近畿大学がブリの人工種苗生産を行い、この種苗を養殖業者が育てることで完全養殖を実現している。オリンピックで使用する養殖魚は「持続可能性」を担保した認証があるものでないと扱わないという方針が示されるなど、近年、環境に対する意識の高まりから養殖業の持続可能性が世界的に求められてきている。

(みなと新聞 2016年2月22日の記事より)

【鹿児島県】ブリ人工種苗生産へ
水研センターの技術移転 増える海外需要視野

【鹿児島県】鹿児島県は新年度からブリの人工種苗生産に乗り出す。2016年度予算案に、「ブリの人工種苗導入事業」として5538万円の予算を計上した。事業の狙いは、北米市場を中心に海外からの需要の高い人工種苗由来の養殖ブリの生産と輸出量の増大。数年かけて垂水市内に施設を整備するとともに、水産総合研究センターからの技術移転に取り組む。ブリの人工種苗は既に近畿大のアーマリン近大、日本水産が生産。アーマリン近大は販売している。東町漁協は数年前から水産総合研究センター西海区水産研究所と連携し、人工種苗を養殖。「新星鰤王」とネーミングし、ブランド化に取り組んでいた。牛根漁協の一部の組合員も人工種苗を購入し、養殖していた。鹿児島県の養殖ブリの年間出荷尾数は400万尾を超える。うち100万尾以上が輸出されている。東町漁協の長元信男組合長は「県内で人工種苗生産を待ち望んでいた。これで2年魚を中心とした出荷体制が構築でき、より高品質で、おいしいブリを提供できる。特に西欧や北米向けの輸出を増やしていく」と期待。牛根漁協の担当者も「県内で人工種苗の生産は素晴らしいこと。池入れを希望する生産者もいるだろう」と話す。その他の16年度水産関係の新規事業は「かごしま海の恵み流通拡大事業」(393万円)、水産業金融安定化支援事業(4億9500万円)、赤潮被害防止対策調査事業(464万円)。

(みなと新聞 2016年2月15日の記事より)

【鹿児島県】シラスウナギ採捕6割減 1月末 割当制限枠の57%池入れ

【鹿児島県】鹿児島県の1月末時点のシラスウナギの今期累計採捕量は前年同期比6割減の165㌔だった。不漁の要因について県水産技術開発センターは「不明」としながらも、「漁の滑り出しは最悪(26㌔)だったが、1月の採捕量は138㌔と上向いた。3月が豊漁だった年もある。今後の漁に期待する」と話す。漁解禁は昨年12月15日。前期(総量)は672㌔だった。1月末時点の県内養鰻業者のシラスウナギ池入れ量は4.35㌧。割当制限枠7.7㌧のうち、57%を池入れした。

(みなと新聞 2016年2月10日の記事より)

飼育技術向上の福音も
澤田好史・近大水産研究所大島実験場長 マグロDNAチップに期待

太平洋クロマグロDNA解析チップの開発について、近畿大学の澤田好史水産研究所大島実験場長は「品質改良はもちろん、クロマグロの健康状態がリアルタイムで知ることができることにも期待している。成熟や産卵がいつなのかを知ることで、飼育技術に生かせるだろう」と話した。生存率の低い要因である仔魚の共食いや衝突死は「行動をつかさどる遺伝子は現時点でよく分からない点が多い。ただ、将来的に判明するかもしれない。今までは遺伝子を完全に把握するツールがなかったため、可能性ができた点では(DNAチップの開発は)大きい意味を持つ」。また、他のマグロ属の研究に利用できる可能性も指摘。「似た遺伝子を多く持っており、(現在養殖されている)大西洋クロマグロ、ミナミマグロ、キハダの養殖技術向上にも寄与するのではないか」とした。

(みなと新聞 2016年2月1日の記事より)

【水研センター】養マグロ品種改良に光明
DNA解析チップ開発 生存率向上に期待

完全養殖マグロの生産効率や身質の向上につながる技術が誕生!!水産総合研究センターが太平洋クロマグロのDNA解析チップを開発した。チップはスライドグラス上に、DNA断片配列を2万6433種並べたもの。脂のりや病気耐性などの生物学的差異がどの遺伝子で生まれるかを検知できる。養殖に適した遺伝子パターンを持つ個体を参考に品種改良すれば、現在1%程度にとどまる生存率の向上、脂のりの良い個体の開発につながる。1月28日、水産庁で同センターの加藤雅也中央水産研究所水産遺伝子解析センター長らが発表した。
同種は近年の天然資源減少で、天然種苗に負担をかけない完全養殖技術に注目が集まっている。ただ、低コストで成長率の高い人工飼料がまだなく、卵から出荷サイズに育つまでの生存率が1%ににとどまっていることなど、安定供給には課題が残る。主な死因に挙げられる衝突死は「パニックになる遺伝子を見つけられれば、解決の糸口になるかもしれない」と瀬戸内海区水産研究所海産無脊椎動物研究センターの菅谷琢磨氏は話す。餌が個体に与える影響も分かる可能性がある。低コスト・高成長率の人工飼料開発が期待される。同種の遺伝子は2万6433種であると同センターは予測する。遺伝子はタンパク質の設計図で、メッセンジャーRNA(mRNA)という物質に一度設計情報を写してから、タンパク質が合成される(発現)。主な生物活動はタンパク質からなっているため、「さまざまな生物現状を理解するためには遺伝子の働きを把握することが必要」と加藤センター長は話す。

(みなと新聞 2016年2月1日の記事より)

池入れ前年並み8トン超 日本鰻輸入組合情報交換会 シラス漁上向く

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は27日、新春鰻情報交換会を開催。年明け以降、シラス漁が上向いており、日本では現在、輸入物を含め前年並みの8㌧超が池入れされているもよう。今後、中国、台湾にも池入れが進むことを期待する声が上がった。活鰻、かば焼きの販売動向についての報告もあった。活鰻は昨秋以降、国内物は高値のため売れ行きが鈍ったが、台湾物は国産との値差が拡大したこともあり順調な鰻年度のスタートを切っている。12月には中国物の命令検査が解除になり、引き合いに広がりが出ているという。今後も国産物との値差が想定され「販売は期待できるのでは」と森山理事長。かば焼きは「非常に難しい状態が続いている」(森山理事長)。末端で季節商材としての位置付けが強まっているため。ただ、「売ろうと努力している量販店・スーパーはそれなりに伸びている」とし、売り場展開への動機付けが必要との認識を示した。価格的に安いアンギラ種の扱いを増やす動きも出ている。森山理事長はワシントン条約の改定を控え、「今年はウナギの資源保全の新しい一歩になる」とも言及。中国も資源管理に向け「組織化を図って動きだしている」という。日中会議を4月に、日台会議を5月に計画していることも報告した。

(みなと新聞 2016年1月29日の記事より)

近大が養マアジ初提供 東京、大阪「深いうま味」系列料理店で人気

【大阪】近畿大学(大阪府東大阪市)は大阪・梅田と東京・銀座に出店している養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」で、現在近畿大学水産研究所が完全養殖の可能性を研究している新たな養殖魚「マアジ」を21日から提供を始めた。一般向けに提供するのは今回が初めて。メニューは「マアジの姿造り」1200円(税抜き)。3月上旬まで数量限定で販売(ディナーのみ)。近畿大学水産研究所は2014年からマアジの養殖を開始。2年たって出荷サイズ(30㌢)になったことから、養殖マアジのおいしさを一般の人にも知ってもらうために実施した。養殖マアジは、天然のものに比べて脂が非常にのっており、臭みもないため、マアジの持つ深いうま味がより楽しめるという。

(みなと新聞 2016年1月26日の記事より)

シラスウナギ枠案3.4㌧ 米メーン州 前年並みに設定

【バンクーバー】米メーン州海洋資源局(DMR)は21日、同州シラスウナギの今期漁獲量を前期並みの3.4㌧に設定したと発表した。うち、963㌔を先住民に振り分ける。公聴会や関係者からのコメント受け付けを経て、正式決定する。同日付の官報で、操業に関わる規制なども報告した。カネック川など操業閉鎖予定水域も公表。前年と同様に漁獲物の取引ではカード制を導入する。2月9日に同局会議室で公聴会を開く。同19日まで関係者からコメントを受け付ける。先住民枠のうち、パサマケディー族に615㌔、ペノブスコット族に281㌔、マリシート族分派・ホウルトン族に49㌔、ミクマック族分派・アルーストゥーク族に18㌔を割り振る。先住民らはDMRの関与を受けないなどと例年ひともめがある。今年も操業規則の最終決定までには類似の事態が起こる可能性が残る。

(みなと新聞 2016年1月25日の記事より)

養フグ輸出4割減419㌧ 中国・河北省 積出価格4割高の1800円

中国・河北省の2015年の養殖トラフグ輸出が、為替要因と主要市場の日本と韓国の需要低下で4割減少した。同省の養フグ生産量は大連に次いで中国2番目の産地。同省フグ輸出の9割以上を占める主産地「曹妃甸区」のフグ輸出動向を中国国門時報が14日伝えた。現地の報道によると、河北省曹妃甸区の1~10月までの日本と韓国向けの養フグ輸出は前年比同期42%減の418.5㌧、金額は28%減の616万8000㌦と減少。輸出回数は47%減の51回。15年のドル平均為替レート(1㌦=122円)で換算すると、河北省の養フグ積み出し価格はキロ当たり同43%高の約1800円と算出される。日本へ輸出する企業は日本円で決済するため、円安元高の為替環境で養殖業者は利益が少なくなった上、養殖コストの上昇が大きな打撃を与えていると伝える。また河北省のトラフグ養殖はかつてタイショウエビ養殖から転換した土池が中心。大連など他産地の海面養殖に比べ、「土池養殖はコストが高く、価格優位性が低い」としている。なお同省の今期養フグ推計生産量は50万尾、1尾750㌘換算で約375㌧。中国の総生産量約1000㌧の4割近くを占める。総生産量の5~6割が日本向けとみられる。

(みなと新聞 2016年1月22日の記事より)

カキ養殖で浜おこし 地方創生追い風に新産地

カキを漁業者の新たな収入源や地域ブランドに育てようと、漁協や地方自治体らが協力し、カキ養殖に取り組む動きが広がっている。大分県では2012年から干潟を利用したマガキ養殖が始まっている他、長崎では離島を中心にここ数年でイワガキ養殖が拡大。また、約5年前まではカキ生産量がゼロ(統計上)だった神奈川でも、昨年12月からイワガキの試験養殖が始まった。失速する沿岸漁業を支えつつ、地方創生に向けた一つの試みとして、カキ養殖が期待を集めている。
国内カキ主産地の広島、岡山、兵庫の瀬戸内海、岩手、宮城の三陸では、カキの餌となる植物プランクトンが豊富などと養殖環境に適し、古くからカキ養殖が盛んに行われてきた。ただ、カキは海域によって成長に差はあるものの、海があれば育つ。カキ養殖とは無縁だった“新産地”の戦略は、歴史と経験がない分、最新の養殖技術・資材を導入し、基本的に「量より質」に軸足を置いている。大分県内での干潟のカキ養殖は中津干潟で始まり、昨年は国東半島に広がった。生産者に県漁協、民間企業や地方自治体が協力。ブランド化を図り、海外輸出にもトライアルする方針だ。長崎県では五島列島で養殖したイワガキ、マガキの生産・出荷量が3年ほど前から増加。五島列島のカキを取りそろえたフェア実施の声も上がっている。神奈川県・真鶴町では地方創生の交付金を活用し、イワカギ養殖試験をスタート。養殖を成功させ、町の新たなブランドにする考えだ。こうした各地でカキ養殖が広がっている背景には、生カキを供するオイスターバー型の飲食店やカキを浜焼き風で食べるカキ小屋が首都圏でブームになり、店舗数を伸ばしたこともある。特にオイスターバーでは、味自慢の日本各地や世界の名産品を品ぞろえし“カキ通”のニーズに応えている。オイスターバーとの取引は高い品質・衛生レベルが必要になるが、付加価値が価格に反映されるため、「量より質」の新産地が目標とする代表的な販路だ。 

(みなと新聞 2016年1月22日の記事より)

【森山喬司日本鰻輸入組合理事長に聞く】「鰻保存条約」締結を
中国・鰻業工作委に期待

資源の悪化から一昨年、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに掲載されたジャポニカ種のウナギ。資源回復は輸入業者にとっても大きな課題だ。日本鰻輸入組合の森山喬司理事長は、中国の新たな取り組みに期待を寄せるとともに関係国による「鰻保存条約」の必要性を強調する。新年に当たって聞いた。要旨は次の通り。

命令検査解除は朗報
今年は4月に日中鰻貿易会議が東京で開かれる予定だ。1989年のオキソリン酸残留問題で貿易が止まった時、中国政府は商務部の下部機関である食品土蓄輸出入商会の中に「鰻魚分会」をつくり、以後長く日中はウナギ貿易について論議の場としてきた。2003年の薬物残留以降、中国ウナギは命令検査下で不自由な取引を強いられてきたが、遂に昨年11月中旬にそれが解除された。もう3年以上も中国産かば焼きから年1回の違反発生しかないという、信じられないくらいの安全性を確保していたから当然とも言える。活鰻の輸入にこれがどう影響するかまだ不明だが、拡大要因ではある。

資源管理を担当 鰻業工作委
そして昨年11月に全日本持続的養鰻機構(村上寅美会長)が北京で行った貿易問題の協議において、中国政府農業部の下に漁業協会鰻業工作委員会を組織し、その責任者をはじめ福建省、広東省の養鰻協会幹部が参加する形が示された。今後、資源の保全、管理に関しては、この工作委員会が担当するのであろうが、実際の有力生産者をはじめ多くの人々が既に鰻貿易会議に参加しており、既知の人々なので、何かと話をかみ合わせていけそうで期待している。

動きだした管理国際協力の下で
とはいえ、中国政府が業界の秩序にどのような指導的役割を果たすかは不明だ。早く関係者で「鰻保存条約」のような協定を結ぶ必要がある。それに基づいて輸出量のコントロールをすることで精いっぱいのような気がする。それでも資源管理が国際的協力の下で動きだしている、という実績は高く評価されるべきで、ぜひとも実効性ある保全が進展することを期待する。今のところシラス漁はけっして好ましくなく、また供給減から高値推移の心配もある。資源悪化から高値の少量消費が善となっている現状では、かば焼きウナギメニューは下方硬直的で、多少値下がりしても消費増とはならない。このことは日本国内生産者にとってもつらい話であり、経営上も厳しいものになる。輸入ウナギは国産の半値であっても量販店に並ばず苦しい場面が続くが、諦めず努力していく。

(みなと新聞 2016年1月15日の記事より)

「全身トロ味」スマ出荷
和歌山県水試 全国初、人工産卵から育成

「全身トロ」と例えられる高級魚のスマが、全国で初めて和歌山県で人工産卵から育てられ、東京や大阪の百貨店に出荷される。養殖技術の研究を行っている県水産試験場の担当者は「背中は中トロ、腹は大トロの味。ぜひ食べてみて」。スマはマグロと同じサバ科に属する魚。天然物はカツオ漁の際に時たま交ざって獲れるぐらいで、ほとんど流通していない。県は2013年度に大学や業者と協力し、養殖のための稚魚の量産技術を開発。工夫を重ねて今冬、50尾弱を出荷に適した45㌢まで育てることに成功した。16日から、東京の日本橋三越本店や大阪の阪急うめだ本店で販売する。出荷価格はキロ当たり3000円程度と高級マグロ並み。今後は、低コスト化に取り組み、養殖の普及と販路拡大を目指す。

(みなと新聞 2016年1月14日の記事より)

【水産庁TPP対策】生餌の輸送・保管費支援
 養殖業者の競争力強化へ

水産庁は環太平洋連携協定(TPP)対策として、養殖業者の体質強化を図る。今年度補正予算の2億8500万円を使い、生餌の安定供給対策を実施。広域浜プランで認定された業者に対し、生餌の保管、輸送経費を支援する。同庁は「経費の7割を占める餌対策に重点を当て、生産者の競争力強化を目指す」と説明する。養殖用の生餌はイワシ類、サバ類、サンマ、イカナゴなどが主体。年間供給量は70万㌧ほど。出荷前に与えると魚の成長が良くなり、養殖業者から根強い需要がある。ただ近年は養殖クロマグロ向けに需要が高まっていること、食用向けに海外輸出されることなどで供給が不安定に。ハマチ、カンパチを中心とする養殖業者から対策を求める声が出ていた。水産庁は当初事業を来年度予算で行う方針だったが、TPPの大筋合意を受けて対応を加速。今後養殖業者の経営悪化が見込まれることを踏まえ、今年度補正予算で手当てすることにした。同庁は今後生餌が有効活用されるよう、需給のアンマッチに焦点を当てて対策する。「生餌がまとまって獲れるのは春、需要があるのは(出荷前の)秋。現状では需給のタイミングがずれている。春から秋まで生餌を在庫できるよう、漁協や漁連を通じて保管経費や輸送費を支援したい」(同庁)としている。

(みなと新聞 2016年1月15日の記事より)

【近大富山実験場】クロマグロへい死急増 
陸上飼育 幼魚・水温低下で異常行動

【富山】近畿大学は今年から、富山実験場(富山県射水市)で日本海側で初となるクロマグロの陸上養殖研究に本格的に取り組んでいる。7月24日にふ化した稚魚を陸上水槽で飼育し、今月22日でふ化後150日に到達。11月初めの時点では海面養殖をしているグループに比べて生存率が高かったが、12月に入ってへい死が急増した結果、海面養殖より生存率が低くなっている。
近畿大は鹿児島県の奄美実験場で天然種苗からクロマグロを育てて採卵。7月に第1弾として55万粒、第2弾として60万粒を富山実験場のFRP水槽に入れた。第1弾の卵から育てた稚魚1000尾は、ふ化後45日の9月8日に同実験場内のコンクリート水槽へ移動。第2弾の卵から育てた7200尾は和歌山県の大島実験場に運び、7㌢前後で海上のイケスに移す沖出しを行った。亀島長治技術員によると、11月2日時点の富山実験場の生存尾数は356尾。水槽内の水温は19度で、重量350㌘前後、体長28㌢前後だった。12月に入って水温が17度を下回るようになり、へい死率が1日平均5~8%に上昇。22日時点で生存尾数は110尾まで減った。重量600㌘前後、体長36㌢前後。へい死の原因の1つは幼魚の異常行動。水温が17度を下回るようになると、狂ったように水面を立ち泳ぎしたり、体を壁面にこすりつける個体が現れ、衝突死やスレによる死亡が増えた。体長6㌢前後で陸上の水槽から海面イケスに移した場合はふ化後150日でおおむね20~30%生き残るが、富山実験場の陸上飼育は生存率が1割強にとどまっている。幼魚110尾を飼育しているのは、直径10㍍、深さ3㍍、容量200㌧のコンクリート製水槽1基。家戸敬太郎近畿大水産研究所教授・富山実験場長は「陸上飼育は(海上の網イケス飼育に比べて)スペースが狭い。幼魚が突然狂ったように泳ぎ出すと、すぐ壁に達する。和歌山に移送した魚の飼育経過を比較しながら、陸上飼育のメリット、デメリットを比較したい」としている。同研究所は来年度、富山実験場でクロマグロ1万尾を6~7㌢前後の沖出しサイズまで育てたい意向だ。 

(みなと新聞 2015年12月25日の記事より)

【道秋サケ】「5年魚が低位回帰」 2年連続不振で指摘
内水面水試・宮腰氏が解説

【札幌】北海道秋サケの2年連続不振は、5年魚(2010年級)の低位な回帰が大きな要因・・・。道総研さけます・内水面水産試験場の宮腰靖之研究主幹が不振の要因を明らかにした。来年魚については「今年の4年魚(11年級)は近年では平均的あるいは多めの来遊となっている海区がほとんど。低位な来遊が続く傾向はみられない」と期待感を示した。15日の定置漁業振興会議(主催・道定置漁業協会)で講演した。今年の道秋サケ来遊数は11月末時点で3663万尾で前年比4%増だが、好不漁の目安である4000万尾を下回る低水準が確定している。
海区別では、◆オホーツク 1608万尾(1%増) ◆根室 747万尾(8%増) ◆えりも以東 490万尾(6%減) ◆えりも以西 586万尾(17%増) ◆日本海 238万尾(15%増)。年齢組成は ◆3年魚 4% ◆4年魚 67.4% ◆5年魚 24.9% ◆6年魚 3.6%。4年魚(11年級)は最近10年間で3番目に多い来遊。一方で5年魚(10年級)は1989年以降2番目に少なかった。今年の来遊予想について「4年魚中心は正しかったが、その伸びは予想できなかった」とした上で、「低回帰は5年魚の少なさが原因」とした。この10年級は、昨年も4年魚として89年以降、最も少ない来遊を記録。「2年連続の不漁で秋サケ資源は今後どうなるのだろうと不安になっていると思うが、昨年と今年の不漁要因は一つの年級群が少ないことによるもの」とした。 

(みなと新聞 2015年12月18日の記事より)

広島カキ“当たり年” 20年来で最高の出来

【広島】今期の国産養殖カキは全国的に成育が良い“当たり年”となっている。天候順調で餌のプランクトンが例年並みに豊富だったためだ。特に主産地の広島県では、一昨年のカキ種不漁で養殖漁場で育てているカキの絶対数(粒)が少なくなった結果、1粒当たりの餌の量か増え「ここ20年来で最高の出来」と聞かれる。今期のカキ収穫・むき身生産は10月の三陸、三重を皮切りに、北陸、瀬戸内産と続き11月から本格化。築地や大阪の消費地卸売市場の入荷も、序盤から質の良い大きめのカキがそろった。12月も広島、宮城、兵庫は例年より身入り良好なカキの入荷が続いている。広島県のカキむき身重量調査によると、11月は平均比43%増の1粒16.5㌘(県内9漁協の平均値)だった。カキは海水温の低下に反応し、身に栄養を蓄えて太る「身入りモード」となる。今年は9月の秋口から海水温が下がり、順調に太り始めたとみられる。さらに一昨年のカキ種不漁に伴う“薄飼い”で餌が潤沢だったため成長に拍車が掛かった。県内15漁協を対象にした12月調査でも平均比19%増の1粒平均15㌘と好成長をキープしている。 

(みなと新聞 2015年12月17日の記事より)

【淡路・福良漁協】トラフグ2㌔アップ増産へ
「プレミアム」で2年後めどに

【兵庫】福良漁協(兵庫県南あわじ市)は養殖フグブランド「淡路島3年とらふぐ」の2㌔アップサイズの生産を増やす。需要が高いサイズを「プレミアム」と位置づけ、1~2年後に本格的な出荷を目指す。8日、淡路島観光協会が開いた神戸市内のプレス向け懇談会で、同漁協の前田若男組合長が発表した。淡路島3年とらふぐは鳴門海峡に面した福良湾に設けたイケスで3年をかけて養殖したフグ。一般的な養殖期間より1年長く育て、1.2㌔を超すサイズになる。人気が高いのは1.5㌔。プレミアムはトラフグの中で大きな種苗を選定し、2㌔サイズに育てて出荷する計画だ。トラフグは現在、同漁協所属の6業者が年間約10万尾を生産している。「来年には全体の出荷量の2~3%をプレミアムとして販売したい」と前田組合長。「高い価格で売れれば、2㌔サイズまで育てて出荷することが増える。2年後には増産できる可能性が高い」と期待する。同漁協所属の森譲二・森一水産社長は「2㌔アップは外食を中心に需要が高い。ブランドとして確立できる」と意気込みをみせる。 

(みなと新聞 2015年12月17日の記事より)

【水研センター】ウナギ完全養殖量産へ 種苗生産来年度1万尾

水産総合研究センター(水研)増養殖研究所は来年度のウナギ種苗生産1万尾に向け、技術開発を進めている。1日に東京都内で講演した桑田博資源生産部長は餌の開発や水質の維持などを課題に挙げながら、1万尾生産に自信をみせた。現在のウナギ種苗生産は年間1000尾程度。1万尾の達成は量産化、産業化に向けた大きな前進となる。同センターは2002年にシラスウナギまでの飼育に成功。10年に世界で初めて完全養殖を実現した。その後、14年に大型水槽(1000㍑)でシラスウナギまでの飼育に成功していた。ふ化後5日仔魚のうち種苗の段階まで生き残る割合は「現状、10㍑水槽で4%、1000㍑水槽では1.6%」(桑田部長)。桑田部長は本紙取材に対し「1000㍑水槽には、5日齢仔魚を2万5000尾入れられる。10基の水槽で生残率を4%まで上げ、1万尾生産を達成したい」とした。人工種苗生産の大きな課題が餌の確保。種苗に育つ前の仔魚は、一般的な仔魚用餌料(甲殻類など)を好まず、サメの卵を原料にした餌を好む。鶏卵や魚粉を原料にした餌でも種苗生産に成功はしているが、仔魚の成長効率や生残率はサメ卵には及んでいない。「栄養素のバランスを見直し、仔魚の成長率の良い餌を作りたい」(同) 水質悪化対策も大きな課題。餌の食べ残しを減らすとともに、水槽の壁につく汚れも生残率に影響する。種苗の大量生産には「掃除しやすく、かつ大量の仔魚を飼えるサイズの水槽をデザインする必要がある」(同)。同センターの研究は農水省「持続可能な養殖・漁業生産技術の開発」事業の一環。同事業は来年度中に1万尾の種苗生産を目標としている。桑田部長は完全養殖技術の産業化に向け「生残率・成長効率のさらなる向上や、奇形発生への対策、疾病対策、省エネ化などによるコスト対策などが必要。10万~100万尾生産、産業化へ、多くの課題があり、長い時間が必要だ」と語った。マリノフォーラム21が開いた2015年度水産セミナーで桑田部長が講演したもの。行政職員や環境コンサル企業、科学者など62人が参加した。 

(みなと新聞 2015年12月3日の記事より)

完全養マグロでASC 近大 20年の東京五輪をめど

近畿大学が完全養殖クロマグロのASC(水産養殖管理協議会)認証取得を目指している。「2020年の東京五輪までにASCを取得することを目指している」と近畿大学水産研究所水産養殖種苗センター長の升間主計教授。同認証は国内での取得事例はなく、JFみやぎ志津川支所が来年の取得を目指し、今月審査を受けた。TEPIA(高度技術社会推進協会・村田成二会長)の講演会で説明したもの。升間教授は「16年リオデジャネイロ五輪では選手村に提供する水産物はMSC(海洋管理協議会)・ASCのものだけ。東京五輪もエコラベルを取得したものを使う可能性が高い」とし、エコラベル取得の必要性を訴えた。近大は、1970年に養殖クロマグロの研究をスタート。クロマグロは明るさの変化や皮膚の損傷に弱く、完全養殖の技術開発は難航した。稚魚育成方法の工夫や大型イケス採用による衝突死の低減などの技術を30年かけて確立。02年に完全養殖を実現した。ただ、卵からの生残率は1%以下と極めて低い。沖のイケスに移した後、イケスに衝突してへい死するケースが多い。升間教授は「完全養殖はまだ完成していない。完成させるためには一層の技術開発が必要だ」と意気込んだ。

(みなと新聞 2015年11月27日の記事より)

近大生まれ「ウナギ味のナマズ」本格生産、来夏100㌧出荷
牧原養鰻などが新社

【大阪】近畿大(大阪府東大阪市)が開発し、今夏、話題を集めた「ウナギ味のナマズ」の本格的な生産に向け、牧原養鰻(鹿児島県東串良町)などは生産管理、販売の新会社を設立した。来年の「土用の丑(うし)」に100㌧の出荷を目指す。13日、大阪市内で記者会見を開いた。ウナギ味のナマズは同大農学部の有路昌彦准教授が研究を進めてきた。2年前から牧原養鰻と協力し、同社の養鰻池でマナマズの繁殖を行っている。新会社「日本なまず生産」は8月に設立。資本金は5000万円で、出資比率は鹿児島銀行や肥後銀行が設けた「KFG地域企業応援ファンド」が57%、牧原養鰻の牧原博文社長が40%、有路氏が2%など。牧原氏が社長に就任し、有路氏を取締役に迎える。新会社は養殖業者とフランチャイズ(FC)契約を結び、ナマズの種苗や生産技術を提供。各業者が育てたナマズを買い上げ、有路氏が設立した「食縁」(和歌山県新宮市)を通じて、商社や量販店などに販売する。生産管理と販売を一元的に行うことで、ナマズのマーケット確立を目指す。現在、46社が販売に興味を示しているという。今年は牧原養鰻が鹿児島県鹿屋市にある大手養鰻業者の空いている池を使い、ナマズを100㌧生産する。出荷サイズは800㌘を想定。出荷価格はキロ1000円以下に抑える予定だ。新会社は業者とFC契約を結び、ナマズの生産拡大を目指す。有路氏は「九州以外でも静岡、愛知、徳島などの業者が興味を示している」と説明。「施設、水、技術の条件を満たしている所に限られるが、淡水ならアユの業者などでも養殖は可能だ」と期待する。既存の養殖施設の改修には約2000万円掛かるといい、契約を結んだ業者が負担する。牧原社長は「おいしいナマズがついに出来上がった。早く生産体制を整えたい」。鹿児島銀行の鶴田司執行役員は「鹿児島の大隅地区で多くの養鰻池が空いている。マナズの生産で有効資産が活用できる」と期待を寄せる。

(みなと新聞 2015年11月17日の記事より)

【大分県】養ドジョウを郷土料理に
唐揚げやかば焼き 長湯温泉で新料理試食会

【大分】養殖ドジョウ生産量全国一の大分県では、県が開発した生産技術で育てた「屋内無泥養殖ドジョウ」で、新メニューや土産用加工品を作り出し、郷土料理化を目指した取り組みが行われている。
大分方式の養殖法は、コンクリートのイケスを使って泥のない環境で育てる。温泉水を活用するため成長が速く、身質はふっくらと軟らかく泥臭さがないのが特徴。骨が軟らかく、口の中や喉を刺すことはほとんどない。竹田市で手がけられる芹川どじょうは、市と企業立地協定を結び、廃校の小学校跡地に養殖場を構え、プール跡地に大分方式で10万尾を育成している。これに目を付けた地元長湯温泉の松尾久住氏(お食事処「正直屋」専務)は、旅館「紅葉館」に呼びかけ、温泉地の新しいドジョウ料理の試食会を開いた。結果は好評で、さらに研究を重ねて土産用加工品の開発をしていく他、「将来は長湯温泉だけでなく竹田市全体の郷土料理になれば」と夢を膨らませる。県下では、現在5業者が屋内無泥ドジョウ養殖を展開。大分県ではドジョウの食習慣はなかったが、宇佐市内ではすっぽん料理に加え、ドジョウが旅館や民泊のメニュー(柳川なべ、唐揚げ、どじょう汁、どじょう南蛮、かば焼き)に登場するなど、郷土料理化への動きが見られている。大分どじょう屋内養殖協議会会長を務める芹川どじょうの木元修司代表は「日本一の大分どじょうの認知度を高め、地元消費を広げながら全国にPRしたい」と話す。なお、県内のドジョウ養殖業者は2014年に新規2業者が参入し、現在5業者。生産量は14年で20㌧(3業者)。出荷先は関東のドジョウ料理専門店が主力で地元や北陸、四国、北海道。無農薬で安全なため、トキなど希少鳥類の餌にも用いられている。

(みなと新聞 2015年11月6日の記事より)

【アメリカウナギ】米・絶滅危惧見送り 資源保護強化を勧告

【バンクーバー】米国魚類野生生物局はこのほど、資源減少が懸念されるアメリカウナギを絶滅危惧種の付帯リストに記載しないことを決めた。同時に資源保護政策を一段と強化するよう勧告した。シラスの対日供給源であるメーン州は今回の決定を歓迎する声明を発表。供給継続に向けて明かりがともった形だ。アメリカウナギは資源減少が顕著として、同局がここ数年間、大西洋諸州海洋漁業委員会(ASMFC)や専門家とともに包括的な資源調査を実施。調査結果に基づいて絶滅危惧種に追加しない方針を決めた。州はスワイプ・カードの導入などを通じ、操業管理を厳格化していることを強調した。ポール・R・ルパージ・メーン州知事は「シラス漁業は州沿岸地域経済のバックボーンとなっており、多くの漁業者がシラス資源に生計を託している」と指摘。州海洋資源局と共同で取り組む資源保護が今回の決定につながったと強調した。

(みなと新聞 2015年11月4日の記事より)

TPPで輸出に商機 新興国へブリ、サバ、サンマ 水産庁が合意詳細公表

環太平洋連携協定(TPP)合意で、水産物輸出を加速・・・水産庁は9日、会見を開き水産物輸出時の関税減免の内容を明らかにした。「ベトナムやチリ、メキシコなどを新たな輸出市場として期待」と伊佐広己水産庁参事官。ブリ、サバ、サンマの3魚種は5年以内に全交渉国の関税撤廃で合意した。また、同庁は発効について、「早くても再来年では」との見通しを示した。ベトナム、チリ、メキシコの3ヵ国は3魚種の輸出実績がほとんどない。伊佐参事官は「TPPを輸出市場開拓の突破口にしたい」とコメント。生産量の多い3魚種を、新たな輸出商材として定着させたい狙いだ。TPP発効時点で、ベトナムとチリは3魚種への関税を即時撤廃。メキシコはサバが即時、ブリとサンマが5年で関税撤廃となる。水産加工品分野でも輸出拡大が期待される。ねり製品はカナダ(現状7%)、ニュージーランド(5%)を即時撤廃。カニかまなどの輸出に追い風が予想される。また、もともと、ほとんど水産物に関税をかけていなかった米国も、さらなる関税撤廃に合意。マグロ缶詰に6~35%かけていたものを10年で、サバ缶詰に3%かけていたものを5年で、それぞれなくす。日本側も水産物輸入時の関税減免を受け入れたものの、輸出時のアドバンテージも得た格好だ。また、水産物の輸入割当品目(IQ)制も堅持。IQ制について特に議題となることもなかったという。TPPは大筋合意となったが、発効が決まったわけではない。現段階での発効条件は交渉参加全12ヵ国の批准。2年以内に批准がない場合、12ヵ国の合計GDPの85%以上を占める6ヵ国以上の批准で発効が決まる。伊佐参事官は「各種手続きを考えると、発効は早くても再来年ではないか」との見方を示した。

(みなと新聞 2015年10月13日の記事より)

宮城生カキ初入札 4割増18㌧、平均価格1割高

【石巻】JFみやぎは6日、気仙沼総合支所、石巻総合支所、塩釜総合支所で宮城県産生カキ共販の初入札会を行った。全支所計でこの日の上場数量は18.4㌧と前年の初入札に比べて4割増となった。平均単価は10㌔2万9330円と前年に比べて1割高となった。最も上場数量が多かった石巻は石巻地区に加えて戸倉、南三陸から920本(1本10㌔樽)が上場となった。最高値は10㌔3万3990円(昨年2万9670円)をつけた。今年は盆明けから水温が順調に低下したことと、雨が多かったことなどから、カキが順調に成育し、乳白色で、身入りが良く「ここ数年で最も身質が良い」(JFみやぎ)という。また、養殖イカダ数も増え、計画では昨年比1割増の1700㌧の生産を見込む。初入札でも前年を上回る数量が上場されたが、品質の高さに加え、広島産が減産を見込まれるこちなどが影響して高値を付けた。丹野一雄JFみやぎ経営管理委員会会長は「今年は身入り、品質も良いカキに育った。宮城のカキは震災以来、風評などによる浜値低迷に最も苦しんだが、ようやく明るい兆しが見えてきた。おいしく、安心・安全な宮城のカキを全国の多くの消費者に届けられるチャンスになる年となる。むきカキはもちろん、ブランド化を進める殻付きカキの扱いも強化していきたい」と話した。

(みなと新聞 2015年10月8日の記事より)

【築地市場】品質良く期待高まる 生鮮むきカキ初セリ

【築地】築地市場で1日、むきカキの初セリがあった。今年は「卵がほとんど抜けて、きれいな白い身」(築地魚市場)と身質が良く、今後の商戦に期待が高まる。1日の入荷量は昨年に比べて2㌧ほど減り、卸値は上昇した。入荷量は岩手産が2170㌔、三重産が310㌔、韓国産が520㌔。合計で前年同日より2㌧減ったが、三陸ではむき加工場が震災から復旧してきている。築地卸は、「三陸からの入荷は前年より増える」(東都水産)と期待する。入荷の7割を占めた岩手産の卸値は、大型(1粒30㌘前後)が前年同日より100円ほど高くキロ4500~2600円、中型(同18㌘前後)が1割高の同2600~2000円、小型(同10~12㌘)が5割高で同2000~1800円となった。今後は11月初旬に広島産が初入荷する予定。ただ昨年の種苗大不漁により、今年は広島産の入荷は減少が見込まれる。韓国産も「ウォン高で輸入状況が厳しい」(築地市場)。国内他産地からの入荷に期待がかかる。

(みなと新聞 2015年10月2日の記事より)

【アメリカウナギ】絶滅危惧種か米判断へ 業界反論「資源枯渇ない」

【バンクーバー】日本を主要市場とする米メーン州のシラスを含め、アメリカウナギを絶滅危惧種に指定する動きが佳境を迎えている。米国魚類・野生生物局(FWS)は2010年以降、絶滅の危機にひんする種の法律(ESA)に基づく指定の可否を検討。FWSは近く最終的な決定を公表するとみられている。仮に記載された場合には対日シラスの供給や、ヨーロッパウナギ資源の大幅減少に伴って伸びているアメリカウナギ輸出に深刻な影響をもたらす。このため関連業界団体のアメリカウナギ持続性協会や、メーン州のシラス漁業者から反対の声が一層高まっている。FWSは2007年にアメリカウナギの資源状態を調査。全般的に見て絶滅にひんしてもいないし、また近い将来にその恐れもないと結論した。だがカリフォルニア州に本部を置く環境保護団体「ESAの信用性についての委員会(CESAR)」が10年に、裏付けるデータを添えてFWSに07年に結論を再度検討、再考慮するよう申請。FWSはその後審査を続けてきていた。メーン州ウナギ漁業の水揚高は1950年から2010年前までは年平均300万㌦だったが、10年に一挙に4000万㌦へと急増した。日本のシラス需要の増大が背景だ。15年漁期には漁獲枠を獲り残したが、同持続性協会は「これは資源が減少したからではなく、冬の異常寒波の影響で春漁の操業開始が遅れたためだ」と、資源枯渇を指摘する声に真っ向から対立している。

(みなと新聞 2015年10月2日の記事より)

養キャビア輸出解禁 国が新制度 トレーサビリティー確保で

水産庁と経産省が18日、養殖キャビアの輸出に向け、新制度を導入した。キャビアの親であるチョウザメ類の絶滅が心配される中、野生に資源に悪影響を与えない生産方法を認証する制度だ。これによって、ワシントン条約締結各国への輸出が可能となる。輸出を手掛けるチョウザメ養殖業者と加工場には水産庁への登録を、輸出業者は経産省への書類提出をそれぞれ義務付ける。ワシントン条約ではチョウザメ類全種の国際取引を制限。種によっては商取引を認めるが、この際にも輸出国当局(日本では経産省)の許可を義務付けている。また、2002年の条約締結国会議ではキャビアの国際取引について ①養殖場や加工場の登録制度をつくる ②正規品を証明するラベルを容器に貼る ③ラベルのないキャビアを輸入しない・・・・・などの勧告があった。勧告には法的拘束力がないものの「条件を満たさず輸出すれば、相手国に品物を受け付けられない、諸外国から非難されるなどの危険があった」(経産省野生動植物貿易審査室)。経産省は勧告に基づき、ラベルや各種施設登録証明などを提出した者にのみ、キャビアの輸出許可を解禁する。これまで、日本ではキョウザメの生産が少なかったため、キャビアの輸出も現実的ではなかった。ただ、06年ごろから、宮崎県が県内業者へのチョウザメ種苗の販売を強化。現在23件の養殖業者が着業、キャビアの生産量は13年度15㌔、14年度60㌔で、今年度200㌔を見込む。生産は今後も増える見込みで輸出が視野に入ってきた。小売価格は、20㌘当たり1万円を超えることもある。輸出解禁の背景には「宮崎県担当者加らの要望もあった」(水産庁担当者)。 

(みなと新聞 2015年9月24日の記事より)

「下関ふく」初セリ式 天然、養殖とも高値で始動

【下関】日本最大のフグ集散地、山口県下関市の南風泊市場で18日未明、フグの初セリ式があった。今期フグ商戦は荷もたれ気味で軟調だった前期と状況は一転、品薄高値で始まった。主力の養殖物は在池薄と成育遅れで出荷が滞り、昨年の倍値近い高値で推移。資源減退が深刻化する天然物も高値スタートを切った。初セリに上場されたトラフグは天然、養殖合わせて約4.4㌧。うち天然は外海物が70㌔、内海物が300㌔で前年をやや上回った。最高値は前期比8000円高の2万4000円を付けた。大型連休前の需要増などで高値を呼んだ。主力の養殖物は長崎県を中心に在池が薄く、夏場の海水温低下で魚体も小ぶりで、これまでのところ出回りが少ない。このため、指標となる1㌔級は前年の2倍近いキロ4000円台の強保合いが続いている。 

(みなと新聞 2015年9月24日の記事より)

【東北】養殖復興 カキ先行 農水省調査 その他は伸び悩み

東北の養殖業の復興は、カキ類で進む一方で、その他の業種で伸び悩んでいる。農水省は11日、2011年から続けている復興状況調査の結果を公表した。青森、岩手、宮城で経営再開意思を持つ漁業経営体176件を対象。震災前の10年と14年の状況を比較した。カキ養殖を主体とする経営体は養殖施設面積が55%、漁業所得が25%増加した。同省林業漁業経営統計班は「カキは養殖期間に2年ほどかかる場合が多い。12年に養殖を再開したものが14年に出荷を迎え、収入を押し上げた」と分析。13年時点ではいずれも10年実績を下回っていた。ホタテ類、ワカメ類、ノリ類を主体とする経営体の漁業所得はそれぞれ60%、65%、59%にとどまった。ワカメ類は養殖場面積が13年62%、14年86%と回復したものの、所得は61%、65%と伸び悩んだ。「14年にワカメの価格がつかなかったのが主な原因」(同班)。ノリ類主体の養殖は面積が13、14年とも54%。「水揚げ後の処理施設が思うように復旧しておらず、養殖場面積を増やせない状態」(同)だという。 

(みなと新聞 2015年9月18日の記事より)

豊田通商 沖縄でもマグロ中間育成 人工種苗、五島に続き量産へ

豊田通商(加留部淳社長)は長崎県五島市に続き、沖縄県名護市でクロマグロ中間育成事業を始める。100%出資し昨年5月に設立したツナドリーム沖縄が、羽地漁協の正組合員として事業を手掛ける。羽地漁協は1日付で沖縄県から特定区画漁業権を取得した。豊田通商は近畿大と提携し、人工ふ化した稚魚を1尾0.7~1㌔のヨコワに成育する事業を五島市のツナドリーム五島で手掛ける。さらに、7月には同市でツナドリーム五島種苗センターを稼働させ、人工種苗の生産を始めた。ツナドリーム沖縄は30㍍円型イケス6基、従業員6人でスタート。五島種苗センターから初年度、稚魚2万尾を11月に受け入れ、中間育成する。生存率50%を目標に、来年春に1万尾の人工ヨコワを出荷する計画。名護市を選地した理由に「冬季でも海水温が平均20度の高さ、天然リーフに囲まれ潮通しのよさ」(豊田通商)を挙げる。イケスにアンカーロープをつけるなど台風対策も取る。稚魚の池入れから種苗出荷までを11月から翌春にし、台風シーズンを避けた。豊田通商は五島種苗センターで初年度4万尾、来年度6万尾、2020年度までに約30万尾の人工稚魚生産を目指している。マグロ養殖は天然種苗の漁獲規制の強化が進み、人工種苗の需要が高まるのが必至。豊田通商は人工ヨコワ需要を30万~40万尾と見込み、同社と近大グループを合わせ、35万尾を賄えると試算する。ツナドリーム沖縄では20年に5万~6万尾の種苗生産を計画する。 

(みなと新聞 2015年9月17日の記事より)

【15年度世界マグロ見通し】養殖3万9000㌧ 5年連続増産 地中海拡大、太平洋は減少傾向

今年度の世界養殖マグロ生産量(ラウンド、出荷ベース)は前年度比1割増の3万8990㌧と、5年連続で前年度を上回る見通しだ。商社筋への聞き取りによって分かった。大西洋クロマグロの資源回復を追い風に地中海は3割増える。メキシコは昨年度に大量出荷したため3割減。豪州・日本は前年度並みになる。現在の資源状況を鑑みると、地中海増、日本・メキシコなどの太平洋クロマグロ減が今後続くと商社筋はみている。相場は下がる見通し。「一部の豪州養殖業者は相場低迷で再生産できないほど採算が割れている状況」と商社筋。日本の市場は飽和状態とし、「今後養殖業者が利益を増やすため、他国への販路開拓を進めるだろう。もし他国の需要が高まれば、他の魚種同様、養殖マグロでも買い負けが起きる状況にもなりかねず、日本の価格決定力はなくなるかもしれない」と危惧する。地中海では各国間で漁獲枠の売買が行われており、情勢不安を抱えるチュニジアは6割減の440㌧に落ち込んだ。一方、スペインやマルタなどは順調に生産を伸ばしている。チュニジア枠や、エジプト・リビアなど生産していない国の枠を買い取っているため。「今年度は枠の売買が活発に行われているので、予想は難しい」と商社筋は話す。中心サイズは昨年同様、1本180~200㌔になる見込み。メキシコは今年度の市況低迷を見越し、前年度に大量出荷。今年度の出荷量は減る。ただ、それでも一部越年出荷が混じるため、中心サイズは「予測できない」(商社筋) 日本は前年並みの8000㌧。在池量は潤沢だが「現在の相場安、今後の資源管理を考慮し、各業者とも様子見状態となるのでは」とみる。中心サイズは「業者によってバラバラ」(同)。豪州のミナミマグロは100㌧減の7900㌧予想。生産尾数は増えるが、中心サイズが2㌔減の1本30㌔をさらに下回るとみられるため。ヨコワ漁が3月後半からシケにみまわれ「沖の大きいサイズが獲れなかった」と商社筋は説明する。

(みなと新聞 2015年9月16日の記事より)

「近大マグロ」食べ比べ 大丸東京店で18日と25日限定 丼、寿司セット販売

Jフロントリテイリンググループの大丸松阪屋百貨店の大丸東京店は18、25日の2日間限定で、近畿大が完全養殖する「近大マグロ」の食べ比べ丼、刺身や寿司を販売する。食べ比べ丼は、刺身、たたき、ヅケの4種類を載せ3500円。地下1階のほっぺタウンで販売する。大トロ、中トロ、赤身の握りと巻物の寿司セットは1780円。大トロ、中トロ、赤身、つき身の刺盛は1980円。同社は「銀座の近大直営レストランでは連日予約が取れないほど人気といわれる近大マグロを、デパ地下で手軽に楽しんで」とする。

(みなと新聞 2015年9月16日の記事より)

【養トラフグ】早期出荷 長崎産地に呼び掛け
下関唐戸魚市場・原田社長 分散し安定供給

【佐世保】全国一のフグ市場で知られる山口県下関市・南風泊市場の卸会社、下関唐戸魚市場の原田光朗社長は12日、長崎県佐世保市内のホテルで開いた県北松浦地区(北松)のトラフグ養殖業者との懇親会で、1尾700~800㌘サイズでの早期出荷を呼び掛けた。9月からの今フグシーズンは在池尾数が例年より少ないことを背景に、同市場の卸相場は前年のほぼ倍値でスタート。ここ2年間、相場低迷にあえいでいた生産者の期待が膨らんでいる。少しでも大きく育てて出荷したい生産者に対し、原田社長は「早めに出して出荷時期を分散して安定供給を続けていくことが産地、消費地双方に良い。今期は在池状況をより細かく把握し、活況を目指したい」と述べた。一方、養殖トラフグの主産地である長崎県の北松浦エリア(佐世保、小佐々、松浦)の今期出荷分のフグの在池量は「例年より2~3割少ない」と口をそろえる。小佐々は昨秋に発生した白点病による出荷魚、稚魚の大量へい死で壊滅的な被害を受けた。昨年11月に中間魚を池入れし、今期出荷に臨んでいる。成育は順調で現在は600㌘平均との見方。佐世保(九十九島鹿町支店)は池入れ尾数が例年比3割減。成育はやや遅めで1尾500~600㌘が主体。出荷はスローペースで11月後半から本格化と予想されている。松浦(新松浦漁協鷹島支店)は生育に遅れが見えており、本格出荷が半月程度(11月後半)ずれ込む見通しだ。

(みなと新聞 2015年9月15日の記事より)

【水産庁】小型クロマグロ漁獲で注意報 北海道、岩手、宮城の3道県に

水産庁は14日までに、資源管理の強化が急務となっているクロマグロについて、太平洋北部ブロックの北海道、岩手、宮城3道県の小型魚(30㌔未満)の漁獲が、管理上限の7割を超えたとして、各道県に注意報を出した。漁獲上限は、マグロ管理の国際合意などに基づき、太平洋や日本海など全国を6ブロックに分けて管理の目安としている。同庁によると、今回の3道県の上限は「今年1月から来年6月までの総量251.9㌧の7割を超えたため」(漁業調整課)という。今のところ、他のブロックで注意報は出されておらず、「今年は特に北海道の定置網で、小型魚が多く漁獲されたことが上限の7割に達した主要因」(同)とみており、来年6月にかけて慎重な管理を促している。

(みなと新聞 2015年9月15日の記事より)

【漁業養殖 最前線・・・マグロ養殖】人工種苗の量産化加速
長崎 官民が競う態勢整備、技術革新

【長崎】クロマグロ完全養殖の商業化に向け、人工種苗量産化の動きが加速している。長崎県内では豊田通商が7月、五島市にツナドリーム五島種苗センターを稼働、2020年度までに約30万尾の稚魚生産を目指す。08年度から種苗生産技術の開発を進める長崎県総合水産試験場は今年度、ふ化から全長5㌢の稚魚までの生残率で高水準の6.2%を達成、量産化技術にめどをつけた。
■豊田通商
マグロ養殖の天然種苗(ヨコワ)の漁獲が不安定な上、今後さらに漁獲規制強化の見通しのため、人工種苗の需要が高まっている。豊田通商は人工ヨコワの需要を30~40万尾と見込み、中間育成の生残率を5割に向上させ、近畿大グループと合わせ、35万尾を賄えると試算する。同社は近畿大と提携し、中間育成に特化した子会社ツナドリーム五島を10年に設立したのに続き、人工種苗を量産化する施設を稼働させ、採卵から0.7~1㌔の種苗販売、製品出荷までマグロ完全養殖産業化への体制を整えた。ツナドリーム五島種苗センターは、1期として50㌧陸上水槽6基(うち、2基がイシダイ親魚用で餌用仔魚を生産)を備える。17年度からの2期で10基を増設、1基1万尾の稚魚生産を計画する。年2回転させ、30万尾の生産を目指す。約30日間陸上育成し、船で15分の中間育成用海上イケス(8基)に沖出しする。今年度の初回沖出しは3万尾で、稚魚生産から沖出しまでの歩留まりは98%。2回目の沖出しも順調だったという。今年度4万尾、来年度6万尾の生産を計画する。
■長崎県水試
長崎県水試は今年度、2回の採卵で合計約4万尾の稚魚を量産。初めて人工種苗から育てた親魚からの採卵。2年連続で1万尾以上の生産に成功するとともに、一般的に1~3%といわれる生残率を6%に伸ばした。同水試によると、ふ化後10日程度で発生する沈降死を水流や照明を工夫することで「5%程度に激減していたのを3~4割の残存に高めることができた」と説明。共食い防止にミンチに代え、開発した配合飼料を与えたことも残存率向上につながったとみる。生産稚魚は五島の養殖場で養殖特性試験に入っている。同水試は、水産総合研究センターを中核とした農林水産技術会議委託プロジェクト研究(12~16年度)に参画。今後は種苗生産コストを削減し、県内に12~13ヵ所ある魚類種苗生産施設に技術を還元していく。県内の養殖用10万尾とみられる天然種苗のいくらかを「県産人工種苗で賄いたい」としている。 

(みなと新聞 2015年9月8日の記事より)

【長崎県養トラフグ】2歳魚在池3割減か 種苗不足で今期投入足踏み

【長崎】日本一の養殖トラフグ産地、長崎県の養フグ2歳魚の在池尾数が大きく減少している。エサ投与不足や海水温の低下、病気などが原因で今夏に死滅する養フグが増加したことが主な要因。県内主要漁協は8月末時点、在池尾数が前年同期より20~30%少ないと見通す。養フグの浜値は今年、昨年の記録的安値から一転し、年明けから右肩上がりで高騰。9月3日現在の浜値は昨秋の4倍弱、キロ4000~3800円で推移する。一方、昨年末まで大量にあった冷凍在庫は今年1月にほぼ完売。産地関係者は「今秋、販売予定の冷凍在庫量はごくわずか」と分析する。今秋、販売予定の養フグ2歳魚は昨年の春から夏にかけて種苗投入。昨年は産地が長引く安値を警戒し、例年より2割減らして投入した。
へい死や成長不足 意欲減退も影響
九十九島漁協(佐世保市)の山村高義部長は管内2歳魚について「在池尾数は前年同期より20%ほど少ない。成長も例年より2~3割遅く、現時点で400㌘ほどにしか育ってない」。在池数減少の原因に今夏、海水温が低かった影響を挙げ、「同時期、管内全般で黄疸(おうだん)が発生する魚が目立つなど、病気で減少する例も多い」と説明する。国内最大の養殖トラフグ生産漁協、新松浦漁協(松浦市)の下松哲理事は「2歳魚は昨年より30%以上少ない。低い海水温に加え寄生虫カリグス付着で弱った魚が多い」。3歳魚は昨年、管内では2歳魚のうち5万尾を回したが、その多くは現在へい死したと説明する。「2歳で販売する魚を単純に3歳魚へ切り替えたことに問題があったとし、昨年の安値で、生産者が餌の投与量を減らすなど養殖への意欲が減退したことも大きな要因に挙げた。今期投入の種苗尾数は「前年並みの投入数としたいが、中間投入が足踏み状態。種苗が足りず取り合い状態」にある。産地の減産機運で種苗メーカーが生産量を大きく減らしたという。「今秋以降は本来、養フグのあるべき価格で推移してもらいたい。身を削る思いで生産量を減らした効果に期待する」と下松理事。 

(みなと新聞 2015年9月8日の記事より)

養カンパチ年内1100円 鹿児島 浜値の安定意識浸透

【鹿児島県】鹿児島県の養殖カンパチ浜値がここ数年の乱高下から一転、今年2月以降キロ1100~1000円で安定している。生産者らが取り組む稚魚導入から出荷まで尾数や成育状況を把握する「みえる化」軌道に乗りつつあるため。今後も、年末までキロ1100円水準を維持しそうだ。浜値は主要産地の西桜島、垂水市、鹿屋市、牛根、ねじめの5漁協への本紙聞き取りによる。今年2月以降は安定価格が続くものの、稚魚や配合飼料の価格上昇などから浜値を上げたい生産者が多かった。ただ、ここ数年の浜値乱高下によりカンパチ離れを引き起こし、需要が縮小。生産者の中で「同じ轍(てつ)を踏まない」よう、価格安定化の意識が強くなっている。全国在池量は前年並み。組成は3年魚が前年より少なく、2年魚が多い。ただ、2年魚は春から夏にかけての水温上昇遅れ、赤潮による餌止めなどで成育が遅れている。このため「適正出荷サイズは9月末まで品薄状況が続く」とみる養殖関係者もいる。ただ、浜値は安定予想。生産者によると今後の浜値はしばらく1100円水準で、その後軟調となり、年末には1100円水準と予想する。 

(みなと新聞 2015年9月7日の記事より)

秋サケ輸出「厳しい環境」 重岡常務「中国経済に変化」 道ぎょれん会秋季取引懇

北海道漁連の重岡徳次常務は1日、東京都内であった道ぎょれん会秋季取引懇談会の分科会で秋サケの輸出見通しを説明、中国の経済鈍化から「厳しい環境になる」と語った。昨年の秋サケ輸出は3万7228㌧で、前年を15%、4956㌧上回った。今年6月現在の輸出量は8296㌧で昨年同期(1万6845㌧)のほぼ半分の状況。重岡常務は「中国以外はベトナム、タイなどにほぼ4000㌧の輸出実績」と説明。「需給調整の意味から積極的に搬出していた」と語り、特に全体の3割強を占める中国について「経済がそれまで好調だったことと、保税加工によるコストダウンで欧米に積極的に輸出できたこと」などを背景に挙げた。今年の対中輸出の減少について重岡常務は、①中国国内の水産加工業者への金融引き締め ②人件費高騰に伴う製品コストのアップ ③欧州の経済不況に伴う中国加工品の販売不振 ④ルーブル安下、ロシア産サケ・マスが安価で中国に搬入された・・・ことを原因に挙げた。7月の輸出も昨年の2492㌧に対し761㌧と低調に推移した。重岡常務は日本国内で最終的に消費される製品について、「順調に販売されているように聞いている」としながらも、「中国にある日本の製品の一部は棚上げ状態になっている」とし、「ある一定量は搬出される見込みにあるが、昨年までの状況にはない厳しい環境になると判断している」との見方を示した。 

(みなと新聞 2015年9月7日の記事より)

クロマグロ人工種苗 生残率倍の6% 完全養殖で長崎県総合水試

【長崎】長崎県総合水産試験場が今年度クロマグロ種苗生産で、人工ふ化から稚魚までの生残率6.2%を達成した。ふ化した仔魚から全長5㌢の稚魚までの生残率は一般的に1~3%。ふ化後の沈降死の防止や共食い防止などに取り組み、目標としていた3%を大きく上回った。同水試の完全養殖成功は初めて。2回の産卵で約4万個の種苗を生産した。
4万尾を量産
同水試は2014年改定の長崎県マグロ養殖振興プランの実現に向け、水産総合研究センターを中核とした農林水産技術会議委託プロジェクト研究(12~16年度)に参画。種苗生産技術の開発を進めてきた。種苗生産は08年度から始め、13年度までは生産5500尾、生残率も最高1%だったが、14年度は約2万8000尾、生残率2.3%と向上。今年度は奄美庁舎が提供の受精卵を使い、2年連続で1万尾以上の生産に成功した。生残率は6月の1回目の生産で6.2%(2万5000尾弱)と高水準。厳しい条件下を試した8月の2回目の生産でも3%弱だった。人工ふ化後の生残率は一般的に1~3%といわれる。同水試は「ふ化後10日程度で発生する沈降死を防ぐため水流や照明を工夫、共食い防止にミンチに代えて開発した配合飼料を与えたことが、生残率向上につながった」とみている。生産した種苗は、五島にある数ヵ所の養殖場で成長や生残状況などを調べる養殖特性試験に入っている。今後は種苗生産のコストを削減し、県内に12~13ヵ所ある民間などの魚類種苗生産施設に技術を還元していく。県内で養殖に使われる「10万尾とみられる天然種苗(ヨコワ)のいくらかを、県産人工種苗で賄いたい」と同水試。 

(みなと新聞 2015年9月4日の記事より)

ジャポニカ保護など現状報告 8日中国で4ヵ国鰻業研究会

「中国韓台鰻業発展研究会」が8日、中国・広東省の順徳区であり、絶滅危惧種であるアンギラ種の輸出管理やジャポニカ種の資源保護などの現状報告を4ヵ国で行う。主催は同省鰻魚業協会。日本鰻輸入組合によると、日本からは同組合員7人が招かれている他、全国淡水魚荷受組合連合会や個別の生産者・問屋にも声がかかっているという。議題は他にも、日本・中国マーケット、ワシントン条約付属書に記載された場合の影響、今年度のシラス池入れ・養殖・在庫状況などを話し合う。 

(みなと新聞 2015年9月3日の記事より)

【太平洋クロマグロ】産卵親魚、巻網で白熱 全国会議 漁業者、行政が議論

水産庁が27日に開いた「太平洋クロマグロの資源・養殖管理に関する全国会議」に、漁業・養殖事業者約120人を含む400人が詰めかけた。産卵期の親魚規制、成熟の認識、巻網と沿岸漁業者の問題、定置網などへの影響など山積する課題を討論。農水省の宮原正典顧問らが各課題の対応方針を説明新聞した。壱岐市マグロ資源を考える会の中村稔会長らは、日本海での産卵期の親魚巻網について資源への悪影響を危惧。宮原顧問は「親魚を産卵期に獲り控えても、別の時期に獲れば資源への悪影響は変わらない」と反論しつつ「産卵期に限らず、親魚資源全体をどう守るかの議論が必要」と答えた。日本海の産卵親魚巻網については、他の漁業者からも「一般に3歳魚のうち成熟個体は2割とされるが、日本海で獲れる3歳魚の8割は成熟しているという。また、日本海では3~5歳の若い親魚を獲っている。日本海の巻網が(若い親が高齢魚になって生むはずだった産卵量なども含め)資源に与える影響を調査してほしい」などの声が出た。一方、宮原顧問は、「巻網の影響は調査しきれていない部分がある」としつつも、資源減少の原因として、日本海の巻網が過剰に批判されていると指摘。日本海の巻網が始まった時期と資源の減少時期が重なるため、巻網が資源を減らした主因と感じているのではないか」と分析し「巻網のみに注目するのは“資源保護”の議論とは違う。限られた資源を効率的に使うために『巻網よりも魚体を品質良く保てる別の漁法で獲る』『小型魚を蓄養に回し売価を上げる』という議論はあり得るが、それは“効率的な資源利用”の議論だ」とした。漁業者らが「漁獲の主体は大中型巻網。沿岸まで漁獲を削減しては零細漁業者は生活できない」『零細漁業者の除外措置は考えないのか」と声を荒げる場面もあった。水産庁側は「資源が減っており、沿岸漁業も一因となっている。巻網の削減率を最も高くしたが、沿岸漁業の協力も必要」と理解を求めた。定置網や釣の漁業者からは、漁獲枠を超えてマグロが獲れてしまうケースを問題視。生きたままマグロを逃がすための技術開発が課題として挙がった。

(みなと新聞 2015年8月31日の記事より)

【広島カキ】1カ月遅らせ品質アップ 11月2日出荷開始

【広島】今期の広島産カキの出荷開始は、例年よりも1カ月遅い11月2日からになる。昨夏のカキ種の大不漁で収穫するカキの絶対量が少なく、収穫を遅らせることでカキをより成長させて身入りを良くし、品質を高める狙いだ。広島県のカキ生産者らでつくる広島かき生産対策協議会(会長・山本勇二広島県漁連会長)が28日に決めた。広島カキは例年、10月1日から出荷が始まる。ただ近年は良質なカキを出荷するため、収穫開始を遅らせる生産者が目立っていた。こうした中、空前の種不漁に見舞われて、今期は収穫量が減る生産者が多いと予想されていることから「量から質」への方針転換が進むことが期待される。同協議会の意思決定による11月からの出荷開始は初めて。広島県内の仲買業者でつくる広島県かき出荷組合(組合長=山下勇治山下水産社長)は今年3月、同協議会に対し「11月2日から取り扱う」ことを事前通知。仲買業者の要請にも応えた格好だ。

(みなと新聞 2015年8月31日の記事より)

【15鰻年度】活輸入 台湾産4倍に 値ごろ感で需要底上げ

「今年は台湾産が躍進した年」「国産と価格差が大きく、輸入物は売りやすかった」・・・26日、東京都内であった日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)の情報交換会で組合員らは今年の活鰻商戦をこう振り返った。2015鰻年度(14年9月~15年8月)の推定活鰻輸入量は6500㌧強と前年度比7割増。値ごろ感のあった台湾産が4倍の2300㌧と大幅に伸長し、中国産が3割増の4200㌧だった。台湾産は昨年の7月から新子が出始め、15年度通じて搬入が潤沢に続いた。14年度は単月で100㌧超輸入したのが7月のみだったが、今年度は11月から100㌧超え。6月は308㌧、7月は612㌧と大幅に増えた。台湾産は6月下旬から盆前までで、3Pサイズがキロ2500~2450円、4Pが2900~2850円、5~6Pが3200円。国産と値差が1000円以上あったという。中国産との値差は150~200円。販路は東日本が中心だった。西日本は中国産メーン。売り手が大きく分かれたのが特徴的だった。輸入活鰻の単価は前年度比3割安、売上高は2~3割増とみる。課題は5P以上の太物が出荷の中心で、3~4Pの細物を好むかば焼き屋と思惑のずれがあること。かば焼き屋の客層が高齢者中心で、太物だとボリューム感が多すぎるとする。今後は若年層を増やし、太物の需要を高めるといった案が出た。かば焼き加工品は、3~5月まで輸入物の販売が好調だった。6月中旬から急に国産に切り替わったという。量販店のバイヤーが7月まで国産を温存し、輸入物を早めにさばけさせたのではと組合員は予想。「シーズン全体でみると前年度並みの売り上げに落ち着いたのではないか」との声が上がった。輸入量は1万1300㌧と推定する。

(みなと新聞 2015年8月28日の記事より)

養殖魚の輸出振興へ 九経連が中川政務官に要請

九州経済連合会(麻生泰会長)の小池光一農林水産委員長らは19日、農水省を訪れ、中川郁子大臣政務官に九州・山口地区の農林水産業振興を要請した。水産に関する主な内容は欧州連合(EU)・HACCPの取得推進や輸出未開発国への魚の空輸に対する助成など、養殖魚の輸出振興。中川政務官は「提案を踏まえ、対応したい」と応じた。生産・流通現場への特区の設置も提言した。輸出魚の養殖場確保に向け、輸出専用漁業権の新設や、許可漁業の漁場である沖合域への輸出専用区画(特区)の設備を提案。また、国内向けの流通振興では、福岡に市場法に縛られない魚市場特区を設置、卸の仲卸化・仲卸の卸化や一般消費者への販売の一部解禁などに取り組むという案も出した。ただ、今回、各種特区について「実現に向けた具体的な会話はなかった」(同行者)という。養殖魚を国際的にマーケティングするための業界団体の設置や、養殖魚の品質や持続可能性などを審査する格付け制度の導入も提言。国内の魚滓を材料に養殖餌を開発し、養殖餌の海外依存を是正することなども求めた。

(みなと新聞 2015年8月20日の記事より)

【持続的養鰻機構】東京に事務所移設 国際管理事務局も併設

全日本持続的養鰻機構(村上寅美会長)は17日、関係省庁との調整や国際交渉の際の利便性向上のため、本部を静岡から東京に移設した。日本、中国、台湾、韓国による非政府養鰻管理団体「持続可能な養鰻同盟(ASEA)」(村上寅美会長)の事務所も兼ねる。同機構は昨年10月に発足。国の資源管理政策の周知徹底や、池入れ量制限の伝達など、全国の養鰻業者と国との窓口となっている。国内全ての養鰻業者の加盟を目指しており、8月中旬時点での加盟は「9割程度」(村上会長)。持続可能な養鰻同盟は、昨年9月のウナギの国際的資源保護・管理に係る非公式協議の共同声明を受けて、各地域で効果的な池入れ量制限を行うために設立された。今年6月の第1回会合で、日本が来年の定期会合まで事務局を務めることが決まった。冒頭のあいさつで村上会長は、「(当機構は)資源保護を第一義とし、適正な養殖に取り組む。生産者、問屋、商社、エンドユーザー一体となって、日本の食文化を守っていこう」と呼びかけた。

(みなと新聞 2015年8月19日の記事より)

【大分県】ヒラマサ、ブリと複合養殖 夏出荷 高単価 経営改善に強い味方

【大分】大分県はヒラマサとブリの複合養殖を戦略的に振興している。冬場に脂がのって最盛期を迎えるブリに対し、上品な味わいのヒラマサを夏場の商材として安定出荷することで養殖経営の改善につなげようという試み。ヒラマサ人工種苗の量産技術を確立し安定生産にめどをつけた。2015年の人工種苗生産量は10万尾。3年間で倍増した。今後は市場開拓に重点的に取り組む。
人工種苗3年で倍増
ヒラマサはブリ類の中では格上の高級刺身商材として知られ、脂ののりが程よくさっぱりした味で夏場に活発な引き合いがある。長崎県を中心に天然魚が漁獲されるが、全国的にみても天然物の水揚げが少ないことから地域限定的な商材となっている。こうした中、大分県では主力の養殖ブリが単価下落で厳しかった時期、ブリより単価の高いヒラマサに注目。冬場のブリと夏場のヒラマサの複合養殖で魚類養殖業の経営安定を図ることにした。大分県漁協の過去5年間の取り扱いをみると、養殖ブリの平均単価はキロ681円だったのに対してヒラマサは1100円をつけている。大分県がヒラマサを養殖振興の柱とするために取り組んだのは人工種苗の生産技術開発。その推進母体となる大分県漁業公社(上浦)の種苗生産量は13年は5万尾、14年は7万尾、15年は10万尾と段階的に引き上げ3年間で倍増した。大分県の養殖ヒラマサ生産量は13年実績で1576㌧。1490㌧を生産する2位の長崎県を引き離し、全国総生産量4500㌧の35%を占める首位の座にある。さらに今後は種苗の増産見合いで養殖出荷量は漸増していく方向にある。大分県は今後、販路拡大に乗り出す。新ブランドとして、血合の色が鮮やかで適度な歯応えと脂が程よくのった上品な味わいの養殖ヒラマサの特性をアピールしながら、関東圏を中心に市場開拓を進める計画を温めている。
第1弾は県漁協が地元試食会
その第1弾として大分県漁業協同組合(山本勇組合長)はこのほど、大分市トキハわさだタウン内にある県漁協の直営店「お魚ランド」で試食会を開催。ほとんどヒラマサを知らなかったお客さんの多くが試食してみて「おいしい」と反応。早速、売り場の刺身・ブロックを購入していた。

(みなと新聞 2015年8月18日の記事より)

【水産庁】養殖向け生餌保管費支援 来年度 需給調整、安定供給へ

水産庁は来年度から養殖魚に与える生餌の安定供給対策に乗り出す。生餌を在庫するのに必要な保管経費などを補助事業で支援するもの。今後財務省と協議しながら、具体案や予算額などを決め、月内にも詳細を公表する。養殖用の生餌はイワシ類、サバ類、サンマ、イカナゴなどを使う。年間供給量は約70万トン、出荷前に与えると魚の成長が良くなり、養殖業者から根強い需要がある。ただ近年は養殖クロマグロ向けの需要が高まっていること、食用向けに海外輸出されることなどで供給が不安定化。ハマチやカンパチを中心とする養殖業者から対策を求める声が出ていた。水産庁は今後生餌がより有効活用されるよう、需給のアンマッチに焦点を当てて対策する方針。「生餌がまとまって獲れるのは春、需要があるのは(出荷前の)秋。現状では需給のタイミングがずれている。春から秋まで生餌を在庫できるよう、漁協や漁連を通じて保管経費や輸送料を支援したい」(同庁)としている。

(みなと新聞 2015年8月17日の記事より)

幻の魚 料亭から家庭へ 島根の建設会社 異業種参入で増産

琵琶湖固有の幻の淡水魚「ホンモロコ」の養殖生産に異業種参入が相次ぎ、各地で生産量が増えている。島根県の建設会社、住江建設はホンモロコの完全養殖から販売を手掛ける“異業種参入組”。同社は料亭向けに鮮魚を出荷する一方、一般消費者向けの加工品「オリーブもろこ」を開発し、普及を目指す。同社は2011年から休耕田を活用し、ホンモロコ養殖に着手。現在、ふ化から成魚まで完全養殖。1年半で成魚1尾6~7㌢に成長し、年産10万尾(1尾4㌘換算で約400㌔)を生産する。ホンモロコは京都などで高級食材として珍重されるコイ科の淡水魚。天然種はブラックバスやブルーギルなど外来種による食害で激減。埼玉県で1992年に水田を利用した養殖技術を確立し、現在県内で20㌧以上生産する。ホンモロコの養殖は休耕田を活用し1年で食用サイズに成長する。成育は海面魚ほど技術的に難しくなく、陸上養殖のため異業種参入が可能・・・と条件がそろい、岐阜や鳥取、広島など各県で増産している。鮮度保持と加工が難しい同種の商品開発には、県水産技術センターの研究支援が生きた。センターによると、魚を水氷締めにすることで通常、30%まで上がるK値上昇を抑え、うま味成分のイノシン酸の減少抑制を実現した。同社は現在、鮮魚はキロ4320円(約250尾入り)で料理店などに販売するが、より高付加価値を狙い、加工品を開発した。「オリーブもろこ」は小売希望価格110㌘入り1234円(税込み)。「独自の味付けのオリーブオイル漬けでアヒージョやパスタなどに合う。新たな販路につなげたい」と住江建設の右田哲也水産部長。

(みなと新聞 2015年8月17日の記事より)

韓国産活ヒラメから寄生虫 大分県 輸入業者に回収命令

大分県は10日、同県豊後大野市の清川商事が輸入した韓国産活ヒラメから基準値を上回る寄生虫のクドア・セプテンプンクタータを検出したため、食品衛生法54条に基づき同社に対し全量回収命令を出した。対象は2862尾(3100㌔)。ヒラメは5日に輸入し、福岡検疫所門司検疫所支所下関分室がモニタリングし、横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターで検査したところ、10日に170万個/1㌘のクドアが検出された。基準値は160万個/1㌘。同県による同種の回収命令は初。県によると福岡、佐賀、長崎、大分、兵庫、大阪、京都、奈良の2府7県の水産卸に販売。5日に活魚で輸入され、直接卸に流通し、既に一部は消費されている可能性が大きい。「各県の保健所を通じ、急ぎ調査中」(県担当者)という。なお、同種が寄生したヒラメを生食した場合、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性がある。

(みなと新聞 2015年8月12日の記事より)

【近大水産研】クエの交雑魚、成長早く 刺し身・鍋、安価に

近畿大学水産研究所は、関西を中心に刺し身や鍋料理が人気の高級魚、クエの交雑魚を開発した。東南アジアなどに生息する近縁種と掛け合わせ、食味はそのままにクエよりも1年以上早く出荷サイズの2㎏以上に育つ。クエは天然魚が少なく、養殖でも出荷サイズになるまでに4~5年以上かかる。今後は交雑魚を大量に育てる技術を確立、普及をめざす。刺し身や鍋を安く食べられる可能性がある。近縁種のタマカイの精子とクエの卵を人工授精して交雑魚を作った。タマカイは寒さに弱く国内では沖縄などを除く地域では育ちにくいが、交雑魚は和歌山県のいけすでもクエと同等以上の生存率だった。

(日本経済新聞 2015年8月3日の記事より)

【築地卸】国産安値、ウナギ売れた うだる猛暑、好調後押し

首都圏丑の日商戦
【築地】猛暑となった首都圏の丑(うし)の日の商戦は、前年同様に「高くても良いもの」への引き合いが強かった。築地卸によると「丑の日は売り上げの8~9割が国産」。今年は前年に比べ丑の日が5日早く(前年は29日)、ウナギ商戦期間が短かったが、「よく売れた。昨年を超えた」(大都魚類)と好調だった。国産かば焼きの相場が下がったことや気温高が影響した。主力の国産かば焼き1尾160㌘(末端売価2000円前後)は、前年比1割安。2014年シラスウナギ漁が不漁だった13年に比べ多く獲れたことから、値を下げた。猛暑も追い風となった。「ウナギは暑い方が売れる」と大都魚類。丑の日の24日は全国的に猛暑に見舞われ、ウナギの売れ行きを後押しした。在庫の手配が遅れた卸には苦しい商戦となった。国産かば焼きは4月ごろから在庫薄が目立ち、「4月下旬時点で荷主から数は用意できないと言われた」(築地卸)とし、在庫の手配に苦心。商戦が短かったこともあり、7月全体の売り上げは「前年割れ」(同)とみる卸もある。ウナギ商戦がスタートした「7月前半の天気が悪かったことも影響した」(同)とする。中国産かば焼き相場は1尾160~250㌘で末端売価1000~1500円。国産に比べ割安だが、「丑の日は国産の販売がほとんど」(東都水産)と話す。8月5日は二の丑だが、「丑の日前日の23日を最後に追加注文もほとんどなく、丑の日で終わり」と東都水産。二の丑への期待は薄い。15年のシラスウナギの池入れ量が18.3㌧と前年に比べ3割減となったことを受け、「16年はまた品薄、相場高となりそうだ」(同)と嘆いた。

(みなと新聞 2015年7月28日の記事より)

【和歌山・串本町】クロマグロ1万尾へい死 台風11号、被害額13億円

台風11号の影響で和歌山県串本町で養殖していたクロマグロ1万1072尾がへい死した。県は24日、17日に通過した台風の被害状況を公表。被害金額は12億9000万円としている。へい死したクロマグロは20~100㌔サイズ。「全て串本町で餌をあげて養殖し、消費地に出荷するものだった」(県) 原因は台風による波の影響でマグロがパニックを起こし、イケスの網に衝突したものとみられる。県は今後の対応について「額が大きいだけに県の支援ではどうにもできない」としている。水産庁は「まだへい死の原因がはっきりと分かっていない。県の報告を聞きながら原因が分かり次第、対応策を検討する」という。串本町では近畿大学、串本マリンファーム(マルハニチロ水産)、丸八水産、丸東、串本食品、南紀串本水産の6社がクロマグロを養殖している。県によると、台風11号による水産関係の被害額は15億9370万円。クロマグロの他にも、漁船や養殖施設などで被害が出ている。

(みなと新聞 2015年7月28日の記事より)

年度内にも電子化 輸出証明書で水産庁方針

水産庁は、早ければ今年度中にも輸出証明書の電子化を実施する方向で準備を進めている。同庁水産物貿易対策室の廣山久志室長が17日、東京都内であった全国養殖魚輸出振興協議会総会で説明した。廣山室長は、輸出促進・拡大のための水産庁の体制について「人手も足りないし、予算も足りない」と、整っていない現状を説明した。一方、輸出促進で同庁は今年度、同協議会も入って組織された水産物・水産加工品輸出拡大協議会に1億2000万円の予算措置を行った。廣山室長は来年度の予算について「この額が増やせるがどうかはちょっと難しい」としながらも、「もう少し使いやすくするような工夫をしていこうということで議論はしている」と説明した。廣山室長は、米国などをはじめとして強化の方向にあるリコールの対応やトレーサビリティーの仕組みづくりについても議論していることを明らかにした。輸出証明書の申請の電子化については「早ければ今年度中、遅くとも来年度中には電子的に受け付けられるようになる」との見通しを語った。既に食品、農産物は今年から電子化している。

(みなと新聞 2015年7月21日の記事より)

【全国養殖魚輸出振興協】輸出環境改善へ働き掛け強化 今年度、財務省交え情報交換

全国養殖魚輸出振興協議会(宮本啓史会長)は今年度、農水省、厚労省とともに財務省も加えて輸出環境の改善に向けた情報交換を行うとともに、駐日中国大使館、韓国大使館とも情報交換し、輸出証明書などの発行手続き簡素化や輸出相手国の関税引き下げなどで働きかけを強めていく。17日、東京都内であった総会で決めた。

駐日中韓大使館とも協議 関税引き下げもテーマ
農水省は、農水産物・食品の輸出を2020年に1兆円にまで拡大する目標を掲げている。水産物の目標額は3500億円。宮本会長は総会で「日本は輸入がしやすい国ではあるが輸出はしがたい国と身を持って実感している」とし、「輸出しやすい環境への改善」に向けた取り組みの必要性をあらためて強調。欧州連合(EU)・HACCPの認可体制の拡充や対中国輸出に関わる衛生証明書発行機関の拡大など「運動の成果の一つ」としながらも、「まだ輸出しやすい環境整備には多くの課題がある」と語り、4月の自民党本部での養殖輸出懇談会の要望案件について、「一つ一つ改善しなけれは輸出拡大とともに日本の養殖漁業の復活はあり得ない」と語った。

程駐日大使を招き11月養フグ試食会
宮本会長は、中国と韓国の駐日大使館との情報交換も新たに行う考えを示し、「貿易不均衡の状況にある中国とのトラフグ養殖に関しては民間外交により中国のフグ食解禁を要請する」とし、その一環としてフグ食解禁に向けて無毒を確認した養殖トラフグの肝試食会を11月12日に憲政記念館で行うことを明らかにした。顧問を務める山本有二衆院議員は、養殖トラフグ試食会について「ぜひ程永華大使を招き、丁寧にどういうアプローチがこの問題の解決につながるか、お互いが勉強しながら(合意に)こぎ着けたい」と語った。長谷成人水産庁増殖推進部長は、水産物輸出の現況を「福島第一原発に起因する各国の規制という大きなハンディキャップを負っている割には、円安効果以上の実績が出ている」と語るとともに、世界の食のマーケット規模拡大やジェトロの調査などに触れ、「日本食のポテンシャルは大きい」として「国内市場を大事にしながら大きくなる世界のマーケットとどうつないでいくか大きなテーマ。課題を一つ一つクリアして輸出の振興につなげていく」と話していた。

(みなと新聞 2015年7月21日の記事より)

【近大】丑の日「うなぎ味のナマズ」 24日大阪、東京で試験販売

【大阪】土用の丑(うし)の日はナマズー。近畿大学は土用の丑の日の24日、「うなぎ味のナマズ」を試験販売する。同大水産研究所の大阪店と銀座店で「うなぎ味のナマズ御重」(税込み2200円、ランチのみ)をそれぞれ30食限定で提供。同大農学部水産学科水産経済学研究室の有路昌彦准教授は「望まれていた味はニホンウナギそのものではなく“ウナギ風味”だった。『うなぎ味のナマズ』は刺身でも食べられる。種苗生産がネックになっているが、来年の土用の丑の日までに生産量100㌧体制にしたい」と意気込む。2000年ごろ15万~16万㌧はあったウナギ類の総供給量は14年には4万~5万㌧にまで落ち込んだ。潜在需要として存在する、その差11万~12万㌧をナマズでカバーしようという試みだ。6年前、同大に養鰻業者やウナギのかば焼き店から状況を打破するための相談があった。同大では、養鰻施設をそのまま使うことが可能なウナギの代替魚種がないかを検討。 ①温水性の淡水魚であること ②資源状態に問題がなく、完全養殖が可能で種苗の確保が容易なこと ③ウナギと同様にかば焼きにしたときにおいしくないと駄目なので、脂が十分にあって、泥臭くなく、甘味が十分な魚種であること・・・が必須条件。そこで、あらゆる国産淡水魚を取り寄せてかば焼きにして試食を繰り返した。その結果「イワトコナマズが最もおいしかった」が資源が希少だったことから、温水性の淡水魚で種苗の確保が容易なマナマズに決定した。「琵琶湖で獲ったマナマズは脂がのっていてかば焼きに適してした」魚種は決定したが、それだけでかば焼きに向くわけではない。琵琶湖の北岸で獲れたマナマズは全く泥臭くなかったが、池の川で獲れたものは泥臭かった。問題は水で、地下水(井戸水)を使用することによって泥臭さがなくなることが分かった。また、琵琶湖のマナマズと他のマナマズとでは脂ののりと味が違う。胃の内容物を確認すると餌の違いであることが判明。複数の配合飼料(EP)を独特の配合比でブレンドして使用することで「うなぎ味のナマズ」が出来た。5月に実施したテストマーケティングの結果でもリピート率は平均69%と高い評価を得た。需要がなかったため、これまでナマズの種苗生産はほとんど行われていない。現在、全国に4カ所程度あるが規模は小さく、全体としては5万尾(40㌧)程度しかない。現在の需要に対しては最低100万尾が必要で、3カ月で種苗10万㌧レベルまで引き上げる必要がある。そのためには種苗と中間育成の拠点づくりを急がなければならないといった課題を抱える。今後の展開としては、同大と共同研究してきた牧原養鰻(鹿児島県肝属郡東串良町)の他に養鰻業者何社かが加わって生産組合会社をつくる。そこに同大が技術を提供し、種苗会社と飼料会社が種苗と飼料を提供する。生産組合会社は、同社に商流とブランドを提供する「メーカーの位置付けの企業」(同大が技術支援)に生産物を提供。「メーカーの位置付けの企業」が商社や外食事業者、量販店などに供給する。種苗生産、成魚生産の技術は体系化されている(マナマズは130日で成魚になる)ので、経営的な面で生産体制を整えることが急務。そのためには養殖業者、行政、金融などの連携が必要になってくる。マナマズはかば焼きだけでなく、刺身や天ぷらなどでもおいしいので幅広い需要が見込めることもあり、大量生産によって、将来的には末端の販売価格はウナギの半分の価格を目指せるという。

(みなと新聞 2015年7月17日の記事より)

【養殖共済】17年にもウナギ追加 水産庁 全員加入制度撤廃へ

水産庁は14日、漁業共済事業に関する検討会を開き、制度改善案の取りまとめを示して委員の了承を得た。改善策ではウナギ養殖業の共済制度の設計が目玉となっている。資源管理に取り組む養鰻業者の減収補填(ほてん)策として機能させる。今後制度を見直し、2017年にも共済の対象魚種に加える見通しだ。ウナギ養殖業は2016年漁期(11月~16年10月)から農林大臣の許可が必要となる指定養殖業に移行する。減収が予想される養鰻業者から共済の要望が出ていたが、ウナギ養殖は ①濁り水の中で行われており、随時の尾数把握が難しい ②私有地で行われており、立ち入り検査ができない・・・といった課題があった。水産庁は今後、関係漁協や養鰻業者の協力を得て、詳細な制度設計を進めていく。取りまとめでは養殖共済における全員加入制度の撤廃も盛り込んだ。同制度は都道府県知事が定めた加入区(漁場)ごと、魚種ごとに全員が加入申し込みを行う仕組み。一人でも加入に反対する者がいれば(制度が)成立しないことが課題となっていた。水産庁は今後、個々の養殖業者が自由意思で加入できるよう、制度撤廃に向けて動く。漁獲共済、特定養殖共済における義務加入制度のあり方も見直す。同制度は知事が定めた加入区の中で、全員が共済加入した場合、通常よりも高い掛金補助が受けられる仕組み。ただ近年は年金生活者や農業との兼業者が増え、漁業依存度の高い者がメリットを受けられないことが問題視されていた。水産庁は今後、漁業依存度の低い者を加入区から除くなど、意欲ある漁業者が加入しやすい制度に改善する。

(みなと新聞 2015年7月17日の記事より)

【国際NGO分析】中国のウナギかば焼き輸出 対日9割から5割に

中国の税関データによると、2014年の同国のウナギ調製品輸出量のうち日本が占める割合は、04年の87%から50%に低下した。14年の対日輸出量は04年の3割水準の約1万4500㌧。同期間で輸出相手国は18から41に増加した。野生生物の国際取引を調査する国際NGO・トラフィックが13日、報告書「ウナギの市場の動態・・・東アジアにおける生産・取引・消費の分析」の一部として発表した。トラフィックは、日本が中国産ウナギの主要市場だとした上で、近年、ウナギ消費が世界各地に広がりつつあるとも推測。輸出先としてロシアなどを挙げた。また、日本国内のウナギ消費量について、00~02年の15万㌧水準から13年の3万5000㌧弱まで減ったと分析。背景として、中国産ウナギへの禁止薬品投与の報道やシラスウナギの供給減少・価格高騰を挙げた。日本への輸出減少で中国での消費が増えたという国連食糧農業機関(FAO)の意見も紹介。FAOのデータを分析すると、中国国内のウナギ消費量は12~13年に推定15万㌧に達したという。

データは不透明

FAOデータを基にした分析では、世界のウナギ生産のうち中国と日本による消費割合は04年時点でそれぞれ16%と55%だったが、13年現在はそれぞれ62%と13%に逆転している。一方、昨年の日本、中国、韓国、台湾が提供したデータを分析すると、12~13年の日本の消費割合は30~45%。データ元によって分析結果が大きく変わった。トラフィックは「現時点では、中国の消費量が日本ほど多いとは考えにくい」と総括した上で、シラスウナギの違法取引がまん延し池入れ量・生産量が正確に報告されないことなどから、市場の現状が不透明だと強調。ウナギ資源を持続的に利用するには、データ収集やモニタリングを強化すべきだとまとめた。

(みなと新聞 2015年7月15日の記事より)

【輸出:秋サケ】新漁前に鈍化6割減 今期来遊やや回復の予想

5月の秋サケ冷凍ドレス輸出は780㌧と前年同月の6割減と落ち込んだ。新物搬出が始まった昨年9月からの累計では前年同期比26%減の2万4050㌧。昨年秋の北海道不漁による製品高で、年明け後の搬出は前年実績を下回る状況が続いてきたが、新物生産を前に荷動きはいっそう鈍化しつつある。5月の主要輸出国はベトナム446㌧、中国240㌧など。主力である中国向けの9月からの累計は32%減の1万5664㌧。当月は中国以外の輸出量の方が多かった。平均単価は前月から3割ほど下落して272円。比較的良品を求める中国向けが少なかったため、ベトナムやタイ向けの安価な契約在庫の搬出によって価格が下落したとみられる。昨年秋の北海道漁は前年比12%減の10万7000㌧。平均魚価もキロ446円と近年最高値を記録した。冷凍ドレスも前年比2~3割高水準で展開し、良品のコストはキロ400~350円中心に跳ね上がった。一方、販売もルーブル安により安価なコストとなったロシア産チャムと競合し、苦戦を強いられた。9月に始まる今年の北海道の新漁は、沿岸・河川を含む来遊予測で4000万尾を若干上回る予想。昨年実績が3508万尾だったことを考えると、若干の増産期待も持てる状況だ。

(みなと新聞 2015年7月14日の記事より)

【輸入:加工ウナギ】手当ての差で商戦明暗 国産「ないもの相場」続く

加工ウナギ(無頭背開)卸値は現在、中国産が10㌔版70~80尾キロ4000円前後、60尾が3800円前後、50尾が3600円前後、40尾が3500~3300円前後。国産が80尾8700円以上、60~70尾が8500円以上、50尾が8400円となっており、中国産、国産ともほぼ前月並みの水準で推移している。ただ、国産はフリー玉のない「ないもの相場」が続く。大手量販店・スーパーなど「早めの対応」(卸筋)で数量確保に動いた末端は別として、前年のシラス漁復調による先安観などで手当てが遅れ、確保に苦戦する中小もある。「6、7、8月に集中する商戦」に明暗が分かれそうだ。24日の土用の丑(うし)の日に向けて、国産新仔にも期待したいところだが、前年に比べ5日早いことと天候不順による餌食いの悪さなどの影響で「今年は成長が遅れている」とし、「(加工ウナギ)60尾で9000円台」との見方。加えて、今期の池入れが低調だったこともあり「慌てて池揚げはしないだろう」。

(みなと新聞 2015年7月14日の記事より)

【輸入:バナメイ】現地池揚げがピーク インド2割増産見通し

バナメイエビの現地池揚げが盛漁期を迎えている。7月上旬のオファー価格(無頭殻付き、31/40サイズ)はインド・カルカッタでキロ7~6.5㌦前後と前月同期並み。供給量の増加から、今後も池揚げが順調に進めば、「現地相場は下がるだろう」(商社筋)とみる。今シーズンのバナメイ生産量は増加する見込み。インド海産物輸出振興局によると、今年の生産量は前年比2割増の43万2600㌧との見通しだ。タイの生産量は「早期死亡症候群(EMS)前の水準までにはならないが、昨年よりは増える」と商社筋。インドネシア、ベトナムも増産との見方が強い。先安感から現在、米国の買い付けは当用買い程度。「昨年より買い付けペースは遅い」(商社筋)という。ただ、年末需要期に向けて「8月ころから米国が買い付けを強め、産地相場は上がる可能性がある」(同)。現在の現地相場は昨年より安いため、生産者の意欲が減退し「次回の池入れで稚エビを投入しないかもしれない」(同)との声もあり、秋口からの供給には不透明感が漂っている。一方の国内相場は横ばいで推移。7月上旬の商社出し値(無頭殻付き、31/40サイズ)は前月同期並みの1800~1900円。前年よりも安値のため「荷動きは順調」(商社筋)だ。ブラックタイガーとの値差から、「バナメイに注目している小売関係者は多いだろう」(同)とみる。

(みなと新聞 2015年7月14日の記事より)

マグロ陸上養殖に挑戦 近畿大学 国内初、水槽で成体へ

近畿大学が国内初となるクロマグロの陸上養殖に挑戦する。同大の富山実験場にある200㌧(直径10㍍、深さ3㍍)の大型水槽で18日から、受精卵150万粒を対象に実施。従来、成長した稚魚は海上に移された後出荷サイズまで育てられるが、今回は水槽内のみで成体まで育てる。一部の稚魚は10月ころから養殖用種苗として出荷する予定だ。日本海側でクロマグロの稚魚飼育を行うのも初めて。環境が大きく異なる日本海側で研究を行うことで、新たな知見を獲得し、人工種苗の供給増につなげる。富山実験場ではマアナゴやサクラマスの養殖研究を行っており、大型水槽は3基所有。うち1基でクロマグロを養殖する。受精卵は同大の水産研究所奄美実験場から調達する。

(みなと新聞 2015年7月13日の記事より)

世界初「うなぎ味のナマズ」 24日大阪・東京ランチメニュー 近大が試験販売

近畿大学は24日、世界初となる「うなぎ味のナマズ」を使ったランチメニューを、大阪梅田と東京銀座にある同学水産研究所の店舗で試験販売する。2009年から開発を目指してきたもので、完全養殖技術が確立している日本産マナマズをウナギ味に近づけた。
一般的な養殖マナマズは食味がやや泥臭く、脂質をほとんど有していないため「ウナギ味とは程遠い」(同学)。研究では天然マナマズが成育条件により脂質を多く含み、泥臭さが少ない個体があることを発見。食味調整には「餌(ペレット)」と「水質」のコントロールが重要であることを特定し、その方法を開発した。水質と餌のコントロールは、「既存の養鰻場設備や技術を活用できる」。資源量減からシラスウナギの確保が難しくなる養鰻場からの需要を想定する。ウナギの代替としてマナマズを普及させることで、将来的にはニホンウナギの半額以下の価格帯での提供を目指す考えだ。マナマズはウナギと比べ、出荷サイズが「1尾600~700㌘」と2~3倍程度。「成育期間は2~3カ月」と半分以下になるという。量産化には生産協力する養鰻場の参加が鍵となる。現在の生産量は、鹿児島での試験生産のみとごくわずかにとどまる。試験販売では、「うなぎ味のナマズ御重」(税込2200円)を先着30食限定で提供。結果を研究に生かすことで、高品質化を目指す。

(みなと新聞 2015年7月10日の記事より)

【水産庁】許可制ウナギ養殖業 10月13日までに申請を

6月から農林大臣の許可を必要とする指定養殖業となったウナギ養殖業について、水産庁は養鰻業者の2016年漁期(11月~16年10月)における許可の申請期間を7月13日~10月13日とすることを決めた。同庁が期間内に審査し、11月1日に許可を出す。7日の水産政策審議会資源管理分科会で案が承認された。16年漁期に国が許可する池入れ量はニホンウナギが21.7㌧、その他のウナギが3.5㌧。今後の国際協議によって池入れ量は変わる可能性があるため、許可の有効期間は1年間とした。国が許可する養殖場で養殖する前に、国内の他の養殖場で養殖されたウナギを扱う場合は ①出荷年月日、出荷重量、出荷者、出荷先の氏名などを記した書類を添付しなければならない ②書類が添付されていないウナギは新たに養殖してはならない・・・などとする制限もつけた。

(みなと新聞 2015年7月9日の記事より)

【西友】国産ウナギ品値下げ 来月5日まで「同額保証」水産初導入

西友は鹿児島・宮崎県産ウナギを使った「国産うなぎ長焼(大)」(10㌔60尾サイズ)を1日から8月5日まで、昨年と比べて200円安い税抜き1470円で販売する。価格強化期間に合わせ、「国産うなぎ長焼(大)他店チラシ同額保証」を全国345店で初めて導入する。2014年度のニホンウナギの稚魚の漁が前年に比べて良かったことから「どこよりも安いと実感いただけることを目指し」(西友)、ウナギかば焼きの価格を強化する。目玉として、加工食品や青果で実績がある「同額保証」を水産物に初導入。国産、数量(1尾単位)が同一の条件で、他店のチラシが安い場合、そのチラシ価格に合わせて販売する。

(みなと新聞 2015年7月9日の記事より)

鮮養アユ 1500~1200円 築地市場 コスト増で1割高

【築地】築地市場の生鮮養殖アユが高い。7日の卸値は中心サイズの1尾80~100㌘がキロ1500~1200円と前年同期比1割高だ。飼料・輸送コスト増が影響した。6月27日から7月5日までの日量平均入荷量は、同2%増の6㌧。主産地は和歌山が5割ほどを占め、残りは愛知、岐阜、静岡、徳島などだ。「今年は和歌山産の生産が好調に推移している」(築地魚市場)という。焼き物商材として量販店・スーパーなどを中心に販売する。荷動きは鈍い。末端の特売が一段落したことに加え、卸値高も影響している。今後は「保合い」(東都水産)とみる。天然の釣物アユは、全体の1%未満の入荷にとどまる。

(みなと新聞 2015年7月8日の記事より)

売り出せ「陸上養殖マサバ」鳥取県が共同事業 
市場調査、確かな手応え IR西 鯖や 日本初の刺身、評判上々

【大阪】サバ寿司専門店の鯖や(大阪府豊中市、右田孝宣社長)とJR西日本(大阪府北区、真鍋精志社長)が共同で鳥取県栽培漁業センターが試験的に陸上養殖しているマサバの市場調査を開始した。この陸上養殖のマサバをJR西日本が「鳥取生まれの箱入り娘 お嬢サバ(仮称)」と命名し、6月23日から鯖やのとろさば料理専門店「SABAR」南森町店で試験販売。「お嬢サバ」を使った「プレミアム活造り」(今年は380食限定)は電話による事前予約が必要。それでも毎日予約が入り、「おいしい」と評判は上々だ。陸上養殖のマサバを刺身で提供するのは日本初。鯖やの右田孝宣社長は「創業して8年、サバ一本でやってきた。いつか養殖のサバを販売したいと思い続けてきたが、やっとチャンスをもらえた」と意欲を燃やす。JR西日本から「鳥取県で寄生虫のいないサバができました。このサバを売っていきたいのですが。ご興味ありますか」と声をかけられたのがきっかけ。寄生虫のいないサバはない、というのがいわば常識。右田社長は「すごく興味があります」と即座に応じたという。「おいしくないと意味がない」と、今年1月に同社の大阪・福島の店での試食会を実施。「そのときに食べたサバとの出会いが衝撃的で『イケる』と思って決めた。食べたときに全く臭みがなく、身がコリコリしていて、脂がのっていて、甘い」と熱く語る。「この一年間は南森町店限定でプロモーション。事業化は、JR西日本さんや鳥取県さんと協議しながら進めていきたい。私どもとしては、寄生虫のいないサバを世の中に広めていくことができればいいと思っている」と強調した。

事業化へ共同研究も並行
【鳥取】鳥取県栽培漁業センターは、JR西日本とマサバ陸上養殖の事業化を検討するため6月1日から共同研究を開始した。期間は2016年8月31日までの1年3カ月。「事業化に向けた課題抽出と採算性の検証」を目的に、①栽培漁業センターでの飼育実験による養殖生産工程の確認および輸送試験によるコストの洗い出し ②試験販売による市場性・・・を検証する。 JR西日本グループが西日本の新たな地域産品の発掘と情報発信に取り組む中で、同センターが進めているマサバ養殖試験に着目。人工採卵による稚魚を地下海水で飼育することで寄生虫の心配がなく、生食できるマサバの陸上養殖事業の採算性を検証するために共同研究することになった。

(みなと新聞 2015年7月8日の記事より)

【道秋サケ来遊予測】15%増の4029万尾 4年魚増で回復期待

【札幌】4年魚の回帰増で前年実績比15%増の4029万尾・・・北海道総研さけます・内水面水産試験場は2日、札幌市であった道連合海区漁業調整委員会で、今年の秋サケ来遊数(沿岸・河川捕獲を含む)を4029万1000尾とする予測を公表した。昨年実績を15%ほど上回り、2年ぶりの4000万尾台回復が期待される。昨年来遊数は3508万尾。うち沿岸漁獲尾数は3224万尾。2000年以来の低水準来遊だった。道漁連によると、主に製品対象となる11月末までの漁獲量は10万7000㌧。今年は昨年を上回る水揚げが想定される。予測は前年3年魚来遊数から今年の4年魚、前年4年魚から今年の5年魚の来遊数を推定するシブリング法に基づく。昨年来遊を年齢別に見ると、前期群の主力となる5年魚が前年並みだったが、中期以降は主群となる4年魚が伸びず、全体の40%(1418万尾)と過去25年で最少だった。一方で3年魚の来遊割合は近年では高かった。「昨年3年魚の来遊数が多かった地区で、今年の4年魚が多く回帰することが期待される。(同試験場さけます資源部)という。なお海区別の来遊予測は、▼オホーツク1733万3000尾(前年実績比9%増) ▼根室911万2000尾(32%増) ▼えりも以東493万8000尾(5%減) ▼えりも以西601万尾(20%増) ▼日本海289万8000尾(40%増)。 

(みなと新聞 2015年7月6日の記事より)

【水研センター】飼料低価格へ研究開発 養ブリ 魚粉抑え好成長

魚粉使用を控え、より安い養殖餌料を・・・。水産総合研究センターが、研究開発を続けている。2012年度には無魚粉のEP(エクストルーデッドペレット)飼料を用い、750㌘のブリを2㌔超まで育てた。魚粉飼料と比べてもブリの成長効率はほぼ変わらず、原価は約2割安くなった。現在は低魚粉飼料を用い、出荷サイズ(4㌔)までのブリ育成に取り組んでいる。
従来、ブリ養殖飼料の魚粉含有率は40~50%が主流。財務省資料によると、輸入魚粉(ミール・ペレットも含む)の価格は09年2月にトン当たり8万円だったが、10年ごろから値上がり、今年4月には21万円台になった。個人経営でのブリ養殖にかかる経費のうち、餌代の占める割合は、09年に58%だったのが13年には70%に上昇。養殖経営を圧迫している。同センターは11年度から魚粉未使用の養殖餌料の開発に着手。魚粉をポークミールなどで代用した畜肉飼料、大豆原料などで代用した植物飼料をそれぞれ作り、ブリの飼育実験を行った。植物原料で試作した飼料では、魚が食いつく割合が魚粉飼料の半分ほどだったが、餌に嗜好(しこう)性物質(カツオペプチド)を表面にかけることで克服。12年度には750㌘のブリが2㌔を超えるまでに育った。増肉係数(魚体を1㌔育てるのに必要とする餌のキロ数)は植物飼料が3.03、蓄肉飼料が3.07。魚粉飼料の2.83をやや下回るものの「ほぼ匹敵する」(同センター石田典子主任研究員)結果だった。同センターが昨年3月にした試算によると、蓄肉飼料の原価は、魚粉飼料と比べて2割安かった。さらに「試算後も魚粉価格は値上がっているので、無魚粉飼料の割安感は強まっている」(同)。また、無魚粉飼料には「育てたブリから養殖魚特有のにおいがしづらい」(同)という特長も見られた。14年度からは、魚粉含有率を30%に抑えた飼料で、ブリを出荷サイズまで育てる実験をしている。魚体への餌の吸収率を上げ、成長効率を通常飼料に近づけるのが最大の課題だ。同時に、病耐性・死亡率の確認や食味などの改善にも取り組む。
マダイにも挑戦
今年から低魚粉飼料でのマダイ育成も始める。マダイの養殖飼料は魚粉含有率40~45%が主流だが、実験では含有率25%を予定する。こちらも目標は「通常飼料と比べ安く、同等の成長効率の餌を作ること」(同)だ。魚粉価格に左右されない、価格と生産量が安定した飼料。日本の養殖業を支える日も、遠くはないかもしれない。 

(みなと新聞 2015年6月23日の記事より)

【輸入:加工ウナギ】国産卸値上げ続く 「ないもの相場」で

加工ウナギ(無頭背開)卸値は現在、中国産が10㌔版70~80尾がキロ3800~3600円、50尾が3600~3500円、40尾が3300円前後。国産が80尾が8700円以上、60~70尾が8500円以上、50尾が8400円となっており、中国産、国産の違いやサイズによって幅があるものの前月から上昇している。特に国産はキロ当たり500円以上の大幅な上昇となったが、「フリー玉がない」(卸筋)状態は変わらず。実際は「ないもの相場」となっており、あったとしても「横売り」の動きを反映したもののようだ。7月24日と8月5日の土用の丑(うし)の日は例年、国産中心の展開。中国産の出番もささやかれるものの、「お客次第だが、やはり国産中心になるのでは」との見方をしている。5月にあった日本鰻輸入組合の総会では、輸入物のかば焼きは国産需要の相対的な強さや円安によるコスト高もあり、販売苦戦を予想する声が出た。活鰻輸入については、国産シラスが少ないため、輸入物の出番は増えるとみられている。 

(みなと新聞 2015年6月18日の記事より)

【輸入:サケ・マス】チリギン内販急騰 供給絞り「買わざる得ない」

チリ産のギンザケの内販価格が急上昇している。6月中旬の内販価格(商社出し値)は、キロ680円(4/6㍀H&G)と前月比100円以上高い。委託販売の中、チリパッカー側が荷物を出さず、上げ相場となった。既に700円のオファーもあるが、「650円を超えると注文が減った。この相場での販売は難しいのでは」との見方もある。商社筋は「パッカーが供給を絞り、市場がカラカラになるのを待って、少しずつ荷を出している」と説明する。加工業者は「在庫を持っていないため、高くても買わざるを得ない」と指摘。来月から新物の販売契約が始まるため、パッカー側は高値相場を維持したいようだ。国内にはまだ在庫があるとの見方もあるが、「コストがキロ700~800円と高い。新物入荷まであと半年あり、インポーターも出さない」と輸入業者。別の商社は「大手は自社加工分に回す。外には出てこない」とみる。定塩製品価格(メーカー出し値)はキロ700円絡み。量販店などの長期契約もあり、上げにくいのが現状だ。加工業者は「現行価格なら販売が進む」としながらも、原料高の中で「キロ800円に持っていきたい」。原料が700円となれば製品価格は850円レベルとも予想され、消費面が懸念される。今年は北米のベニサケ豊漁が予想されており、「今後、ブリストルのベニサケ漁獲がターニングポイントか」とみる。チリ産トラウトはキロ680円(商社出し値、4/6㍀H&G)と前月並みで推移。国内マーケットがシュリンクして販売は低迷しており、「相場もないようなもの」と商社筋は説明する。加工品は魚病の影響からトリムCの入荷が激減。大型中心に値上げする商社もある。一方、皮なしのトリムEの生産は多く、量販店などを中心に販売が進むようだ。相場はトリムC(700~900㌘)がキロ1220~1200円、トリムE(800㌘アップ)が1350円前後。 

(みなと新聞 2015年6月18日の記事より)

鳥取発陸上養殖マサバ JR西、大阪で試験販売

鳥取県栽培漁業センター(湯梨浜町石脇)が研究を進めてきた陸上養殖のマサバが、6月下旬から大阪市内のサバ料理専門店で試験的に販売されることが6月12日、分かった。寄生虫が付着しにくく、刺し身など生で食べられるのが特長。同センターのマサバが県外で販売されるのは初めてで、大都市での販路拡大につながると期待される。試験販売はJR西日本が手掛ける。県と同社は陸上養殖したマサバの本格事業化に向け、今月から共同研究に着手。採算性など市場調査に乗り出す。

(アクアネット6月号 日本海新聞 2015年6月13日の記事より)

【刺し身OK、卸売り販売へ】鳥取の養殖サバ JR西がお届け

JR西日本が鳥取県産の陸上養殖サバの卸販売事業に乗り出すことが、10日分かった。陸上養殖サバはプランクトンに由来する寄生虫が付着せず、冷凍などの処理をしなくても生食用で活用できる点が特徴。今月内に大阪のサバ料理専門店で、刺し身料理などの提供が始まる予定だ。生食専用のサバは珍しく、関係者の期待は大きい。高級ブランド「関サバ」に続く新たなブランドとなるか。
事業を担当するのは、JR西の「ビジネスプロデュースグループ」。地域活性化を柱とした新規事業を手掛けるため、平成25年に設立された専門部署だ。同社管内の農林水産資源を活用した事業を模索していたところ、鳥取県が取り組むサバの陸上養殖に着目した。海上のいけすで育てる従来の養殖では、海中のプランクトンに宿る「アニサキス」という寄生虫がサバに付着しやすいとされる。そのため、一般的に生食用として販売されることは少なかった。鳥取県は生食用のサバの事業化を目指そうと、24年から県栽培漁業センター(同県湯梨浜町)で実証研究を始めた。地下50㍍の地中にしみこんだ海水をポンプでくみ上げて養殖する。地下からくみ上げた海水を利用するため、プランクトンが付着しにくい点が特徴だ。現在、4基の水槽で計1000匹までの養殖に成功。養殖態勢の確立にめどがついたとして、今回、初めて出荷することにした。
JR西は、販売先として、サバ料理専門店「SABAR(サバー)」を展開する鯖や(大阪府豊中市)と提携。5月末に開店したSABAR南森町店(大阪市北区)に販売し、同店で提供されることが決まった。同店では、生け作りなど生食の形で提供する。鯖やはサバ料理に特化したユニークな店舗として知られ、東京にも進出している。これまでの刺し身料理は、水揚げ後に冷凍したサバを使って提供していた。今回、生食用のサバを仕入れることで、初めて客の目の前でさばき、提供することが可能になる。販売は予約のみで、提供は南森町店のみ。1匹あたりの価格は「サバ」にちなんで3800円。陸上養殖サバは、店内の水槽でも披露する。JR西は売れ行きを見ながら、サバの卸売り事業への本格的な参入も視野に入れている。
一方、鳥取県も本格販売に向け、態勢を強化。陸上養殖の環境を整備するため、今年度中に県内の砂浜2ヵ所で地下海水をくむための井戸を掘削する予定。養殖を行う事業者も誘致し、漁業の振興につなげる考えだ。鳥取県では高齢化や担い手の減少から漁業の衰退が進んでいる。今回の陸上養殖サバのブランド化の成否は、地域活性化の観点からも注目されそうだ。

(産経新聞 2015年6月10日の記事より)

日鰻連と全鰻連が統合 業界一体で資源管理

日本養鰻漁業協同組合連合会(日鰻連、白石嘉男会長)と、全国養鰻漁業協同組合連合会(全鰻連、村上寅美会長)の統合が明らかになった。日鰻連が5日に開いた総会で発表したもの。会長には日鰻連の白石氏、副会長には全鰻連の村上氏が就く。業界が一体となりウナギの資源管理に取り組む。両連合会は2013年から統合に向け動いてきた。統合後の名称は日鰻連。所属する養鰻業者の数は285となる。統合により関係省庁への陳情が行いやすくなる他、合理化による経費節減も期待できる。日鰻連は「ウナギがワシントン条約の附属書に掲載されるかもしれないという危機感から統合への協議を進めた。今後は業界が一つになって資源管理に取り組みたい」としている。

(みなと新聞 2015年6月10日の記事より)

イオンが完全養殖マグロ発売 プライベートブランドで

イオンは6月4日、水産大手のマルハニチロや鹿児島県の養魚会社と組んで完全養殖したクロマグロを総合スーパー「イオン」の東京都内の一部店舗で発売した。今後、グループの「ダイエー」や、「マックスバリュ」などを含めた各地の計約2000店に扱いを広げる予定だ。販売は、グループで3500尾分。イオングループのプライベートブランド商品として販売し、商品名は「奄美うまれ生本まぐろ」。価格は例えば刺し身用の中トロが100g当たり1382~1922円。クロマグロは奄美養魚(鹿児島県瀬戸内町)の養殖場で卵から3年以上かけて育てた。

(アクアネット6月号 共同通信 2015年6月4日の記事より)

【築地 鮮養殖アユ シーズン本格化】入荷量4%減 コスト増で1割高

【築地】築地市場で生鮮アユシーズンがスタートした。卸値は前年同期と比べ1割高。入荷量は前年同期を4%下回るものの、餌代などコスト上昇が影響した。5月28日~6月2日の日量平均入荷量は、前年同期比4%減の7㌧。2日の卸値は、量販店向け主力サイズの1尾90~100㌘が1割高のキロ1500~1300円となった。量販店が使う110~120㌘サイズは同1400~1200円。高級料理屋向けの60~70㌘は同1600~1500円となっている。入荷量の3割ずつを愛知、和歌山の両県が占める。後に岐阜、静岡が続く。中でも兼升養魚漁業生産組合(愛知県豊川市)が1.5~2割のトップシェアだ。卸値上昇の要因は餌代の高騰による生産コストの上昇だ。値上げで「量販店の買い意欲は若干弱まった」(築地魚市場)という。一方で「価格競争から脱し、付加価値を付けた商品を扱いたいという売り先も出始めた」(東都水産)との声もある。今後は季節商材として需要が強まる時期に入り、販売数量は増える。「相場は軟調になる可能性はあるが、前年比では高い水準で推移する」(築地魚市場)と見通す。「入荷量が適正なら横ばい」(東都水産)との声もある。

(みなと新聞 2015年6月4日の記事より)

【トップバリュー「奄美うまれ生本マグロ」・・・】 イオン 完全養殖初のPBに

5日から2000店で発売
イオンが5日から、プライベートブランドでは初となる完全養殖クロマグロ「トップバリュー グリーンアイ 奄美うまれ生本マグロ」を発売する。「環境の日」の取り組みの一環として、発売するもので、総合スーパーのイオンや食品スーパーのマックスバリュなど2000店舗で発売する。発売する完全養殖クロマグロは、マルハニチログループの奄美養魚が育てたクロマグロ。マルハニチロは、太平洋クロマグロの資源が悪化する中で、天然ヨコワ資源に対する負荷を軽減させるため、1987年からクロマグロの人工ふ化研究を開始した。2010年に奄美大島の養殖場で民間企業として初めてクロマグロの完全養殖に成功。今年度、初出荷を予定していた。商業ベースの本格的出荷は16年を予定している。

(みなと新聞 2015年6月3日の記事より)

【兼升養魚漁業生産組合】愛知(あゆち)から新たな挑戦

【愛知】6月1日からアユのシーズンが本番を迎える。「和鮎」のブランドで知られる愛知県豊川市の兼升養魚漁業生産組合(井澤茂組合長)は全国に向けて出荷を本格化させている。昨年7月に加工センターが完成し、生産能力は飛躍的に向上。今年は直営のアユ料理店を出店し、6次産業化にも乗り出す。生産量日本一の愛知から養殖アユの認知度向上を狙う。
「すぐに出荷できるから鮮度が良いし、作業効率も1.5倍ぐらい良くなった」。初めてシーズン本番を迎える豊川加工センター(同市)。井澤章専務は新たな拠点に胸を張る。センターは蓄養池や魚体選別機などの設備を設け、5ヵ所の養殖場から集められたアユの仕分け作業を集約している。生産能力は1日最大10㌧と、全国のアユ養殖業者でも最大規模という。施設内は食品衛生の規格「HACCP」に対応し、安全にも気を配る。養殖アユのブランド向上を図ろうと豊橋市にオープンするのがアユ料理専門店「鮎知(あいち)」。外食店経営の新会社を設け、今夏までに1号店を出店する計画だ。コンセプトは「まちなかのやな場」。すのこ状の台でアユを獲る簗(やな)に見立て、塩焼きなどが出来上がる様子を感じてもらう店にする。春の稚アユや秋の子持ちアユなど四季を感じる料理を出しながら、来店客の声を生産の現場に生かすことも考える。
**県の養殖アユ生産量(農林水産省統計)は2年連続で日本一となった。一方、全国の生産量は右肩下がりが続いている。新たなアユの価値創出へ、「愛知(あゆち)」から挑戦が始まろうとしている。

(みなと新聞 2015年6月1日の記事より)

【ニホンウナギ】池入れ制限など議論 来月札幌 管理強化へ4ヵ国協議

「ウナギの国際的資源保護・管理に係る第8回非公式協議」が6月1~4日、札幌市内である。日本、中国、韓国、台湾の4ヵ国が参加予定。昨年から今年にかけての養殖種苗漁期に行った種苗池入れ量制限について、順守状況を確認する。次漁期の池入れ上限についても話し合う。昨年9月の同協議第7回で、4ヵ国は、昨年から今年にかけてのニホンウナギ種苗漁期の養殖池入れ量を、前年度比2割減らす方針で合意。合意内容の実施方法は各国政府にまかされていた。資源回復に向け、6月1~3日には「ウナギ資源の保存及び管理に関する法的枠組み設立の検討のための第2回非公式協議」も開く。これら協議と並行して国際的な非政府養鰻管理団体「持続可能な養鰻同盟」の第1回会合が2日、札幌市である。

(みなと新聞 2015年5月29日の記事より)

年度活鰻輸入5000㌧強予想 日本鰻輸入組合 かば焼きは7000㌧の見込み

一部既報=「今年度(2015年4月~16年3月)の活鰻輸入は5000㌧強、かば焼き輸入は約7000㌧」・・・日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は25日の総会で、今年度の輸入見通しを予想した。昨年後半から今年初めにかけてのシラスの生産は、ジャポニカ種が日本18.2㌧、中国12㌧、台湾1.2㌧の合計31.4㌧。前年を3割下回った。中国ではジャポニカ種以外にアメリカ種20㌧、フランス種10㌧の池入れがあったとみている。国産、輸入を合わせた昨年の成鰻の日本市場供給量は2万2529㌧。今年の国内養殖生産量は前シーズンのシラス池入れが多かったものの、今シーズンの池入れが少なかったことから前年より少ないと予想。中国のジャポニカ種生産は、前シーズンのシラスの半分が4月までに出荷済みであること、さらに今シーズンのシラス池入れが少なかったことで「大幅減産は必至」と予想する。中国での加工は欧州・アンギラ種の輸入問題があることから減少するとみている。輸入はシラスが3月現在2684㌔。4月を加えても、前年比大幅減の見込み。活鰻輸入は1~3月で1357㌧。昨年、先安相場から国産が池揚げを急ぎ、供給増となったが、今年はシラスが少ないため供給増はないとみている。このため輸入物の出番が昨年より多くなるとみており、年度の輸入で5000㌧強を予想する。かば焼きの輸入は、国産が安く円安によるコスト高で販売苦戦を予想。アンギラ種の輸入の行方、ロストラータ種の増加などに注目。ジャポニカ種に集中すれば、現地相場が上昇し日本国内の販売に影響するとみている。輸入量は、年度で7000㌧を予想する。

(みなと新聞 2015年5月28日の記事より)

【日本鰻輸入組合】中国産の輸入割当制検討 ワ条約 絶滅危惧種回避に全力

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は25日の総会で、来年のCITES(ワシントン条約)締結国会議でのジャポニカ種ウナギの絶滅危惧種指定回避に向けた取り組みを強化することを確認した。6月に会議を開き、シラスウナギ採捕抑制のために中国産ウナギの輸入割当制を国に求めることができないか・・・などを検討する。
ジャポニカ種ウナギは、シラスや成鰻の採捕・漁獲が減少を続ける中、2015年2月に環境省がレッドリストに追加。絶滅危惧種IB類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高い)に指定した。昨年6月には、CITESに影響力を持つ国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)もレッドリスト掲載(絶滅危惧種1B類)。にわかにCITESの絶滅危惧種掲載が現実問題となった。日本は、ウナギ資源の管理(許可制)のために昨年6月、内水面漁業振興法を制定。来月から許可制に移行、養殖現場の管理を強化する。一方、ジャポニカ種資源を利用する中国、台湾、韓国と協議して昨年9月、15年シラス漁期の池入れ量を2割減らすことで合意。日本は合意に基づき関係県ごとに池入れ量の2割削減を実施している。昨年14年漁期のシラス漁は5年ぶりにややまとまり、各国の池入れ量は日本27㌧、中国45㌧、台湾10㌧となった。2割削減合意の15年漁期も削減限度いっぱいの池入れが期待されたが、池入れ量は日本18.2㌧(香港からの輸入物含む、水産庁まとめ)、中国12㌧(日本鰻輸入協会推定)、台湾1.2㌧(同)にとどまった。削減限度枠をいずれも下まわり、特に中国は3分の1と予想外の不漁。台湾も限度量の15%にとどまった。日本鰻輸入組合は昨年4月の日中鰻魚貿易会議で、中国食品土畜進出口商会と日中業界がシラスウナギ資源の持続可能な管理に協力するという特別決議を採択。同年6月のIUCNのレッドリスト掲載時には、資源回復に協力する、とのコメントを発表。今年2月の情報交換会でも一連の水産庁の取り組みに全力協力する、と資源回復に向けた協力姿勢を鮮明にしていた。今回の総会の動きは、今シラス漁期の不漁にあらためて危機感を募らせたもの。特に、中国ではシラス採捕や養殖の現場での規制が難しい状況にあるといわれていることから、来月初旬に日本で行われる4ヵ国会合などの状況を見極めながら、同協会を窓口にした輸入割当制などの輸入規制で資源管理をフォローできないか、6月中旬に会議を開くことにした。

(みなと新聞 2015年5月27日の記事より)

【今夏 土用の丑の「救世主」に?】ウナギ味のナマズ 近大、専用餌開発・・・養殖に成功

クロマグロの完全養殖で知られる近畿大(東大阪市)が、「泥臭い味」とされるナマズの“ウナギ味”化に成功した。鹿児島県の養鰻業者と協力し、専用の餌を数年がかりで開発。限りなく脂の乗ったウナギの味に近づけた。試験販売でも「本物と変わらない」と反響を呼んだ。絶滅の可能性も指摘され、近年は価格の高騰が続くウナギ。代用の“救世主”となるか・・・。
うれしい誤算
試験販売は、奈良県内でウナギ料理店を経営する「うなぎの川はら」が5月9日以降、大和郡山市と奈良市の計2店舗で開いた。かば焼き(1780円)とナマズ重(2000円)を、通常のウナギの半値近くに設定。客からは「小骨がないので食べやすい」「まったく生臭さがない」「皮がおいしい」など予想以上の評価を得た。「(消費者は)ウナギのような味であれば、ナマズであっても構わない、ということです」。近畿大の農学部水産学科水産経済学研究室准教授、有路昌彦氏(40)は胸を張る。
なっとくの味
開発を思いついたのは約6年前。付き合いのある養殖業者などから「ニホンウナギの資源が減っている」と相談を受け、味が近い淡水魚を探し始めた。滋賀県の琵琶湖北部で、地元の漁師がナマズ料理を出している店を訪れ、琵琶湖固有種「イワトコナマズ」のかば焼きを食べ、「あっ、これだ!」思わずうなった。ただ、イワトコナマズは「幻の魚」と呼ばれるほど数が少なく、その漁師に全国各地にいる一般的なナマズを使ったかば焼きを作ってもらった。「これでいける!」と思った。
ぎゃくてんの発想
しかし、研究室近くで捕獲したマナマズをかば焼きにして食べると「涙がでるほどまずかった」。原因を調べた結果、マナマズは水の条件と餌が違えば味が一変することに気付いた。そこで「餌を調整すれば、ウナギ風味のナマズになるのでは」と逆転の発想にたどりつき、約300種あるとされる海水魚や淡水魚用の既存ペレット(固形餌)の調合(組み合わせ)を繰り返した。ついに納得のいく味になる餌の調合を発見。マナマズの養殖には鹿児島県・大隅半島の養鰻業者「牧原養鰻」が強力してくれた。今回の試験販売も、結果は予想以上に好評だった。今夏の「土用の丑」(7月24日)に間に合わせる見通しはついたという。有路氏は「生産体制を整えて供給拡大をはかり、ウナギの味を気軽に楽しんでもらえるようになれば」と話している。

(産経新聞 2015年5月26日の記事より)

【輸入:加工ウナギ】国産フリー玉なく先高観 中国産は販売低調続く

加工ウナギ(無頭背開)卸値は現在、中国産が10㌔版70~80尾がキロ3500円前後、50尾が3500~3300円、40尾も3300円前後。国産が70~80尾がキロ8200円前後、60尾が7700円前後、50尾が7400円で、前月比で中国産の下値が若干上昇した他、国産は軒並みキロ200円程度上昇した。ただ、国産は「フリー玉がなく、ないもの相場」(卸筋)の様相を呈している。追加生産分を確保するため、「値上げ傾向が続いている」と説明する。気温も高くなり、販促につなげていきたいところだが、「まずは既存の販売先に対して供給を埋めていく」動きが、先高観を生んでいるようだ。国産と比較し、中国産の販売は依然として低空飛行が続く。円安の他、「シラス漁が低調に終わった」ことなどから相場の高値基調は変わらず、それがさらに販売不振を招いている。売り場を見ると国産中心。嗜好品として、「高値であれば国産を選ぶ」傾向は変わっていないようだ。先行きの不透明感が増している。

(みなと新聞 2015年5月21日の記事より)

クロマグロ成魚規制 「強化なら科学的根拠を」鳥取知事、水産庁次長に要望

鳥取県の平井伸治知事らは15日、水産庁を訪れ、香川健二次長にクロマグロの資源管理について要望を出した。同県でのクロマグロ成魚漁獲に対し、一部で管理の強化を求める声が高まっているため。平井知事は「資源管理には大賛成」とした上で「成魚の漁獲は地域経済に重要。地域への影響も配慮してほしい。もし管理を強めるなら、漁業者らが納得できる科学的根拠を示してほしい」と訴えた。香川次長は「しっかり受け止めたい」と応えた。同県境港漁港では、大中型巻網がクロマグロ成魚を水揚げする。産卵のために日本海に集まる群を多く獲っており、「絶滅危惧種・太平洋クロマグロの産卵量減少や資源回復の遅れにつながる」と漁獲規制を求める声が、一部報道、水産関係者などから上がっている。一方、日本海の大中型巻網漁業は2011年から成魚総漁獲量を2000㌧未満に自主規制している。2000㌧の漁獲で失われる産卵量は、03~12年の平均推定産卵量比で6%相当(水産庁資料より)。また、日本などの中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)加盟国は、小型魚の漁獲抑制が資源回復につながるという北太平洋マグロ類国際科学委員会(ISC)の予想を受け、今年から小型魚の漁獲を02~04年比で半減している。同県は「成魚管理を強化するにも、漁業者の納得できるような科学的根拠を」との姿勢だ。また「従来のマグロ巻網漁期は6~8月だが、今年は漁業者が8月の操業を自粛する予定。2000㌧ほどの漁獲削減を見込んでいる」(同県水産振興局)。自主規制の実態や漁業者の意見も踏まえた上で、成魚管理を検討するよう求めた。さらに、平井知事は、成魚漁獲が地域の漁業・流通・観光など多くの産業に貢献している点も強調。成魚管理の地域経済への影響に配慮するように訴えた。

(みなと新聞  2015年5月19日の記事より)

【輸出拡大協】英国でのPRに手応え 日本産水産物試食会 ブリ、ホタテに高評価

水産物・水産加工品輸出拡大協議会(齋藤壽典会長)が5日、ロンドンで日本水産物PRイベントを開いた。12日に会見した白須敏朗大日本水産会会長は手応えを強調。「試食ではブリしゃぶやホタテ寿司など、濃厚な味のものを中心に人気を集めた。輸出拡大の可能性を感じた」と振り返った。イベントは日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催した日本産農林水産物のPR・商談会の一環。PR・商談会には食品卸担当者や料理人、シェフら329人が参加。水産物セミナーには30人余りが参加した。ロンドンの輸入業者からは「日本の水産物生産や消費について体系的な説明を聞いたのは初めて。今後に役立つ」などの感想が出た。「具体的な商談をするというよりも、今後の日本産水産物のPRに向けて種をまいた形」(白須会長)だ。セミナーでは白須会長が日本産水産物輸出の現状や衛生基準、欧州連合(EU)・HACCPの普及に向けた取り組みについて発表。国内にEU・HACCP取得加工場のある養殖ブリやホタテ、かまぼこなどの品目については民間からもプレゼンテーションを行った。同協議会は、大日本水産会、JF全漁連、全国海水養魚協会、全水加工連、全かま連が組織する。8月には香港で同様のイベントを開く予定。2020年までに水産物輸出額3500億円(14年2337億円)達成という農水省の目標に向け、今後も海外で日本産水産物のPRを続ける姿勢だ。

(みなと新聞  2015年5月14日の記事より)

旬!! 宮城ギンザケ 1万2600㌧の生産見込む “国産” “チルド”の強み前面に

【宮城】宮城県産ギンザケのシーズンが到来した。震災後4期目のシーズンとなる。今期は、新「がんばる養殖支援事業」の初年度で、本格的な活締め出荷など新しい取り組みも一部で始まった。チリ産ギンザケをはじめ、輸入サケ・マスの相場安など商環境は楽観視できないが、“国産” “チルド出荷” が可能な国産ギンザケならではの特徴を打ち出すとともに、新たなチャレンジによりマーケットの拡大・開拓を目指す。
今シーズンの宮城県産養殖ギンザケの稚魚池入れ尾数は1116㌧と前年に比べて20㌧増となった。生産見通しは過去3ヵ年の平均成長倍率11.3倍を乗じて、1万2600㌧前後と前年実績よりも約600㌧増加しそうだ。成育は順調で、4月下旬現在で出荷のメーンは1尾1.3~1.4㌔ほど。5月上旬現在、1尾1.5㌔アップを主体に1㌔アップもある。JFみやぎによると産地市場(女川、志津川、石巻魚市場)、気仙沼総合支所の産地共販で4月30日までに914㌧と前年の2倍というハイペースでの水揚げ。4月下旬の1日当たりの販売量は平均で47㌧を超えるなど水揚げペースは順調に上がる。昨シーズンはチリ産ギンザケをはじめとした輸入サケ・マスの相場高騰の影響で国産ギンザケに関心が集まり、相場が上昇。シーズンを通した平均単価がキロ544円と22年ぶりに500円を超える高値水準となった。今シーズンはチリギンの相場が搬入増により軟化。県産も価格低迷を懸念する見方があったが、3月18日石巻への初水揚げ時には最高値がキロ821円(活締め)と高値を付けた。その後、4月上旬に一部で400円台を付けたものの、末端需要が高まったことで相場が持ち直し、4月10~20日の平均価格はキロ654円。水揚げが増加し、最盛期を迎えたことで、5月11日現在の価格は石巻魚市場でキロ415~400円(1.5~2㌔)を付けた。
活締め出荷をスタート 新しい価値売り込む
今年から始まった新「がんばる養殖支援事業」は新しい養殖ギンザケの身質向上や養殖コスト削減などを目指すもので、5団体6グループ、生産者35経営体で事業を実施している。事業の目玉は初めての試みとなる本格的な「活締め出荷」への取り組みだ。支援事業に参画する生産者、グループは年間生産量の30%を船上活締めし、脱血した状態で市場に水揚げする。V字カッターでエラの中の動脈を切り、海水氷のタンクで脱血する。通常の氷締めする野締めに比べて死後硬直の時間を遅れさせる他、色もちが良く、食感もモチモチとしている。野締め物よりも身質、色が長く維持されるため、これまで刺身向けとして供給が難しかった西日本、九州など販路が広げられることが可能だ。また、宮城県産ギンザケの新しい価値を開拓する点でも大きな期待がかかる。

(みなと新聞  2015年5月12日の記事より)

【水研センター資源研】メバチ資源悪化 中西部太平洋「低位、減少傾向」

中西部太平洋海域のメバチの資源が悪化している。水産総合研究センター国際水産資源研究所によると、2014年度の同海域メバチ資源量は低位、減少傾向。近年産卵親魚量が持続可能漁獲量(MSY)を下回っていることが、同センターがこのほど発表した14年度資源評価によって初めてわかった。巻網船による人工集魚装置(FADs)操業の漁獲圧が、1990年代前年から小型魚を中心に高まっているためとみられる。日本の14年推定漁獲量は1.7万~2.2万㌧。09~13年平均漁獲量は2.1万㌧だった。同海域を管理する中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)は昨年の年次会合で、FADs操業の規制強化を見送り。島しょ国との調整がつかなかったことが原因だが、今後も資源悪化が進む可能性がある。同資源は昨年8月のWCPFC科学小委員会で資源の悪化、乱獲状態が認められた。国内の漁業者は危機感を持つ。3月5日、日本かつお・まぐろ漁業協同組合、全国遠洋かつお・まぐろ漁業者協会、全国近海かつお・まぐろ漁業協会、責任あるまぐろ漁業推進機構(OPRT)の4団体は「FADs操業の規制強化」「大型巻網船隻数を2012年末水準まで削減」「過剰漁獲能力の削減」を実現する枠組みをWCPFC、大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)で樹立するよう水産庁に陳情。OPRTの長畠大四郎専務は「資源回復どころか、さらなる悪化が懸念される。日本の刺身マグロ市場にとっても重要なメバチ資源の回復を実現してほしい」と訴えた。

(みなと新聞  2015年5月12日の記事より)

【岐阜市場】長良川産アユ初セリ 最高値 昨年並み2万円

【岐阜】初夏の始まりを告げる長良川産天然アユの初セリが11日、岐阜市中央卸売市場で開かれた。昨年より1枚少ない56枚(1枚当たり約1㌔)が入荷。最高値は昨年と同じ1枚2万円。中心値は前年並みの7000円だった。同市場では毎年、長良川のアユの解禁日に初セリを実施。今年は晴天で入荷量が多く、1枚当たりの入り数は28~65尾と昨年に比べ大型が中心となった。長良川漁協(岐阜市)は、今年の遡上(そじょう)数は昨年より多いという調査結果を発表。市担当者は「水温の上昇とともに今後の入荷に期待している」と話している。

(みなと新聞  2015年5月12日の記事より)

脂こってり、ウナギ風味のナマズ 近大、業者と研究

近畿大学の研究者と鹿児島の養鰻業者が協力し、養殖ナマズのエサを一工夫したところ、ウナギに似た風味になった。5月9日からウナギ料理店で試験販売し、顧客の声をアンケートで集める予定だ。「ウナギ風味のナマズ」作りに取り組むのは、近大水産経済学研究室の有路昌彦准教授と同大学院1年の和田好平さん。有路准教授は約4年前に調査、研究を開始。昨年、鹿児島県・大隅半島でナマズとウナギの両方を育てる牧原養鰻の協力を得て試行錯誤を重ねてきた。ナマズは川や湖沼にすむ淡水魚でウナギとは異なるが、ぬるぬるとした表面や生息地など似ている点もあり、各地のナマズを取り寄せ、脂の乗り具合や臭みなどを比較。「マナマズ(ニホンナマズ)という種類がかば焼きに適すると判断した。泥臭さは生育環境の影響が大きいため、エサなど養殖技術を工夫すればウナギ並みになると研究してきた。従来の淡水魚用のかわりに、油脂を多く含むエサを用いて牧原養鰻に育ててもらった。昨年秋に調理したところ、淡泊であっさりした当初の味から脂身が増した。さらにたんぱく質が豊富なエサも混ぜ、弾力のある肉質になるように工夫を重ねているという。牧原養鰻の牧原博文社長は「脂乗りがよくなり、切り身の光沢も違う」と話す。

(アクアネット2015/5月号より 朝日新聞 2015年5月8日)

小サイズウナギが放流向き 鹿児島水技センターの調査

資源保護を目的に毎年続けられている養殖ウナギの放流に関し、小さいウナギの方が自然への順応性が高く、放流に向いていることが分かった。今後さらに研究を進め、効率的な放流方法を探る。

(アクアネット2015/5月号より 南日本新聞 2015年5月7日)

【下関市ふるさと納税好調】トラフグ効果 19倍
14年度 1億1000万円

トラフグ効果でふるさと納税額19倍・・・山口県下関市が昨年6月、返礼品にトラフグセットを追加したところ、寄付が大幅増。9割が同セットを選択するという人気ぶりだ。2014年度の寄付は前年度に比べ14倍の2565件。金額ベースでは19倍の1億1047万8999円に急増した。市総合政策企画課は「寄付者の9割以上がフグを選んだ。今年度は税制改正でさらに伸びる」と鼻息が荒い。4月1日から税制改正で控除額拡大や確定申告が不要になるなど今後、自治体への寄付拡大が見込まれている。同市のふるさと納税「ふるさとしものせき応援寄附金」は08年に開始。返礼品に同市立水族館(海響館)の年間パスポートを配布してきた。昨年6月、3万円以上寄付の返礼品に「とらふく刺・ちりセット」「とらふく磨き(身欠き)セット」などを追加した。寄付金の使い道を観光振興、教育・文化、などの8項目から選べる。同市は現在も寄付を募集している。

(みなと新聞  2015年4月24日の記事より)

【チェーンストア協3月】水産販売額1.8%増 刺身、近海魚が依然好調

チェーンストア協会が発表した3月の販売統計(速報値、既存店、消費税含まず)によると、水産品の販売金額は前年同月比1.8%増だった。刺身の盛り合わせ、マグロ、カツオ、アジ、イカなどの近海魚が先月に引き続き好調。タコ、エビ、塩干魚、魚卵は不調だった。惣菜は8.1%増。先月に続き寿司の動きが良かった。要冷惣菜(和・洋)、揚げ物、焼き鳥なども好調だった。日配食品などその他食品は8.1%減。冷凍食品が不調だった。農産(前年同月比2.1%増)、畜産(4.1%増)が健闘したが、その他食品の落ち込みをカバーできず食料品全体の販売金額は2.9%減となった。総販売額は8.6%減。前年同月を12ヵ月連続で割った。衣料品、住関品が増税前の駆け込み需要反動で落ち込んだ。調査は60社9390店(前年同月比239店増)を対象に実施した。

(みなと新聞  2015年4月24日の記事より)

【マルハニチロ】養殖クロマグロ増産へ 人工種苗専用イケス新設
大分のアクアファーム 20年に400㌧見込む

マルハニチロは、ブリやカンパチの養殖を行うグループ会社・アクアファーム(大分県佐伯市)にクロマグロ人工種苗専用イケスを新設する。東西1㌔、南北500㍍の施設に最大12面の大型イケス設置が可能。今月から池込みを始め、2017年に出荷を開始。20年は最大400㌧(7000尾)の生産を見込む。21日に東京都内であったマルハニチロ関東魚栄会で伊藤暁増養殖部部長が発表した。今後は成長が速く、脂がのった魚体に育つ品種の開発研究に取り組む。生存率が向上したものの、沖出し前後で依然死亡率が高いため、さらなる改善策を模索する。
養クロマグロ4300㌧に
アクアファームの生産が軌道に乗る20年には、グループ全体の養殖クロマグロ生産量(天然種苗からの蓄養含む)は4300㌧となる見通し。内訳はマルハニチロが2500㌧(4万本)、大洋A&Fが1800㌧(3万本)。「業界最大の生産量に達する」と伊藤部長は強調する。マルハニチロは10年、近畿大に次ぐ世界で2例目の完全養殖クロマグロ生産に成功。当初は陸上水槽から沖のイケスに移動する「沖出し」前後の死亡率が高かったが、飼育技術の向上で生存率が向上。沖出し尾数は、▽12年約1万尾 ▽13年約4万5000尾 ▽14年約7万尾。その後の生存率も、▽12年4% ▽13年14% ▽14年25% ・・・と、右肩上がりとなっている。 

(みなと新聞  2015年4月22日の記事より)

【ヨンキュウ子会社】鹿児島でウナギ事業開始 養殖場用地新たに取得

【宇和島】ヨンキュウは17日、連結子会社・西日本養鰻(本社・愛媛県宇和島市、笠岡繁樹社長)が計画していたウナギ養殖場用地取得手続きが完了したと発表した。予定地は鹿児島県鹿屋市内。同社は既に鹿児島県曽於市末吉町でウナギ養殖を開始している。ヨンキュウは2012年2月17日に新規事業のウナギ養殖事業に開始を決議。当時、鹿屋市を養殖予定地に選定し、土地取得を進めていたが、土地取得(用地転用などの事務手続き)が遅延していた。このため西日本養鰻は13年1月16日、大仙(鈴木秀典社長)と養鰻場建設に関する工事請負契約書を締結し、曽於市末吉町でウナギ養殖施設の建設を開始。曽於市の養鰻場(池88面)もほぼ完成し、昨年12月から順次シラスの池入れを行いウナギ養殖事業を開始している。 

(みなと新聞  2015年4月22日の記事より)

「広島サーモン」今期初出荷 2期目で生産2万尾計画

【広島】 生まれも育ちも広島県の海面養殖ニジマス「広島サーモン」の出荷が始まった。10日、広島市中央卸売市場に今期初入荷。平均1.2㌔サイズのサーモン400尾が完売した。単価はキロ1800円。全量相対取引され、県内の飲食店などに卸された。同サーモンは2期目を迎え、前期比20倍の2万尾の生産が計画されている。「広島サーモン」は昨年、同県大崎上島町の養殖業者、内浦水産が県内で約10年ぶりに復活させた海面養殖ニジマス。廿日市市の淡水養殖業者、万古渓養魚観光が自家生産した稚魚を養殖したもので、種苗から生産、出荷のすべてを県内で行う。2年目の今期は生産量を大幅に増やし、6月ごろまで広島市場の水産卸、広島水産に出荷・販売する。広島水産によると、広島サーモンはあっさりとした程よい脂のりとサーモン特有の臭みがないのが特徴。活魚で市場入荷したものを加工、販売するため、身に“活かり”がありしっかりとした食感が楽しめるという。同社鮮魚部養殖課の半田光治主任は「地元での認知を広げ、地元の消費者に愛される特産品になるよう、しっかりと販売していきたい」と話す。今期出荷分の海面養殖生産は1尾180~300㌘の種苗を昨年11月に池入れしてスタート。歩留まり、成育ともに順調で5ヵ月程度池入れ時の4~5倍の大きさに育っている。海面養殖ニジマスは「トラウトサーモン」などと呼ばれる。淡水のニジマスよりも圧倒的に魚体成長が速く、味も体形も変わる。 

(みなと新聞  2015年4月13日の記事より)

【養トラフグ最大産地・新松浦漁協】種苗池入れを抑制 相場の回復と安定目指す

【松浦】 国内最大の養殖トラフグ生産漁協・新松浦漁協(長崎県松浦市、志水正司組合長)は、今期の種苗投入尾数を前期並みとし、需給バランスの健全化で2歳魚の今秋相場の回復と安定を目指す方針を決定した。一方、販売打診の多い在池の2歳魚約6万尾は、予定通り3歳魚として販売する予定。同漁協のトラフグ養殖生産者は29経営体、年間出荷量が約60万尾。全国生産量の5割強を占める県産の3割弱を同漁協内で生産。漁協はHACCP対応の加工場を備える。同漁協の今期、種苗投入尾数は前期並みの約90万尾の方針。前期初めて生産調整を行い、投入尾数を2013年より20%削減した。今回、最大手の同漁協が生産抑制方針を打ち出したことで、県内生産量2位の長崎市たちばな漁協(長野正照組合長)の今期方針「前期並みかやや減」と併せ、生産抑制機運が加速。全国の養トラフグ生産者が同方針に続く可能性が高まった。一方、新松浦漁協内の在池は3月末で、今秋以降販売予定の約6万尾のみ。県内では同漁協以外、在池2歳魚はほぼ完売状態。同漁協に2歳魚として販売を求める問屋からの声が多い。下松哲筆頭理事は「3歳魚の生産者は経営的に余裕がある者が多い。2歳魚販売の可能性はほぼない」とした上で、「漁協加工場に販売するなど今秋以降の販売見通しはほぼ立っている。経費高騰分を考慮しても採算は合う見込みだ」と話している。 

(みなと新聞  2015年4月9日の記事より)

【大阪府7次栽培基本計画】 トラフグ放流効果調査 新たにアカガイも放流

【大阪】 大阪府は、大阪湾における水産資源の回復・維持と漁業生産の向上のために、府漁業振興基金栽培事業場栽培漁業センターでキジハタやヒラメなどの稚魚を放流するなど栽培漁業に取り組んでいるが、栽培漁業を計画的かつ効率的に行うための指針として第7次府栽培漁業基本計画を策定した。計画期間は2015年度から21年度までの7年間。1日公表した。7次計画では生産・放流する魚種を見直し、今まで放流していたキジハタ、ヒラメ、マコガレイに加え、新たにアカガイの放流を行う他、量産に先立ち基礎的な技術開発を行う魚種としてトラフグの放流効果調査などにも取り組む。ヒラメでは生産経費の削減(効率化など)、疾病防除(細菌性疾病など)、キジハタは安定生産技術の確立、形態異常の防除などが21年度までに解決すべき技術開発上の問題点となっている。21年度の放流目標はヒラメ(放流時の大きさが全長80㍉)、マコガレイ(同80㍉)、キジハタ(同全長100㍉)がそれぞれ10万尾。アカガイ(同殻長30㍉)が10万個。  

(みなと新聞  2015年4月9日の記事より)

【長崎・九十九島漁協・養トラフグ】 種苗前期超え可能性も 「制限指導」揺れる方針

【佐世保】 九十九島漁協(長崎県佐世保市、髙平真二組合長)は今のところ、養殖トラフグの今期種苗投入量を制限しない考えだ。投入量は前年の約52万尾を上回り「やや増」となる可能性も出ている。佐世保市は市町村別養トラフグ生産量で全国1位。県内では、漁協の生産量で1位の新松浦漁協(松浦市)、2位の長崎市たちばな漁協に次ぐ第3位。今期の種苗投入で新松浦漁協と長崎市たちばな漁協が投入指導を「前年並みかやや減」とする中、九十九島漁協の動向が注目されていた。九十九島漁協の山村高義部長は投入制限をしない方針について、「昨夏、管内で発生した紫斑病で4経営体の約2万尾が死滅した」と説明。「髙平組合長が、制限指導した上に昨夏のように魚病が発生したら大幅減産になることを懸念している」と理由を挙げた。山村部長は「紫斑病を警戒し投入数を若干多めとする生産者がいる半面、餌代など経費増を考慮し投入量を前年並みとする生産者も多い。今期の投入は前年並みかやや増となる可能性もある」とする。ただ、「本来であれば、種苗投入を『前年並みかやや減』と指導するのが妥当だろう。投入開始前には、十分検討し方針を決めたい」と話す。佐世保市では前回の国勢調査で市の養トラフグ生産量が全国一となったことを受け、「生産量日本一」を前面に押し出したPR活動を行っている。「増産分を市内で消費できれば理想的だ」と市の担当者。 

(みなと新聞  2015年4月8日の記事より)

香川「讃岐さーもん」 4度目の出荷シーズン 倍増も知名度向上に課題

【香川】 瀬戸内産のブランド魚「讃岐さーもん」が、4度目の出荷シーズンを迎えた。2011年に生産を開始して以降、出荷尾数は順調に伸長。今年は前年の倍以上となる3万~3万5000尾の出荷を計画する。成育が順調なことから香川県内販売は昨年より10日早い15日スタート。24日からは全国販売を始める。5月末までの期間限定販売となるが、今後は知名度をいかに上げていくかも課題となる。讃岐さーもんは瀬戸内海産のトラウトサーモン(海面で養殖したニジマス)。瀬戸内海は温暖な気候ながら、12月から翌5月の海水温が低く、トラウトの養殖に適している。海水温は11月中旬から6月初旬は20度を切り、1月初旬から3月は10度を切る。2月には7度くらいまで下がる。池入れは12月に行う。1尾約400㌘サイズの種苗を池入れし、翌年の4月中旬から5月末までの約50日間限定販売する。現在の生産は坂出市(関西物産)、香川郡直島町(岡田水産)、東かがわ市引田(服部水産)の3ヵ所。昨年12月は合計約5万尾の種苗を池入れした。餌は4種(ナツメグ・オレガノ、シナモン、ジンジャー)のハーブを配合した専用の固形飼料。ハーブは筋肉中の脂肪の酸化を抑え、生臭さを抑える効果が期待できる。讃岐さーもんは水揚げした翌日にスーパーや小売店の店頭に並ぶため、鮮度が良く、脂がのった程よい食感を楽しむことができる。販売を担当する香川県漁連の伊藤芳彦氏は「今年で4年目の出荷。3万から3万5000尾、約60㌧の出荷を見込んでいる。生産は着実に伸びているが知名度がまだまだ。県内の消費者に讃岐さーもんをもっと知ってもらい、サワラと同様に春の旬魚・讃岐さーもんを認知してもらうよう努力し、しっかりした基盤をつくりたい。餌は全て専用のものを使っており、品質には自信がある」と話す。直島で讃岐さーもんを養殖する岡田水産の岡田圭伊太さん(30)は「成育は順調。今年はビリを抑えるため餌のサイズを小さくした。初出荷は昨年より早くなっているが、14日の水揚げでは1.6~1.8㌔サイズを出したい。品質の良い讃岐さーもんを消費者にぜひ味わってもらいたい。今後、出荷量は増やしていきたい」と生産拡大へ意欲的。瀬戸内海産トラウトサーモンの生産には新たな取り組みの動きもあり、今後の成長が期待されている。 

(みなと新聞  2015年4月8日の記事より)

北米に商機養マダイ 有路近大准教授「市場開拓 食感、脂のりで」

近畿大学の有路昌彦准教授は3月30日、東京都内であった日本水産学会春季大会で、「マダイの海外市場獲得可能性に関する市場分析」を発表した。米国の商社関係者への聞き取りの結果、北米にタイの市場が存在することを確認。ただ、「市場を取るには、北米向きの商材開発がないと難しい」とまとめた。米国で流通しているタイについて、「臭いや食感の面で日本のマダイに劣る部分がある」と説明。安価なニュージーランド産などが市場を持つ現状だが、「日本のマダイが高いから売れないということはないだろう。商品としての差別化が必要」とした。国産マダイの強みとしてやわらかい食感や脂のりをPRポイントに列挙した。商品開発については、「刺身だけでなく、洋食に合う商材としてのアピールすべき」とコメント。「現地のエンドユーザーが問題視するのは商品サイズや加工度合」とし、手間をかけずに刺身加工や加熱調理を施せる冷凍のカット商品などを有望視商品した。 

(みなと新聞  2015年4月7日の記事より)

人気ネタ4年連続サーモン 回転寿司の利用8割超
マルハニチロ調べ 「回転寿司の消費者実態調査」

「サーモンが4年連続1位」・・・マルハニチロが行った回転寿司に関する消費者実態調査で、サーモンの人気がさらに高まっていることがわかった。多く食べているネタのトップは、調査を始めた2012年以降、全てサーモン。割合は、12年→39%、13年→43.1%、14年→40% と変動するものの、15年→過去最高の44%を記録した。4割以上の人がサーモンを食べている計算だ。2位はハマチ・ブリ、3位マグロ(赤身)、4位(中トロ)。お寿司をどごで食べるかとの質問では、81.9%が回転寿司と回答(複数回答)。成熟したといわれる回転寿司業界だが、依然高い人気を誇る。回転寿司の利用頻度は、月に1回以上が38.8%。男性42.1%に対し女性は36.3%にとどまった。年代別では30歳代が42.1%と最も高い。エリア別では関東の37.4%に対して関西が40.2%という結果になっている。
格安均一派が76%
価格設定形態では、格安均一派が75.6%に上った。回転寿司に行く日時は平日の午後7~9時が30.8%、土曜・日曜、祝日の午後5~7時が31.5%、土曜・日曜、祝日の午後7~9時が28.2%とともに3割前後。平日、休日問わず夕食での利用が多いことがわかった。一緒に行くのは、配偶者46.4%、子ども38.8%、父母(養父母)36.8%と家族と行く人が多い。食べる皿数は、10皿が最も多く28.9%、平均は9.1皿。男性が10.6皿、女性が7.6皿となっている。我慢するネタはマグロ(大トロ)、マグロ(中トロ)、ウニと高単価のネタ。回転寿司で食べたい国産(近海)・天然ネタは1位が大間のマグロ、2位が北海ボタンエビとなった。
北陸といえば回転寿司
北陸新幹線開業に合わせた北陸回転寿司の質問では、約9割が北陸の地元回転寿司にはおいしい店が多いと思うと答え、食べてみたいネタでは寒ブリ、ノドグロ、アマエビが上位3魚種となった。 

(みなと新聞  2015年4月2日の記事より)

【14年国内クロマグロ養殖】人工種苗が天然上回る 出荷量は1万5000㌧

昨年の国内クロマグロ養殖の活け込み種苗は、天然種苗の減少から、人工種苗が29万8000尾と全体(51万9000尾)の57%に上るなど、人工種苗が初めて天然を上回った。水産庁が3月31日、2014年の国内クロマグロ養殖実績(速報値)を発表したもの。14年の出荷量は、1万5000㌧・23万尾と過去4年では最高水準を記録した。14年の種苗の活け込み尾数は51万9000尾。13年は61万1000尾(うち人工種苗は26万4000尾)。天然種苗の漁模様が主な要因とみられる。12年は47万3000尾(同26万8000尾)、11年75万3000尾(同21万4000尾)。養殖経営体数は95。13年に比べ3経営体、同12年に対し12経営体それぞれ増加した。養殖場数は150で、13年に比べ3、同12年に対し10増えた。養殖場の増加は、人工種苗の養殖場が増えたのに対し、養殖場の統廃合などによる減少があったため。
年別出荷量(出荷尾数)は次の通り ◆14年=1万4713㌧(23万尾) ◆13年=1万396㌧(19万7000尾) ◆12年=9639㌧(17万7000尾) ◆11年=1万224㌧(19万尾) 

(みなと新聞  2015年4月1日の記事より)

ウナギ養殖など追加へ 漁業共済で水産庁が方針

水産庁の水田正和漁政部部長は漁業共済の対象魚種にウナギ養殖、陸上ヒラメ養殖の追加を進める方針を示した。3月30日にあった第3回漁業共済検討ワーキンググループ(WG)で明らかにした。水田部長は「現行の養殖共済制度では難しいが、事業者の要望は強い。全国漁業共済組合連合会(漁済連)の調査を踏まえ、実態に合った制度を検討したい」と強調。その上で「制度ができれば、(2017年をめどとする)漁船保険組合と漁船保険中央会の統合のタイミングに合わせ、魚種の追加を考えたい」訴えた。現在の養殖共済制度は、死亡した尾数に1尾当たり共済単価をかけて損害を補償している。漁済連の調査によると、ウナギ養殖は①2年魚になると販売価格が安くなる。1年魚より2年魚の共済単価が高くなる現制度ではモラルリスクを招く ②私有地で行われており立ち入り調査ができない・・・の問題がある。漁済連は、実態に合わせた制度として ①尾数管理以外の手法が取り入れられるか②私有地への立ち入り調査ができるか・・・などを検討する必要があるとしている。

(みなと新聞  2015年4月1日の記事より)

弓ヶ浜水産本社工場が竣工 早期にギンザケ2000㌧体制へ
来月1日稼働 本社機能も移転 <日本水産>

日本水産(細見典男社長)の連結子会社である弓ヶ浜水産(鶴岡比呂志社長、鳥取県境港市)の本社工場が23日に竣工した。投資額は約20億円。4月1日から稼働するとともに、本社機能を移転する。同工場は高度な衛生管理の下で、養殖ギンザケや日本海産水産物を生食用製品などに加工。西日本を中心に全国の量販店や外食店へ販売する予定だ。
主力品の「境港サーモン」は2015年度に1000㌧の出荷を見込み、早期に年間2000㌧まで拡大する計画。さらに、設備の有効利用のため14年からマサバ、ブリなどの養殖にも取り組む。日本水産は1980年代から、宮城県牡鹿郡女川町で地域の漁業事業者と連携してギンザケ養殖・加工事業を運営。しかし、11年3月の東日本大震災で被災し、撤退した。その後、鳥取県からの誘致を受け、同年9月に境港沖の美保湾でギンザケ養殖の試験生産を開始。13年12月には同市に弓ヶ浜水産を設立し、ギンザケ養殖の事業化に着手した。。県内には海面養殖場1ヵ所と淡水養殖場2ヵ所を設置。今回の加工場竣工でギンザケ養殖・加工事業の推進体制が整った格好だ。新工場の延べ床面積は4449平方㍍。生食用フィレーやラウンド、ドレス、冷凍ドレス、定塩フィレー、切り身などを生産する。また、同社は同市にある共和水産グループとも連携し、養殖・天然の水産加工品を供給していく。移転(4月1日)後の本社所在地は、鳥取県境港市竹ノ内団地205。

(みなと新聞  2015年3月27日の記事より)

【クロマグロ】 完全養殖技術実用化へ
虫明水研センター増養殖研究センター長 陸上養殖研究を発表

責任あるまぐろ漁業推進機構(OPRT)が19日に東京都内で開いたセミナーで、水産総合研究センター西海区水産研究所の虫明敬一まぐろ増養殖研究センター長は陸上水槽でクロマグロの産卵を成功させた研究結果を発表した。今後の課題は衝突死をいかに防ぐか。陸上水槽での産卵の再現性を確認し、成熟を早めることで、完全養殖技術の実用化を目指す。衝突死は夜明けに多く、「水槽を明るくするスピードを速めれば減る可能性がある。水槽に緩衝材を入れるのも一手」。成熟が進んだのは1~2月ころと、水温が低いころという。今回の研究は、直径20㍍の大型水槽2つで未成魚である2歳魚(1本15㌔)を育てる。水温と日照時間を海面養殖の産卵成功例に合わせ制御。水槽収容から330日後に初めて産卵し、その後、3カ月間続いた。研究施設での産卵成功は世界初。同研究期間は2012~16年まで。2水槽で授精卵数は1000万粒以上、平均ふ化率は87.9%だった。産卵期間は14年5月16日~8月28日で「産卵中期である7月以降に正常ふ化率が高まった」。産卵時の水温は20.2度と、「これまで24度に産卵するとされてきたが、低い水温でも産卵することが分かった」。産卵までの親魚生存率は57.9%だった。「原因は分からないが、雌を中心に減った」と虫明センター長。産卵後(560日経過)は雄を主体に15.9%まで減少した。生まれた卵をDNA解析したところ、同一親魚が多数回産卵していることが分かった。今後は産卵回数、間隔の把握を図る。

(みなと新聞  2015年3月23日の記事より)

【ニホンウナギ】 池入れ16年期も21.6万㌧ 国際協議経て6月決定

日本の2016年期(11月~16年10月)のニホンウナギ稚魚の池入れ量は、15年漁期(14年11月~15年10月)と同じ21.6万㌧になる見通しだ。6月に開く中国、台湾、韓国との協議を経て正式に決まる見込み。18日にあった全日本持続的養鰻機構の臨時総会で水産庁が明らかにした。今期は法的拘束力のない届け出制で養鰻業者を管理しているが、来期からは罰則を伴う許可制に移行する方針。無許可でウナギを養殖した生産者には、3年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金を科す。「現在パブリックコメントを募集していると総会で説明した」(水産庁) 全日本持続的養鰻機構の村上寅美会長は「国の主導の下、何とかワシントン条約に掲載されないようにしたい。われわれは日本食のウナギを守る義務がある」とあいさつ。水産庁の長谷成人増殖推進部長は「ウナギ資源が持続的に利用できるよう最大限努めたい」と語った。

(みなと新聞  2015年3月20日の記事より)

【1週間早くシーズン入り】 宮城ギンが初入荷
石巻魚市場 活締め821円の高値

【石巻】 宮城県の石巻市場に18日、養殖ギンザケが産地市場としては初入荷し、ギンザケシーズンがスタートした。前年よりも1週間早い。入荷したのは女川町尾浦地区で水揚げされ、陸送されたギンザケ約3㌧が上場された。相場は高値キロ821円と前年の1200円を下回ったものの、平均を上回る価格となった。今年から新たな取り組みとして活締めの出荷を始める。同日も約1㌧の活締め物が入荷した。この日上場されたギンザケの平均サイズは1尾1.2~1.3㌔。今期のギンザケは現在までのところ、温暖な気候と穏やかな海況により成育が順調だ。今年から新たにスタートした「がんばる養殖復興支援事業」の一環で活締め物の供給が始まった。最高値となったのは活締め物で、相場はキロ821~782円となった。従来の野締め物は812~805円。活締め物は野締め物に比べてモチモチとした弾力の強さが特徴。また、死後硬直を遅らせることで、しっかりとした身質、色めが長時間維持するなど刺身に特化した身質で、高付加価値化と刺身消費拡大の起爆剤となることが期待されている。石巻魚市場の担当者は「過去にも各生産者単位で活締め出荷の例はあるが、これほど大々的にまとまって出荷するのは初めて。生産者、市場、買受人で盛り上げ、定番商材に育てていければ」と説明する。同事業へ参加する生産者は59経営体のうち35者で、活締め物の出荷目標はそれぞれの生産量の30%に設定している。その多くが石巻魚市場に入荷する見通しで、「価格面で野締めよりもメリットが出れば、活締めにして積み込む生産者が増える可能性がある」(同)と期待している。石巻魚市場では19日以降も連日水揚げが行われる予定で、3000~4000㌧の取り扱いを目指す。うち、活締めは1000㌧前後。今期の宮城ギンザケは1万2000㌧を超える水揚げが見込まれ、女川や志津川などでも今月下旬から順次水揚げが始まる。

(みなと新聞  2015年3月19日の記事より)

【加工ウナギ】中国産「高値感」強く 円安影響、荷動き低調

加工ウナギ(無頭背開)卸値は現在、中国産が10㌔版70~80尾がキロ3300~3200円、50尾が3300~3000円、40尾が3100~2800円。国産は70~80尾がキロ8000円前後、60尾が7500円前後、50尾が7200~7000円で、中国産の上値が若干上昇したものの、ほぼ前月並み水準での推移となっている。中国産は円安の影響で「インポーターのリスクが上がっており、扱い意欲が低くなっている」(卸筋)他、シラス漁の低調さなどもあり、「高値相場が続いている」(同)と指摘する。引き続き、相場の良い太物中心の生産で「串物不足」(同)もみられるという。夏場の需要期に向けた商談は「進んでいるか、ぎりぎりまで様子をみるかの両極端」(同)に分かれているという。昨夏に比べ割安感が出て、「まだ動きがある国産は決まっている方」(同)だが、中国産は売れ行きの鈍さから警戒感も根強い。今後、国産は「メーカー在庫が薄く強含みが予想される」(同)が、中国産は不透明だ。

(みなと新聞  2015年3月18日の記事より)

宮城ギン1.2万㌧見通し
石巻魚市場受け入れ会議 初水揚げは18日

【石巻】 石巻魚市場(須能邦雄社長)は13日、宮城県産養殖ギンザケの出荷開始を前に、受け入れ全体会議を開いた。今期の稚魚池入れ尾数は1116㌧と前期(1095㌧)を上回っていると発表。石巻魚市場の初水揚げは18日となった。生産見通しは1万2000㌧前後になりそう。今期は新たな「がんばる養殖復興支援事業」(がんばる養殖)の一環として活締めの出荷を開始する。
今期「活き締め」出荷開始
前期の県内ギンザケ養殖は約1万2000㌧を生産。石巻魚市場の販売実績は2968㌧だった。今年は現在まで温暖な気候が続いたこともあり、順調な生育が続いているため、昨年以上の出荷が期待される。初水揚げは昨年よりも1週間早い。今年から「がんばる養殖」の一環で、県ギンザケ地域養殖復興プロジェクトが2年事業でスタート。県産養殖ギンザケの付加価値向上と生産コスト削減のため、活締め出荷と自動給餌器を使用できる無加水飼料の採用を始める。事業に参加するのは35経営体。事業実施による赤字発生分を補てんする。初出荷から従来の野締め物と活締め物を分ける他、給餌飼料も加水餌か無加水餌かを明示して販売する。活締めは野締め物よりも色持ちが良く、身の弾力も良いのが特徴で、より刺身商材に特化。今期は参加経営体がそれぞれ出荷の3割を活締めで出荷することを目標にする。エラ切りによる活締めに統一する。須能社長は「県産養殖ギンザケが生き残るためには、活締めなど新しい取り組みが必要になる。生産者、買受人でこの事業を育てていかなくては」と話している。会議後、活締めと野締めギンザケの試食があった。担当者は「活締めはシーズンを通して出荷できなければ意味がない。最も需要が高いのは2㌔以上の魚。そこにピークを持っていける形にしなくては。今後、他産地産から刺身に特化した商品が出てくる可能性もあり、取り組んでいかなくてはいけない課題だ」と説明した。

(みなと新聞  2015年3月16日の記事より)

【全鮎養殖漁連】キロ200円値上げ要請 需要拡大策、築地卸に提案

全国鮎養殖漁業組合連合会(阪本伸哉会長)は5日、東京・築地市場内で開いた「全国鮎生産者荷受各社合同会議」で電気代や飼料代の高騰に伴い養殖アユを昨シーズン比キロ200円値上げするよう要請するとともに、需要拡大策を提示して値上げへの理解を求めた。冒頭あいさつで阪本会長は「飼料が15~20%ほど値上げした。業者は切羽詰まっている」と生産者の窮状を説明し、値上げを要請。また、需要拡大活動に触れ、「(荷受の)皆さんの協力も受け、昨年以上に活動をやりたい」と意欲をみせた。需要拡大活動としては、量販店での購入者のうち、同会のLINE(無料通話・メールアプリ)アカウントからアユのレシピなど宣伝を受け取ってくれる消費者に対し、子どものアユ放流イベント参加券を配布する案が出た。昨年同会が制定した6月1日「鮎の日」の前後には、出荷する段ボールにシールを貼って周知を図ることも説明した。この他、ビールのテレゴCMと踊り串アユの組み合わせによって初夏の風物詩として定着させる案や、駅弁やデパ地下惣菜を開発し、アユを食べたことがない消費者への普及を進めるといった提案があった。荷受側は、販売に苦戦する時期と鮎の日前後の需要期との売れ行きの差が大きく単価が不安定なため、通年商材として提案してはどうかと指摘。仲卸を通す割合が高いので、仲卸との話し合いも必要との声もあがった。会議には築地卸関係者7人、生産者10人が出席した。

(みなと新聞  2015年3月10日の記事より)

【長崎市たちばな漁協】 トラフグ2歳魚完売
今期出荷予定45万尾  2ヵ月以上早く

【長崎】 日本一の養トラフグ産地、長崎県に立地する長崎市たちばな漁協(長野正照組合長)の養トラフグ部会は、今週にも今期出荷予定の在池2歳魚が完売すると発表した。同漁協の年間出荷尾数は約45万尾。昨年と比べ2カ月以上早い完売発表で、県内産地の2歳魚在池数は残りわずかとの見通しが強まった。
県内在池、わずかの見通し
養トラフグは昨年、過剰生産から在池に大量の売れ残りが発生。産地では浜値がキロ1000円前後という空前の安値にもかかわらず販売は伸び悩み、養トラフグの産地出荷は大きく出遅れた。しかし、安値の影響からトラフグをメニューに加える料理店が次第に増え、店頭に身欠きや刺身を陳列するスーパーが増加するなど、トラフグ消費は大きく伸びた。今年2月は養トラフグを求め、問屋が産地に殺到するなど産地在池は一気に減少した。同漁協の道下雅久専務(県トラフグ養殖連絡協会長)は「県内産地の在池はどこも同じような状態だろう。残る2歳魚を3歳魚にまで育てる漁協もあると聞く。国内冷凍物もほぼ完売したと思われる」と述べる。しかし、道下専務は今後の種苗投入数について警戒し、「安価だから売れたことを忘れてはならない。勘違いして今春の投入数を見誤れば再び流通は滞る。餌代高騰も予見されることから、今期の投入はコストを十分に見越して行う必要がある」と警鐘を鳴らす。 

(みなと新聞  2015年3月10日の記事より)

流通難の大型ウナギに“光”  干物で皮、骨食べやすく
静岡県×京丸うなぎ×五十嵐水産

静岡県、京丸うなぎ(塚本和弘社長)、五十嵐水産(五十嵐崇光社長)、は4日、ウナギを干物にする技術を開発したと同県沼津市内で発表した。骨が太く、皮が硬いことから流通しづらかった大型サイズを有効利用するため。シラスの池入れ量削減で流通量が減るとみられる中、「1尾を多くの人に食べてもらえるようになれば」と静岡県水産技術研究所の岡本一利浜名湖分場長は期待する。通常はお重詰めしやすく、かば焼きとして食べやすい1尾200~250㌘で出荷される。1尾400㌘は「産地相場で2割安と、採算が合わない価格まで下がる」(京丸うなぎ)が、「脂のりが良く、うま味は普通のサイズと変わらない」と静岡県。昨年10月から大型サイズの有効利用方法を研究する「沼津地区・養殖ウナギ利用促進研究会」を開き、干物加工に活路を見いだした。「骨、皮が食べやすくなった」と岡本分場長。五十嵐水産が3カ月かけてウナギに合わせた干物技術を開発した。「塩分を吸いやすいため、塩汁(しょしる)の濃度をアジ製造時より5%落とし、15分漬ける。駿河湾深層水に30分さらし、3時間天日干しする」と川原修身五十嵐水産次長。大型は脂がのっているため、干物に適していると説明する。「新しいウナギの味を楽しんでほしい」と五十嵐社長。京丸うなぎは2月23日から、同社の直営ウナギ料理店「うなぎ処京丸」で提供している。「アジとウナギの干物定食」は税込み1180円、単品は880円。今後は真空パック商品で80㌘1000円で販売し、夏には他の都道府県へ納入する方針。「全国的に販路を広げる一方、地域の特産品としてもPRしていきたい」と塚本社長は話す。
新食感に高評価 パリパリで濃厚
「うなぎ処京丸」で4日、小売業者、行政関係者ら50人に向け開かれた試食会で、「皮がパリッとしていておいしい」「うま味が凝縮されているよう」と好評だった。先週100人に行った試食アンケートでは8割以上が「おいしい」と回答。「さっぱりしていて食べやすい」「わさびを付けて食べてもおいしい」と意見があった。 

(みなと新聞  2015年3月6日の記事より)

先端技術で養殖安定化 みやぎ銀ざけ協が研究発表

【石巻】 みやぎ銀ざけ振興協議会(会長・小野秀悦JFみやぎ専務)は3日、宮城県石巻市のホテルで「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」の研究成果発表会を開いた。同事業農水省の農林水産技術会議の一環で、東日本大震災の被災地域を新たな食料生産地域として再生するため、岩手、宮城、福島の3県に研究・実験地域を設けて先端的な実証実験を行っているもの。今回は養殖ギンザケをテーマにした研究の成果を発表した。冒頭、小野会長は「宮城県の養殖ギンザケは県の『食材王国みやぎ』推進パートナーシップ会議の食品ブランド化部門で当協議会が大賞を受賞するなど、生産から流通までが一体となった取り組みが高く評価されている。この成果発表を通じてさらにギンザケ養殖を発展させていきたい」とあいさつした。宮城県では、「サケ科魚類養殖の安定化、省コスト効率化のための実証研究」として水産総合技術センターを代表機関として宮城県水産技術総合センター、ニチモウマリカルチャー、日本農産工業、下関市立大学、東京大学などが共同研究を行っている。濱田英嗣下関市立大経済学部教授は「養殖サケ市場の把握」をテーマに研究し、2年間の調査結果を紹介した。新潟から沖縄まで20数社のスーパー・量販店バイヤーへのアンケートを実施。長崎県のスーパーではサケ類年間売上比率の順位で刺身、加熱用切り身で宮城県ギンザケが2位、塩蔵では1位となった他、地域差はあるものの、主に加熱用の旬商材としての認知が進んでいる。ただし、刺身商材としての販売順位は低く、今後は季節の生出荷だけでなく、刺身商材が端境期となる2、3月に解凍生食向け製品の投入が必要であることを指摘した。 

(みなと新聞  2015年3月6日の記事より)

【築地】 鮮むきカキ3割高 広島は入荷減、三陸は需要強

【築地】 築地市場の生鮮むきカキは昨年10月以来、高値を維持している。昨夏のカキ種不漁に伴い、主産地広島からは入荷が4割減った。三陸産は前年に比べ入荷は増えているが、鮮魚専門店や料理屋の需要が高まった結果、値が上がっている。24日の卸値は、広島産が前年同月下旬に比べ3割高いキロ1500円(中)。大船渡、陸前高田、宮古などの三陸産も同じく3割高のキロ2000~1800円(大)だった。中心サイズは広島が1粒16~17㌘の中サイズ、三陸が1粒30㌘前後の大サイズ。主な販路は量販店、鮮魚専門店や料理店などだ。身質は「特に岩手産は味が濃く、良質」と築地仲卸は太鼓判を押す。ただ荷動きについては、相場が現在より高かった連休前に比べ持ち直してはいるものの、依然高値のため「良くはない」(築地卸)という。今後は三陸で漁が終盤に向かい、徐々に入荷は減る。「広島は2月に入るとカキ祭などで築地へり入荷が減少」(同)する。このため卸値は上昇する。

(みなと新聞  2015年1月26日の記事より)

【フィリピン】 シラスウナギ対日輸出促進へ
ビカーラ種で日系が実績

【バンクーバー】 フィリピン農務省はシラス養殖業者と共同で日本や韓国向けにシラスウナギの輸出促進に乗り出す。政府は20日開いた会合で同省漁業養殖資源局の監督下、シラス輸出促進への体制整備を官民一体で進めることで業界と合意した。フィリピン・ウナギはビカーラ種。現在、フィリピン国内の日系企業、JPウナギが14年からシラスを対日輸出しているもようだ。フィリピンでは周年シラス生産が可能だが、市場の量的需要に適応するには現段階の生産規模では小さい。高利潤率の日本や韓国市場向けの輸出に備え競争力強化を目的に、業界は先住民も含めた新団体の組織化を目指している。プロセス・アルカラ漁業相はアシス・ペレース同省資源局長に組織段階からの適切な指導を命令。局長は「フィリピンはシラス資源の有効利用を育成すべき。輸出振興はミンダナオ島先住民の生計にも役立つ。資源局は既にマグロやエビなどで関係団体を立ち上げた経験があり、業界も実績と経験を生かせる」と話す。同相は「さらなる調査と資源開発計画策定、国内関連業界の進むべき道を示唆することが必要。政府の施策と業界の意見も合わせた包括的な研究が必要」と述べた。

(みなと新聞  2015年1月23日の記事より)

近大マグロで「恵方巻」  トーホーストアが販売

【神戸】 兵庫県南部で地域密着型の食品スーパー42店舗を展開するトーホーストア(本社・神戸市)は、近大マグロを具材に使用した「恵方巻」を全店で予約販売する。販売するのは「近大マグロとこだわり鮮魚の海鮮太巻寿司」(1本)。近大マグロと、「宮崎県産 日向ぶり」「愛媛県産 晴まだい」「兵庫名産 魚卯の焼あなご」、サーモントラウトを使用。本体価格1596円(税込1723円)。予約締め切りは31日午後5時。渡し日は2月2日または3日。また、2月3日には全店で店頭販売も行う。本体価格1680円(税込1814円)。同社が恵方巻の具材に近大マグロを使用するのは初めて。近大マグロを扱うのは兵庫県下の食品スーパーではトーホーストアだけ。2010年から定期的に開催している近大マグロ解体即売会を通じて提供している。

(みなと新聞  2015年1月23日の記事より)

【ベトナム】 14年養エビ2割増産 バナメイ種増え66万㌧

【バンクーバー】 ベトナムの2014年養殖エビ総生産量は前年比20%増の66万㌧となった。ブラックタイガーからバナメイ種へのシフトが主因。バナメイ種は42.9%増と10万㌧超となった。ベトナム農務農村地域開発省が21日発表した。今年のエビの養殖の目標として同省は「魚病発生水域を半減させ、魚病の影響を受けず抗生物質が残存しないエビ生産・供給を目指す」とした。同省によると14年のエビ輸出は過去最高となり、汽水域養殖池総面積が68万5000㌶に拡大するなど、明るいニュースが多かった。一方、米国の輸出ベトナム・エビに対する相殺関税適用について世界貿易機関(WTO)係争処理委員会が下した判定を不服として、ベトナム政府はWTOに9日、再審理要請を提出している。

(みなと新聞  2015年1月23日の記事より)

【全国秋サケ漁獲12月末】 1割減14万㌧、前年並み662億円
三陸予想外の伸び、北海道不振で終漁

【札幌】 昨年12月末現在の全国秋サケ沿岸漁獲量は前年同期比10%減の13万8759㌧。沿岸漁獲尾数は14%減の4036万9204尾だった。主力の北海道が不漁だったものの、三陸を主産地とする本州が予想に反して好漁となっている。水産総合研究センターが道県の実績をまとめた。北海道は序盤好スタートだったが、9月下旬から10月上旬の盛漁期にまとまりを欠き、後半は尻つぼみとなり、同月末の最終実績で13%減の11万2418㌧。海区別では主産地のオホーツク、根室が大きく前年を下回った。本州は5%増の2万6341㌧。三陸は同月にピークを迎え、大型の5年魚を中心とした来遊が重量を押し上げ、岩手11%増の1万5703㌧、青森太平洋側3%増の3221㌧はじめ、日本海側の各県も前年実績を上回った。唯一、宮城が12%減と前年を割り込んだ。年明け後も岩手では好調な来遊が伝えられる。目回りは北海道が1尾3.49㌔(前年3.35㌔)、本州3.24㌔(同2.99㌔)。特に三陸は尾数で前年並みか下回る水準ながら、大型魚中心の漁獲が重量増に寄与している。漁獲金額は1%増、661億8983万円。漁獲量と金額から算出した金額平均単価はキロ当たり477円で、前年同期(422円)より13%高。

(みなと新聞  2015年1月21日の記事より)

ウナギ監視を提言 海部・中央大助教が講演
河川構造物の影響調査も

中央大の海部健三助教は15日、「ウナギの生態を知ろう」をテーマに東京都内で講演した。漁獲量が減少しているニホンウナギの資源回復対策を説明。「ウナギの生息環境を把握するモニタリングや、関係者間の情報共有が必要だ」と強調した。2008年の日本のウナギの漁獲量は、ピーク時の1960年代に比べ10分の1まで減少している。海洋環境の変化、過剰漁獲などが指摘されるが、海部助教は「中でも河川・沿岸の環境変化が大きい」と説明した。日本の大河川113のうち110で河川横断構造物がある。「この影響でウナギがアクセスできる水域面積が減っている」放流のあり方も問題視。日本は漁業法の増殖義務に基づいた放流、水産庁による事業放流などを行っているが、「資源増殖の効果が分からない。放流の効果と影響を早急に検証すべき」と訴えた。今後はウナギ資源を持続利用するための「順応的管理システム」をつくることが必至。モニタリングを通じて管理を行い、その結果を再評価して意思決定する。全体の流れを構築する必要がある」と語った。いずれも東京海洋大海洋マネジメント研究会が開いたセミナーで話した。

(みなと新聞 2015年1月19日の記事より)

【加工ウナギ】 冬の土用丑の日で販促も
シラス漁「まずまず」

加工ウナギ(無頭背開)卸値は現在、中国産が10㌔版70~80尾がキロ3300~3200円、50尾が3100~3000円、40尾が2900~2800円。国産が70~80尾がキロ8000円前後、60尾が7500円前後、50尾が7200~7100円で、いずれも前月並みで推移している。昨年12月の荷動きは前年を上回ったようだ。「国産に動き」(卸筋)。夏場に比べ2割程度卸値を下げ「割安感が出てきた」。価格がそれほど変わらない中国産に比べ「高くても国産を売る動きが出てきている」と説明する。中国産は「相場の良い太物から作るため、串物が若干不足気味」ともいう。1月25日は冬の土用丑(うし)の日。西友が同日前後に国産ウナギかば焼き価格を値下げするなど、一部で販促の動きもみられる。相場動向に影響を与えるシラス漁は「海外は低調も国内はまずまず。今のところ(復調した前年同期に比べ)半分程度は池入れされているようだ」とみる。「台湾は時期的にもう終漁となるが、国内、中国の今後に期待したい」

(みなと新聞 2015年1月16日の記事より)

西友「冬のうなぎフェア」 国産70~100円値下げ
かば焼き 売り上げ3割増目指す

西友は国産ウナギかば焼き価格を70~100円値下げする「冬のうなぎフェア」を初めて開催する。冬の土用の丑(うし)の日である1月25日の前後に全国の369店舗で実施。かば焼きの売り上げは、前年1月比で3割増(金額ベース)を目指す。惣菜売り場では中国産ウナギを使った総菜メニューを展開する。国産ウナギかば焼きの価格は、関東エリアでは5㌔35尾の中サイズで税抜き1497円、関東以外では5㌔40尾小サイズが同1370円。価格強化前と比べ70~100円ほど値下げする。鹿児島、静岡、宮崎の養殖場で生産されたウナギを使う。惣菜売り場では、昨年夏の価格の安さで好評だったという「うな重」(全国368店舗、税抜き680円)を販売。さらに気軽にウナギを楽しめる商品として「うなぎまぶし御飯」(関西、九州以外258店舗、同474円)、「うなぎと玉子の太巻き」(関東、静岡、関西の181の店舗、同378円)を展開する。季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を「土用」と呼ぶ。ウナギはビタミン類をはじめさまざまな栄養素を含む滋養強壮に良い食材であることから、同社は受験など体調管理に気を使うこの時期にウナギの販売を強化する。

(みなと新聞 2015年1月15日の記事より)

西友「冬のうなぎフェア」 国産70~100円値下げ
かば焼き 売り上げ3割増目指す

西友は国産ウナギかば焼き価格を70~100円値下げする「冬のうなぎフェア」を初めて開催する。冬の土用の丑(うし)の日である1月25日の前後に全国の369店舗で実施。かば焼きの売り上げは、前年1月比で3割増(金額ベース)を目指す。惣菜売り場では中国産ウナギを使った総菜メニューを展開する。国産ウナギかば焼きの価格は、関東エリアでは5㌔35尾の中サイズで税抜き1497円、関東以外では5㌔40尾小サイズが同1370円。価格強化前と比べ70~100円ほど値下げする。鹿児島、静岡、宮崎の養殖場で生産されたウナギを使う。惣菜売り場では、昨年夏の価格の安さで好評だったという「うな重」(全国368店舗、税抜き680円)を販売。さらに気軽にウナギを楽しめる商品として「うなぎまぶし御飯」(関西、九州以外258店舗、同474円)、「うなぎと玉子の太巻き」(関東、静岡、関西の181の店舗、同378円)を展開する。季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を「土用」と呼ぶ。ウナギはビタミン類をはじめさまざまな栄養素を含む滋養強壮に良い食材であることから、同社は受験など体調管理に気を使うこの時期にウナギの販売を強化する。

(みなと新聞 2015年1月15日の記事より)

【長崎県水試】 クロマグロ人工種苗 2万8000尾生産
生残率2.3%で大幅上昇

【長崎】 長崎県総合水産試験場は今年度、クロマグロの人工種苗を約2万8000尾生産、近年5000尾台で推移していた生産実績は5倍強と飛躍的に増えた。ふ化仔魚のうち稚魚まで生き残る生残率も、前年度の0.4%から今年度は2.3%と大きく上昇。14日、長崎県水試が公表した。長崎県水試は水産総合研究センター西海区水産研究所を中核にした農林水産技術会議委託プロジェクト研究に参画、クロマグロ種苗の生産技術の開発に取り組んでいる。今年度は、西海区水研の陸上水槽で産卵した受精卵を初めて用い生残率の向上を目指した種苗生産試験を実施。結果、昨年9月下旬までに全長約45㍉(日齢34~37日)の稚魚を2万7798尾生産した。県水試は「共食いを減らす研究に取り組んでいる。また、あくまでも推測だが、施設が隣接することで受精卵の輸送ストレスも抑えられたことが好結果につながったのでは」としている。引き続き、種苗生産時の共食いや衝突による減耗といった課題解決の研究を継続していく。今回の稚魚はすでに五島市の福江島沖に沖出しされ、養殖中における人工種苗の成長や生残率といった養殖特性の確認試験が行われている。

(みなと新聞 2015年1月15日の記事より)

信州サーモンを地域団体商標に登録

長野県水産試験場が開発した「信州サーモン」が、特許庁の「地域団体商標」に登録された。県内の3つの養殖漁業協同組合が共同で申請していた。今後、許可無く名称の使用ができなくなり、県や組合は一層ブランド力強化や地域おこしに期待している。申請したのは信州サーモンを養殖する県養殖漁業協同組合、信州虹鱒養殖漁業協同組合、佐久養殖漁業協同組合の3組合で、昨年12月12日付で登録された。養殖業者らで作る「信州サーモン振興協議会」が3団体から使用許可を受けており、会員が「信州サーモン」として養殖、出荷できる。

(アクアネット 2015年1月号より 毎日新聞地方版/2015.1.5)

福井県内での養殖強化 魚種と地域を拡大

福井県は2015年度、県内水産業を養殖強化の方向へと舵を切る。天然資源の増減や天候に左右されない計画的な生産により、漁業者所得を安定させるのが狙いだ。養殖と言えば、嶺南の「若狭ふぐ」が主力だったが、国内外で需要の高いトラウトサーモンや、健康ブームで注目される海藻類の養殖に嶺北で取り組む。嶺南でも高級魚のマハタやカワハギなど新魚種に挑戦。19年の養殖生産額は現在の3倍以上となる10億円を目指す。県水産課によると、県内の養殖生産額はピーク時の1992年26億900万円で、漁による水揚げ高を含めた水産業全体の2割近くを占めた。しかし、養殖業者の減少や若狭ふぐの需要低迷で、近年は3億円台で推移し、割合も数%にまで落ち込んでいる。そこで、水産業のもうかる産業への転換に向け、養殖の地域、魚種ともに拡大させる方針を打ち出した。養殖強化は、漁業者や学識経験者らでつくる検討会と県が昨秋にまとめた計画案で重点戦略に掲げられている。県では3月までに、この案を基に今後5年間の水産業の計画を定める。

(アクアネット 2015年1月号より 中日新聞/2015.1.4)

【養トラフグ価格低迷】 産地、将来経営に危機感 市場外流通が影響も

【長崎】 養殖トラフグの一大産地、長崎県では長引く価格低迷で養殖経営が悪化、「将来を悲観する空気が膨らんでいる」と有力産地の漁協幹部が危機感をもらす。本来は高級魚で収益性が高かった養殖トラフグが、なぜ価格低迷にあえいでいるのか。産地では自らが行った流通改革を問題視するする動きが出ている。養殖トラフグの平均相場は現在、1㌔魚がキロ1700~1500円で推移する。採算分岐点は2000円程度とされ、現行価格は完全な原価割れ。相場低迷の発端は、2012年の東京都のフグ条例改正での需要増を見込んだ過剰生産。供給過多で売れ残ったトラフグが冷凍物を増大させ、その後の産地出荷を抑制する悪循環となった。長崎県内のある関係者は「過去にも大きな不況や過剰な池入れは幾度となくあった。しかし、ここまで価格が低迷したことはなかった。近年の流通の変化が悪循環を招いているかも」と懸念する。「唐戸魚市場の求心力がひところに比べ衰えた」と養トラフグ関係者は話す。山口県下関市の唐戸魚市場はフグの集散地。長崎県産の養殖トラフグの多くも同魚市場を経由し、全国へ販売される。しかし、同魚市場への出荷割合は近年、減少傾向。県内のある漁協では今年、同市場への出荷が50%を切った。市場外出荷の販売先は主に関西方面の活魚問屋で、産直による中間コスト低減、俗にいう「中抜き」を念頭に相対交渉を行う。漁協担当者は「販売先は、市場経由の魚に伴う口銭がなく、運賃も安く購入できるメリットがある。中間マージンが小さく生産者にもメリットが生じる」と話す。
産直物が強大なライバルに
半面、産直されたトラフグは市場を通じたトラフグの強大なライバルとして立ちふさがる。養トラフグ関係者は「われわれが販売した安い安い産直トラフグが影響し、市場価格をより安い方へ引きずっているのでは」と懸念した上で、「以前は唐戸魚市場の強大なシェアと、生産者の事情を熟知した仲卸が出荷調整し、相場を下支えして乱高下を抑制していたのかも」と分析する。例としてコメは過去、全農が全国の販売をほぼ独占。ある意味、価格維持に寄与してきた。しかし近年、産直や単協から問屋へ直卸しが増大し、全農のシエアは年々縮小。全農は単農の直卸しについて「量がわずかなら無視できるが、これだけ多くなると相対価格は安売り競争となる。全農のメリットを販売先と単協の双方に訴えるしかない」と実情を述べる。全農は現在、販売先に安全チェックの厳密化や広い産地からコメを手当てできる利点などを武器にブランド力を強化。生産者にはコスト低減と安定価格をアピールし、集荷向上に力を入れている。養トラフグの出荷をめぐり、ある関係者は「リスクが少ない市場で値を支えてもらうのが望ましいというのが本音だろう。しかし、現実は資金繰りのために納得いかない相場でも出荷を余儀なくされているケースも少なくない」し話す。現在、養トラフグの魚市場を通じた販売は飽和状態で価格低迷の要因は市場の販売低迷にあるとされている。しかし、真の価格低迷の要因はさらに奥深くにあるのかもしれない。

(みなと新聞 2014年12月24日の記事より)

【日本人はEPA不足】 心臓病などの死亡率3倍 1日1㌘の摂取推奨

EPAの摂取量は、対の働きをする肉系脂・アラキドン酸との比率(EPA/AA)が指標となる。望ましいとされる摂取比率は1。日本人のEPA/AA比は45歳未満で0.28、45~64歳で0.51、65歳以上で0.68と各世代とも不足している。九州大大学院久山町研究室の調査によると、EPA/AA比が0.25以下の人は0.75以上に比べ総死亡率が2倍、心臓や血管による死亡率が3倍多かった。1979年から千葉大とEPAの共同研究をしている日本水産は1日1㌘の摂取を推奨する。厚生労働省調べで、2010年時点、20~40代のEPAとDHAの食事摂取量は0.2~0.3㌘。「EPA単体の摂取量は最大でも0.15」と同社は推測する。
医学会で研究開始 民間も機能に期待
近年になり注目を集めているEPAだが、研究の歴史は長い。発見は60年代。魚やアザラシを主食とするイヌイットが、肉食中心にもかかわらず心臓病で亡くなる数が極めて少ないことにデンマークの医学者が着目。イヌイットの血液を調べるとEPAが多く含まれており、心筋梗塞や狭心症による死亡率がデンマーク人より29.2㌽低い5.3%であると分かった(出典=Scand J Clin Lab Invest 42:1982)

※可食部100㌘に含まれるEPA量 (単位=ミリグラム)
 ・養殖ハマチ      1,545
 ・マイワシ       1,381
 ・クロマグロ(脂身)  1,288
 ・サバ           1,214
 ・養殖マダイ      1,085
 ・ニシン         989
 ・天然ブリ        899
 ・サンマ         844
 ・ウナギ         742
 ・シシャモ        720
  ※出所:科学技術庁資源調査会 編 「日本食品脂溶性成分表」

(みなと新聞 2014年12月22日の記事より)

【13年魚介類摂取】 11年水準に回復 4%増、女性がけん引

厚生労働省の2013年度「国民健康・栄養調査」(概要)によると、国民1人1日当たりの魚介類摂取量は、前年比4%、2.8㌘増えて72.8㌘。10~11年水準に回復した。世代に関係なく女性の魚介類摂取が伸びているのが注目される。同省が9日に発表した。魚類摂取量は1997年に98.2㌘あったが、その後は長期的な漸減傾向が続いていたもの。男女別の摂取量は、男性が79.9㌘(前年77.4㌘)、女性66.4㌘(同63.6㌘)。男性が女性を上回る。一方、伸び率は、男性が3.2%(2.5㌘)に対し、女性は4.6%(2.8㌘)と女性の伸びの方が高い。世代別には、60~69歳が94.6㌘(男性101㌘、女性82.1㌘)と摂取量が多い。男女別摂取量を前年と比較すると、女性は世代別でも万遍なく摂取量を伸ばす一方、男性は魚食の多い50歳以上の世代が減っている。この結果に大日本水産会の白須敏朗会長は「業界を挙げて魚食普及に努力した成果が出た」と話す。

(みなと新聞 2014年12月22日の記事より)

近大ブリも世界へ 北米向けに加工品から

近畿大(大阪府東大阪市)と新宮市の第3セクター「新宮港埠頭」が昨春設立した水産加工会社「食縁」(新宮市)は、同大学が人工孵化させるなどしたブリの本格的な輸出に乗り出す。関係者は「近大の養殖技術と言えばクロマグロが話題に上るが、ブリも歴史が長く、卓越した技術をもっている。海外に『近大生まれのブリ』を売り込み、近大ブリの知名度アップにもつなげたい」としている。食縁は来年、新宮市内に水産加工の新しい工場を建設。2016年春から、大型船が着岸しやすい新宮港を拠点にして、まず米国やカナダに向け、養殖ブリの加工品の輸出を目指す。計画では、近大が人工孵化させたブリの稚魚を、三重、徳島、長崎各県などの水産会社に委託し、成魚に育ててもらう。それを新宮市の新工場で引き受け、高品質の冷凍保存処理を施し、切り身などにして出荷する。稚魚をすべて近大産で賄うには量的な課題があるため、当面は各地で人工孵化させた養殖ブリも仕入れ、将来的に近大ブリの比率を高めていく構想だ。新工場では、新宮市を中心に鮮魚加工の技術を持つ経験者ら50人程度の雇用も予定している。同社は将来、ヨーロッパ方面への販売拡大や、輸出の対象も養殖のカンパチやマダイ、トラフグなどに広げることを検討している。

(アクアネット2015年1月号より 読売新聞/2014.12.22))

カボスブリ勢い増す生産「目標上回った」

カボスを餌に使った大分県産養殖魚「かぼすブリ」が販売の勢いを増している。知名度の向上で販路は東北地方まで拡大。以前は少なかった県内でも流通量が増えている。本年度の生産は当初の目標(320t)を大きく上回りそうだ。販売は11月から3月までの期間限定。県によると、出荷が始まった2010年度の生産量は90t。ほぼ全量が県外出荷で、12年から香港への輸出も始めた。販路は次第に広がり昨年度は北海道からの注文もあった。関東以北への県産鮮魚の流通は珍しいという。県漁協の成松和寿経済事業部長は「通常のブリとの違いがしっかり認知ちれてきた」と分析する。14年10月下旬には“空白区”だった愛知県の市場で初のPR活動を実施するなど、さらなる拡大に取り組む。県内の流通も重視する。当初は県漁協直営2店だけだったが、12年ごろから増えてきた。今年11月に大分市の直営店で実施した試食販売では、用意した20尾がすぐに売り切れるほど盛況だった。販売の勢いは生産にも好影響を与えた。これまで手間やコスト、小口注文への対応がネックで養殖業者が増えなかったが、今年から新たに4業者が生産を始めた。臼杵市の養殖業者の佐々木兼照さん(65)は「手間暇かけても生産する価値や意義が浸透してきた」とする。大分はブリ養殖で全国3位の規模がある中で、県は「かぼすブリ」の割合を全体の1割まで引き上げたい考え。コストの抑制や販売促進に向けて、カボス果皮を使ったパウダーの量産化や、食味の良さの栄養学的検証を進めている。

(アクアネット2015年1月号より 大分合同新聞/2014.12.20))

道秋サケ4年魚軒並み減  中期群伸びず失速

【札幌】 中期の4年魚来遊不振で2000年以来の低水準・・・。道総研さけます・内水面水産試験場の宮腰靖之研究主幹は、今年の道秋サケ来遊の特徴について16日、札幌市であった定置漁業振興会議(主催・道定置漁業協会)で講演した。今年の道秋サケ来遊数は10日時点で3508万5000尾(沿岸漁獲3224万尾、河川捕獲284万5000尾)で前年同期比17%減。前年は4年ぶりに4000万尾を上回ったが、再び4000万尾以下が確定、2000年以来の低水準となる見通し。海区別(11月末時点)では、オホーツク1586万尾(前年同期比30%減)、根室692万尾(18%減)、えりも以東520万尾(9%増)、えりも以西495万尾(8%増)、日本海208万尾(21%増)。主産地のオホーツク、根室の落ち込みが響いた。年齢組成は3年魚6.5%、4年魚39.2%、5年魚46.8%、6年魚7%。尾数でみると5年魚は前年並み、3年魚が倍近く伸びたのに対し、4年魚が35%減少。「過去30年で最も少なかった」。特にオホーツク東部で7割減、根室北部で3割減、同南部で4割減など主産地で大きく目減りした。漁期別では前期、後期来遊は前年並み、中期は3割減、主群である4年魚の道東への低回帰が中期(10月)の伸び悩みにつながった。宮腰氏は「放流した春の沿岸低水温により生き残りが低下したなどが考えられるが、原因究明は今後の大きな課題」と指摘。来漁期への影響については、個人的見解としながらも、「今年の3年魚(11年級)来遊は日本海やえりも以西などの地区で最も多かった。10年級に限った落ち込みではないか」との見方を示した。

(みなと新聞 2014年12月18日の記事より)

静岡、ウナギ成魚の禁漁期間設定

静岡県は12月16日までに、産卵期を控えたニホンウナギの成魚を保護するため、漁業権を持つ県内の漁業協同組合に対し、親ウナギが川を下る10月から翌年2月までを禁漁期間とするよう要請した。2015年度からの実施を目指す。県によると、県内15の内水面漁業協同組合のうち、既に同時期の禁漁を実施している1組合を除く14組合に対し要請した。現時点で、半数近くの組合が要請に応じる方針を示しているという。

(アクアネット  2015年1月号より 共同通信/2014.12.16)

【漁業養殖最前線】 香川「讃岐さーもん」
池入れ5万尾、生産本格化 来季出荷3万~3万5000尾見込む

【高松】 瀬戸内海で養殖するトラウトサーモンが着実に生産量を伸ばしている。香川県漁連によると香川の新ブランド養殖魚「讃岐さーもん」(トラウトサーモン)の出荷量は今年の4~5月末で約1万5000尾。来年の同期には約2倍の3万~3万5000尾の出荷を見込んでいる。瀬戸内海でのトラウトサーモン養殖は、同県坂出市の関西物産(浅見学社長)が2011年に坂出市沖合の養殖場で生産を開始した。きっかけは東日本大震災で東北沿岸部のサーモン養殖場が大打撃を受け、稚魚生産業者が出荷できずに困っているのを知り、被災地支援の意味も込めて稚魚を購入。瀬戸内海でトラウトサーモンの養殖が始まった。昨年12月には岩手、群馬から入手した種苗を坂出の他、直島、引田の3ヵ所で池入れした。瀬戸内海の海水温は11月中旬に20度を切り、12月に入るとグングン下がり、12月末には10度近くになる。1~3月は10度を切る水温帯でおよそ5月末まで20度を切る水温が続く。そのため瀬戸内海では12月~翌5月の低水温期がトラウトサーモンの養殖に適した期間となる。香川では12月に約400㌘サイズの種苗を池入れし、翌年の4~5月末に1.5~2㌔アップに成長した讃岐さーもんを出荷する。出荷期間は約2ヵ月間。今月2日、群馬県から入手した1尾約400gサイズの種苗約1万尾を香川県直島町の岡田水産の漁場に池入れしたのを皮切りに、5日には再度直島、8日には東かがわ市引田の安戸池で服部水産のイケスに約1万尾池入れした。11日は再度引田に池入れ。14、17日には坂出の関西物産の漁場に種苗を池入れする。直島、引田、坂出の3ヵ所で合計約5万尾。

(みなと新聞 2014年12月11日の記事より)

養マグロ ドンと120㌔!  大型まで育成、相次ぎ出荷へ (長崎・五島 橋口水産)

【長崎】 ブリ、クロマグロなどを養殖する橋口水産(長崎県新上五島町、橋口直正社長)は3日、1本100㌔級の養殖クロマグロ10本近くを水揚げし、東京・築地市場に出荷した。同社の高い養殖技術と餌の力によって、クロマグロを大型サイズまで育てられることを証明した。同社の養殖イケスからクロマグロ約20本を水揚げし、うち10本近くが100㌔級だった。最大は約120㌔。「薄飼いし、結構餌をやり込んだ。良いマグロに成長した」と橋口社長。餌は生餌主体で、途中でアプロジャパン(大阪市)の高機能サプリメント「ビタプレ」を加えた。橋口水産のイケスの中には100㌔級がまだ百数十本泳いでいるという。「ブリなど他の魚も薄飼いが基本。餌が行き渡り大きく育つ。今年は9月1日から1尾5㌔台のブリを出荷している」(橋口社長)。現在は輸出向けに6.5㌔以上の大型を出荷。「ブリは6㌔を超えると身質がよくなる」(同)

(みなと新聞 2014年12月10日の記事より)

(豊田通商) 「近大マグロ」外部初認定  今年40㌧、20年に160㌧計画

豊田通商の養殖クロマグロが「近大マグロ」ブランドに認定された。近畿大の施設以外で養殖したマグロの認定は初めて。今年は40㌧を生産、2020年までに160㌧にまで増やす計画。生産量が頭打ちとなっていた近大マグロの安定供給体制を構築する。太平洋クロマグロの天然資源が減る中、「近大と当社がリーダーシップを取って、マグロの食文化を守りたい」と三浦芳樹同社食料本部本部長は意気込む。同社は10年から近大と業務提携。長崎県五島にある同社の完全子会社「ツナドリーム五島」が漁場の選定や給餌方法など、近大から養殖技術を継承した。宮下盛近大水産研究所所長は「4年を経て、近大マグロの名に恥じない魚ができた」と太鼓判を押す。近大が行ったアンケート100人中8割が味、見た目で高い評価を付けたという。今回の認定で近大マグロの生産拠点は近大の大島実験場(和歌山県串本)と奄美実験場(鹿児島県奄美大島)を含め3ヵ所になった。近大と豊田通商の近大マグロ生産量は今年が120㌧と前年比1.5倍、20年には240㌧になる見通し。近大の生産量は「イケス面積の関係で頭打ち」(宮下所長)だが、同社は今後生産拠点を増やす方針だ。「国内需要に応えるとともに、世界にも供給していきたい」と石山直良同社農水事業部長は話す。

(みなと新聞 2014年11月28日の記事より)

ウナギ「保護・流通」透明化へ
【全鰻連】 中国漁業団体と稚魚取引契約

【熊本】 ニホンウナギ資源の保全・保護と流通の透明化が前進─全国養鰻漁業協同組合連合会(村上寅美会長)と中国江蘇省のシラスウナギ漁業者で組織する啓東市シラスウナギ行業協会(周亞藩会長)は26日に熊本市で、ニホンウナギのシラスウナギの取引契約などに調印した。採捕量が減少している資源保護と流通の透明化などが狙い。
啓東市は中国のシラスウナギ採捕量の約6~8割を占めるといわれる。これまでは漁業者が自由に捕り、中間業者を通じて輸出。採捕量や流通が不透明だったそうだ。啓東市のバックアップもあり、地元漁業者らで組織する行業協会を今年9月に設立。次シーズンの採捕(1~4月)からは許可制を取る。捕ったシラスは行業協会が中国国内の養殖業者に販売する他、輸出先の窓口は全鰻連に一本化する。全鰻連がシラスウナギの問屋を通じ、会員や東海地区の養鰻業者に販売。全鰻連の仕入れ価格は日本の池入れ価格を見ながら決定する。村上会長が「日本の食文化であるウナギを守るには資源管理をしなければならず、われわれは資源を守る使命感に燃える必要がある。この調印の下、アジア4ヵ国(地域)が一つになって資源保護を守るよう連携していく」と語った。周会長は「調印は日本のみならず、世界的なシラスウナギの資源保護の革命になるだろう。参加できることは光栄」と述べた。ニホンウナギは6月に国際自然保護連合の絶滅危惧種に指定されたのを受け、日本、中国、韓国、台湾は9月から1年間、ニホンウナギの養殖制限で合意。シラスウナギ稚魚の池入れ量を直近1年の実績から2割削減する。村上会長は「国家間で合意したことを守るよう、今後、民間レベルで海外の関係者に働き掛けかけていく。アジア4ヵ国で協議会をつくる。ニホンウナギがワシントン条約の規制対象にならないようにしたい」と強調した。

(みなと新聞 2014年11月28日の記事より)

【研究】 キハダの完全養殖に道 近大とパナマ政府が「卵から稚魚」に成功

【パナマ】 近畿大学とパナマ政府は、11月27日、キハダの完全養殖に向けた共同研究において、卵から稚魚に成長させることに成功したと発表した。研究の最大の難関とされていた稚魚への成長が成功したことで、来年にも成魚まで成長させ、完全養殖の実現を目指すとしている。成功すれば2002年に近畿大学が日本で達成した世界初のクロマグロ完全養殖に続く快挙となる。なお、近畿大学が海外でマグロの完全養殖の研究に取り組んだのは初めて。キハダは世界のマグロ漁獲量の約65%を占め、刺身や缶詰なとに広く利用されている。しかし、乱獲で個体数が減少しており、国際自然保護連合(IUCN)は「準絶滅危惧種」に分類している。マグロ類は自然界でも卵から稚魚になる過程で99%以上がへい死するため、水温やエサなどを工夫し安定的に生きられる大きさの稚魚まで育てることが、完全養殖で最も困難な作業だ。10年からパナマ南西部ペダシ郊外の研究施設で進められてきた共同研究では、卵をふ化させ、水槽内で約50日間かけて、体調7㎝の稚魚11尾を育てた。現地で記者会見した近畿大学水産研究所の沢田好史教授は「登山で言えば7合目まで来た。稚魚の数を増やし、来年の春ごろには沖合の生簀で成長させ、完全養殖の実現を目指したい」と語った。同研究には、日本の国際協力機構(JICA)と科学技術振興機構(JST)が、資機材の整備費や人件費など計約6億5000万円を支出している。

(養殖ビジネス 2015/1月号より 2014年11月28日)

【生産】 製材工場の熱利用でコスト削減 那珂川の廃校でウナギの養殖実験

【栃木】 木材を乾燥させるボイラーの熱を利用してウナギを養殖する実証実験が那珂川町で成功し、初の出荷時期を迎えている。化石燃料で熱を起こすよりも低コストで、ウナギの成育も良好だという。実験に取り組んだのは「林屋川魚(かわうお)店」。代表取締役の小林博氏にとってウナギの自社養殖は数年来の夢だったが、ウナギは水温を28℃前後に保つ必要があり、那珂川町では保温用の重油ボイラーが必要となるため採算が合わず、過去に一度、養殖を断念していた。そんな中、廃校となっていた馬頭東中学校の敷地に2011年、矢板市の木材加工会社が製材工場を建設。不要な伐採材を集めてチップに加工し、木質バイオマス発電などに利用する計画だった。工場には木材乾燥用のボイラーが設置されており、小林さんは町を通じ工場側がボイラーの熱の活用法を考えていることを聞き「ウナギ養殖に使わせてもらえないだろうか」と提案した。工場側もそのアイデアに注目し、熱を無償で供給することを決定。町も賛同し、廃校の空き教室を無料で貸し出した。小林さんは13年11月、いずれも木製で縦横5m、深さ1mの生簀と、縦横2m、深さ1mの生簀計4つを教室に設置し、3月に0.2gの稚魚6000尾を投入。ボイラーの熱で温まった水が配管に送り込まれ、その配管の熱が生簀の水を温めろた。生簀にガスが発生しウナギがへい死するという試練もあったが、水のろ過に関する指導を受け。理想的な水質を追求。9月には収穫の目安となる約200gの成魚に育ち、12月までに約3500尾が出荷できる見通しになった。収穫分の多くはPRのために地元住民に振舞っている。「教室は保温に適し、直射日光が当たらないのでアオコの発生も防げた」と小林氏。来年は町内に新たな養殖場を造り、年間6万尾の出荷を目指す。

(養殖ビジネス 2015/1月号より 2014年11月27日)

豊田通商㈱が養成したクロマグロが「近大マグロ」に認定

【東京】 11月26日、近畿大学は豊田通商㈱が養成したクロマグロを「近大マグロ」に認定すると発表した。近畿大学以外の施設で養殖されたクロマグロが「近大マグロ」に認定されるのはこれが初めてとなる。これにより、「近大マグロ」は国内3拠点で生産されることとなり(近畿大学水産研究所大島実験場・奄美実験場、㈱ツナドリーム五島)、供給量は現在の80t/2000尾から1.5倍の120t/3000尾に増加。2020年には現在の3倍となる240t/6000尾の供給を目指している。近畿大学と豊田通商は2010年よりクロマグロ中間育成事業の業務提携を行っている。世界初のクロマグロ養殖技術を継承するため、漁場やエサの選定、飼育方法、出荷に至るまで近畿大学から技術指導を受け、近畿大学水産研究所と統一したノウハウを蓄積してきた。さらに2014年7月には「水産養殖事業に関する覚書」を締結するなど、養殖クロマグロの種苗生産のさらなる安定供給と量産化に向けて、パートナーシップの強化に取り組んでいる。豊田通商の100%子会社であるツナドリーム五島で2010年より養成したクロマグロは、近畿大学ならびにアーマリン近大が運営する養殖魚専門料理店「近畿大学水産研究所」にてアンケート調査を実施。来店者を対象とし、記入形式で1019件集計した。その結果、豊田通商が養成したクロマグロが高い評価を得たため、「近大マグロ」として認定することとなった。なお、豊田通商が養成したクロマグロは「近畿大学水産研究所銀座店」開店1周年となる12月4~8日に初出荷。各日限定20食の「近大マギロづくし御膳」(税込3,000円)として提供予定となっている。御膳の内容は、かご盛り(お造り、スモークのカルパッチョ、自家製ツナのマカロニサラダ、角煮、血合いの南蛮漬け、皮の梅肉和え、ハンバーグ、マグロと長芋の東寺揚げ)、にぎり寿司、つみれ汁となっている(すべて近大マグロ使用)。また、近畿大学では「近大マグロ」をブランドマークを策定。今後は、世界進出に向けて本格的に取り組んでいくとしている。

(養殖ビジネス 2015/1月号より 2014年11月26日)

豊田通商も「近大マグロ」 ブランド認定受ける

近畿大学は26日、豊田通商が育てたクロマグロを「近大マグロ」に認定すると発表した。同社が外部生産のマグロをブランド認定したのは初めて。近大と豊通を合わせた供給量を2020年までに現在の3倍の240㌧(6000匹)に増やし、海外輸出も視野に入れる。近大は天然資源に頼らずに人工ふ化させたマグロを育てる完全養殖に世界で初めて成功した。豊通は10年に近大と業務提携。近大が卵から育てた5㎝程度の稚魚を豊通の長崎県の拠点で700㌘程度まで育成し、外部の養殖業者に出荷してきた。豊通は今回の認定を機に、自社で40㎏程度の成魚にまで育てて市場に出荷する養殖事業を拡大する。

(みなと新聞 2014年11月26日の記事より)

【日本生活文化推進協】 近大がベスト・プロデュース賞  「クロマグロ完全養殖」事業に評価

【大阪】 近畿大と近畿大学水産研究所の「クロマグロ完全養殖プロジェクト」が日本生活文化推進協議会(金住哲子理事長)の第2回ベスト・プロデュース賞を受賞した。13日大阪市内であった授賞式には塩崎均近畿大学長、宮下盛近畿大学水産研究所所長らが出席。塩崎学長は「クロマグロの完全養殖まで32年。食卓に上るまで、店を出すまでに14年。この四十数年間の努力の結晶だ。建学の精神である実学で取り組んできたことが認めていただけた。今後も力を結集して世の中のためになる研究を進めていきたい。栄えある賞を頂き、大変光栄に思っている」と受賞の喜びを語った。同賞は日本の生活文化の向上を目指し、新しい経済産業の土壌づくりを推進、寄与できるよう関西から発信するもの。今回は2つのプロジェクトと2人が受賞。プロジェクトでは、「ななつ星in九州プロジェクト」で九州旅客鉄道が受賞、個人ではオロビアンコCEO兼デザイナーのジャコモ・ヴァレンティーノ氏とN35.Inc代表の小山薫堂氏が受賞した。第1回の受賞者は千玄室(裏千家大宗匠)、樋口武男(大和ハウス工業会長兼CEO)、岩田弘三(ロック・フィールド社長)、星野佳路(星野リゾート社長)の4氏。 

(みなと新聞 2014年11月18日の記事より)

【シラスウナギ配分で水産庁】 総池入れ2割減21.6㌧  国際合意実行へ指針

水産庁は14日、2015年漁期(11月~15年10月)ニホンウナギ稚魚のシラスウナギ養殖池入れ量を各府県と養殖業者個々に配分する方法について、ガイドラインをまとめた。9月に日本、中国、韓国、台湾が15年漁期池入れ量を前年比2割減の方針で合意したことによる。各府県には、過去3年の池入れ量の平均か昨年池入れ量の66.8%の大きい方を配分。既存養殖業者には、府県への配分量を、各業者の池入れ実績(原則的に過去3年の平均)に基づいて配分する。総池入れ量は21.6㌧で、最大は鹿児島県の7.7㌧。愛知5㌧、宮崎3.5㌧、静岡2.3㌧と続く。昨年休業した業者や新規参入業者は、養殖密度などを基に配分する。今漁期中は、池入れ量配分に法的拘束力がない。罰則を伴う規制は「来年11月以降に検討中」(水産庁栽培養殖課)だ。ただ、今月施行の内水面振興法に基づき、各養殖業者には、11月から来年10月までの養殖池入れ予定量を30日までに各府県知事に提出するよう求める。毎月の池入れ・池出量実績も、当該月翌月の10日までに知事への報告を義務付けている。

(みなと新聞 2014年11月17日の記事より)

【シラスウナギで水産庁】 鹿児島と愛知に過半を割り振り

水産庁は14日、乱獲や護岸工事で激減したいるニホンウナギの稚魚シラスウナギについて、養殖池に入れる「池入量」の全国配分量を決めたと発表した。2014年11月から15年10月の今漁期の池入量を前期比2割減らす国際的な合意に基づき、日本の総池入量21.6㌧の過半を鹿児島県と愛知県に割り振った。水産庁は過去の平均量などから養殖業者がいる29府県に割り当てた。鹿児島県が最多で7.7㌧。愛知県の5㌧、宮崎県3.5㌧、静岡県2.3㌧と続く。ほかは1㌧未満。ウナギ養殖業は11月から届け出制に移行した。これにより466の養殖業者(休業含む)がいることがわかった。

(みなと新聞 2014年11月15日の記事より)

【米メーン州】 シラスウナギ減枠4.4㌧ 今年の漁獲実績並み

【バンクーバー】 2015年の米メーン州シラスウナギ総漁獲枠は4.39㌧と14年の5.33㌧に比べて18%減となった。米大西洋諸州の州領海(距岸3㌋まで)の漁業を管理する大西洋諸州漁業管理委員会(ASMFC)が27日、コネティカット州ミスティックで開いた会議で決定。アメリカ・ウナギ・シラス部会が23日に発表した勧告通りとなった。
15年枠は14年の漁獲実績4.58㌧とほぼ同等。14年規模の漁獲枠維持を希望していたメーン州海洋資源局(DMR)やシラス漁業者も、大幅減が強く懸念されていた13年当時に比べればましだと、特に強い反発は出ていないようだ。15年春の操業開始に向け、今後はDMRがASMFCと連携を密に保ちながら操業関連規則などの詳細検討に入る予定。一般漁業者の先住民漁業者との枠配分比率などは以前から問題が多かったが、28日時点では枠削減と関連する双方の見解は表面化していない。一方、アジア諸国のシラス供給量増加を受け、13年のメーン州操業は12年までとは異なった動きを見せた。15年の減枠と来年のアジア諸国のシラス供給動向が、来年の魚価、漁獲意欲、供給量にどのような影響を及ぼすかが注目される。なお、13年には日本を含むアジア諸国でのシラス不足が影響してメーン州のシラス魚価が大幅に上昇。シラス漁業は伝統的にメーン州を代表するロブスター漁業部門に次ぐ地位にまで上昇した。13年の総水揚額は3290万㌦に上った。

(みなと新聞 2014年10月30日の記事より)

【米メーン州 シラスウナギ】 15年枠18%減 4.39㌧ 資源悪化で2年連続減へ

【バンクーバー】 米メーン州のシラスウナギの2015年漁獲枠は前年比18%減の4.39㌧となりそうだ。23日米大西洋諸州海洋漁業委員会アメリカウナギ・シラス部会が勧告。27日同委員会会議で最終決定する。同州シラスウナギは12、13年に日本を含むアジア諸国のシラス不足から買い付けが殺到。魚価はポンド当たり1880㌦(約19万4400円)と過去10年で最高値を付けた。漁獲量は価格高騰から12、13年に各8.2㌧。14年は資源悪化から枠を前年比35%減の5.33㌧に削減。2年連続の枠削減となる。シラス漁業者からは「2年連続の枠削減は販売先に安定供給の懸念を生む恐れがある。15年枠は14年規模にすべき」と反対の声があがる。14年の魚価は日本を含むアジア諸国のシラス供給が大幅増となり下落。同州シラスの魚価はポンド1000~500㌦(約10万8000~5万4000円)となった。魚価安から今年5月末の操業切り上げ時点の累計漁獲量は4.58㌧と枠の86%にとどまった。同州海洋資源局は増加する密漁への対応を強化。漁獲量を迅速かつ正確に報告するスワイプカードシステム導入など密漁取り締まり強化を図る。米連邦魚類野生動物局は絶滅危機危惧種法律に基づき、15年にシラスをレッドリストに記載するかどうかを決定する予定で、結果が今後のシラス供給量に影響する可能性もある。 

(みなと新聞 2014年10月28日の記事より)

池入れ管理へ養鰻機構
30日に設立総会 「2割削減」初の全団体加入

一般社団法人「全国持続的養鰻機構」が30日、創立総会を開く。今年9月に日本、中国、韓国、台湾の4ヵ国・地域がそれぞれ一つの養鰻管理団体を設立し、養殖池入れ量を制限することを決めたため。今年11月からのシラスウナギ漁期には、池入れ量を前年比2割減らす目標で合意している。同機構は、日本国内全ての養鰻団体の加入した初の団体となる。水産庁による池入れ制限を養鰻業者に伝達、養鰻業者の実態把握に向けた調査も行う予定。激減が指摘されるニホンウナギ資源の管理を目指す。ニホンウナギ減少の一因として、水産庁は過剰漁獲を挙げている。東アジア全体で違法なウナギ取引が問題視される中、農水省の宮原正典顧問は「池入れ量の削減だけで資源は守れない。養殖履歴や生産量など包括的な管理が必要」と強調。各国の業界団体を発展させ、法的拘束力のある管理を導入、「正規のウナギだけが流通するようにしたい」と展望している。

(みなと新聞 2014年10月28日の記事より)

クロマグロ「完全養殖」 近大の研究成果 商社マン育てる

クロマグロ資源の減少が懸念されるなか、天然資源に頼らずマグロを育てる「完全養殖」に熱い視線が注がれている。昨年、先駆者の近畿大学が東京と大阪に開いたアンテナショップには「近大マグロ」目当ての行列ができ、普及に向けた大手企業とのネットワーク構築も進んでいる。「本マグロ」とも呼ばれるクロマグロはすしネタの横綱だ。1990年代にスペインなど地中海産の養殖物が物が登場し、回転ずしやスーパーでもおなじみになった。2000年代に入ると「取るから育てるへ」のキャッチフレーズとともに日本でも増えていったが、間もなく壁にぶち当たる。
70年代から研究
一般的な養殖マグロは天然魚をいけすで育てる。しかし、積年の乱獲で、日本近海を含む太平洋のクロマグロ資源は過去最低に近い水準に落ち込んでいる。水産庁は12年、天然の養魚を使う養殖の拡大を禁じた。今後、マグロの養殖を増やそうとすれば、いけすの親魚が生んだ卵をふ化させて成魚まで育てる「完全養殖」しか選択肢はない。研究がはじまった70年代から、近畿大学が先頭を走る。大海原を回遊するスケールと繊細さを併せ持つマグロをいけすで飼うのは困難を極めた。10年以上卵が取れないといったとれないといった試練を乗り越え、02年に完全養殖を達成したのが現在は同大理事の熊井英水さん(79)だ。今では近大水産養殖種苗センター大島事業場(和歌山県串本町)で場長を務める岡田貴彦さん(57)が現場を取り仕切っている。子供のころから魚を飼うのが大好きだった。中学時代にテレビで近大の養殖を見て「これしかない」と進路を決めた。マグロの世話と研究に明け暮れる日々を「楽ちんな人生」と笑う。近大で芽吹いた技術の普及に重要な役割を果たしているのが民間企業だ。豊田通商は0.9年に近大の門をたたいた。「完全養殖の手伝いをさせてほしい」。同大の取り組みをテレビで見て感銘を受けた若手社員の提案がきっかけだった。「素人には無理」。何度も突っぱねられたが「しつこくノックし続けて受け入れてもらった」(農水事業部の石山直良部長=46)。施設が限られる近大に代わり、ふ化後1ヵ月から4ヵ月程度の「中間育成」を担い、養魚を養殖業者に販売する。来年からは共同で、長崎県五島を拠点に稚魚の大量生産にも取り組む。近大生まれのマグロの“里親”となっているのは三菱商事子会社の東洋冷蔵(東京・江東)だ。近大や豊田通商から仕入れた稚魚や幼魚を和歌山や長崎で成魚まで育て、「ツナプリンセス」のプランドで昨年から販売し始めた。年間出荷300㌧は国内のマグロ養殖の数%に当たる。大手商社を引き込んだのは、対馬でマグロ養殖を手がけ、長崎県まぐろ養殖協議会の会長も務める財部安則さん(64)だ。漁業者の高齢化や漁協の経営難など厳しい現実を打開する一案として08年、マグロの出荷先だった東洋冷蔵の誘致に動いた。保守的な漁村で反対もあったが「企業に来てもらえれば養殖場の使用料が入るし、学べることも多い」と説き伏せた。東洋冷蔵の壺井敏郎社長(64)は「財部さんの仲介でスムーズに地元に溶け込めた」と話す。春には欠かさず対馬を訪れて地元の漁業者たちと酒を酌み交わし、カラオケで盛り上がる。
「おいしい魚を」
現時点での完全養殖は天然魚を使う養殖に比べ生存率が低く、コスト面では割高だ。近大の岡田場長は「畜産のような品種改良を通じて、天然由来の養殖以上に育ちが早く、おいしい魚をつくりたい。生存率の向上も含め、やることはまだまだある」と話す。自然に負荷をかけないコンセプトは環境への意識が高い米国などへの売り込みでも武器になる。品質向上と市場開拓に向けた道のりは長いが、裏を返せばいずれも伸びしろは大きいということだ。

(みなと新聞 2014年10月24日の記事より)

【農水省】 ウナギ養殖規制強化も  内振法の適用範囲拡大で

農林水産省は15日、6月に成立し11月1日に施行する「内水面漁業の振興に関する法律」の基本方針を告示した。ウナギ養殖業の届け出制と池入れ量・池出し量の報告を義務付け。また、来年以降もウナギ養殖の規制を強める可能性が高い。既存のウナギ養殖業者には、シラスウナギ漁期が始まる11月1日から12月1日までの間に、各県に届け出を義務付ける。新規業者には、事業を始める1ヵ月前までに届け出を求める。届け出漏れには10万円以下の罰金を科す。ウナギ養殖業者には、毎月の池入れ量・池出し量の報告も求める。虚偽報告には6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金を科す。来年11月以降、ウナギ養殖への規制を強めることも検討中。届け出制を許可制に移行する可能性がある。許可制になれば、違反者への罰則は3年以下の懲役または200万円以下の罰金となる。同時に池入れ量にも、罰則付きの規制を検討。ニホンウナギの資源回復に向け、より実効力のある管理を行う考えだ。今年9月17日、日本、中国、韓国、台湾の4ヵ国・地域は、2014~15年漁期のウナギ養殖池入れ量を前年比2割減らす方針で合意している。水産庁は、2割減に向けて養殖場ごとの池入れ量の基準を示す。ただ、来漁期中は、池入れ量基準に法的拘束力は持たせないこととした。

(みなと新聞 2014年10月24日の記事より)

サクラマスを海水で陸上養殖 近大が研究、地元漁協が事業化

【富山】 富山名産マス寿司。その原料として使われてきたサクラマスだが、県内の天然魚漁獲量は盛時に比べて激減し、今や年間1㌧前後とされる。マス寿司メーカーは、代わりに北海道産サクラマスや輸入物の養殖アトランティックサーモンなどに原料を依存せざるを得ないのが現状だ。こうした中、近畿大学富山実験場(同県射水市)は2011年11月から、全国でも珍しい海水での陸上養殖試験をスタート。すぐそばにある堀岡養殖漁協は、近畿大の研究成果を取り入れつつ、12年11月から商業ベースで生産を開始した。稚魚を入れて出荷まで7~8ヵ月のため、トラフグやヒラメに比べて生産効率が高い。近大富山実験場は長野県で人工孵化させた種苗を仕入れてスモルト化(海水適応)し、陸上で海水養殖に取り組んできた。10~11月に長野から仕入れた稚魚を配合飼料で育て、翌年6~7月に平均目周り1.5㌔で取り上げるのが従来のパターンだ。養殖試験に際し、課題の一つが水温だった。サクラマスは「水温が18~19度になると、餌を食べなくなって衰弱する」(堀岡養殖漁協の坂東貴裕参事)ため、表面水温が28度前後まで上がる夏場に通常の海水で飼育するのは不可能。水深100㍍から冷海水をくみ上げ、使うことにした。近大のノウハウを取り入れ、堀岡養殖漁協は12年11月に商業ベースの生産をスタート。初めは平均200㌘の稚魚を2000尾池入れした。重量ベースで約400㌔。海水への馴致(じゅんち)がうまくいかずへい死が相次ぎ、出荷量は合計500㌔にとどまった。平均目周りは1㌔だった。
来年は10㌧以上出荷へ
2年目は13年11月に200~250㌘の稚魚5000尾を池入れ。重量にして1㌧だった。7ヵ月ほど育て、5~8月に出荷したのは7㌧。平均目周り1.5㌔に向上し、中には2㌔アップもいた。3年目の今年は、1万尾を池入れしたい意向。成魚を10㌧以上出荷する計画だ。堀岡養殖漁協には直径6㍍、水量30㌧の陸上イケスが全部で50基あり、トラフグ、ヒラメ、サクラマスを生産している。水温上昇によるへい死を防ぐため、近大と同様に水深100㍍からくみ上げた海水を利用。水温が16~17度になった時点で成魚を出荷している。気になる出荷価格だが、今年はラウンドで㌔2000~1500円前後だった。輸入物のアトランティックサーモンや、北海道産サクラマスに比べると単価は高い。ただし、配合飼料による陸上養殖のため、生で食べても安心なのがセールスポイントだ。同漁協は、今年のゴールデンウイークから「新湊マス」の名称でブランド化に取り組む。
選抜育種で大型魚生産
近大富山実験場は、海水で速く成長する個体を選抜育種し、海水でより大型な魚を育てる実験に今秋から本格的に取り組む。越えるべき壁は夏場の高水温。水深100㍍から冷海水をくみ上げても、夏場の水温は20度前後まで上昇する。それでもサクラマスに餌を食べ続けさせ、打った一手が成熟度合いのコントロールだ。近大水産研究所教授の家戸啓太郎富山実験場長は「既に一番大きな個体は、見た目が3㌔弱に成長している。もう少し成熟させずに飼育を続け、4~5㌔のサクラマスが出てくれば」と期待を寄せる。サクラマスは富山県で比較的知名度が高く、県内で養殖すれば地元産というプレミヤも期待できる。一方で身が柔らかく、生のままでは日持ちが短い。こうした事情や生産量の少なさから、同漁協は県内中心に販売する方針。坂東参事は「夕方締めて翌朝が食べごろ。生で食べられる刺身商材として、大切に売りたい」と説明する。

(みなと新聞 2014年10月20日の記事より)

(日本水産) 境港サーモン生食強化  来春から生フィーレーを真空包装

日本水産(細見典男社長)は鳥取県境港沖で養殖するギンザケ「境港サーモン」の生食販売を強化する。来年3月末に完成する新工場に生フィレー専用生産ラインを導入。生フィレー製品は1枚ずつ真空包装し、生食可能な状態で全国に届ける。来年の水揚げは1000㌧(ラウンドベース)を予定。うち、6割を生鮮で提供する予定だ。これまでの出荷は下氷状態が中心。今期は一部の関西圏で真空パック出荷のテスト販売を行った。来期からは全ての生フィレーを真空包装し、生食グレードで提供。腹骨やピンボーンは残るものの、素早い加工処理で鮮度の良い刺身を全国に届ける。境港サーモンは日本海の荒波にもまれて育つため、引き締まった歯ごたえの良い身質が特徴。全て活締めで出荷し、死後硬直を遅らせることで弾力があるしっかりした身質のまま消費者まで届く。中国、四国、関西圏には水揚げ翌日に到着。「国産品で高鮮度。身色の良さも好評」と同社。「これまでの養殖ギンザケと比較して身質・身色が優れているとの評価を頂いた」と振り返る。境港サーモン事業は2年のテスト期間を経て今年から事業化。今期生産は水温の低下を受け予定より2割少ない670㌧(同)となった。中国、四国、関西地区に主に寿司や刺身向けとして提供し、販売は好調に推移。「事業化1年目としては成功した」と振り返る。境港サーモンは大山のふもとにある淡水養殖場で稚魚を育成。その後11月末~12月にかけて海面イケスへ移行する。4~5ヵ月間の養殖期間を経て、翌4月頭から水揚げを開始。出荷サイズは1尾1~3㌔となる。今後は2017年までに2000㌧を目指し生産を拡大する見通し。回転寿司を中心にサーモンの生食消費が増える中、「これからは生食対応の供給を拡大していく」と同社。「おいしさと価値を提供していきたい」と話している。

(みなと新聞 2014年10月20日の記事より)

(愛知・三重) トラフグ漁 好スタート  初水揚げ、昨年の3倍

(愛知・三重) 1日からトラフグ漁が解禁した愛知、三重両県で好調な水揚げが続いている。1日の初水揚げは愛知で7.6㌧、三重で4.2㌧とともに昨年の3倍を記録した。過去4年にわたり不漁に悩まされてきた漁業者は漁の回復に期待を寄せる。トラフグ漁は16日までに、延縄漁船が1日と8日の2日間操業。今月2回、日本に上陸した台風によるシケで出漁回数は少ない。漁場は渥美外海と伊勢湾口に形成され、愛知県の片名、師崎、篠島、佐久島と、三重県の安乗で水揚げがある。8日の漁獲量はシケで初日の4~5割にとどまった。初日の卸売価格は、愛知・篠島でキロ2000円台と昨年の6割安、三重・安乗で3500円と昨年並みの相場を付けた。愛知県漁業生産研究所(南知多町)によると、事前に行った試験操業では1歳魚が97%を占めており、解禁後も1尾800~900㌘の小型魚が中心となっている。同研究所は「1歳魚が去年に比べ約3倍おり、今後の水揚げも多いだろう」。三重外湾漁協志摩支所安乗事業所は「寒くなれば、相場的にも期待が持てる」との見方を示す。

(みなと新聞 2014年10月17日の記事より)

(久保水産) 新物養ブリ2000尾初出荷 平均サイズ5.8㌔ 出荷開始昨年並み

【鹿児島】 久保水産(鹿児島県垂水市、久保修一社長)の新物養殖ブリの初出荷が15日、同市牛根麓であった。出荷開始時期は昨年並みで平均サイズが昨年を0.3㌔上回る5.8㌔。出荷尾数は2000尾で、関西を中心に関東の市場にも出荷した。今年は春まで低水温の期間が長く、夏季に30度を超える期間が短かった。赤潮は発生したが、餌止め期間が約1週間と短期間だった。久保社長は「低水温が成育にとっていい方向に進んだ。無駄をなくした給餌などに取り組んでいる」と話す。本紙調べの9月末の鹿児島産ブリの浜値はキロ900円前後。生餌の高騰、配合の値上げなど、生産コストが上昇している。新物で5.5㌔アップの養殖ブリは今のところ全国的に少ない。今シーズンのブリの相場を占う意味で、同社のブリ相場に全国の生産者が注目している。久保社長は「需要を考えると、最盛期に900円以上の値をつけることが難しいのは分かっている。ただ、コストが上がっているので浜値が900~850円に安定すれば、生産現場はこれまで以上にブリ養殖に意欲が沸き、さらなる安心・安全な魚づくりに取り組める」と話す。同社は今後、週2回水揚げ・出荷する。11月には平均サイズが6㌔を超え、さらに脂ののったブリを供給できそうだ。

(みなと新聞 2014年10月16日の記事より)

FAO「食糧見通し」 水産物供給養殖がけん引 魚価短期的には軟化

国連食糧農業機関(FAO)はこのほど、「食糧見通し」報告書を発表した。報告書では養殖生産が引き続き全体的な水産物供給をけん引していると指摘。南米でエルニーニョの影響や今後の魚価見通しなどに触れた。
魚価はサケ、エビ、マグロなどの供給が少なかったことから今年3月に記録的な高値をマーク。養殖物の価格は高コストや一部の供給制限が影響した。第2、第3四半期は一転して軟化。欧州市場や日本市場での需要停滞、エビやサケの供給改善を理由に挙げた。今後の魚価は短期的には弱含みの見方を示した。欧州主要市場の需要が弱いことに加え、東欧の輸入禁止措置を受け主要供給が代替え市場を探す必要があるため。一方、輸入制限の対象外国にとってはサケ・マス類や小型浮き魚の新市場開拓のチャンスと指摘。年末には一部水産物の価格上昇が期待できるとした。供給面はアジアやアフリカ、南米の養殖が活気づき、全体的な水産物供給を底上げる。新興国市場では急速に消費が伸び、養殖業の拡大や物流システムの改善に国家投資を促しているとした。南米では小型浮き魚の漁獲減を引き起こすとみられていたエルニーニョ現象が現在のところ弱く影響は少ない。しかし、年末に向けた漁獲には不透明感が漂っており、上半期の魚粉・魚油の価格は堅調に推移していた。魚粉・魚油価格の高騰を受け飼料メーカーは代替え原料を求める動きを強める。今後も飼料生産の水産物使用量は微増するが、水産物の健康効果が広く認知され、飼料向け以外はほとんどが食用に回るとの見解を示した。世界1人当たりの水産物年間消費量は今年20㌔の大台に乗る見通し、養殖魚の消費が天然魚を上回るとみられ、漁業養殖にとって新時代の幕開けとなりそうだ。養殖業は生産や物流、価格設定や国内海外市場の開拓により大きく影響する一方、漁業も依然として国際的な食糧安保にとって重要だと指摘している。

(みなと新聞 2014年10月16日の記事より)

(大阪本場) 養殖活トラフグ初セリ2700~1700円 1割安スタートに期待感

【大阪】 大阪市中央卸売市場本場で14日、養殖活トラフグの初セリがあった。うおいちと大水の両卸で養殖物約200㌔が上場され、卸値は前年の初セリに比べ1割安のキロ2700~1700円が付いた。長崎県を中心に佐賀や香川などから入荷があった。サイズは1尾0.9~2.5㌔と中、大サイズがそろった。卸筋によると、今年は生産量が多いものの、相場を崩さないように入荷を1割減らした。卸売筋は「今年は在池量が多く、価格が下がることがあっても、上がることはないだろう」との見方を示す。一方、天然物は主産地の愛知や三重でシケが続き、出漁できないため、2年連続で初セリに上場しなかった。フグを取り扱う仲卸でつくる「大阪水産卸ふぐ組合」の木綿利彦代表幹事(木綿水産社長)は、「安値でスタートすれば料理店のメニューに入れてもらえるので、今年は期待がもてる。家庭を含め、鍋物としてどんどん使ってもらえれば」と話していた。

(みなと新聞 2014年10月15日の記事より)

【大西洋クロマグロ】 資源回復 枠拡大へ ICCAT科学委員会 1万㌧増を勧告

来月国別割り当てを議論
大西洋クロマグロの資源を管理する大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)の科学委員会が地中海を含めた東大西洋海域での資源量回復を受け、現状の漁獲枠(年1万3400㌧)から1万㌧程度の拡大が可能と勧告する報告書をまとめたことが9日分かった。ICCATは11月にイタリア・ジェノバで開く年次会合で、勧告を踏まえて各国別の割り当てなどを議論する見通し。東大西洋では、日本の延縄漁船も操業しており、現在日本に割り当てられている漁獲枠(約1140㌧)も拡大される可能性がある。また、大西洋全体で捕れるクロマグロのうち6~7割が日本に輸入されており、漁獲枠が拡大されれば、マグロ好きの日本人にとっては朗報になりそうだ。ただ、価格が下がるかどうかは、他の海域の漁獲量なども影響するため見通しにくいのが実情だ。東大西洋での漁獲量は、かつて6万㌧に上ったとされる。しかし、資源の減少を受け、30㌔未満の未成魚の捕獲を原則禁じるなど厳しい漁獲規制を実施。その結果、近年資源の増加が確認されたことから、ICCAT科学委員会はこのほどスペインで開いた会合で、漁獲枠を2万3000㌧程度まで拡大できるとの勧告を盛り込んだ報告書をまとめた。一方、太平洋クロマグロの資源量は「歴史的最低水準」にあり、資源管理が急務となっている。西部太平洋を管轄する中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)は9月の小委員会で、未成魚の漁獲半減で合意。東部太平洋に関しては、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)が今月下旬に特別会合を開いて漁獲規制を議論する。

(みなと新聞 2014年10月10日の記事より)

低温の溶存酸素循環で・・・養マダイが天然化
港星(長崎・松浦市)が飼育実験で実証

が健康で成育が早いわけだが、今回の実験で傷ついた魚を回復させると同時に、鼻の穴やヒレの色などで魚が“天然回帰”することも明らかになった。港星の川久保社長は「大量の溶存酸素を水槽に送り出すことで、魚にとって快適な環境がつくられて免疫力が向上、魚の健康と天然化が進んだとみている。感動的だ」と実験結果に驚く。健康体の養殖魚を常に出荷する食の安全。安心の観点からも川久保社長は養殖関係者に対し、同システムを陸上水槽に設置して海面養殖での仕上げに用いたり、または活魚車やコンテナ輸送の際に利用してもらいたいと話す。また、マダイについては同システムを利用した陸上養殖によって高品質で低コストの生産が実現可能としている。なお、同システムは浅海域の貧酸素対策に貢献する画期的なシステムとしても注目を集めている。

(みなと新聞 2014年10月10日の記事より)

(動き出したEU・HACCP認定) 道産秋サケ 直接輸出へ
網走で先行整備 マルキチが初の認定工場

【札幌】 北海道で欧州連合(EU)向け水産物輸出体制の拡充が動きだした。今月、オホーツク海側の網走地区に揚がる秋サケのEu直接輸出が可能になった。水産加工会社・マルキチ(本社・網走市、根田俊昭社長)がサケ製品で初めてEU・HACCP認定を取得。今週から製品製造を本格化させている。マルキチは水産庁のHACCP改修支援事業を活用して第2工場と原料保管庫を整備。新たな認定施設として申請し、8月に厚労省が承認。道は網走漁港の陸揚げ施設や定置漁業者の生産体制などが基準をクリアしていることを確認して国に報告。9月23日付でEU官報に掲載され、輸出可能になった。道産水産物のEU直接輸出品目はホタテに次いで2例目。マルキチは既に冷凍ホタテ貝柱などでEU・HACCP認定を取得済み。今回、新たな輸出品目に ①冷凍サケドレス ②冷凍低塩イクラ ③冷凍塩イクラが加わった。網走合同定置漁業が経営する定置網13カ統、漁船5隻で生産された秋サケが対象となる。「EU・HACCPは世界で最も厳しい衛生管理基準。世界で道産秋サケの認知度を向上させていくための第一歩」と根田社長。生産者側は「中国に依存しがちな輸出販路が多様化することは将来的に生産者にメリットになる。今回、当地の生産体制や荷揚げ施設などが国や道の目にとまって先行したが今後、他の海域・地区にも広がってほしい」(網走合同定置・元角文雄副代表)。昨年の道産秋サケ輸出は原魚ベース約4万2000㌧。漁獲量の35%を占めた。ただ、漁獲が低迷している近年は輸出も低迷期。2003年豊漁時(20万6000㌧)は原魚約6万5000㌧が仕向けられた実績がある。輸出先の主力は当時も今も大きく変わらず、中国を筆頭にベトナムやタイなどアジアが中心。根田社長は「長い間、悔しい思いがあった」と切り出す。同社は1990年にEU(当時はEC)向け輸出認定を取得。秋サケのトリムCやトリムE製品を輸出していた。
ホタテ禁輸から“再開”まで20年

しかし、貝毒発生を機に同年にフランス、92年にEU全域で日本産ホタテが禁輸措置に。その後、国がEU指令に基づく海域や陸上加工場の衛生基準を定めた取扱要領を策定、北海道や青森県で順次指定海域や施設認定が拡充するなど主力輸出品目であるホタテを中心とした正常化への長い道筋をたどる。水産業界全体では長らくEU・HACCP取得の動きは停滞してきた。「秋サケはEUに輸出するために中国の認定施設施設を介しての第三国経由に切り替えざるを得なかった。せっかく前浜に揚がり、地域経済を潤し、雇用にも貢献する貴重な資源をみすみす外に出していた」「元に戻すのに20年かかったから感慨深いものはある。ただ、販路を築いていくこれからが本当に大事。天然、養殖含め世界的にサケ・マスの高騰が続いている。天然で安全安心、価格的に魅力のある道産秋サケがEUで浸透する余地は十分ある」。今後、冷凍フィーレやイクラなどの調味加工分野にも品目を広げていきたい考えだ。網走を先行事例として、道は今後も秋サケ産地の陸揚げ体制整備と併せ、国の補助事業を活用した水産加工場のEU-HACCP取得の後押しを図っていく。

(みなと新聞 2014年10月9日の記事より)

【加大西洋クロマグロ漁】 累計139㌧、枠の57%消化 PE州残枠追加操業を開始

【バンクーバー】 カナダの大西洋クロマグロ累計漁獲は、10月1日までに総枠の56.8%に当たる138.55㌧に達した。最大枠を持つプリンスエドワードアイランド(PE)州の累計漁獲は101.5㌧と、枠の80.7%を消化。州漁業者協会は総漁獲本数を355本と公表しており、1本当たり平均魚体重は約286㌔だ。同州は7月30日に漁を解禁。漁模様は8月が低調、9月に好転した。総枠の4分の1に当たる24㌧が残る。残枠再配分希望者は100人に達し、カナダ漁業海洋省ガルフ支局が当選者を決定。3日から再配分枠の追加操業を始めた。PE州以外の累計漁獲量は次の通り。(カッコ内は消化率) ニューファンドランド・ラブラドール州:5.5㌧(87%) ▽ニューブランズウィック州:9.50㌧(22%) ▽ノバスコシア州:6.70㌧(14%) ▽ケベック州:16㌧(72%)

(みなと新聞 2014年10月7日の記事より)

【米大西洋クロマグロ】 8月漁、今年最多87㌧ 
前年比14%増、好漁続く

【バンクーバー】 米国海洋漁業局(NMFS)広域大西洋クロマグロ漁獲が今年最多87.4㌧(前年同月比14%増)に達したと発表した。7月の61㌧に続き好漁となった。1~8月累計は286.9㌧。総枠766.1㌧の38%を消化した。前年同期の漁獲量は252.1㌧。前年に比べ消化ペースはやや速い。1~8月の平均魚体重は3339.1㍀(約181㌔)だった。各漁法別1~8月累計漁獲は次の通り。(カッコ内は8月単月) 一般部門:143.4㌧(50.8㌧) ▽突棒34.3㌧(4.4㌧) ▽延縄75.5㌧(2.5㌧) ▽巻網33.5㌧(29.7㌧)。なお、定置網は引き続き漁獲がない。

(みなと新聞 2014年10月7日の記事より)

【人工シラスウナギ】 1万尾の量産目指す 
水研センター 飼料と飼育方法改善

【神戸】 水産総合研究センターは3日、神戸市であった海事関連の展示会「テクノオーシャン2014」で講演し、最新のウナギ研究成果を紹介した。資源減少を背景に注目される人工シラスウナギについて早期の大量生産技術の確立は困難としながらも、飼料と飼育方法の研究を重ね、将来は1万尾をめどに目指すとした。ふ化後のウナギ仔魚の餌は現在、サメの卵のみが有効とされる。サメ卵は資源量に限度があり、それに代わる飼料の開発が求められている。同センター増養殖研究所沿岸資源グループ主任研究員の増田賢嗣氏は魚粉を基にした新たな飼料を開発し、「2009年にふ化後20日までの飼育に初めて成功、12年にふ化後60日で全長14㍉まで育てることに成功した」。増田氏はこのほど1㌔㍑級の大型水槽の開発にも成功。1基で仔魚400尾を飼育できるようになったという。従来は10㍑水槽で10尾飼育していた。飼料と大型水槽の改良を重ねれば、「コストをかければ大量飼育できるようになる。それからコスト削減に取り組む。難しいが、この方向で実用的な大量生産技術の開発を目指す」とした。同センターはシラスウナギの人工飼育に2002年に成功。10年にはウナギの完全養殖を達成した。いずれも世界初。ただ、シラスウナギ大量生産の前提となるウナギ仔魚の大量飼育技術は現時点で確立されておらず、人工シラスウナギの生産尾数は年間数百尾にとどまるという。

(みなと新聞 2014年10月7日の記事より)

【道秋サケ】 漁獲ペース前季並みに  解禁1ヵ月 雌・雄とも一段高に

【札幌】 北海道の秋サケ定置網漁は解禁から1ヵ月を経過し、前季並みの漁獲ペースに落ち着いてきた。イクラ在庫の多さと輸入サケ・マス市況の高止まりを背景に、雌は弱含み、雄は強含みでスタートした産地市況は、加工業者の買いが本格化してきたことで双方とも一段高の展開に入った。
道漁連日報によると、9月30日現在の累計漁獲量は前年同期とほぼ同じ5万3655㌧、今季は定置漁業権切り替えで、先陣を切るえりも以東海区の解禁が2~6日後倒しとなった。解禁遅れで上旬までは前年を下回っていたが、全海区オープン後の中旬は前年同期比30~40%増で推移。日曜休漁明け22日には今季最多の日量6000㌧を記録したものの、その後ペースは若干鈍り、前年並みとなってきた。産地市況は中旬まで、雌で前年より100~150円(2~3割)安、雄は前年並みか若干高で推移。下旬以降、今季漁の行方を見極めた加工業者の買い付けが本格化してきたことで雄雌とも一段高の展開に入った。同日の標津は雌B品キロ760~710円、雄の銀毛で320~300円。前年同日より雌で2割高、雄で5割高水準。全道的にも雌で600円後半、雄は300~250円中心をつける。このまま前年並みで推移すると、今季の漁獲量は12万㌧前後が想定される。例年の盛漁期はせいぜい10月中旬まで。この間の水揚げ状況がイクラやドレスなどの製品価格を大きく左右しそうだ。

(みなと新聞 2014年10月2日の記事より)

宮城カキは6日初入札

【石巻】 JFみやぎ(丹野一雄経営管理委員会長)は9月30日、県産養殖カキの品質審査会を実施した。同日に第4回本所かき部会、買受人代表者懇談会を開き、むきカキの初入札会を10月6日に行うことを決めた。昨年よりも1週間早い。宮城県産のカキは通常、9月29日の初入札開始を目安にしている。今年も29日スタートを目指していたものの、先月19日の品質審査会で延期が決まった。水温が平年より高めで推移したことから、卵持ちが目立ったため。特に北部地区では浜によって「70~80%のカキで抱卵していた」(JFみやぎ)。先月30日に2度目の審査会が行われ、一部で卵持ちがあるものの例年なみの身入りと品質、スタートから十分な数量が出荷できる状態であることから、今月6日の初入札が決まった。

(みなと新聞 2014年10月2日の記事より)

【築地】 むきカキ初入荷  岩手産は4倍に増加

【築地】 むきカキが1日、築地市場に初入荷した。今年は岩手産の上場数が前年の4倍の2790㌔に増加。現地のむき加工場が震災から復旧した。全産地を含めた入荷量も2割増の5㌧。岩手、三重産の卸値は4割安となった。入荷の6割を岩手産が占めた。卸値は大型(1粒30㌘)がキロ4200~2700円、中型(同18㌘)が2300~1800円、小型(同10~12㌘)が1500~1200円だった。今年は成長サイクルが早く、「前年同期は卵持ちが多かったが今年はほとんどない」(築地魚市場)。成熟時期は「今月中~下旬」(東都水産)と予想する。広島、兵庫県の初入荷は今月中~下旬になる見通し。岩手産は今後も「昨年より安い相場で推移しそう」(同)とみる。韓国産(小型)の卸値は1割高の1700~1500円。円安で仕入れ値が上がった。三重産は岩手産と同じ相場だった。

(みなと新聞 2014年10月2日の記事より)

【広島県】 カキ平年並み2万㌧目標 品質重視の生産管理へ

【広島】 広島県は今季(7月~翌年6月)のカキ生産目標を、平年並みの2万㌧(むき身ベース)とした。成育良好だった前季実績よりも1200㌧少ないが、高品質で身入りの良いカキの生産出荷を進める。県内の生産者と流通・加工業者、県でつくる「広島かき協議会」の「品質管理マニャアル」に沿い、むき身の温度、塩分濃度などを生産者が自主的に管理・点検できる仕組みを導入する。県が9月30日に発表した広島かき生産出荷状況によると、2013年度(13年7月~14年6月)の生産量は前年比9.8%増の2万1200㌧。漁期通じて身入りが良く、平均むき身重量は平年比で5%上回った。生産量のうち、生鮮向けは3.4%増の9000㌧。前年度実績は上回ったが、消費低迷で平年比では5%減。加工向けは15.1%増の1万2200㌧。フライや蒸しカキ原料の引き合いが強く、近年で最高水準。生産額は12.2%増の174億円。生鮮向けのキロ平均単価は4.3%安の1056円だった。加工向けは漁期最終まで浜値が下がらず、16.1%高の648円と過去最高値を付けた。

(みなと新聞 2014年10月1日の記事より)

【ウナギ国際資源管理】 「保全」日本が手本を
日中韓台が合意 来季池入れ量2割削減

生息数が激減しているニホンウナギ。日本、中国、韓国、台湾の4カ国は17日、2014~15年漁期の養殖池入れ量を前年比2割減らすことで合意した。削減方法は各国政府に任されるが、世界最大のウナギ消費国である日本は国内法を整備。罰則を伴った管理措置を行う方針だ。水産庁指導の下、各県で養鰻業者をまとめる業界団体と、県ごとの養鰻団体を束ねる全国団体を10月上旬までに立ち上げる。各県の養鰻団体には、シラスウナギの漁期が始まる11月までに、2割減となった池入れ量を割り振る。県ごとの割り振り方は「公平な形になるよう調整中」(水産庁)という。個々の養殖場ごとの池入れ量も今後、水産庁が具体的な基準を示す。池入れ量の管理は、11月1日から施行する内水面漁業振興法を活用。同法は、ウナギ養殖業者に所在地など一定情報を農水大臣に届け出るよう義務付けている。「届け出情報には養殖池の規模や、池入れ量なども加える見通し」(同)という。虚偽報告は罰則の対象となる。既存の養鰻業者は11月1日から12月1日までに各情報を届け出る必要がある。現在、各県の養鰻団体が個別の養鰻業者に届け出を行うよう周知しており、水産庁は「悪質な届け出漏れは出ないのではないか」とみる。
養殖履歴や生産管理も必要
17日の4カ国会合では、各国に日本同様の養鰻管理団体をつくり、それらを束ねる国際組織を設立することも決めた。会合後、農水省の宮原正典顧問は「池入れ量の削減だけで資源は守れない。養殖履歴や生産量など包括的な管理が必要」と強調。東アジア全体で違法なウナギ取引が問題視される中、「業界団体を発展させ、正規のウナギが流通するようにしたい」と語った。日本としては養殖場管理などウナギ保全について、他国を巻き込み法的な枠組みをつくりたい考え。漁業ではなく養殖場を監視する初の試みだが、各国ともノウハウに乏しい状態からのスタートとなる。緊急課題であるウナギの保全に向け、“ウナギ大国”の日本が迅速に手本を示したところだ。

(みなと新聞 2014年9月30日の記事より)

【極洋日配マリン】 完全養殖マグロ沖出し 17年度200㌧出荷目指す

極洋(多田久樹社長)と日本配合飼料(山内孝史社長)は、26日、合弁会社・極洋日配マリン(愛媛県愛南町、林泰史社長)が、クロマグロの完全養殖による稚魚沖出しに成功したと発表した。3年後となる2017年には約200㌧(平均サイズ40㌔換算)の出荷を目指す。
人工親魚から採取した200万粒より種苗生産を行い、8月から9月にかけ、陸上の孵化場から新たに確保した宇和海の人工種苗用漁場へ、約1万4000尾(4㌢サイズ)の完全養殖魚の沖出しに成功した。来期の同沖出しは倍となる約3万尾を目標に掲げる。今回の成功による人工種苗の増加に伴い、成長に合わせる形でイケスを17年度までに順次増設する。同年度中には当初の計画から4基増の14基となる見通し。
極洋グループ17年度700㌧
極洋はキョクヨーマリン愛媛(同町)、キョクヨーマリンファーム(高知県宿毛市)でもクロマグロ養殖事業を展開。両社合計の昨年度出荷実績は420㌧、今期は500㌧を計画する。極洋日配マリンの200㌧が加わる17年度はグループで700㌧の出荷を目指す考えだ。
飼料開発進む
飼料開発では、日本配合飼料が稚魚用で15年度に自社での使用を開始する他、商品化も予定。育成用ステージは、生餌からEP飼料に馴致(じゅんち)して育成することについては実証済みで、発育改善に向けた試験を継続中。育種と並行した取り組みとなるが、2~3年かけて実用化を図るとしている。

(みなと新聞 2014年9月29日の記事より)

【水産庁】 うなぎ・秋サケ資源回復支援 概算要求19%増15億円

水産庁は来年度予算の概算要求で、今年度当初比19%増の2299億4000万円を求めている。うち、増養殖対策は19%増の15億3600万円を要求。資源が悪化している秋サケ、ウナギを中心に補助事業を充実させた。ウナギの資源回復を支援する「ウナギ対策関連事業」は25%増の5億3000万円を計上。国際的な資源管理を進める他、ウナギ種苗を大量生産させるシステムの実証実験を加速化する。「天然ウナギの保護だけでなく、その先を見据えた人工種苗の実用化を進める」(水産庁)。太平洋側サケの回帰率向上などを目指す「増殖に関する支援事業」は23%増の4億3300万円を要求。稚魚放流の時期やサイズを変えて放流し、回帰効率の比較などを行う。「オホーツク、日本海に比べて明らかに太平洋のサケの資源は悪化している。海水温の変化や被食など要因を調べる」(同)
陸上養殖の低コスト化支援
陸上養殖の技術開発などを支える「養殖に関する支援事業」は6%減の2億9600万円を計上した。閉鎖循環式陸上養殖の最大の課題はコスト低減。水質や残餌などを1ヵ所で集中管理する自動制御システムの実証試験を行い、低コスト化を目指す。内水面の水産資源を回復させる「健全な内水面生態系復元等推進事業」は33%増の2億7600万円を要求。カワウ・外来魚の成育状況の調査や被害防止策などの取り組みを支援する。「内水面漁業振興法の成立を受け、内水面対策を強化したことを示した」(同)

(みなと新聞 2014年9月10日の記事より)

【道秋サケ漁 全海区解禁】 出足遅れ7割漁  雌2~3割安 修正スタート

【札幌】 北海道秋サケ漁は先月末にえりも以東海区を皮切りに新シリーズが幕開け。今週、全海区がオープンしフル操業となる。道漁連の秋サケ日報によると、7日現在の累計漁獲量は前年同期比32%減の3220㌧。休み明け8日は概算で日量約1100㌧、累計4300㌧で徐々にまとまってきた。今季は5年に一度の定置漁業権切り替え初年度。来遊が低迷気味の近年の傾向に合わせ、前季までの遡上魚確保のための自主規制を免許期間に取り込んだことで、毎年先陣を切るえりも以東の解禁が2~6日後倒しとなった。解禁1週間経過時点では前年同期比7割漁と出足遅れが目立つ。昨年より6日遅れで解禁したえりも以東西部の大樹漁協。直後は「近年になく漁獲がまとまり期待したが、比較的高齢で大型の“たまり魚”を獲った後は少しペースが落ちた」(島田隆之事業部長)。近年、低迷傾向の同海区は前年より来遊増予想で「悪い出足ではない。今後に期待している」(同)という。先週末の浜値(全道大相場)は、雌B品でキロ600円前後、雄の良品で300円台前半。昨年同期に比べると雌で2~3割安(100円前後安)、雄は前年並みか若干高い。昨年産在庫が指摘されるイクラの影響で、雌は修正局面でのスタート。一方で雄は昨年来からの輸入サケ・マス市況の高騰で、値ごろ感のある秋サケ親製品が順調に消化されたことなどを背景に強含みの展開となっている。今季の道秋サケ沿岸漁獲予想は3582万尾(7%減)。道漁連では漁獲量11万~12万㌧程度を想定している。

(みなと新聞 2014年9月9日の記事より)

広島産カキ種 天然種苗 空前の不漁
来年・再来年 国産カキ生産激減か

【広島】 広島カキの天然種苗が空前の不漁に陥っている。このままでは来年、再来年の国産カキ生産量は激減する。7月~8月中旬の採苗盛漁期の実績は例年の約3割。天然採苗はその後も続いているが、これまでほどの上積みができておらず、採苗が望める残り期間は2週間前後に迫る。広島種は全国カキ生産量の約3分の2を占める県内だけでなく岡山、兵庫のカキ生産地でも利用。全国のカキ需給・市況を左右する広島種のかつてない凶作に、関係者は衝撃を受けている。天然採苗の不漁主因は「カキ幼生時の餌不足」と県や広島市の調査機関はみる。ふ化したカキは海水中を浮遊しながら成長し、約2週間で付着期に。この時にホタテ貝殻を海中につるしておけばカキ幼生が貝殻に付着、養殖用のカキ種苗として確保できる。今年は幼生の餌となる微細藻類(キートセロス)が少なく、「付着期まで育たなかった」可能性が高いという。不漁要因としても他にも降水量の多さ、日照時間の短さなど気候面を指摘する見方もあれば、前季カキ収獲期終盤(5月)の浜高で生産者の収獲意欲が高まり、来季収獲分に残した親カキの絶対数が例年より少ない、さらに海にスタッドレスタイヤの粉じん流入などの環境負荷が幼生の成長を妨げているとの声もある。かつてない天然採苗の不漁を受け県と県水産海洋技術センターは対応策として「イカダにつるした親カキを海面近くに引き上げ、温度刺激を与えることで放卵を促す」ことを生産者に提案。効果は未知数だが、前年は9月にカキ種が比較的採れたこともあり、残り2週間の天然採苗に望みがかかる。
宮城「余量ない」
国内カキ生産量は2011年が約3万㌧(むき身換算)。うち、広島県は6割強の約2万㌧。続いて岡山県が約4000㌧、兵庫県が約1600㌧と3県で8割以上を占める。岡山、兵庫は大々的な天然採苗を行っておらず、広島や宮城のカキ種苗を導入しているのが現状。なお、宮城県の今年の天然採苗は松島地区では不漁だが、石巻地区で順調に取れたもよう。しかし、復興は道半ばで、県内の生産者や従来の取引先分を確保した程度。「余るほどはない」と宮城県漁協担当者。

(みなと新聞 2014年9月8日の記事より)

【WCPFC北小委 クロマグロ漁獲枠】 未成魚、半減で合意
10年間で 親魚4.3万㌧に回復目指す

【福岡】 1日から福岡市で開かれていた「中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)」の北小委員会が4日閉会し、太平洋クロマグロの資源管理強化に向け、2015年から未成魚(30㌔未満)の漁獲枠を半減させることで合意した。これにより歴史的最低水準にある親魚資源量(約2万6000㌧)を来年からの10年間で歴史的中間値(約4万3000㌧)まで回復させることを目指す。世界最大のマグロ漁業・消費国として資源管理の枠組みづくりを主導してきた日本の提案がほぼ全面的に通った。日本は北小委員会の開催に先立ち、漁獲枠の半減を提案。これに対し韓国は当初、消極的姿勢を示したものの、マグロ資源の枯渇を強く懸念する国際社会の圧力に押され、譲歩。「科学的資源評価が明確に示される中、韓国も受け入れざるを得なかった」と宮原正典議長(水産庁顧問)。残る未成魚の主要漁業国であるメキシコの漁獲規制については、10月開催の全米熱帯マグロ類委員会臨時会合で議論、決定される。新ルールは日本近海を含む西太平洋海域の漁獲量について、02~04年の平均漁獲実績を基準に ①未成魚は半減 ②30㌔以上は基準を上回らないようにする・・・のが柱。日本の場合、未成魚の漁獲枠は年間4007㌧で既に国内で決定済み。30㌔以上は4882㌧が上限となる。なお、各国は未成魚の水揚げが漁獲枠を超えた場合、翌年の枠から差し引かれる。新ルールは今年12月、南太平洋のサモアで開かれるWCPFC年次会合を経て正式決定する。また、資源回復後の長期的な資源管理措置について来年以降、検討していく。

(みなと新聞 2014年9月5日の記事より)

“養殖活サバ”で地域活性化へ 九大と唐津市が共同研究実践
完全養殖マサバ種苗 2万2000尾を生産

【唐津】 佐賀県唐津市と共同研究を行う九州大学院農学研究院唐津水産研究センター共同研究部門は今年度、マサバ種苗約2万2000尾を生産した。昨年5月にふ化させた人工種苗由来の2年親魚(1歳)から採卵、生産したことで完全養殖も達成。既に唐津市内の漁業者と連携し海面イケスと陸上水槽で試験養殖を実践しており、今後はマサバ完全養殖技術と生産機能を核に唐津地区の活性化を目指す。唐津市と九大は、低迷する水産業と水産物利用による地域の活性化を目的に2012年4月から共同研究をスタート。九大は大学院農学研究院の中に唐津水産研究センター共同研究部門を新設すると同時に、唐津市は先進研究の実施拠点として唐津市相賀の唐津市水産業活性化支援センター(村山孝行センター長)を活用。12年12月に管理研究棟、今年3月に水槽棟を整備した。現在、唐津市水産業活性化支援センターは唐津市からセンター長1人、事務職員1人、九大から研究スタッフ3人と技術補佐員2人で構成する。先進技術を用いて第1弾のマサバをはじめハギ類などの完全養殖技術を開発し、漁家の収入増を目指すとともに、イカ料理に次ぐ新たな食の目玉開発・提供で地域活性化を図るのが狙いだ。また、バイオテクノロジーの開発やケンサキイカの繁殖生理学的研究にも着手しており、世界に向けて水産に関することで、水産のまち・唐津の知名度向上も図っていく。同センターが今年6月に採卵・ふ化したマサバは、7月中旬に体長7~8㌢となった種苗を唐津市内の地元漁業者が海面などで試験養殖し、8月中旬現在で12㌢・21㌘前後に成長している。九大大学院農学研究院唐津水産研究センター共同研究部門では、これまでマサバの種苗生産について福岡県福津市津屋崎で12年度約3000尾、13年度1万2000尾を生産し、唐津の海面などで試験養殖を実施してきた。唐津水産研究センター共同研究部門の長野直樹准教授は「マサバ種苗生産は3年目となるが、今年度は最も多い2万2000尾を生産した。今後は養殖現場をモリタリングし、最適な餌の開発も追及していく」とし、「養殖サバは300~400㌘サイズでまずは唐津市内の旅館や飲食店に出荷されることになる。脂のりが一定以上で、アニサキス寄生がない安全安心な『完全養殖活サバ』とし、地元の新たな目玉食材に発展していくことを期待している」と話す。

(みなと新聞 2014年8月29日の記事より)

<産地市況> 養カンパチ・・・浜値50円安1100~1050円 値下がりも需要上がらず

8月下旬の鹿児島県の養殖カンパチ浜値は前月に比べキロ50円安の1100~1050円前後で推移しているもよう。新物出荷が一部ではスタートしているが、3年生の出荷が中心で、出荷サイズは3~4㌔。カンパチ低迷の要因は、過去の浜値の急騰で、スーパーや回転寿司がカンパチ離れを起こし、マーケットが縮小。浜値が下がったが、需要は回復しない。一方、ここ数年で夏場の刺身商材としてハマチの認知が高くなっている。産地サイドは生餌価格が上向き、生産原価が上昇しているため、年内の浜値は1000円にとどめたいようだ。しかし、8月末の浜値1100~1050円からすると、年内に1000円を割りそうだ。

(みなと新聞 2014年8月29日の記事より)

<産地市況> 養ブリ・・・前月並みキロ900円 年内緩やかな下げ相場

鹿児島県下の8月下旬の養殖ブリの浜値はキロ約900円と、前月並みで推移している。一部でブリサイズの出荷もあるが、相場が堅調なため6月以降、1尾3~4㌔のハマチサイズの出荷が九州、四国で活発に見られる。切り身商材に加え、夏場の刺身としてのマーケットへの浸透が進み、引き合いは強いようだ。今後の浜値は、新物の出荷が始まる10月まで900円で推移しそう。その後弱含みに転じるが、ハマチサイズの出荷が順調で、在池量が減って急激な下落は考えにくい。12月末まで緩やかな下げ相場になりそうだ。生産サイドも強気の姿勢を崩さないとみられる。

(みなと新聞 2014年8月29日の記事より)

<産地市況> 養マダイ・・・1~2㌔30円下げ650円 消費鈍り在池も潤沢

愛媛県産養殖マダイの8月下旬の産地相場は、1尾1~2㌔サイズで㌔当たり650円。消費の動きが良くないことなどから盆明けに30円下げた。相場は弱含み。養殖マダイの産地相場は今年1~2月は1~2㌔のオールサイズでキロ700円台だった。3月に680円に下げたが保合い相場が8月中旬まで続いた。相場の下げは末端での消費があまり良くないことや在池が潤沢なことなどが影響している。県漁連の担当者は「1~2㌔の全てのサイズで650円。盆明けに30円下げた。消費の動きが良くない。今後1.8~1.9㌔サイズが中心で出回ってくるが、相場は弱含み」と警戒している。

(みなと新聞 2014年8月29日の記事より)

【トラフグ資源対策:水産庁】 0歳魚種苗の放流強化
適地選択漁獲抑制も 親魚上回る減少深刻

漁業管理との連携がカギ
水産庁は、日本海から東シナ海にかけてのトラフグ資源の減少を問題視している。特に憂慮されるのが0歳魚。人工飼育した0歳魚種苗の放流を強化する方針だ。効果を上げるため、放流場所や魚体の状態に注目する。漁業管理の強化も資源回復に重要で、関係各機関との調整を進めている。トラフグ資源量の指標とされる下関唐戸市場での取扱量は1971~93年の600㌧以上から激減。97年以降は106~313㌧と低位で推移する。特に2006年以降は「親魚の減少以上に、0歳魚が増えないことが深刻」(水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所)。0歳魚が姿を消した原因は不明とされる。種苗放流や漁期規制、全長制限が行われてきたが「資源量回復の兆しはない」(同)。思うように資源は回復しないが、研究から種苗放流の効果を上げる方法が分かってきた。尾びれの欠損がない7㌢以上の個体を、天然トラフグの成育場に放流する・・・という条件を満たすと、放流した個体を再度捕獲できる割合が向上。全放流のうち、条件を満たした放流の割合は12年の163万尾中66%。現状の放流を続けても、資源の減少は止まらないと予想され、放流のさらなる条件改善が求められる。水産庁栽培養殖課は、15年度にトラフグの種苗放流予算を得られるよう努める。日本海、瀬戸内海、東シナ海のトラフグは同一の系群とされる。これらの海域から資源回復に効果的な放流場所を選び、的確な放流量を考えることが重要。今年度中から関係各府県、漁業者、栽培漁業法人と調整を進めていく。放流の条件改善に加え、水産庁は、漁獲抑制が資源回復の効率を上げるために重要と考えている。今秋には、トラフグの生息する20府県で資源管理について話し合う予定。未成魚を中心とした漁獲抑制に向け動いている。有明海や瀬戸内海には産卵場や成育場が多く、0歳魚が多獲される。これらの海域での漁獲抑制も資源回復に向けた鍵になりそうだ。

(みなと新聞 2014年8月29日の記事より)

<日本水産> 完全養殖、仔魚飼料も クロマグロ 成長性、肉質改善に自信

日本水産(細見典男社長)は今夏、クロマグロの完全養殖に成功。併せて、ふ化した後のマグロ仔魚への配合飼料の開発に業界で初めて成功した。
日本水産は、クロマグロで一般的な手法の自然産卵からの受精卵の採取に加え、出荷魚から採取した精子と卵による人工授精法の研究を進めてきた。2011年に人工授精によって得られた人工種苗由来のマグロから受精卵を採取。このほど、この受精卵から育てた成魚からの採卵ふ化を実現し、完全養殖に成功した。一方、クロマグロの種苗生産では、クロマグロ仔魚の飼料として、イシダイ、マダイ、シロギスおよびハマフエフキなどのふ化仔魚が必要とされてきた。1尾のクロマグロ仔魚は多いときで1日当たり1000尾以上のふ化仔魚を摂餌することから、大量のふ化仔魚の供給が必須で、クロマグロ種苗生産時の作業の煩雑さや高コスト化を招いてきた。日本水産は今回、クロマグロ仔魚の成長を促す特別な処理を施したプランクトンと微粒子飼料を新たに開発。50㌧水槽でふ化仔魚を全く使用せず、今回開発した飼料を使ってクロマグロ仔魚を飼育。25日齢時点で約1万尾の稚魚を2㌢程度まで成長していることを確認した。クロマグロの種苗生産では、受精卵の卵質で成長・生残が大きく左右される。日本水産は今後、新規餌料系列の再現性の調査、さらには成長・生残の向上が課題としている。3年後の実用化に向けて研究開発を継続していく。
独自製法で配合飼料生産
現在、クロマグロの育成には一般に生餌が使われている。他の養殖魚種と比べて圧倒的に配合飼料の導入が遅れているのが現状。日本水産は水産総合研究センターと共同で、クロマグロが好む餌の物性やクロマグロの摂餌行動を調査し、従来の養魚用飼料とは異なる形状の飼料の開発を続け、同社独自の製法と大量生産方式を確立している。13年度には佐賀県唐津市に新たな飼料生産設備を導入し、生産販売を開始しているが、今後、生産効率をさらに高め、需要に合わせて逐次増産していく予定だ。
持続可能性高め 安全安心な鮪供給
日本水産グループは国内マグロ養殖では国内第2位の規模を誇る。子会社の西南水産と金子産業で養殖、養蓄合わせて今年、2700㌧のクロマグロの生産を予定する。今回の完全養殖達成と仔魚用配合飼料の開発について日本水産は、「クロマグロ用配合飼料は、配合する成分を成長段階や出荷時期に合わせて設計することで、成長性や肉質の改善が期待できる」するとともに、「養殖場の環境負荷を低減させ、クロマグロ養殖の持続可能性を高めることで、安全・安心でおいしいクロマグロを届けていきたい」としている。

(みなと新聞 2014年8月27日の記事より)

<流通3団体スーパー売上高> 水産7月2.5%増加 土用ウナギ販売好調

流通3団体がまとめた全国食品スーパーの7月水産部門既存店売上高(速報値)は前年同月比2.5%増だった。「土用の丑(うし)のウナギ販売が、全国的に好天に恵まれ好調だった。」(新日本スーパーマーケット協会・増井徳太郎副会長)。全国285社を対象に調査した。既存店の総売上高は0.2%増。生鮮部門は青果が前年を下回ったが、畜産は8.1%増と大幅に伸びた。地域別の総売上高は関東、中部、九州、沖縄がいずれも1~2%伸びた。7月の中核店舗の景気判断DⅠ(213社、速報値)は現状判断が前月比1.8㌽マイナスの46.9。見通し判断も0.5㌽マイナスの44.7に低下した。日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会がまとめた。

(みなと新聞 2014年8月25日の記事より)

(丸福水産とICRAS) 超自然水で陸上養殖 UFB循環ろ過実証試験

【北九州】 日本の成長戦略の一翼を担う特殊技術とされる「ウルトラファインバブル」(UFB)を活用した閉鎖循環ろ過式養殖システム(特許出願中)の実証試験が、広島県尾道市のICRAS(伏見浩社長)で画期的成果を挙げている。同社と北九州市の丸福水産グループ(青木和茂社長)が共同で研究開発している新陸上養殖技術で、超自然的な洗浄・殺菌・水質浄化力を発揮するUFB機能を生かしたシンプルな構造で大幅なコストダウンを果たした。トラフグの場合、通常の飼育期間より10ヵ月短い14ヵ月で0.8~1㌔の出荷サイズに育つ。
フグなどで画期的成果
丸福・ICRASのUFB閉鎖循環ろ過式養殖システムは通常海水の溶存酸素量(DO)の3倍以上の20㎎/ℓの超過飽和酸素用水を一括循環し、飼育水槽内のDO値を10㎎/ℓの高レベルに保つ。酸素がみなぎる清浄な水環境の創出によって養魚の摂餌活性、健康・抗病性が増進し、成長、歩留まりを大幅に改善している。昨年10月からICRAS陸上養殖場で進めている実証実験では、①トラフグ0.8~1㌔級で14ヵ月(通常24ヵ月) ②オコゼ150㌘級で10ヵ月(14ヵ月) ③ウマヅラハギ250㌘級で11ヵ月(15ヵ月)・・・と、従来に比べて飼育期間を大幅に短縮できる方向にある。また、UFBの活用により、従来型の閉鎖循環式陸上養殖システムに常備される酸素溶解装置、炭酸ガス脱気装置、各水槽の給気装置、紫外線などの殺菌海水装置の設備が不要となる。このため、イニシャルコスト、ランニングコストともに大幅削減が可能となる。特に、UFBの過飽和酸素水が硝化バクテリアを活性化し生物ろ過機能を増強するため、リスクを伴う電解やオゾンなどの海水殺菌法に頼らず、無害な高濃度酸素水の循環で飼育水槽の窒素やリン、アンモニアなどを除去できる。UFBの特性として、多くの食品工場で認められている剥離機能が配管中の汚れを軽減し、水槽や配管の洗浄作業回数が減り、魚へのストレス、作業労力・人員の大幅削減も図られるという。

(みなと新聞 2014年8月22日の記事より)

(ノルウェー水産物審議会) サケ・マス市場開拓へ10億円 ロシア禁輸で緊急投資

【バンクーバー】 ノルウェー水産物審議会(NSC)はロシアの水産物禁輸を受け19日、対ロ販促活動を全面的に停止し、サケやトラウトの新市場開拓に6000万㌛(約10億560万円、以下㌛)を直ちに投じ、国内外の新市場拡大を目指す緊急販拡対策を行うと発表した。ノルウェー政府は先に水産業界に資金支援を公表しており、政府資金に今回のNSC追加販促費を上乗せする可能性が高い。ノルウェーにとってロシアは最大の水産物輸出国。2013年の輸出高は29万5000㌧、65億㌛に達した。特にサケ・マスは同国向け生鮮輸出の81%を占める。NSCは「特にノルウェートラウトはロシア市場の依存度が高いだけに禁輸の被害も大きく、早急にロシア以外のトラウト市場を開拓する必要がある」と焦りをみせる。ロシア禁輸で生じる“穴”を埋めるため、政府、業界一丸で新市場開拓に乗り出す格好だ。新市場のターゲットは日、米、仏、伊、独、スペイン、英国の各国とノルウェー国内を挙げる。また、浮き魚部門にも1500万㌛を投じる予定だが、ロシア禁輸が浮き魚市場に与える影響を見極めてから資金を投じるとした。NSCは「ロシア禁輸発表を見越し、水産業界と密接に連携し対策準備を進めてきた。ノルウェーが世界各国に配属する政府とNSC代表者らは、各国・地域で水産物市場を詳細に分析・調査し、販拡の知見を蓄積している。各部門と連携し、新市場の拡販効果を高めたい」としている。

(みなと新聞 2014年8月22日の記事より)
       

【九十九島漁協】 養トラフグ成長足踏み  在池数15%減 低水温、初出荷遅れか

【佐世保】 長崎県佐世保市の九十九島漁協(高平真二組合長)管内の養殖トラフグは現在、全体的に成長遅れが生じている。このため今冬の初出荷は11月中旬になる見込みで、前年に比べ1ヵ月ほど遅くなる見通しだ。在池尾数は前年同期に比べ15%減で推移する。同漁協が位置する同市は全国有数の養トラフグ産地。同漁協は所定の条件を満たすトラフグを「九十九島とらふぐ」とネーミングするなどブランド化にも取り組んでいる。佐世保地域の養トラフグの成育状況について同漁協の山村高義部長は、「海水温が低く、餌をあまり食べないため成長は足踏み状態だ。長引く雨も影響しているかも。県内はどこも同じような状況ではないか」と懸念する。
種苗20%減 見通せぬ販売
全国の養トラフグ種苗投入は今年、前年比18%減(全海水トラフグ養殖部会調査)で大きく減った。来年冬の2歳魚の産地出荷は前年比で大きく減る見通しだ。このような中、一大産地である県内の主要漁協は生産者に種苗投入の縮小を指導した。需給のバランスの適正化で相場回復を図る計画だ。九十九島漁協管内の養トラフグの在池尾数は現在、前年より約15%少ない約30万尾前後。2歳魚は95%、3歳魚が5%の割合だ。同漁協のブランドトラフグ「九十九島とらふぐ」の在池も同様で約15%少ない3万尾前後で推移する。同漁協によると、今年、管内生産者は種苗投入の減について山村部長は「本来、生産量を増やす予定だったが、販売拡大が見通せない現状ではやむを得ない」と話す。続けて「飲食店と協同した『九十九島とらふぐ佐世保で食べようキャンペーン』を今冬も市内で開催する。地元での普及促進はダブつく市場出荷の縮小になり、ひいては相場回復にも寄与するはずだ」と強調する。

(みなと新聞 2014年8月21日の記事より)

養トラフグ 種苗投入18%減  来冬出荷は大幅減か 相場回復へ一歩前進

全かん水のトラフグ養殖部会が行った種苗投入日数の聞き取り調査で、2014年度養トラフグの全国種苗投入尾数の大枠が判明した。投入尾数は前年度比18%減の約507万尾と大きく減少、このため来年冬季の2歳魚の産地出荷は大幅に減る見通しだ。養トラフグ生産者は「相場回復へ一歩前進した。来年冬季は相場が回復する可能性が高い。今後、冷凍物の在庫を極端に増やさないことが大事」と話す。養トラフぐの平均相場は今年初め、空前の安値を記録。主な原因に需給バランスの崩壊が挙げられる。養トラフグの主要産地は3年前の11年、翌年の需要増を見込み種苗投入尾数を増やした。養トラフグは種苗投入から約1年半で約1㌔に成長、翌年冬季の需要期に出荷する。投入増は東京都のフグ条例改正での需要増を見越してのことだが、ふたを開けた翌年末の販売は空振りに終わり、市場にトラフグがあふれた結果、産地出荷が鈍った。同時に平均浜値は暴落し、売れ残ったトラフグで安価な冷凍物が増大した。12年度種苗投入は前年度より10%減ったが続く13年度は前年を9%上回る618万尾が投入された。相場低迷と安価な冷凍物が重荷となる中、今冬季の出荷を控える格好となっている。生産者筋は「今冬が最大の難関。全国在池量の2歳魚は現在、約460万尾でサイズは小さめ。今冬の2歳魚は1㌔以下が中心になるかもしれない」と懸念する。
3歳魚への切り替えも視野
近年、トラフグ需要は低迷している。要因としては08年のリーマンショック後の景気後退と、消費の柱を担っていた団塊世代の定年が大きく影響したとされる。時期を同じくしてトラフグを含む生鮮フグの輸入も大きく減少。04年に1250㌧あった輸入数量は08年には330㌧まで急落。11年以降はわずか50㌧前後で推移する。最大産地である長崎県トラフグ養殖連絡協議会の道下雅久会長は「今後は需要を十分精査した上での生産を心掛ける」とし、「冬季以降の価格回復に向け、今冬出荷予定の2歳魚を一部3歳魚に切り替えていくなど供給分散を図る案も現実味を帯びてきた」と話す。さらに、「需要拡大に向けて産地が率先して行動を起こすことが重要。中断していた東京都でのトラフグ普及活動も今年は復活する予定」と力を込める。 

(みなと新聞 2014年8月8日の記事より)

<近大チームが学会発表> ウナギ代替にナマズ有望  低コストで「だまされる味」

近畿大水産学科4年の和田好平氏は3日、東大での国際漁業学会で「我が国におけるマナマズ養殖の現状と展望」について発表した。多種のウナギが絶滅を懸念される中、マナマズは「ウナギの3分の1程度のランニングコストで大量生産可」(和田氏)。さらに同大の有路昌彦准教授は「100人食べれば、全員ウナギとだまされる味をつくる」と有望性を強調した。鹿児島県牧原養鰻では試験的に年間1㌧程度のマナマズを生産している。発表は、牧原養鰻への聞き取りを基にした。マナマズは人工種苗による完全養殖が容易。24度程度の高水温を好むため、鹿児島などの既存のウナギ養殖施設で飼いやすい。成長は速く2年間で3サイクル生産できる。結果、ランニングコストをウナギの3分の1程度に抑えながら安定的に大量生産できるとした。ウナギとナマズの皮には共通の粘り気成分が含まれ、焼いたときの香りが似る。マナマズは尾部以外の味がウナギと似ていないが、「皮の処理や飼料の工夫次第で、弾力や脂質含有など食味の部分はウナギと同等にできる」(有路准教授)。発表を受け、質疑応答では、マーケティングについての議論が盛り上がった。話題の中心は、泥臭さなどナマズの持つマイナスイメージへの対策。養鰻業者による安心安全の食味のPR、グルメイベントへの出展、小売店との大口契約、環境配慮型養殖の認証取得などさまざまな案が出た。和田氏はシラスウナギの激減や、ウナギ完全養殖のめどが立たない現状を指摘。「このままではかば焼き市場を維持するのは困難。池が余る養鰻業者が参入し、市場維持やシラスの過剰漁獲防止に役立てば」と語った。 

(みなと新聞 2014年8月8日の記事より)

<県水技センター予報> 岩手秋サケ低調漁必至か 震災年級主群、来遊尾数少なく

【釜石】 岩手県水産技術センターはこのほど、今年度の同県秋サケ回帰予報を発表した。来遊尾数(範囲)は、230万~607万尾(前年度実績529万尾)、7006~1万9925㌧(同1万5837㌧)と予測。同センターは「今年度は震災年級の2010年級が主群(4歳魚)で回帰する年。震災時、津波で甚大な被害を受けたふ化場が多かったことを考慮すると、回帰数量は予測の下限値に近づく可能性が大きくなり、昨年実績を下回る見込み」とみる。岩手の秋サケ漁は震災後、来遊資源量が少なく低漁況が続いていたが、昨年3年ぶりに1万㌧を超え、明るい話題をもたらした。しかし、今年は震災のあった11年に放流予定だった稚魚が回帰する年で、例年以上に回帰尾数が少ないことが予想されるという。また、4歳魚が前年よりも大幅に減少するため、5歳魚が4歳魚を上回る見通しだ。来遊の最盛期は例年並みの11月下旬になるとみられるが、「漁期中盤から後半を中心に回帰する4歳魚が津波で大きな影響を受けており、回帰のピークが早くなる可能性や、回帰量がピーク後に急激に減少する可能性がある」(同センター)。震災の影響を大きく受ける今年、来年は産地関係者にとって厳しい漁況となりそうだ。

(みなと新聞 2014年8月7日の記事より)

高品質・大型化を推進  13年目標3300㌧  種苗・飼料の安定確保も
【長崎県】 新マグロ養殖振興プラン

【長崎】 長崎県水産部は7月30日、新たな県マグロ養殖振興プランを発表した。今年から5年間(2018年まで)を見据え、高品質化と大型化、種苗と飼料の安定確保などを重要課題に揚げ、県内43のマグロ養殖業者と関係漁協17組合で構成する長崎県マグロ養殖協議会(財部安則会長)と連携協力しながら全国有数の養殖マグロ産地を維持する。昨年の県内マグロ養殖生産実績は全国2位の3070㌧、91億円。目標年となる18年には魚体大型化などで生産量3300㌧を目指す。
目標生産量は、過去の平均的な天然種苗確保量から推定される生産に加え、生産技術向上による出荷魚の重量増や、今後の高品質化につながる大型化を想定して算出。人工種苗による生産量は、種苗の量産技術開発や歩留まり向上など課題が多いことから、現状水準で目標に組み込んでいる。既存苗漁場の新規設定・区域拡大については、良好な漁場環境に維持に配慮しつつ、漁港漁場の事業と連携し積極的に対応する。また、県外に中間種苗として移送している養殖業者に対し、「本県漁場内で成魚に至るまで養殖する規模を計画的に拡大すること」を働きかけていく。県はマグロ養殖協議会と連携し、種苗や飼料の安定確保、PR・販路拡大などの推進と高品質な養殖マグロ出荷に向けた機器整備も支援。同時に今年3月に県が策定した「規格基準」に基づく高品質な養殖マグロの生産体制構築を進める。県総合水産試験場は、計画・安定的な採卵技術開発に向けて親魚養成や成熟誘導技術開発に取り組んでいる水産総合研究センター西海区水研の「まぐろ飼育研究施設」と緊密に連携し、人工種苗の量産技術開発を効果的に進めていく。また、得られた成果を基に、県内の種苗生産機関や養殖業者と連携して人工種苗の実用化に向けた実証試験などにも取り組む。

(みなと新聞 2014年8月1日の記事より)

水産庁 閉鎖式陸上養殖技術開発へ 費用対効果向上図る 高級魚への対応期待

水産庁は今年度から2016年度まで閉鎖循環式陸上養殖の技術を開発する。人工イケス施設内で水を循環させるため、自然海水を使う海面養殖や掛け流し養殖より、水温管理が簡単。赤潮や自然災害、魚病などにも影響されづらく、計画的・安定的な生産が期待できる。一方、最大の課題はコスト面。省エネスペースなどの対策で、産業的に普及可能な次世代型の技術を目指す。現在、長崎と伊豆大島で2つのグループが、クエやトラフグを対象に開発を進めている。クエは水温が20度を切ると成長が悪くなるため、冬に水温が下がる海面養殖や掛け流し養殖では、ふ化から出荷まで3~4年を要する。一方、閉鎖循環式陸上養殖で水温を23度に保てば、飼育期間が2年で済み、生産性が上がる。トラフグは精巣(白子)の単価が高く、11~12月の鍋シーズンには「キロ当たり1万5000円になる」(水産庁研究指導課)。ただし、精巣が最も成熟するのは2~3月。11~12月には商品サイズに達していないことも多い。そこで閉鎖循環式陸上養殖が活用できる。夏期に低水温(17度)を保つと精巣の成熟が速まり、11~12月に高単価で出荷できるようになるのだ。「採算性向上は、閉鎖循環式陸上養殖のメリット」(同課)となり得る。水温などを人工的に管理するには電力などエネルギーが必要だ。「最大の課題はコスト面」(同課)。特に、水温管理のエネルギー費用は、閉鎖循環式陸上養殖のコスト全体のうち10%以上を占める。この削減に向け、安定性の高い水中温度をヒートポンプで水槽に伝え、水温を管理する方法を試している。また、魚類の飼育にはアンモニアなど有害物質の処理が重要となる。従来の微生物に分解させる方法が主だったが、今回の事業では電気分解の技術も研究。来年度には光触媒を用いた分解技術も実験する予定だ。電気分解や光触媒の長所は、狭いスペースで高い汚染処理能力を持つこと。短所は、電力の消費が激しいことで、「各技術をどう組み合わせるとコストを抑えられるか調べていく」(同課)方針だ。この他、センサーを用いて自動的に水温や水質の状態を察知・制御する仕組みも実験。より費用対効果に優れた養殖を実現するため、事業を進めていく。

(みなと新聞 2014年7月31日の記事より)

日鰻連・全鰻連合併へ  資源問題対応に意思統一

日本養鰻漁業協同組合連合会(日鰻連、白石嘉男代表理事会長)と全国養鰻漁業協同組合連合会(全鰻連、会長・村上寅美熊本県議会議員)は、合併に向けた動きを加速させている。日鰻連は6月6日、全鰻連は6月13日の総会で、統一を推進する決議を行った。合併時期について、全鰻連は「今年度中」と見通しを示す。全鰻連の村上会長は、27日に東アジア鰻資源協議会が開いたシンポジウムで「二団体が一つのものとして相互理解を得た上で、資源保護に取り組みたい」と述べた。資源問題への危機意識の高まりが背景にある。「ウナギ資源の諸問題に迅速に対応するため意思統一が必要」(日鰻連)。「合併により、生産者を守るため関係省庁への陳情もしやすくなる」(全鰻連)。合理化による経費節減など会員の負担軽減も図る。合併協議は昨年9月20日から始まり、第2回の協議からは水産庁も参加している。次回の協議は8月後半に開く予定だ。

(みなと新聞 2014年7月31日の記事より)

養殖生産を自主管理 水産庁呼びかけ 業界、社会法人設立へ

ウナギ資源管理の機運が高まる中、水産庁の呼び掛けで、養鰻業界が国内養鰻生産量を自主管理するための社団法人を設立する。代表者、設立時期、加入者、生産管理方法などの詳細は「今年9月以降に決まる」(水産庁)見通しだ。社団法人の設立は5月の日本、中国などが参加した「ウナギの国際的資源保護・管理に係る非公式協議」の結果を受けたもの。同協議は養鰻業界を含めた非政府機関による資源管理の枠組みをつくり、養鰻生産量の制限を行うことを決めた。

(みなと新聞 2014年7月31日の記事より)

【マルエツ】 ウナギ資源継承を 製品1点10円 鹿児島の団体に寄付

マルエツは25~29日に販売するウナギ製品1点につき10円を「鹿児島県ウナギ資源増殖対策協議会」へ寄付する。今年6月に国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを絶滅危惧種(ⅠB類・近い将来野生での絶滅の危機が高い種)に指定。日本の伝統的な食文化であるウナギを継承するために実施する。リーフレットの配布による啓発活動も行う。同協議会は漁業者、生産者、学識経験者らで構成。ウナギの採捕期間制限、生育の調査や研究を行っている。寄付日は29日の予定だ。

(みなと新聞 2014年7月28日の記事より)

【キッツ】 電気で海水をろ過 陸上養殖に新技術 殺菌・脱臭能力も

陸上養殖の循環海水を電気でろ過する技術を24日、バルブ製造会社のキッツ(千葉県)が東京都内で発表した。ろ過装置「キッツリサクア」は酸化反応を促進させるラジカルを精製。魚が排出するアンモニア(NH3)を瞬時に酸化させ、水と窒素ガス(H2O+N2)に分解する。従来の生物ろ過に比べ機械的なメンテナンスで管理できる。殺菌、脱臭能力もあり「紫外線殺菌装置、抗生物質や合成殺菌剤などの薬剤投与を抑えられる」(岡田毅史・同社経営企画本部事業開発部長)とアピールする。同社はキッツリサクアの実証試験結果を紹介し、有用、安全であると強調する。同技術を使った場合、100万尾の稚エビ生存率は2倍の36%に向上。ヒラメ養殖では、14日間で20尾の平均体重が1割増えた。同技術は省スペースで使えることも特徴。生物ろ過の占有面積が養殖エリアの通常3割であるのに比べ、同技術は1割で足りるという。生物ろ過は「バクテリアの管理が必要で、低水温時に分解速度が低下する問題があった」(同)と指摘する。

スマート養殖提案 情報収集・分析
同社は養殖場を遠隔監視し情報を収集・分析、養殖業に生かす「キッツスマート養殖」も提案する。キッツリサクアを使い養殖場を遠隔管理。集めた情報から適正水温、養殖ノウハウを生産者に提供する。「需要の高い魚種があれば生産者にその魚の養殖を勧める」(同)とし、高効率な養殖を行うため生産者に対しオペレーションも行う。岡田部長はキッツリサクアがあれば都市部の地下や砂漠地帯などあらゆるところで養殖可能。いつでもどこでもおいしい魚を提供できる」とPR。市場規模は2050年度までに5000億円になると見込む。16年度までに事業化する予定だ。

(みなと新聞 2014年7月28日の記事より)

【兼升養魚漁業生産組合】 アユ養殖日本一へ布石 加工施設など完成式典

【愛知】 アユ養殖大手、兼升養魚漁業生産組合(愛知県豊川市)の豊川加工センターの渥美分場の完成、組合設立45周年を記念した式典が20日、同センターで開かれた。取引先や両施設の工事・機械業者など約150人が出席し、組合の新しい舞台への門出を祝った。井澤茂組合長はあいさつで45年の歴史を振り返り「何度も廃業を考えたことがあったが、今日まで続けてこられて良かった。これから年間700㌧以上を生産し、アユ養殖全国一を目指したい」と意欲をみせた。来賓の東海農政局の塩川白良次長、山脇実豊川市長、豊川信用金庫の日比嘉男会長が期待の祝辞を寄せた。日比会長は「豊川からこうした立派な企業が生まれるのは大きな喜び。世界へ歩んでいくことも頼もしく思う」とエールを送った。豊川加工センターと渥美分場の完成を記念したテープカットと組合設立45周年を祝い鏡開き。築地魚市場の吉田猛社長の乾杯発声で懇親会を開いた。懇親会は、センターに導入した加工機械で作ったアユの開きの料理などが出され、出席者から注目を集めた。中締めは愛知県淡水養殖漁協の小堀彰彦常務が行った。物流・加工施設「豊川加工センター」と5ヵ所目の養殖場「渥美分場」は、農林水産省の「6次産業化整備支援事業」の補助を受け昨年着工。組合は両施設を活用したアユの増産と、加工事業に着手する予定だ。

(みなと新聞 2014年7月25日の記事より)

【海洋政策研究財団】 国際的な養鰻業管理で資源保護を
宮原水研センター理事長講演

水産総合研究センターの宮原正典理事長は23日、海洋政策研究財団主催の「第113回海洋フォーラム」で講演し、ニホンウナギの国際的な資源管理機構の創設やトレーサビリティーの向上に意欲を示した。テーマは「レッド・リストに載ったニホンウナギ~その適切な資源管理について」。業界関係者など80人が参加した。宮原理事長は「現在、日本、中国、韓国、台湾、フィリピンの5ヵ国で行っている『ウナギの国際的資源保護・管理に係る非公式協議』を発展させ、ウナギ資源管理の国際組織をつくる」と国際的な資源管理機構の創設への動きがあると説明。さらに、「この組織が承認したウナギに貼るラベルを作成し、トレーサビリティーを向上させたい。乱獲によるウナギは食べないという動きをつくる」と消費者への働き掛けにも意欲をみせた。宮原理事長は、養鰻業の管理を通して資源保護を図ることを強調。理由に「年間1億尾に上る国内消費を完全養殖でまかなうのは難しい」と指摘した。また、2007年にワシントン条約附属書Ⅱに登録されたヨーロッパウナギのシラスがEU諸国から中国に密輸されており、管理の困難さを説明。「養殖の池入量と生産量を管理することでニホンウナギの資源保護を進める。今やらないとウナギは戻ってこない」と危機感を募らせた。

(みなと新聞 2014年7月25日の記事より)

シラスウナギ 採捕・池入れ 過去最低から若干回復  価格低下も予断許さず

国内のニホンウナギ稚魚(シラスウナギ)の養殖池入れ量は今期25.7㌧と、前期(12.6㌧)から倍増した。シラスの国内今漁期(昨年11月~今年5月)採捕量は、過去最低だった前漁期(5.2㌧)から3倍の16㌧に増えた。輸入シラスの池入れ量も前期比1.3倍の9.7㌧に伸び、池入れ量増加につながった。シラスの取引価格は前漁期のキロ248万円から92万円に低下した。国内ウナギ稚魚採捕量は1963年の230㌧超をピークに激減している。今漁期の採捕量回復で豊漁報道も加熱するが、水産庁は「資源が回復したと判断すべきではない」と断言。ニホンウナギ生息域各国と協調した過剰漁獲対策などを図っている。環境省は昨年2月1日に、国際自然保護連合(IUCN)は6月12日に、それぞれニホンウナギを絶滅危惧種として指定した。ワシントン条約締約国会議で国際商取引が規制される可能性も指摘されている。

(みなと新聞 2014年7月24日の記事より)

【アラスカ ブ湾ベニ】 前季比9割増で終漁 冷凍ドレス 2倍の2万㌧

【シアトル】 米アラスカ・ブリストル湾の今季ベニサケ漁がほぼ終漁した。最終漁獲は当初の薄漁予想から一転、前季比9割増の2900万尾前後となりそうだ。序盤の急な大量漁獲や小型偏重のサイズ組成で、冷凍ドレス生産は業界推定で同2倍強の1万8000~2万㌧まで膨らむ見込み。小型サイズは日本の定塩市場が主力仕向け先となるが、日本側は急いで調達する必要はないとの見方で一致する。

▦買い手市場に
ブ湾ベニをめぐる需給環境は一変した。ここ数年は漁獲が低空飛行する中で、缶詰、冷凍ドレス、フィレー製品とも米欧の根強い需要に支えられた。昨年は冷凍ドレス価格が過去最高を記録。魚価は前のシーズンに比べ5割高のポンド1.5㌦まで跳ね上がった。需給環境の変調の兆しはシーズン前からくすぶっていた。ブリストル湾地域水産開発協会から受託で調査会社・マクドウェルグループは「今年は加工業者にとって近年で最もリスクの高い年になりそうだ」と予測。新規参入による魚価向上の圧力や小型サイズの偏重、缶詰など主要製品の市況軟化を理由に挙げた。

▦小型サイズ4倍
「リスクの高い」環境は予想外の好漁に加え、「過去に例のないほどの小型サイズの割合」(主要パッカー)で現実味を増していった。平均魚体サイズは例年より1㍀小さい5.50~5.70㍀に小型化。ドレス換算で2/4㍀サイズが全体の4割を占めた。複数の情報筋からの推計に基づくと、今年の冷凍ドレス生産は1万8000~2万㌧になる見込みだ。前年は9000~1万3000㌧の推定で、2倍に膨らむ見通し。うち、2/4サイズは前季比4倍の8000㌧水準まで増えると見方が強まっている。

▦日本、だんまり
冷凍ドレス製品の価格交渉では、主要生産者は欧州勢に6/9でポンド4.80~4.75㌦、4/6サイズで4.30~4㌦で打診。一部で成約情報があるものの、「大相場は固まっていない」(主要パッカー幹部)状況だ。日本向けは一部パッカーが2/4サイズで2.80㌦を提示。日本側との成約情報はない。日本商社は「2.50~2.40㌦が妥当な水準」と指摘。だが、加工業者はポンド1.20㌦の魚価に生産コストを乗せれば、2.80㌦が限界としている。

▦定塩原料に波及
一方、ロシア・東カムチャッカは1万4000㌧の漁獲枠に対し、今季漁獲は1万㌧強にととまるとの見方が浮上。昨年は1万7000㌧の漁獲だった。S、SSサイズが全体の6~7割を占めるとみられる。仙台に搬入の約2000㌧の製品をめぐり、ロシア側と日本側の交渉が難航。一部はオーシャンランベースでキロ6.20~6.10㌦で妥結との情報があるものの、「全体が決まったわけではない」(日本商社)。ブ湾ベニの好漁は定塩の主力原料であるチリ産ギンザケにも波及している。カナダ・フレーザー河の豊漁予測も重しとなり、商社出し値はドレスの4/6サイズがここ2ヵ月でキロ870~800円まで下方修正した。

(みなと新聞 2014年7月23日の記事より)

【国産活鰻相場】 6月から値下がり 国内工場稼動も原料不足

5年ぶりにジャポニカ種シラス(ウナギ稚魚)の漁獲がまとまったため、国産活鰻相場は7月29日「土用の丑(うし)」を前に、前年同期比キロ1000円(2割弱)の安値で推移する。6月初めの市況急落によって「消費が伸び、量販店が売れると判断し、国内加工場が動き始めた。供給が足らない状況」(事情通)との指摘もある。同業者は「活鰻相場はあってないようなもの」と前置きしつつ、17日現在の国産新仔相場(5Pサイズ、池揚げ価格)を愛知県一色産でキロ4300円、宮崎産で4100~4000円、両産地とも東京着で5000~4800円のレベルと説明する。前年の6000~5800円に比べ、1000円ほど安い。国産活鰻相場は5月まで前年同期並みの高値を付けていたが、6月初めに需給バランスが崩れて1000円前後暴落した。ただし、一色で池揚げが順調に進んでいる一方、宮崎、鹿児島は「やや遅れている」(同)ため、国産活鰻相場は6月後半から「ちょっと強含んでいる」という。同業者は「29日に向け、もう上げも下げもないだろう」としつつ、「土用の丑を過ぎた瞬間、消費は落ちる。8月半ばに向けて一段下げ、9月半ばに向けてもう一段下げるか」とみる。なお、5Pサイズは5尾/㌔のため、1尾当たりの値下がり幅は200円。1尾1200円のウナギが1000円になったにすぎず、「大手コンビニの今夏の販売価格は(原鰻価格が高騰していた)昨夏とさほど変わっていない」との指摘も。

(みなと新聞 2014年7月22日の記事より)
       

完全養殖マグロ4000㌧増産へ
20年30万尾 稚魚量産  豊田通商、近大と連携

豊田通商が近畿大と連携し、2020年までに年間30万尾の完全養殖クロマグロ稚魚を量産する。現状の養殖技術で育てた場合、「年間10万本(4000㌧)の成魚を増産できる」(豊田通商)。国内のクロマグロ年間消費(約4万㌧)の1割に相当する。豊田通商が5月、長崎県五島市に完全子会社「ツナドリーム五島種苗センター」を立ち上げ、人工種苗から育てた親魚の受精卵を近畿大を通じて調達し、陸上水槽で稚魚(体長5㌢)になるまで育てる。近大の技術員が出向し、16年から稚魚生産を始める。初年は4万㌧を生産する。20年3月までに総額15億円をかけて50㌧水槽を16基を整備、同年には30万尾の生産規模に増やす。稚魚は豊田通商の完全子会社「ツナドリーム五島」(五島市)が引き受け、ヨコワ(30㌢)になるまで育てる。これまでき近大(和歌山・奄美)から船で稚魚を調達し、輸送中に50%が死んでいた。稚魚生産も新会社の下、五島で行うことで死亡率を減らせる。豊田通商によると、人工ヨコワの年間需要は40万尾。稚魚がヨコワに育つまでの生残率は50%のため、年間70万~80万尾の人工稚魚が必要となる。豊田通商(50万尾)と近大(40万尾)の生産分で国内の稚魚需要を賄えるようになる。「長期的視点で5~10年かけ、稚魚生産事業を成功させる」。豊田通商の加留部淳社長は16日、東京都内で会見。「将来は海外マーケットを視野に事業を展開し、日本の1次産業の活性化につなげたい」との考えも示した。

(みなと新聞 2014年7月18日の記事より)
        

宮城ギンザケ 5割高、震災前も越える   輸入物がけん引 加工筋、警戒も

水揚げのピークを迎える宮城県産養殖ギンザケの産地価格が例年にない高値で推移している。平均単価がキロ565円と前年比5割高。震災前の水準に比べても2割以上高い。今月10日までの水揚量は6387㌧。一部地域では8月上旬まで水揚がある見通しだ。今シーズンの養殖ギンザケの生産計画は約1万2600㌧と、震災前の10年度の85%まで回復する見込みだ。今シーズンは初水揚げがキロ1200円と過去最高価格となるなど、当初から輸入サケ・マスの相場高騰に引っ張られる形で高値相場を形成してきた。中旬現在、水揚げは1尾3㌔アップを中心に3.5㌔も交じる。シーズン当初、冷水塊が金華山周辺に入り込み、低水温時期があったため、石巻・女川など県中部は県北部に比べ成長が若干遅れている。3.5㌔アップは北部に集中している。浜高により、フィレーなど加工製品価格も高値が続く。現在の価格水準では製品価格はキロ1000円を超える。チリ産ギンザケをはじめ海外産サケ・マスも高値圏にあることから、価格の割に末端の吸い込みが良いという。しかし。この高値傾向に加工筋は「価格の割によく動いている印象だが、怖い価格水準と思う」という。アラスカ産ベニサケの漁獲状況に加え、国内でマーケットを失ったチリ産トラウトの搬入もある。秋口には競合するノルウェーサバも入ってくるなど宮城産ギンザケを取り巻く環境が変わってくるだろう。「高い価格を維持すればマーケットから置いていかれる可能性もある」と不安感もある。浜値は今後も大きく下がる要因はなく、500円台を維持したままシーズンを終了しそうだ。みやぎ銀ざけ振興協議会は6月から、神経締めしたギンザケを刺身商材に特化した「みやぎサーモン」として出荷する試みを始めた。池揚げしたギンザケを船上で脱血、専用工具を使って神経をつぶす。味や食感、色見が従来に比べ長く持つのが特徴で、刺身に特化したブランド魚だ。価格は相場に変わらず一律キロ850円に設定している。JFみやぎ志津川支所戸倉出張所は「好相場が続いている今だからこそ市況に左右されにくい、付加価値の高いブランドをつくっていく必要がある。今後、他の浜にも広がっていけば」と話す。

(みなと新聞 2014年7月18日の記事より)
       

【活鰻輸入動向】 3800㌧前後の見込み シラス好漁で内販下げる

今鰻年度の活鰻輸入量は3800㌧前後の見込み。昨年9月から今年5月現在の輸入量はジャポニカ種、欧州種以外のウナギを含め2504㌧で、少なかった前年同期を2%下回る。うち、台湾からの輸入は5月現在279㌧と前年同期比46%減。4年続いたシラス不漁で昨年をさらに下回る。一方、中国産は5月現在、5%上回るが2100㌧の通関量。今鰻年度、ジャポニカ種シラスが5年ぶりにまとまった漁獲となった。台湾は7㌧(前シーズン0.35㌧)、中国は45㌧(同3㌧)のジャポニカ種シラスが池入されたといわれる。ただ、これらのシラスが成鰻となって輸入されるのは年明け。台湾産、中国産とも今後8月までの輸入量は限られた数量となる。活鰻相場は5年ぶりのシラス好漁から相場を下げる。昨年末まで高値に張り付いていたが、好調なシラス漁獲から年明けは弱含みに転じ、3Pでキロ4500円から4000円、さらに5月には4000円を割り込み、6月には3500円となった。5Pも5700円の相場が年明け5400円となり、5月に5000円を割り、6月には3750円と4000円を割り込んだ。今後、国産新仔の価格に合わせて下げていくと輸入業者はみている。6月以降、8月までの台湾からの輸入量は約250㌧、中国からの輸入は1000㌧の見通し。今鰻年度の輸入は、ジャポニカ種以外も含め3800㌧前後になるとみられている。

(みなと新聞 2014年7月18日の記事より)
        

【製品輸入動向】 7・29丑へウナギ商戦本番! 5年ぶりシラス好漁で状況一変
新物輸入は9000㌧か   ジャポニカ種は10%余り

7月29日の土用の丑(うし)に向けてウナギ商戦はヤマ場を迎える。昨鰻年度まで4年続いたジャポニカ種シラスの不漁で、今シーズンの供給は国産および輸入物とも少ない。ただ、今シーズンのシラスが5年ぶりにまとまったひとで秋以降、来鰻年度の供給増が確定。先安観が先行し、8月までの供給が少ないにもかかわらずかば焼き、活鰻とも流通価格が下がった。価格は底を打ち、数量の不足感から再び値を上げているが、昨年に比べると価格は安く、来季に向け末端の消費も弾みがつくとみられる。
昨年までの4年続きのシラス不漁の影響で今鰻年度の製品輸入は9000㌧前後の見通し。かば焼きなど製品輸入は2007年の米国・FDA騒動、08年年初の中国冷凍食品事件で需要が急減。09年に不良在庫を一掃し、10年に輸入量が3年ぶりに増加した。しかし10年から続くジャポニカ種シラス不漁で11年以降再び輸入量は減少。最盛期7万㌧あった輸入量は昨鰻年度、1万㌧を切って7640㌧にとどまる一方、ジャポニカ種が減少した。今鰻年度も製品輸入は低調。特にジャポニカ種の輸入量は昨年にも増して減少している。昨年9月から今年5月現在の累計輸入量は6659㌧。前鰻年度同期を21%上回るが、全輸入量の中でジャポニカ種の占める割合は10%余りの状態。大半が仏種(アンギラアンギラ)ロストラータ種などが占めている。6~9月も数量は限られており、最終的には9000㌧前後にとどまるとみられている。国内の輸入かば焼き価格は1月まで高値で推移してきたが、シラス好漁から先安観が出て、3月以降下げに入った。無頭背開き70尾でキロ4300円だった相場は3月に3700円、4月も下げ、5月3100円と3ヵ月で3割近くダウン。ただ、3月以降、一気に下げたもののその後、不足感が出て持ち直している。当面、堅調推移が予想されている。

(みなと新聞 2014年7月18日の記事より)
       

【米アラスカ ブ湾ベニ終盤】 予想上回る2000万尾超 小型中心、日本向けも

【シアトル】 米アラスカ州ブリストル湾のベニサケ漁が終盤を迎えた。1日当たりの漁獲量は6月25日から11日連続で100万尾超えを達成。今月6日は90万尾まで落ちた。ポートモーラー指数は後続の来遊を予感させる動きもあり、最終漁獲量は2500万尾を超える可能性がでている。
6日時点の累計漁獲量は2008万尾と、同州漁業狩猟局の期前予想を既に超えた。日量漁獲は例年、7月4日にピークを迎える。今年も6日には100万尾割れとなり、今後は徐々に下火になる見通し。魚体サイズは依然として小型中心。ドレスの2/4サイズは供給過剰感が強い一方、小型はロシア産との競合。ポンド3ドルを下回る2.70~2.60ドル、キロ700~650円で日本向け価格を探る動きも一部出始めた。日本側はロシアに加え、カナダ・フレーザー、ピュージェット湾が控え、「全く焦ることはない」(大手商社)としている。

(みなと新聞 2014年7月9日の記事より)
       

ウナギ資源保護促進 都内でシンポ 管理、生息環境改善へ

東京水産振興会と漁業情報サービスセンターは7日、東京都内で第23回「食」と「漁」を考える地域シンポジウム「ウナギと日本人」を開き、90人が参加して資源管理や生息環境整備などについて意見を交わした。全国で生息環境改善の動きが始まっている一方、内水面漁業振興法で養鰻業の管理が可能になったなど資源管理強化の機運の高まりが報告された。
東京水産振興会の渥美雅也専務は「ウナギを多く食べる日本人は資源についてもっと知るべき」とあいさつ。全国鰻蒲焼商組合連合会の涌井恭行理事長は「ウナギ資源を守るため、安売りし過ぎず大事に売っていこう」と呼び掛けた。月刊日本橋の堺美貴代表取締役は「大量生産・消費に歯止めを」、日本養殖新聞の高嶋茂男取締役は「ウナギ業界にもさまざまな立場の人がいる。業界一丸となった議論を」とそれぞれ主張した。水産庁の太田慎吾漁場資源課長はニホンウナギ資源管理の取り組みを説明。「先月成立した内水面漁業振興法により養鰻業の管理が可能になった」と資源保全に意欲をみせた。コーディネーターを務めた漁業情報サービスセンターの二平章氏は「天然ウナギの生息環境改善のため国交省に働きかけることが重要」と主張。九州大農学研究院の望岡典隆准教授は「ウナギのすみかになる石倉や、簡易な魚道整備なら低コストで実現できる」と同氏らが鹿児島県で実施している取り組みの利点を述べた。NPOアサザ基金の飯島博代表理事は、茨城県霞ヶ浦での取り組みを紹介。ウナギが生息していた水源地の再生、魚道確保などを市民の手で行っている。常陸川水門の閉鎖に1970年代にウナギ資源が減少したとし、「ウナギが湖に入ってこれるよう、一時的な開門など柔軟な水門運用を自治体や国に提案している」と行政との連携の重要性も示した。全国内水面漁業協同組合連合会の御手洗真二業務課長は「全国で複数の漁業者が石倉を設置し、その周囲を禁漁にすることで資源管理を行っている」と報告した。

(みなと新聞 2014年7月9日の記事より)
        

【道秋サケ来遊】 4%減4060万尾予測 海域間でバラつき

【札幌】 昨年に続く4000万尾台も海域・地区間でバラつき・・・・・。道総研さけます・内水面水産試験場は4日、札幌市であった道連合海区漁業調査委員会で、今年の秋サケ来遊数(沿岸・河川捕獲を含む)を昨年実績比4%減の4059万6000尾と予測した。昨年来遊数は4212万3000尾。うち、沿岸漁獲尾数3868万5000尾。道漁連が集計する主に製品対象となる11月末までの漁獲量は約12万1000㌧だった。目回り次第だが、昨年を若干下回る水準が想定される。予測はこれまで同様に前年3年魚来遊数から今年の4年魚、前年4年魚から今年の5年魚の来遊数を推定するシブリング法に基づく。最近15年の年齢別来遊数データも参考にした。「昨年主群だった4年魚の来遊は海域や地区でかなり異なっており、今年の5年魚来遊予測に影響。全体として海区や地区でバラつきが大きい予測となった」(宮腰靖之研究主幹)という。海区別来遊予想は、オホーツク2052万1000尾(前年実績比10%減) ▽根室953万尾(14%増) ▽えりも以東495万1000尾(4%増) ▽えりも以西408万5000尾(11%減) ▽日本海150万8000尾(12%減)。

(みなと新聞 2014年7月7日の記事より)
        

【海洋大ら研究チーム】 EMSの診断法確立 エビ生産減に歯止めか

バナメイエビの生産量回復に光明・・・東京海洋大(岡本信明が学長)やタイ水産局などの共同研究チームは6月27日、バナメイの生産減に影響を与えている感染症「EMS/AHPND」の病原細菌・腸炎ビブリオの診断方法を確立したと発表した。EMSの早期診断が可能となり、エビの大量死を未然に防ぐことができる。昨年のような生産量の激減に歯止めがかかりそうだ。
EMSはエビの肝すい臓に変色などの症状をもたらし、壊死させる病気。稚エビ投入前や養殖中といったあらゆる場面で発生する原因不明の病だった。昨年7月に米国で腸炎ビブリオが原因だと明らかになり、研究チームが今年1月、病原細菌のゲノム解読に成功していた。研究チームの一員、同大大学院海洋技術研究科の廣野育生教授は「これまでの研究では1%ほどの偽陽性が出ていた。毒性を持つ遺伝子をさらに解析。PCR法で100%の精度での診断が可能となった」と説明する。廣野教授によると、診断は「1日もかからずにできる。最短4~5時間の診断も可能」という。稚エビの投入前や養殖中などあらゆる場面での診断ができ、大量死滅の前に池揚げするなど「早期の対処ができる」とする。抗菌剤を使用しない養殖もできるようになり、「薬品残留の懸念も払拭されるのでは」と期待を込める。今後の研究チームの展望として、廣野教授はEMSに耐性を持った種苗開発が必要との認識を示す。廣野教授は「早くて2年半ほとで開発が可能ではないか」と見通す。EMSの影響から、「養殖を控えていた現地業者が再び養殖できるようになれば」とも話す。廣野教授は「消費者は腸炎ビブリオと聞くと不安視するが、人間に害を及ぼす種類は限られている。安心してエビを食べてもらいたい」と強調している。

(みなと新聞 2014年7月7日の記事より)
        

【ヨンキュウ・コラーゲン鯛】 いわて生協で販促 味・身質の良さで販売好調

【一関】 ヨンキュウ(本社・愛媛県宇和島市、笠岡恒三社長)は6月28・29両日、いわて生活協同組合(本部・岩手県滝沢市、飯塚明彦理事長)のコープ一関コルザ店で今年1月から出荷を開始したブランド魚「コラーゲン鯛」の販促キャンペーンを実施した。刺身向けのフィレーなど対象商品にピンクを基調としたシールを添付し、販促用のぼりを設置するなどして来店客にPRした。現在、いわて生協は一関店を含め複数店で「コラーゲン鯛」を販売している。ヨンキュウは豚由来のコラーゲン添加の配合飼料を与えて生産した養殖マダイの中でも特に成長、色身が良いものにタグ付けをして「コラーゲン鯛」として出荷している。出荷サイズは2㌔前後と一般的な養殖マダイよりも大きく、脂のりが良い上、味も濃いのが特徴。活締め出荷のため身質の持ちも良い。食味の面だけでなく歩留まりが高く、スライスがしやすいなど販売面のメリットも大きい。健康や美容に良いとされるコラーゲンの名称をブランド名に入れ、中心購買層である女性、主婦にアピールする。新しいブランド魚のため知名度はこれからだが、母の日だけでなく、父の日にも順調な販売となるなど、末端の反応は上々だ。今回の販促キャンペーンはメフレ(岩手県丹沢郡金ヶ崎町、塩谷康之助社長)と協力して実施。刺身スライスの他、湯引きのフィレーやカルパッチョなど生食向けを中心に提案。売り場では女性客を中心に関心を集めた。同店によると「一関地区はマダイがよく動く地域。その中で『コラーゲン鯛』は他産地の養タイと比べ割高ではあるものの、お客さまの反応が良く、ほとんどロスがない。味、身質の面で評価されているのだろう」という。ヨンキュウは今年度、「コラーゲン鯛」を年間10万尾程度(活締め)の出荷を見込む。スーパー、量販店を中心に拡販する計画で、活締め物のラウンド形態の他、フィレー形態などでの出荷も手掛けていきたい考えだ。

(みなと新聞 2014年7月4日の記事より)
        

【ポルトガルのクリスタス大臣が表敬】 クロマグロ養殖に意欲 近大の技術協力仰ぐ

【大阪】 ポルトガルのアスンサォン・クリスタス農業・海洋大臣が2日、近畿大(大阪府東大阪市)を訪問、清水由洋理事長らに、近畿大のこれまでの養殖に対する取り組みについて説明を聞くとともに、ポルトガルに対する協力を求めた。クリスタス大臣は「近畿大の養殖の研究分野での努力に心から敬意を表する」と述べ、「近畿大が養殖の分野でいかに先端を行っているかがよく分かった。ポルトガルの研究所や大学が(近畿大の)出先機関のような形で、近畿大のクロマグロの養殖技術によって、ポルトガルでクロマグロの沖合養殖にトライしたい」と具体的な構想を明らかにするとともに、近畿大との協定締結の意思を強調。3年以内の実現に意欲を示した。ポルトガルは世界第2位の水産物消費国。1位がアイスランドで、3位が日本。漁業と養殖の割合は漁業96%、養殖がわずか4%。このため輸入量は膨大なものになっている。クリスタス大臣は「海洋国家にあるにもかかわらず、養殖の分野に手を付けてこなかったことを恥じつつ、持続的な海洋資源の開拓という意味で、海洋養殖にようやく力を入れていこうとしている」と述べ、「最終的な目標は、近畿大が行っているような(クロマグロの)完全養殖、そして、それを経済的な水準にまで引き上げていくことを目指している」と説明。「魚をベースとした国民の食生活を維持するためにも海洋養殖に力を入れざるを得ない、そういう国家戦略を策定したばかりだ」と養殖に対する注力が国家戦略に基づくものであることを強調した。ポルトガルの漁業関連の活動は「国家総生産の2.7%。2020年までに4%にしたい」(クリスタス大臣)。金額は70億ユーロで、「養殖、缶詰、保存、加工で(全体の)20%にしたい」(同)。

(みなと新聞 2014年7月4日の記事より)
       

【日本海老協会を設立】 9月15日にエビの日祭  1500億円の経済効果目指す

5月22日に設立した日本海老協会(会長・藤井務毎味水産会長)の藤井稚代理事(毎味水産通販事業部)は2日、水産庁記者クラブで会見し、「協会では漁師や市場、外食関係者などエビに関わる全ての企業を取り込み、水産業界を盛り上げ、日本経済を活性化させたい」と意気込みを語った。協会は9月の第3月曜日(敬老の日)に定めた海老の日をきっかけに、全国でエビ食を普及させる。「敬老の日はエビを食べる新しい文化をつくり、1500億円の経済効果を目指す」(藤井理事)。現時点で日本水産、うおいち、中央魚類、極洋、カルビーなどの企業が賛同している。9月15日には、全国の大丸松阪屋の生鮮売り場でエビを大々的にPRする「エビの日祭」を開催する。

(みなと新聞 2014年7月3日の記事より)
        

初の養殖エコラベル取得 消費者に安心・安全提供
丸栄水産(宮崎)  福山養殖(鹿児島)

丸栄水産(宮崎県串間市、大野隆由社長)と福山養殖(鹿児島県霧島市、小松正三郎代表)が全国初の養殖エコラベル認証を取得・・・丸栄水産「e-かんぱち」と福山養殖「さつま黒酢ぶり」を公益法人日本水産資源保護協会が認証した。両者は生産段階および流通加工段階でも認証。6月30日に認証証書授与式が宮崎市内と鹿児島市内であった。
養殖エコラベル制度は日本食育協会が今年2月に創設。養殖業者がラベルを取得し、商品が消費者に伝えられることで養殖水産物の安心・安全の確保につながり、養殖がさらに発展することが目的。国連食料農業機関(FAO)が定めた「FAO養殖認証に関する技術的ガイドラインの要求事項」に基づき審査する。
丸栄水産のe-かんぱちは宮崎県や鹿児島県の外郭団体や近畿大の人口種苗をエクストルーダペレット(以下EP)で一貫養殖する。残餌や海の濁りを最小限にとどめ環境負荷の低減。人工種苗とEPにより養殖履歴が明確で、レベルの高い食の安全を確保。さらに餌料効率が2~3%向上。現在は大阪、福岡、熊本の市場を通じ流通する。
さつま黒酢ぶりは錦江湾の湾奥で養殖。EP、無投薬で育て、環境負荷やブリの健康体を見極めた上、最適な尾数を放養している。イケスに防汚剤を使用せず、貝類や藻類を食べるイシガキダイを混養することで網の目詰まりを防いでいる。生産量の8割を輸出。
丸栄水産への認証証書授与式は、同協会の下村政雄専務が大野社長に認証証書を手渡した。宮崎県漁連の宇戸田定信会長や串間漁協の鬼塚荘次組合長ら業界関係者も出席し祝った。宇戸田会長は「業界を取り巻く環境は厳しいが、前に進む努力が必要。丸栄水産の取り組みは大きな一歩で業界の励みとなり、心強く思う」と激励した。大野社長は、「宮崎県漁連と連携し、まず宮崎県内で食べられるようにしながら全国に発信していきたい」と強調。「安心・安全、おいしさに『エコ』がこれからのキーワードに加わってくると思い、9年前から研究。認知度を高め、発展するよう努力する」と決意を述べた。今月からは養殖エコラベル認証をアピールしながら出荷する。来シーズン(12月~翌年1月)の出荷計画は10万尾。下村専務は「ロンドンオリンピックから“エコ”な食材を採用する動きがあり、e-かんぱちは東京オリンピックで採用される可能性がある。養殖エコラベルの認知度向上に向け業界には周知しているが、川下にもシーフードショー出展し、ブースを設けアピールしていく」と話す。大野社長らは同日、河野俊嗣宮崎県知事にも認証取得を報告。河野知事は「全国初は素晴らしいこと。県内でも食べられる、購入できるようにしてください」と要望した。

(みなと新聞 2014年7月2日の記事より)
        

【5月家計調査】 魚介類支出2%増 生鮮はマグロなど好調

総務省が発表した5月家計調査によると、全国1世帯当たりの魚介類支出は前年同月比2%増の6395円だった。マグロ、カツオ、サバが15%以上増えるなど鮮魚が好調。塩干魚介、魚肉ねり製品も伸長した。生鮮魚介の支出額は2%増の3780円。前年を上回ったのはマグロ15%増、カツオ19%増、サバ19%増、カレイ5%増、ブリ5%増、アジ1%増。貝類は全て前年を下回った。生鮮魚介の価格は11%高。タイ、ブリ以外は全て上昇した。購入数量は8%減。マグロ、カツオ、カレイ、サバ、タイ、ブリを除く魚種は減少した。塩干魚介の支出額は3%増の1180円。塩サケ8%増、シラス干し1%増だった。魚肉ねり製品の支出額は2%増の610円。ちくわ4%増、かまぼこ5%増だった。その他の水産物は魚介のつくだ煮が17%増。寿司は2%増。ウナギのかば焼きは前年割れが続いている。生鮮肉類は11%増、生鮮野菜は6%増だった。食料品全体の支出額は3%増の7万6468円。集計世帯数は7676世帯。

(みなと新聞 2014年7月1日の記事より)
        

【統計】 4月の1世帯当たりの支出 魚介類支出、対前年同月比99%

(東京) 総務省が行う家計調査での1世帯当たりの食料支出(2人以上の世帯)の4月の調査結果が発表された。消費支出が30万2141円で対前年同月比99%、食料支出が6万9378円で同98%となっている。品目別に見ると、穀物が5595円で同87%と大幅に減少した。また、外食は1万3160円で同103%と増加している。魚介類は6082円で同99%とほぼ横ばい。魚種別に見ると、アジ(同123%)、イワシ(同120%)、マグロ(同117%)、タイ(同110%)などが大幅に増加した。一方で、サンマ(同79%)、カニ(同79%)、エビ(同87%)などが下落した。

(養殖ビジネス 6月号の記事より)
        

【資源減の太平洋クロマグロ】 種苗安定生産へ一歩 陸上で産卵・ふ化成功

資源減少が著しい太平洋クロマグロ。水産総合研究センターや近畿大などの研究チームは5月、水温や日長などの環境条件をコントロールした陸上水槽内でのクロマグロの産卵・ふ化に成功した。人工種苗を用いた、天然資源に悪影響を与えない養殖の拡大へ大きな一歩となった。近年、太平洋クロマグロの産卵親魚の減少が深刻化。北太平洋マグロ類国際科学委員会(ISC)によると、親魚資源量は歴史的最低水準(1万9000㌧)に迫る。2012年の資源量は2万6324㌧で、直近のピーク(1995年)に比べ7割減っている。最大の原因は養殖種苗となる幼魚の過剰採捕とされる。過度な漁獲が続けばいずれ漁獲規制の強化、国際的なマグロの取引制限や市場衰退につながる懸念がある。そこで期待されるのが、安定した人工種苗の生産技術の開発だ。水研センターなどが取り組む研究は農水省・農林水産技術会議主導のプロジェクト(12~16年度)の一環。“陸上生まれ”の人工種苗10万尾を安定生産する技術の確立を目標にしている。

生産に適切な光・水温を研究
これまで養殖種苗は半数以上を天然種苗に頼ってきた。現在、残りを人口種苗で賄うが、水温や日照時間が変わりやすい海水イケスを使うため、生産は不安定。今回のプロジェリトは環境をコントロールできる陸上水槽を使い、種苗生産を安定させる狙いだ。同プロジェクトは長崎県の陸上水槽で5月16~17日に親魚から1万5400粒を産卵させ、同18日にはうち7840粒をふ化させることに成功。産卵に参加する個体の割合、個体ごとの産卵量・産卵回数などを調べながら、種苗生産を安定化させるための条件を16年度まで研究する。「クロマグロが安くなる」。今回のふ化成功で、一般のテレビや新聞からはクロマグロ相場の値下がりを期待する報道が目立った。だが、プロジェクトの目的はあくまで天然資源を守り、食料を安定的に確保すること。日本のマグロの食文化を未来に残すことこそが、研究の大きな意味だ。

(みなと新聞 2014年6月25日の記事より)

【水産庁】 養殖量を規制 「過去3年平均」の上限検討

絶滅が危惧されるニホンウナギの資源管理を強化するため、水産庁がウナギの年間養殖量について、過去3年の平均値を上限に規制する方向で検討していることが12日、明らかになつた。ニホンウナギの捕獲や養殖を行う中国、韓国、台湾などとの共通ルール化を目指し、本格的な調整に入る。国際的にも不漁が続いた近年の数値を基準に枠組みづくりを主導し、世界最大のウナギ消費国として資源管理を徹底する姿勢を打ち出す。日中韓台の4ヵ国・地域はウナギの資源管理に関する5月の非公式協議で、ウナギ養殖量に上限を設ける方向でおおむね一致。9月の次回会合で、政府レベルで合意が得られれば、養殖業者ら民間の自主規制ルールとして具体化を図る方向だ。ただ、養殖量の減少が日本以上に激しい国もあり、対象期間の設定などで綱引きも予想される。日本のウナギ養殖量は例年2万㌧程度で推移し、ほとんどが稚魚のシラスウナギを捕獲、輸入して育てたもの。ただ、シラスウナギの不漁で2012年は1.7万㌧、13年は1.4万㌧に減少した。14年は回復傾向にある。ウナギは近年、乱獲で資源量が激減。環境省が13年に絶滅の恐れがある「レッドリスト」に指定したのに続き、国際自然保護連合(IUCN)も12日、絶滅危惧種に指定。今後、価格の高騰や国際取引の規制といった事態も懸念される。

(みなと新聞 2014年6月16日の記事より)

【全鰻連 村上会長】 国内外の対策強調 アジアで枠組み

【熊本】 「ニホンウナギの持続的利用を確保していくためには、国内外での資源管理対策の推進が必要」・・・全国養鰻漁業協同組合連合会の村上寅美会長は国際自然保護連合(IUCN)の最新版のレッドリストにニホンウナギを絶滅危惧IB類に掲載されたことを受け、13日の通常総会の前に会見した。「東アジア地域による国際的な資源管理の枠組み構築に向け取り組みつつ、国内シラスウナギの採捕、親ウナギの漁業、ウナギ養殖に係る資源管理を三位一体で進める」と述べた。国内の資源管理方策として、採捕後のシラスウナギ流通の透明化や各県で異なる下りウナギの禁漁期間(9月または10月~翌年3月)を漁業調整規則、内水面漁業調整規則に基づき一元化へ全国に呼び掛ける。東アジアの協議状況を踏まえたウナギ養殖業者の資源管理措置も検討。国際的には日本、中国、台湾などの非政府機関によるウナギ資源管理の枠組みを設立。養鰻生産量の制限により資源管理に取り組む。村上会長によれば、日本のウナギ養殖に必要なシラスの量は25㌧で、ここ数年不漁で多く見積もっても10㌧しか獲れず、約60%を輸入。輸入できなければ、消費の3分の1しか養殖できない。「ウナギは庶民に高根の花になってしまっては困る。ワシントン条約に議題にならないよう、ニホンウナギについては何が何でもアジア一体となって守る」と力説した。会見は日本養鰻漁業協会組合連合会の白石嘉男会長、全国鰻蒲焼商組合連合会の涌井恭行理事長らも同席。涌井理事長は「ウナギ資源がなくなると専門店はのれんを下ろさなければならなくなる。短期的に見ると供給量が細り、困ることもあるが、資源を保護することが必要だ」と力説した。

(みなと新聞 2014年6月16日の記事より)

【ウナギレッドリスト】 林農水相 資源管理を加速 「規制に直結せず」

林芳正農林水産相は12日記者会見し、ニホンウナギが絶滅の恐れのある生物を対象とした国際自然保護連合の「レッドリスト」に掲載されたことについて、「レッドリスト掲載の有無にかかわらず、(稚魚の)シラスウナギの漁獲量は低迷しており、対策は急務だ。資源管理を加速したい」と述べた。林農水相は同時に「規制に直結するものではない」と指摘し、「ウナギは国民の食文化に深く定着しており、関連産業も多岐にわたるので、影響が出ないよう取り組みたい」と語った。

(みなと新聞 2014年6月16日の記事より)

【資源】 IUCN ニホンウナギを絶滅危惧種IB類に指定

(スイス) 6月12日、国際自然保護連合(IUCN)は、絶滅の恐れがある野生生物を指定する「レッドリスト」最新版でニホンウナギを絶滅危惧種に指定したと発表した。法的な拘束力はないものの、野生生物の国際商取引を規制するワシントン条約に強い影響力を持つことから、2016年に南アフリカで開催される「ワシントン条約締約国会議」でニホンウナギが規制対象となる可能性がある。IUCNはニホンウナギを「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い生物」である絶滅危惧IB類に指定。既にワシントン条約に掲載されているヨーロッパウナギと同じ附属書Ⅱに掲載された場合、商業取引の際、輸出国が発行する輸出許可書の発給を受ける必要がある。ニホンウナギやヨーロッパウナギの資源量が減少した影響で異種ウナギの取引が増加、漁獲圧が高まっていることから、今回、IUCNはニホンウナギを含むウナギ属8種を新たに評価した。特にバイカラウナギは「現段階では絶滅危惧度は小さいが『絶滅危惧』として上位ランクに移行する要素を有するもの」を指す「準絶滅危惧種」に指定されている。国際環境NGO「グリーンピース」は国内のスーパーマーケット15社を対象に、2014年6月2~9日にかけてウナギの調達方針に関するアンケート調査を実施。回答のあった12社を11日に公表した。中でも大手スーパーの西友は「ワシントン条約の対象種の取り扱いを禁止する」と回答している。

(養殖ビジネス 6月号 2014年6月12日の記事より)

ウナギ“豊漁”に引き締め 水産庁「資源回復不十分」 多国・多業種間の協力が鍵

今年4月23日時点で、今漁期の国内シラスウナギ養殖池入れ量は23.2㌧だった。過去最悪の前漁期に比べ1.8倍の数字。しかし、水産庁栽培養殖課は「漁獲面と環境面でさらに保全が必要」と危機感を持って資源管理対策を進めていく考えだ。国内のシラス採捕量は1963年の230㌧余りをピークに激減した。84年以降は10~30㌧で推移し、2010~13年は10㌧未満。特に13年は過去最少の5.2㌧にとどまった。今季の漁獲が昨期より改善しても、「資源が回復したと判断すべきではない」(水産庁)。水産庁はウナギ減少の原因を主に、①過剰漁獲 ②河川環境悪化 ③海況変化・・・と分析。特に過剰漁獲への対応に注力している。

国内流通透明化へ 業界団体設立
国内では一部で密漁が報道され、生産量や流通ルートなどの実態も不透明だ。水産庁は昨年9月、シラス採捕の縮減、シラス採捕者への採捕量と出荷先の報告義務付けなどを行うよう各都道府県知事に通知。国内の全養鰻業者を束ねる業界団体の設立・実態の透明化も目指している。

各国歩調そろえ漁獲の抑制を
ニホンウナギは東アジア各国の河川に広く生息。各国のウナギは同一の海域に集まって繁殖する、一つの群だ。過剰漁獲防止には各国が強調して漁獲量を抑える必要がある。だが、現状は「意思統一は不十分」(栽培養殖課)な状態にある。水産庁は漁獲や養殖生産量の制限について、中国、台湾、韓国、フィリピンと交渉を開始している。インドネシアやマレーシア、ベトナムにも参加を呼びかけており、次期シラス漁が始まる11月までに合意を目指す。

輸入規制の難しさ 国内産業に影響も
日本は全世界のウナギの7割を消費するとされる。資源保全のためワシントン条約で輸入取引規制を求める声もあるが、現場への影響が大きく賛否が分かれる。仮にワシントン条約付属書Ⅱに記載された場合、国際商取引には輸出入両国からの許可が必要。ウナギは生息範囲が広く資源量が不明確なので、許可の発行が難しいとみられる。条約記載が実質的な国際取引禁止になりかねない。わが国のウナギ輸入関連産業の規模を考えれば「条約記載は良い方法ではない」(同)。水産庁としては漁獲や生産の規制を目指す姿勢だ。

河川環境改善へ 国交省などと連携
河川環境を見直すには水産庁単独ではなく国交省や環境省などと連携が必要で、今は「情報を共有しつつある」(同)段階。工事で魚道や隠れる場所を確保する配慮は始まったが、ウナギに適した環境はいまだに限られている。

長期戦の覚悟必要 大切に食べる
ウナギ資源の回復は課題が多く、解決には時間を要する。今年の豊漁報道を受け、同庁栽培養殖課にはウナギの値下げの問合せが相次いだが、担当者は「本来、簡単に値が下がるものではない。しっかりとしたものをしっかりした値段で買って、大切に食べてほしい」と訴えている。

(みなと新聞 2014年6月4日の記事より)

ウナギ養殖 許可・届け出制に 自民承認 今国会で成立目指す

自民党の水産部会、環境部会、国土交通部会は2日開いた合同会議で、内水面漁業の振興に関する法律案を了承した。同法案は、ウナギ養殖業を許可制や届け出制にする施策を含んでいる。今年の通常国会での法案成立を目指す。
ウナギ資源の減少を受け、超党派でつくる内水面漁業振興議員連盟が議員立法したもの。宮越光寛議連幹事長(自民党衆院議員)は「ウナギ養殖業はこれまで法的な枠組みが全くなかった。今後、ニホンウナギがワシントン条約(CITES)に指定される可能性もあり、届け出制度、許可制度をつくっておく必要があると考え、法案に盛り込んだ」と訴えた。法案は内水面漁業の振興に関する施策を総合的に推進し、内水面漁業の生産力を発展させ、国民生活の安定向上や自然環境の保全に寄与することを目的としている。第26~34条では、①指定養殖業について農水大臣による許可制度の創設 ②届け出養殖業について農水大臣への届け出制度の創設 ③指定養殖業者や届け出養殖業者による実績報告書の農水大臣への提出・・・など、ウナギ養殖業を念頭に置いた施策を充実させた。水産庁の本川一善長官は今年のニホンウナギ稚魚の池入れ量を「前年より回復したが、資源的には危機的な状況」と説明。国際的な動きについては「国際自然保護連合(IUCN)はウナギ属全種を全滅の恐れがある生物種のレッドリストに掲載しようとしている。レッドリストに指定されると、CITESに掲載される心配が出てくる。2016年にCITESが開催されるが、それまでに一定の管理措置を取らないと」と法案成立に期待を示した。

(みなと新聞 2014年6月4日の記事より)

【日本鰻輸入組合】 中国産かば焼き 価格値下げ続く

中国産かば焼き価格の下げが続いている。シラス漁の復調で先安観が強まったためだ。昨秋以降、キロ3800円(無頭背開き・10㌔版50尾)前後で推移していたが、2月後半から下げ始め、幅はあるものの、2割程度の安価となっている。28日、東京都内であった日本鰻輸入組合の総会で、森山喬司理事長は「供給は多くない」としながらも、国産新物が本格化する秋以降の供給増を見越し、「輸入業者だけでなく、中国の加工場、養鰻場」が売りを急ぐ一方、需要家は一段の安値予想もあり「手をこまねいている」という。ただ、現状は「特殊な混乱」とも指摘。価格水準の修正で、「3年間で3分の1」に落ち込んだとされる消費拡大が期待される。9月を越えれば「希望が持てるのでは」との見通しも示した。

(みなと新聞 2014年5月30日の記事より)

【愛知・兼升養魚】 アユ加工施設7月完成 養殖場も新設し増産へ

【愛知】 養殖アユを生産する兼升養魚漁業生産組合(愛知県豊川市)は、7月にアユの加工センターを同市内に新設する。新たな養殖場も同県田原市に設置し、アユの生産を拡大する。同組合によると、アユの養殖業者が持つ加工場としては最大規模になるという。両施設は農林水産省の「農山漁村6次産業化対策事業」の補助金を一部受け、昨年から建設していた。養殖場の新設により、現在の年間600㌧から将来的に1000㌧への増産を目指す。「豊川加工センター」は東名高速道路や小坂井バイパスに近く、物流の利便性が高い立地で、敷地面積は約3000平方㍍。HACCPに対応し、衛生管理の対策を施した設備となる。一方、養殖場で5ヵ所目となる「渥美分場」は約4200平方㍍。22面の養殖池を設置する。初年度は年間200㌧を生産する。養殖アユ業界では、かつて主要な生産地だった徳島や和歌山などで業者の廃業が相次ぎ、愛知と岐阜の大手業者による寡占が進んでいる。兼升の他の大手業者も養殖場の増設を行っており、今後一極集中が加速するとみられる。その中で兼升は加工場の新設で加工度の高い製品を生産し、付加価値向上による差別化を図る考えだ。

(みなと新聞 2014年5月28日の記事より)

【水研センター】 クロマグロ陸上採卵に成功
種苗安定生産へ「第一歩」

人工種苗の安定生産へ第一歩・・・
水産総合研究センターが、水温や日長など環境条件を制御できる陸上水槽でクロマグロの採卵に世界で初めて成功した。今後、環境条件を変えて産卵数を更に増やしながら、DNA解析も行い、安定した採卵技術の開発につなげる。同センターが23日発表した。研究は長崎県の同センター西海区水産研究所長崎庁舎のまぐろ飼育研究施設で行われている。今回産卵したのは人口種苗から育てた3歳魚(28㌔)。大型陸上円形水槽2基(各63尾)で環境条件を制御しながら育てていた。16日午後5時50分ごろに産卵を確認。17日朝までに1万5400粒を採卵したところ、受精卵はうち9600粒だった。18日午前中には7840尾がふ化した。産卵時の水温は20.2度。日長時間は自然と同じ条件に設定した。現在、クロマグロの人口種苗は海面イケスで育てた親魚から採卵しているが、環境条件が変化しやすく、親魚の成熟や産卵が不安定だった。人工的な飼育環境下で安定した採卵ができれば、資源が悪化する天然ヨコワの利用を抑えられる。「将来は植物工場のように日長を変えて産卵時期を調整できるようにもなる」。23日、水産庁で会見した西海区水産研究所の虫明敬一まぐろ増養殖研究センター長は今後の研究の可能性を強調。研究で得られる生物学的データはクロマグロ資源評価の精度向上にも役立てられる。研究は農林水産技術会議委託プロジェクト研究「天然資源に依存しない持続的な養殖生産技術の開発」(2012~16年)の一環。年間10万尾の養殖原魚を安定生産する技術の開発に取り組んでいる。

(みなと新聞 2014年5月26日の記事より)

トラフグ資源回復へ 広域協力や経済対策を議論

トラフグ(日本海・東シナ海・瀬戸内海系群)の減少原因の解明と未成魚の保護の必要性で一致。参考人として出席した漁業者からは、地域間の連携による管理体制の構築、漁獲規制期間中の収入減への対策などを求める声を目立った。下関市唐戸魚市場のトラフグ取扱高は1980年代後半の約1700㌧から144㌧まで減少している。水産総合研究センターの片町太輔研究員は、同系群の資源量は低位かつ減少に向かっているとして危機感を示した。片町研究員はトラフグ資源の減少の原因について不明確とする一方、大きな要因として再生産効率(卵が漁獲に適した大きさに育つ割合)の低下を指摘。特に、漁獲が1歳以下の未成魚に偏っている現状と合わせ、漁獲規制などによる産卵前の資源の保護と種苗放流方法の有効化が必要とした。勝川俊雄委員は「早い段階で資源管理を強めれば、短期で回復する可能性が高い」と指摘。ただ、県境をまたいで回遊し単独の県で資源を保護しても、他県での過剰漁獲や環境悪化で資源が悪影響を受ければ、資源回復は望めないのが現状。県や漁協の垣根を越えた協力態勢が必要だが、県や漁協によって資源管理に関する考え方・取り組みには違いがあり、「地域間の合意形成は難しい」(片町研究員)。漁業者からも「自主的な漁業規制をしている。一部の地域・漁法のみに資源管理の負担を強いる現状は不公平」「管理には協力するが、管理していない漁協や他の漁法を用いる漁業者に声をかけるのは難しい」「地域同市の橋渡し役は国に担ってほしい」などの声が聞かれた。漁業者らは漁獲規制による収入減少も懸念。補償を求める声も多かった。八木信行委員は「魚価向上策なども併せて考える必要がある」と指摘した。

(みなと新聞 2014年5月22日の記事より)
                

【4月魚介類輸入】 量4%減も額5%増  エビは大幅落ち込み

財務省が発表した貿易統計速報によると、4月の魚介類輸入は前年同月比3.8%減の20万793㌧、5.2%増の1398億9100万円となった。うち、エビは36%減の1万261㌧、5%減の642億円と落ち込んだ。アジアのうち、中国は8%減の3万4912㌧、7%増の252億円だった。米国は43%増の3万1753㌧、45%増の133億円と急増。ロシアは前年並みの1万6138㌧、6%増の129億円、欧州連合(EU)は2%減の5393㌧、1%増の45億円となった。

(みなと新聞 2014年5月22日の記事より)

【FAOが世界調査】 12年魚消費1人19.2キロ 60年代からほぼ倍増

ジュネーブ時事】 国連食糧農業機関(FAO)は19日、2012年の世界1人当たりの魚消費が推計19.2㌔と1960年代(平均9.9㌔)からほぼ倍増したとの報告書を発表した。海洋での漁獲高は中国がトップを維持、東日本大震災で津波被害の影響が残る日本は世界6位だった。12年の養殖を含む漁獲高は前年比1.5%増の推計約1億5800万㌧。海や湖などでの漁獲高が2.6%減の9130万㌧となった一方、養殖が7.4%増の6660万㌧だった。

漁獲高 日本は6位
海洋に限った漁獲高は、中国が1387万㌧と首位。以下、インドネシア、米国、ペルー、ロシアと続き、日本は361万㌧で6位。震災による津波で漁船や港湾が被害を受け、11年に約7%落ち込んだ日本の漁獲高は、12年も3.5%減少した。魚消費は今後も増加が見込まれ、22年には1人当たり20.7㌔と予測。日本の消費量は30年に745万㌧と08年(749万㌧)からほぼ横ばいを見込むが、中国の消費量は約6割増の5736万㌧に膨らむと試算している。

(みなと新聞 2014年5月21日の記事より)

【資源管理のあり方検討会】 クロマグロ厳格な管理必要
壱岐の考える会 中村稔会長 「まず日本から」

20日、東京都内であった水産庁の第3回資源管理のあり方検討会(櫻本和美座長)に参考人として出席した壱岐市マグロ資源を考える会の中村稔会長は、「クロマグロ資源は減少し続けている。漁業は資源があってこそでき、今の資源状態ではどの漁業も成り立たない。持続可能な漁業にすべき」と厳格な資源管理の必要性を訴えた。
今回のあり方検討会の傍聴者は定員いっぱいの90人が出席した。中村会長は「親魚に十分な産卵をさせるための資源管理措置が必要だ。漁業に影響はあるが、このままでは日本の海でマグロを漁獲できなくなる恐れがある」と強調。「産卵場は日本の排他的経済水域内にあるので、太平洋マグロの現状を受け止め、持続可能な漁業ができるよう(管理強化を)議論してほしい」と訴えた。漁獲を規制していない海外産マグロについては、「韓国船が獲ったものが福岡に入り、日本で消費されているが、まずは日本が適正な資源管理をやり、それから海外に言わないといけない」との考えを示した。太平洋クロマグロ親魚量に与えるインパクトで最も影響が大きい巻網漁業。参考人として出席した境港を拠点に巻網漁業を行う若菜漁業の森脇寛社長は「関係各船は既に厳しい制約の下で操業している。管理はするが、意図せず漁獲枠を超過した場合は、翌年度の漁獲枠を削減するなどの融通が認められるべき」と指摘。「(水産庁が打ち出している)未成魚の半減は、仮に日本だけが50%削減しても、諸外国は規制がなく、マグロ、ヨコワを輸入すれば、輸入物にマグロ市場が奪われる」とし、個別漁獲割当(IQ)に対しては「年間漁獲が不安定な中でIQを導入するのは難しいと思う。・・・各組合で総枠を決めて、それを各船に割当て管理するのがベターだろう」との考えを示した。

(みなと新聞 2014年5月21日の記事より)

【業界】 全鮎連 6月1日「鮎の日」制定

(和歌山) 全国鮎養殖漁業協同組合連合会(阪本伸哉会長)は、河川環境保護の観点と古来の和食文化を代表し、日本固有の魚であるアユを後世に伝えるため、6月1日を「鮎の日」に制定した。全鮎連は「吉を呼ぶ魚『鮎』」をキャッチコピーに、初の試みとして、全国各地の組合や販売者が一致団結し各地域で「鮎の日」の啓発活動を行うとしている。全国各地の啓発イベントの実施スケジュールは以下の通り。

【イベントスケジュール】
◆宮崎県:「道の駅北川はゆま」および「綾もりの市」で実演販売
  日時:5月31日~6月1日
  場所:道の駅北川はゆま、綾もりの市

◆愛知県:「矢作川のこども体験放流」
  日時:6月1日 (10:00~)
  場所:矢作川古鼡水辺公園

◆栃木県:「那珂川の子ども体験放流」
  日時:6月1日 (10:00~)
  場所:なかがわ水遊園

◆和歌山県:「貴志川の子ども体験放流」
  日時:6月1日 (10:00~)
  場所:紀ノ川・貴志川 諸井橋付近

◆徳島県:「アユのつかみどり大会」
  日時:7月開催予定
  場所:徳島県徳島市美波町

◆滋賀県:夏の全国高等学校甲子園野球大会で、滋賀県代表校へ塩焼きを提供
  日時:8月初旬予定

(養殖ビジネス 6月号の記事より)

【愛知・篠島】 フグ ピークの1割以下に
操業船も大幅減 4年連続の不漁

かつて全国でも有数の漁獲量を誇っていた愛知県の天然トラフグが4年連続の不漁に直面している。主産地篠島漁港(南知多町)の昨シーズンの水揚げは、最盛期の10分の1以下にまで低迷。燃油代の高騰も相まって、出漁しない船も増えている。「出る前からマイナスになることが分かっているから出ない。もう冬は休もうかという漁師さんも多い」。篠島漁協によると、昨年10月から今年2月までの出漁日数18日間でトラフグ水揚量は9トン。「10年前までは50~100トンは揚がっていたのに・・・」と漁協の関係者は嘆く。不漁に加え、相場の低迷も追い討ちをかける。シーズンを通じた平均価格はキロ6000~5000円。「12月後半に名古屋の料理店から急きょ注文が入り、1日だけ2万8000円までいったが、すぐに4000円まで下げた。年明けも3000~2000円に落ちた」(漁協関係者)。数年前まで1億円を超えた水揚額は7000万円にまで落ち込む。篠島では、約25年前から冬場に余裕ができるシラス漁師が延縄でトラフグを獲り始めた。関係者は「バブルもあって、今では考えられない高値が付いた」と振り返る。当時は80隻あった船も、今では30隻に減った。それでも漁業者の生計が成り立つのは、シラスの存在が大きい。シラスの水揚金額は年間10億~20億円。全ての魚の8~9割を占める。フグ漁はシラス漁師の「副業」という位置づけだ。一方で来シーズンの希望も見える。県漁業生産研究所が昨年11月に県内の漁港で水揚げされたトラフグを調べたところ、当歳魚が前年の2倍いた。同研究所は「今年は成長した魚が多く揚がる可能性が高い」とみている。漁協関係者は「最近は養殖のフグに押されっぱなしだが、今年こそは水揚量も価格も期待したい」と話している。

(みなと新聞 2014年5月19日の記事より)

【消費】 消費者・加工流通業者の養殖魚へのイメージ大きく上昇

(東京) 農林水産省が行った平成25年度「食料・農業・農村及び水産業・水産物に関する意識・意向調査」によると、消費者の養殖魚に対するイメージは、10年前に比べ、「よくなった」、「どちらかといえばよくなった」と回答した人が7割以上に上ったことが分かった。この調査は、農林水産情報交流ネットワーク事業のモニター(漁業者、農業者、流通加工業者、消費者)を対象に実施したもの。養殖水産物への評価(イメージ)を約10年前と比較したところ、流通加工業者では、「よくなった」が38.1%と最も高く、「どちらかといえばよくなった」が33.6%と続いている。評価が変わった要因としては「味」60.2%、「安全性」58.4%、「鮮度」54.2%と続いている。消費者では、「どちらかといえばよくなった」が48.1%と最も高く、「変わらない」26.7%、「よくなった」23.1%だった。消費者の評価が変化した理由は、「味」62.3%、「安全性」54.8%、「鮮度」41.3%と続いた。評価の変化のきっかけは「実際に見たり食べたりしたこと」が61.6%と最も高かった。また、天然魚と比較した養殖水産物の評価(イメージ)も聞いた。鮮度は、養殖業以外の漁業者は「高い」51.7%、「普通」47.3%とほぼ同等なのに対し、流通加工業者は「高い」37.5%、「普通」60.3%、消費者では「高い」20.8%、「普通」75.6%と、漁業者とそれ以外は大きく異なった。安全性で「安心」と回答したのは、漁業者39.6%、流通加工業者33.5%、消費者17.6%と、消費者の割合が低い結果となった。消費者で養殖魚の安全性について「不安を感じる」と回答した人の理由としては、「エサに化学物質や添加物が大量に含まれているイメージがあるため」が88.3%と最も多かった。 (『水産経済新聞』 2014/5/18)

(養殖ビジネス 6月号の記事より)

生まれの育ちも広島産
海面養殖ニジマス 「広島サーモン」デビュー

【広島】 広島県産の海面養殖ニジマス「広島サーモン」が14日、広島市中央卸市場に初入荷した。数量は平均サイズ900㌘が200尾。キロ1500円で相対取引され、県内の回転寿司店や飲食店に卸された。広島水産鮮魚部の半田光治主任は「あっさりとした脂。サーモン特有の臭みもなく、生魚が苦手な人でも食べられそう」と評価する。

脂あっさり、魚臭さなし
「広島サーモン」は、広島県廿日市市で淡水養殖を手掛ける万古溪流養魚観光(伊藤順二郎社長)が自家生産したニジマス稚魚を同県大崎上島町(長島)でヒラメ養殖を営む内浦水産(奥本芳伸社長)が育てたもの。生まれも育ちも広島産。鮮度が良いのでサーモンにしては身に弾力があり、特に地元で話題と注目を集めそうだ。海面養殖されたニジマスは通称「トラウトサーモン」と呼ばれる。淡水のニジマスとは味も体型も異なり、淡水よりも魚体成長が圧倒的に速い。昨年12月に海面に移した1尾80㌘と150㌘の種苗約5000尾は、5月現在で大きいものが850~900㌘、小さいのは650㌘前後に成長。5ヵ月間で約5倍の大きさになった。生残・出荷率も80%前後と上々。今期の広島市場への出荷は5月末までに約1000尾(1尾800㌘アップ)を計画。残りは万古渓養魚観光に再出荷され、淡水で養殖が続けられる。来期は11~12月に200~300㌘大の種苗1万5000~2万尾の海面養殖を開始し、翌年4、5月に1.1~5㌔サイズで15~30㌧の市場出荷を目指す。広島県内のニジマス海面養殖は大竹市の阿多田島で1989(平成元)年に行われたのが最初と言われる。当時は養殖サーモンが今ほど一般的でなく、市場に出荷しても買い手がつかなかったため生産が中断された。近年は刺身、寿司ネタの人気食材として定着。需要が増大したのを機に、両社が連携して生産再開を決めた。

(みなと新聞 2014年5月16日の記事より)

【FAO報告書】 養殖消費 初の天然逆転へ
生産も堅調 水産物相場は高止まり

【シアトル】 世界水産物の生産と消費の現場で、養殖が一段と存在感を高めている。国連食糧農業機関(FAO)は最新の報告書で、今年の養殖生産量が前年推定比6%増になると指摘。世界1人当たりの水産物摂取では養殖物が天然物を初めて逆転するとの見方を示した。世界の水産物取引は養殖の生産・価格動向が天然物に波及する構造に変わりつつある。FAOが8日に発表した報告書「食料見通し」は、養殖産業の持続的成長を浮き彫りにする。今年の水産物生産量は前年推定比3%増の1億6520万トンに達する見込みだ。漁業生産が年間漁獲枠制度の導入などの制約で前年比微増の一方、養殖は6%増と右肩上がりを維持。養殖生産が漁業生産に一段と近づく。世界1人当たりの水産物年間消費量は今年、前年比1.4%増の20キロになる見込みだ。うち、10.3キロが養殖物でまかなわれる見込みで、食用供給源として養殖物が天然物を初めて上回る。FAOは昨秋の報告書で2015年までに、この逆転現象が現実化するとしていた。従来の市場や新興国で需要堅調を受け、国際的な水産物取引相場は騰勢を強めている。FAO水産物価格指標はエビやサケの供給減を背景に昨年12月に過去最高水準に達した。多獲性浮魚や白身魚を含め主要魚種市況は一様に高止まりしている。養殖をめぐっては生産コストがさらに増大しそうだ。FAOはエルニーニョ現象の発生で南米の多獲性魚種の漁獲が減少すると予測。同地域の魚粉生産に影響を及ぼし、魚粉・魚油価格は長期的に高値圏で推移するとの見解を示した。一方、米国や欧州など従来市場では景気回復を追い風に水産物需要が底堅いと指摘。メキシコやブラジルなど新興市場でも、魚介類を購入する消費者の興味が引き続き高まっているとした。日本やロシアは、通貨下落や消費増税の影響などによる短期的な輸入コストの増大が需要の押し上げ要因になるとみている。FAOは半年ごとに報告書「食料見通し」をまとめている。世界的な人口増加や新興国の可処分所得の向上で、水産物と同じ動物性タンパク質である畜産類の過去3年の国際相場は記録的な高値で推移。一方で牛肉や鶏肉の貿易量は今年、大幅な増加を見込む。

(みなと新聞 2014年5月15日の記事より)

【ウナギ国際資源管理】 8日に第6回非公式協議  ベトナムなど3ヵ国初参加

ウナギ資源の国際的な保護・管理を話し合う第6回非公式協議が8日、中国・青島で開かれる。中国、日本、チャイニーズ・タイペイ、韓国、フィリピンの前回参加国に加え、今回初めてインドネシア、マレーシア、ベトナムが参加。「できる限り多くの国に参加してもらうよう働きかけたことが奏功した」(水産庁)  協議では、①ウナギに関する情報交換 ②養鰻業界や民間企業などを含む非政府機関によるウナギ資源管理の協力の枠組み設立 ③ウナギ資源の保存管理のための、何らかの方法による養鰻生産量の制限の可能性・・・の3点を議題に話し合う。日本からは宮原正典農水省顧問が出席する。

(みなと新聞 2014年5月2日の記事より)

循環水型でエビ養殖 米最大 フロリダに近く開設

【バンクーバー】 米フロリダ州大西洋岸中部、フェルスメアー市に本社を置くフロリダ・オーガニック・アクアカルチャー社(FOA)は4月16日、米国最大規模の循環水型エビ養殖場を5月7日にオープンすることを発表した。新養殖施設は昨年から建設されており、工費2200万ドル。広さ4.13エーカーの土地に建設される。FOA社はいわば環境企業。このエビ養殖場は循環水型のため環境への悪影響もなく、エネルギー効率も高い。養殖するエビには抗生物質などの化学薬品は一切使わず、水揚げ後は冷凍せずに全て生鮮のまま販売する予定だ。FOAによると、この養殖場の稼動で地元では512の直間接雇用機会が造成される見込み。米国内で消費されるエビの90%が輸入物だが、FOAはこの大きな需要に米国産エビとして対応できるとしている。昨年4月の鍬入れ式には周辺地域から300人以上が訪れたとのことで、同社は5月の開所式にはさらに多くの人々が訪れ、施設や養殖中の何百万尾というエビを見ることができると説明。なお、FOA社はまだ養殖されているエビの種類や生産目標などは公開していない。

(みなと新聞 2014年5月1日の記事より)

【IMTグループ】 新たな陸上養殖開発へ 運転コスト削減目指す

陸上養殖技術の専門会社、アイ・エム・ティー(三上恒夫社長)ら3社で構成するIMTグループは5月初旬にも、陸上養殖のコスト削減を目指す実証実験「次世代型陸上養殖の技術開発事業」を開始する。施設建設や運転にかかるコストを低減する技術を開発し、陸上養殖の普及を図る。

<トラフグ・クエで開始>
同事業は水産庁から委託を受けたもの。マリノフォーラム21を中心に、長崎県ら長崎グループとIMTグループの2グループ、8機関で行う。2014年度初年度にあたり、3年間にわたって実施していく予定だ。養殖するのはトラフグとクエ。三上社長は「養殖技術が確立された魚種のため、コストが既存のデータと容易に比較できる」と説明する。実証実験ではさまざまな養殖技術を比較検討し、「どのような循環システムや機械を導入すれば良いのかを研究していく」(三上社長)。将来的には陸上養殖技術の普及で、安定的な水産物の供給に貢献していきたい考え。三上社長は「陸上養殖は安全安心という付加価値をつけることができる。輸出も視野に入れた技術開発に取り組んでいきたい」と意気込む。

(みなと新聞 2014年5月1日の記事より)

【13年漁業・養殖業生産量】 1.5%減479万トン 海面・内水面とも減少

2013年の漁業・養殖生産量は前年比1.5%(7万3000トン)減の479万1000トンだった。海面漁業、海面養殖業、内水面漁業・養殖業のいずれも前年を下回った。農水省が24日公表した。
海面漁業の漁獲量は前年比0.8%(3万900トン)減の372万7000トン。マイワシやホタテガイが増えたが、サバ類、サンマなどの減少が響いた。海面養殖業の収穫量は3.6%(3万7300トン)減の100万2200トン。ホタテガイやノリなどの収穫が減った。内水面漁業・養殖業の生産量は8%(5346トン)減の6万1556トン。うち漁業生産は5.1%(1681トン)減の3万1264トン。シジミなどが増えた半面、サケマス類が低迷した。養殖収獲量はウナギの減少が響き、10.8%(3665トン)減の3万292トンにとどまった。

被災地養殖業回復に遅れ

東日本大震災の被災地の海面生産は、漁業に比べ養殖業の回復が遅れている。海面漁業の漁獲量は岩手が7.4%(7600トン)増の11万900トン、宮城が12.8%(1万9500トン)増の17万2300トンと増えた。福島は6.8%(2900トン)増の4万5300トン。同県沖以外の海域で操業する巻網船などの漁獲が増えた。震災前(10年)と比べた場合、生産の回復率は岩手が81.3%、宮城が76.7%、福島は57.4%にとどまった。被災地の海面養殖業の収獲量は、岩手が38.3%(9000トン)増の3万2500トン、宮城が45.7%(1万9700トン)増の6万2800トン増えた。震災前水準と比べると生産回復率は岩手が63.2%、宮城が50.9%で漁業に比べ遅れている。

(みなと新聞 2014年4月28日の記事より)

【生産】 京都府内初 養殖ギンザケ出荷開始

(京都) 伊根町亀島の漁師である橋本弘さんが、京都府内で初めてのギンザケ養殖に取り組み、今月から出荷を始めた。伊根湾での養殖はほとんどがカンパチやブリなど秋から冬にかけて旬を迎える魚であるため、ほかに春に出荷できる魚はないかと新たな品種の養殖を模索する中で、日本海の低水温に強いサケ科のギンザケを選んだ。橋本さんは昨年12月に長野県安曇野市の業者から稚魚約2000尾を仕入れ、湾内に沈めた10m平方、深さ6mの生簀で育てた。神経質で初めはエサも食べなかったギンザケだが、京都府水産事務所の指導も受け、エサの配合を独自に調整。さらに、鳥が近づかないように生簀の周辺に糸を張るなどの工夫を重ね、約4ヵ月で約60㎝の大きさに育てた。脂分を抑えたエサを与えたことで、生食に適した味わいになったという。「伊根サーモン」と名付けて、漁協を通じて町内の旅館や民宿に出荷しており、今後は丹後地域のスーパーでも販売する予定。出荷は5月末ごろまでとなっている。 (『京都新聞』 2014/4/27)

(養殖ビジネス 6月号の記事より)

【近畿大が装置開発】 自動でワクチン接種 養殖稚魚用、迅速化を実現

【和歌山】 近畿大生物理工学部システム生命科学科(和歌山県紀の川市)の栗山敏秀教授らの研究グループが、養殖用の稚魚に自動でワクチン接種する装置を開発した。稚魚を注射器に押し付け、針が刺さるとセンサーが感知して自動的にワクチンを接種する。タイやカンパチなど複数の魚種に使用でき、ワクチン接種時間の短縮、非熟練者による迅速な作業も可能になるという。実用化に向け特許出願中。イケスで大量に飼育する養殖魚は1尾が病気にかかると他の魚に感染する。解決策の一つにワクチン接種があるが、何万尾という稚魚に1尾ずつ手作業でワクチンを打つため、技術が必要だったり時間がかかる。栗山教授らのグループは接種作業を自動化したいという現場の声に対応。約3年かけて圧力検出型注射器を用いた装置を試作した。同大水産研究所で改良を重ね、複数の魚種に使用できる装置の開発に成功した。従来型と新型装置の作業時間の比較実験をしたところ、熟練者は従来型で2.4秒かかったものが新型装置では1.5秒と約40%短縮。非熟練者は従来型で4.2秒かかったものが2.2秒と半分近くに短縮したという。

(みなと新聞 2014年4月25日の記事より)

【日豪EPA大筋合意】 エビ・アワビなど即時関税撤廃
メバチ・ ビンナガは見直しか除外

2007年4月に交渉を開始し、全16回に及ぶ交渉会合が行われ、4月7日に大筋合意に至った日豪EPA(経済連携協定)。水産庁は18日、水産物関係の大筋合意の詳細を取りまとめ、公表した。
エビ(1~2%)、ロブスター(1~2%)、アワビ(7%)、カニ(4%)、キハダマグロ(3.5%)、メロ(3.5%)、魚油(3.5~7%)などの関税が即時撤廃となった。メバチマグロ(3.5%)、ビンナガマグロ(3.5%)、アジ(10%)、サバ(7~10%)、ブリ(10%)、ホタテガイ(7~10%)、ノリ(25~40%、1.5円/枚)、コンブ(15~28%)などが将来の見直し、または関税撤廃などからの除外になった他、イワシ(10→8%)、イカ(5→4%、3.5→3%)、メカジキ(3.5→2%)などの関税が削減される。10年間かけて段階的に関税を撤廃する対象魚種は、ミナミマグロ(3.5%)、大西洋サケ(3.5%)、ギンザケ(3.5%)など。3~7年間かけての段階的な関税撤廃は、活ウナギ(3.5%)、ウニ(7%)、イカ調整品(10.5%)など。12年の豪州からの水産物輸入額は、水産物輸入総額1兆5048億円の約2.3%に当たる349億円(12位)。

(みなと新聞 2014年4月21日の記事より)

【米メーン州】 シラス漁が低調 低水温に加え魚価不振

【バンクーバー】 6日操業を始めた米メーン州のシラス漁が低調だ。水温が極端に低い上、魚価が前年の4分の1以下に低落。魚価低落は日本などアジアでシラス豊漁などの影響とみられるが、メーン州のシラス漁師は魚価の乱高下や漁況の変化は当然あるものと受け止めているようだ。漁期は10週間と規定されており、この間に水温がどこまで上昇するか、また魚価低迷が漁師の操業意欲にどう影響するのかなど、不確定要素が多く、今後の推移予想が難しくなってきた。シラス漁師やバイヤーによると、現在ポンド当たり魚価は650~400ドル程度。昨年の2000~1800ドル水準から極端な値下がりだ。通常のポンド当たりのシラス尾数は2500尾程度。シラスは州漁業水揚額でトップのロブスターに続き2位の重要漁業だけに、魚価の大幅低落が州経済に及ぼす影響はかなり深刻なものになりそうだ。今漁期は漁獲枠が前年比35%減。さらに、州政府が密漁防止や資源保護の見地から初めてカードによる漁獲報告を義務付けたり、個別操業枠を設定するなど新しい施策を実施している。今漁期、州海洋資源局は先住民漁師にカードの使用は義務付けたが、個別操業枠は適用しなかった。だが、現地の先住民紙クオデイタイズは、先住民も個別枠を設定したと報じ、資源保護意識の浸透が見られる。

(みなと新聞 2014年4月21日の記事より)

【日中鰻魚貿易会議】 シラス資源管理に協力  「効果的・迅速な対応」決議

日本鰻輸入組合(森山喬司理事長)は16日、東京都内で第28回日中鰻魚貿易会議を開催。日中業界がシラスウナギ資源の持続可能な管理に協力し、ウナギ業界の長期発展を目指すとする特別決議を採択した。会議には日本から40人、中国から35人と過去最多が出席。日本側からは初めて生産者を代表して日本養鰻漁業協同組合連合会の白石嘉男会長も参加し、日中の生産者、貿易会社、販売会社が顔をそろえた。決議文は、4年連続不漁から今シーズンは「東アジアで80トン」の池入れ量が実現したとする一方、採捕量好転の理由は「特定できず」と指摘。「資源枯渇について一層効果的な、そして迅速な対応が望まれている」とし、「行政や有識者・業界関係者の合意の下で実行する施策に全面的に協力する」と宣言する。森山理事長は「資源保護のための取り組みがより加速していくことで、持続可能な業界にしていく努力が必要」と強調。中国側を代表し、中国食品土蓄進出口商会の于露副会長は決議を「会議の成果」と応じるとともに、「資源保護はお互いに長いテーマ」と述べ、「両国の業界が力を合わせて」取り組む必要性を説いた。資源管理に向け日中業界が一致した一方、来賓として出席した経済産業省貿易管理部農水産室の野戸史郎室長補佐は「環境省が(ニホンウナギを)レッドデータブックに掲載。世界的な資源管理団体がどうみていくか」などと話し、ウナギをめぐる状況は楽観視できないとした。

(みなと新聞 2014年4月18日の記事より)

【日中鰻魚貿易会議】 日中台の池入れ量4倍 
活鰻4~7月1000トン かば焼き3~8月6000トン (中国産対日)

第28回日中鰻貿易会議では、今夏に向けた生産・販売予測などで意見交換した。ジャポニカ種の今期池入れ量は日本が23トン(前期13トン)、中国が35~37トン(3トン)、台湾が6.5トン(0.7トン)で合計約66トンとなり、前期比4倍と2009年以来の水準となった。シラス漁の回復を受け、日本側は先安観が強まっていることを中国側に説明した。異種ウナギは日本にほぼ入っておらず、中国側に説明した。異種ウナギは日本にほぼ入っておらず、中国は22~25トン(うち米国種6割、フランス種3割、その他1割)。夏までの中国生産・輸出量予想(日本向け)は、中国側によれば、活鰻が4月~7月までで前年同期比45%減の約1000トン、かば焼きは3月~8月までで2割増の約6000トン。日本側は販売状況を報告。活鰻は価格高騰によるマーケット縮小を挙げた他、4月からの消費増税も消費の落ち込みに影響すると懸念。国内は5月後半から香港からのシラスウナギを使った新仔の池揚げが始まり、8月になれば国産品の池揚げがピークとなって輸入品と出番がなくなるとして「値下げ」を求めた。中国産かば焼きの販売はシラス豊漁で2月末から弱含みに転じている。今後も弱含みが続くと予想。前期比2割安で国産との値差が大きくなっており、ゴールデンウイーク(GW)の販売が好調であれば、相場が安定する可能性があると見通した。中国側は日本の消費状況について「楽観はしていない」と理解を示す声がある一方、「かば焼きの在庫数字は日中とも過去で一番少ない」とし、「日本はすくなくとも3ヵ月は安く売る必要はない」と価格下落をけん制する意見も出た。

(みなと新聞 2014年4月18日の記事より)

【海外】 大連に養殖施設完成 トラフグ輸出へ

(中国) 中国僚寧省大連市質量技術監督局は、大連天正実業有限公司が建設したトラフグの養殖施設が操業を始めたことを明らかにした。同養殖施設は大連市では8番目となる「全国農業総合標準化モデル区」の認定を中央政府から受けている。同施設では種苗生産から養殖、販売まで標準化され、厳しい管理が行われるという。「大連フグ」は大連の地名を付けたブランドフグで、僚寧省では輸出額が大きい水産品の1つとなっている。中国で生産されるフグは約40種類あるが、中でもトラフグは最もおいしいと売上も好調である。中国北方地区の輸出水産物のうち、トラフグの輸出量は毎年5000㌧あり、輸出額では首位となっている。(『時事通信』 2014/4/14)

(養殖ビジネス 6月号の記事より)

宮城養ギン2.5倍82トン  平均733円 高値維持 (10日現在)

宮城県の養殖ギンザケは先月24日に初水揚げされ、10日までに82.6トンと前年同期に比べ2.5倍になっている。今シーズンは前季よりも5日早くスタートしたことなどから水揚げペースが速い。平均単価は733円と前年比121円高と高値を維持している。今シーズンは養殖ギンザケ生産は1万2000~1万3000トンの見通し。先月24日の石垣市場での初入札ではキロ1200円と近年まれにみる高値を付けた。水揚げペースは前年に比べて速いものの、「池入れ尾数を考えれば、ハイペースとは言えない」という。今季は2月の南岸低気圧による大シケの影響で、一部地域でへい死が発生した他、摂餌率の低下により成長が遅れている。現在の平均サイズは1尾1~1.2キロ。平均価格の上昇はチリギンをはじめ、北米、ロシアのベニサケなどサケ・マス類の相場が高騰していることが大きな要因となっている。今後については「まだシーズン序盤だが、大きなシケや急激な水温変化がなければ、計画通りの生産が見込めるのでは」(JFみやぎ)とみている。

(みなと新聞 2014年4月14日の記事より)

【生産】 香川県立多度津高校 サツキマスの養殖成功

(香川) 県立多度津高校(多度津町)がサツキマスの養殖に成功、丸亀市内の料亭に約50尾を出荷した。水温が10℃を下回る冬の瀬戸内海でも養殖できる魚として、技術の確立を目指している。サツキマスは川魚のアマゴが海に下って成長し、5月ごろに産卵のために川に戻る魚で、近年は遡上できる川が減り漁獲量が減少していた。冷水でなければ生息できないなど養殖も難しかったが、タイやヒラメの養殖で実績のある多度津高校は「技術が確立していない魚にも朝鮮しよう」とサツキマスに注目。大坂吉毅教諭の指導の下、今春卒業した海洋生産科の生徒14人が養殖実習で挑戦した。昨年11月末、塩江町で養殖されたアマゴ稚魚350尾を仕入れ、他県の例を参考に4日かけて海水に慣らそうとしたが3~4割が死んでしまった。だか、改めて10日以上かけて淡水から海水に切り替えたところ、無事に成長し、体長18㎝、重さ70g程度だつたアマゴは4ヵ月で30㎝、300gほどの大きさに育った。また、サケ用のエサにより身もサーモンピンク色となった。4月2日、交流のあった中津万象園(丸亀市)に初出荷。園内の料亭「懐風亭」の会席コースの一部として約60人に振舞った。(『朝日新聞』 2014/4/10)

(養殖ビジネス 6月号の記事より)

【13年マグロ養殖実績】 天然種苗活込み、11年の64%
生産8%増1万396トン 鹿児島県がトップ

一部既報=水産庁がまとめた2013年のクロマグロ養殖実績によると、天然種苗(ヨコワ)の活け込み数は前年比1.7倍の34万7000尾だったが、上限基準となる11年実績の64%(19万2000尾減)にとどまった。人工種苗26万4000尾を合わせた全種苗の活け込み数は前年比29%増の61万1000尾。養殖マグロの出荷量(生産量)は8%増の1万396トンで、尾数は前年比11%増の19万7000尾といずれも過去最高。生産量は鹿児島、出荷費数は長崎がトップだった。
天然種苗の活け込み尾数は、12年のヨコワ漁が不振だったことから各県とも軒並み前年を上回り、最大産地の長崎は1.6倍の15万3000尾。ただ、長崎は11年実績と比較すると72%にとどまる6万尾減で、三重や和歌山も11年実績を大きく下回った。一方、鹿児島、高知、大分などは11年実績をキープした。人工種苗は前年比1%減の26万4000尾を活け込んだ。最も多いのが和歌山の13万4000尾で、次いで長崎6万5000尾、鹿児島6万1000尾と続く。

出荷尾数長崎首位19%増6万8000尾

生産量は1万396トンで、うち97%が天然種苗由来。県別では鹿児島県が13%減の3222トンでトップだが、11年実績比でも24%減とダウン。逆に長崎が前年比16%増の3070トンで、11年実績でも11%増と右肩上がりだった。三重は前年比13%減の696トン、大分が28%減の492トン。高知は1.8倍の1163トン、愛媛も1.8倍の682トン、和歌山が2.3倍の203トン。一方、出荷尾数は19万7000尾で、同じく97%が天然種苗由来。県別では長崎が19%増の6万8000尾とトップで、鹿児島が2%減の5万2000尾、三重が前年並みの1万7000尾、大分が36%減の9000尾。

(みなと新聞 2014年4月4日の記事より)

【水産庁】 ウナギ支援を当面中止  漁業金融対策などの3事業

水産庁は1日、養殖ウナギの生産増大につながる支援策を当面中止すると発表した。今年度事業の「強い水産業づくり交付金」 「漁業金融・漁協経営対策」 「漁船漁業・担い手確保対策」が対象。新たにつくる養鰻施設や増築・改築・更新する既存の養鰻施設(生産量の増大につながるものに限る)などの支援は行わない。異種ウナギの稚魚購入に関する支援も止める。ニホンウナギは近年稚魚の不漁が続いており、支援を中止することで資源回復を目指す。

(みなと新聞 2014年4月3日の記事より)

【加工ウナギ】 中国産に期待感 国産は史上最高値予想

5年ぶりにまとまったジャポニカ種シラス漁を受け、今秋以降は原料価格が下がる見通しが出てきた。末端サイドの先安観は強いとみられる。ただ、次シーズン以降も獲れ続けないと、価格を含めて安定供給につながらない。資源問題が先行きを不透明にしている。加工ウナギ(無頭背開)卸値は3月中旬現在、中国産が10キロ版70~80尾はキロ4700円前後、50尾は3900円前後、40尾は3700円前後。国産が70~80尾はキロ1万円アップ、60尾は9500円前後、50尾は9000円前後となっている。中国産は前月比キロ100円安、国産は前月並みの水準。2月にあった日本鰻輸入組合の情報交換会によると、末端の在庫はなくなっているものの、高値で販売が落ち込み、通常2月、3月にある商談が進まなくなっているという。供給が細くても実需が満たせるほどマーケットが縮んでいる。さらに、今期(昨年9月~今年8月)の加工品輸入量は、前期7637トン(前々期は1万1338トン)を超える可能性が指摘されるも、「現状の販売状況からみて過大な数量では」との見方が示された。一方で、今夏の国産は数量が前年の半分以下の見通しで売り場がつくれない上、30%以上の史上最高値となる見通し。1尾当たりの売価は2400円台になるため、中国産の販売に期待感もある。

(みなと新聞 2014年3月31日の記事より)

【米メーン州】 シラス漁来月5日に延期
操業管理2法成立 事務レベル調整に遅れ

【バンクーバー】 今年の米メーン州シラスウナギ操業開始が、恒例の3月22日から4月5日に延期されることがほぼ確定した。操業管理、特に発給するライセンス数、非先住民と先住民に対する発行数などをめぐり双方の対立が表面化していたが、メーン州議会の上下両院が圧倒的多数で新法案2つを承認。州知事の署名を経て18日に発効したため、新法に基づく関連諸規則など事務レベルの調整に時間的ゆとりが必要になったための延期だ。両法案を立案、成立に持ち込んだウォルター・クミーガ州下院議員(ディアー・アイル選出、民主党)は「今冬は寒気が厳しく3月に入っても気温が上がっていない。これからシラスの遡上が遅れると予想される。漁期開始の遅れが今季の漁模様に影響する可能性は低い」と述べた。今回の2法のうち、12日に可決したLD1723は州海洋資源局(DMR)に、シラス水揚げ時点で漁獲量を関係局に速報するスワイプ・カード・システムの実施権を付与。また、漁獲されるシラス重量の上限設定権も州では初めて当局に与えた。これまでは発効するライセンス数と使用用具数を規制することでシラス資源管理を行っていた。18日に可決施行したLD1625はシラス・ライセンス数に関する法規で、同局にライセンス総数決定権、非先住民と先住民に対する配分比率の設定権および非先住民漁師に対する個別操業枠の設定権などを付与。先住民が同局から割り当てられたライセンスを居住地域住民にどのように配分するかは先住民の判断に任せている。米国憲法に規定された先住民の自主権尊重をうたったことで、先住民の不満を抑えた形になっている。いずれにしても操業開始はやや遅れるものの、今年の操業がスムーズに運ぶ基盤は今回の2法の施行で固まったと言える。

(みなと新聞 2014年3月26日の記事より)

<石巻魚市場> 養ギンザケ初水揚げ  キロ1200円のご祝儀相場

【石巻】 石巻魚市場(宮城県石巻市)で24日、養殖ギンザケの初水揚げがあった。女川町大浦地区で水揚げし、陸送されたギンザケ約3トンが上場された。相場は高値キロ1200円のご祝儀相場となった。東日本大震災による壊滅的な被害から3季目を迎えた宮城の養殖ギンザケ漁業の本格復興に向けて上々のスタートを切った。この日上場されたギンザケの平均サイズは1尾1.2~1.3キロ。今季のギンザケは現在までのところ、一部地域を除き成長が順調に進む。石巻魚市場の担当者は「冷水塊も入ったようだが、極端な成長不順には陥らなかったようだ」と説明する。このため、初水揚げ日が昨年より5日早く、魚体が100グラムから200グラム大きい。一部地域では2月の南岸低気圧の影響で成長不順が起きている。卸売価格は1キロアップが1200~1150円、1.5キロアップが1020円と昨年よりもキロ400円高と近年まれにみるご祝儀相場となった。担当者は「今年は初水揚げのご祝儀に加えて、チリギンやトラウトなど輸入物をはじめとしたサケ・マスが高値を維持していることも影響しているのでは」とみる。石巻魚市場では25日以降も連日水揚げが行われる予定で、女川や志津川などでも順次水揚げが始まる。今季は1万2000トンを超える水揚げが見込まれている。震災以降から実施されている生産者の赤字を補填する、がんばる養殖復興支援事業の実施期間の最終年となる今季、平均価格を黒字ラインとなるキロ430円前後まで戻せるのか、関心を集めている。

(みなと新聞 2014年3月25日の記事より)

【水産庁が都府県に通知】 シラスウナギ採捕期間短縮
5日現在 池入れ16.5トン 過去2年上回る

水産庁は18日付で、今季のシラスウナギ(ジャポニカ種)採捕期間の短縮を各都府県知事に通知した。養殖団体からの聞き取り調査の結果、鹿児島など九州地方を中心に種苗需要を満たしたと判断した。期間中の通知は初めて。管内のウナギ養殖業に供給することを目的としてウナギ種苗の採捕を許可している県は管内の池入れ状況を確認した上で採捕期間を短縮する。鹿児島県では内水面漁連など関係団体が31日までの採捕期間を20日に切り上げることを決めている。その他の都府県は、近年の不漁を踏まえ、「ウナギ資源の保護に必要な河川遡上(そじょう)量の確保の観点から再点検し、期間短縮に努められることが望ましい」(水産庁)。水産庁によると、5日現在の国内池入れ量は、16.5トン。昨年の池入れ実績は12.6トン(国内採捕5.2トン・輸入7.4トン)、一昨年は15.9トンと過去2年の実績を既に上回っている。

(みなと新聞 2014年3月20日の記事より)

<石巻魚市場が受け入れ会議> 養ギン初水揚げ24日に
生産1万2000トン見込む

【石巻】 宮城産養殖ギンザケの水揚げ開始を前に、石巻魚市場(須能邦雄社長)は17日、養殖ギンザケ受け入れ全体会議を開き、今季の稚魚池入れ尾数が1095.5トンと昨季(996トン)を上回っていることを発表した。石巻魚市場への初水揚げは24日となった。生産見通しは1万2000トン前後の見込み。石巻魚市場の昨年の養殖ギンザケ水揚量は3277トン(一昨年2776トン)で、前年を上回る水揚げが期待される。会議は生産者や仲買人らが出席した。冒頭、須能社長は「ギンザケの消費拡大のために、水産業界の中だけでなく、消費者や業務筋を巻きこんだ運動を積極的に行っていくべき。まだまだノンフローズンのギンザケを食べる機会が少ない。イベントにも積極的に食材提供し、消費者にそのおいしさを味わってもらいたい」とあいさつ。会議では、石巻魚市場が今年の販売方法などについて説明した他、生産者から養ギンの水揚げ時期や初水揚げ時の魚体サイズが1尾1.2キロ前後が見込まれることなどについて現状報告があつた。今季の養ギン稚魚の池入れ尾数(合計1095.5トン)に対し、成長倍率を10~11倍(昨年11.7倍)程度とみると、1万1000~1万2000トン前後の生産が見込まれる。稚魚の内訳は、JFみやぎが313トン・日清丸紅飼料191トン・太協物産119.5トン・鮎川142トン・ニチモウ90トン・グルメイト68トン・網地島64トン・志津川80トン・女川28トン

(みなと新聞 2014年3月19日の記事より)

【米メーン州】 22日からシラス漁開始  10週間 当局取締り強化

【バンクーバー】 今年の米メーン州水域シラス営利操業が22日スタートする。漁期は10週間を予定。漁獲枠は前年漁獲実績より35%少ない5.3トンに削減した。出漁に先立ち、月初めには州南部のロックランドで漁業者懇談会を開催。州海洋資源局(DMR)は漁獲枠の削減と同漁獲枠の厳守、密漁防止施策の強化などを強調した。同局は州漁業監督官だけではなく、漁師自身も密猟していると思われる者を見つけた場合、車のプレート写真を撮り同局に送達してほしいなどと協力を求めた。また、従前から問題となっている個別操業枠(IFQ)実施には、少なくともまだ2~3年が必要だとの見解を示した。パトリック・ケリハー局長は、今漁期の漁獲枠を5.3トンと昨年漁獲実績8.2トンのほぼ35%ダウンに設定すると表明。うち、4トンは一般漁業者枠、1.3トンが先住民枠となる。資源保護や継続操業という目的達成には枠の厳守が最重要とし、これが達成できなければ操業関連規則の一層の強化または操業閉鎖をすると指摘。枠超過は絶対に許さず、毎日の漁獲量を的確に把握するために今漁期からカード方式を導入して枠超過などを未然に防ぐとした。さらに「漁師や先住民の中には今年の操業諸規則に不満な者がいることは知っている。だが、こうした施策を厳格に実行しなければ、シラス漁業の将来はない」と固い決意を表明した。メーンのシラス魚価はかつてポンド当たり100ドル程度だったが、日本や中国からの需要増加とともに“うなぎ上り”となり、12、13年には1800ドル以上に高騰したといわれている。

(みなと新聞 2014年3月13日の記事より)

【ウナギ国際資源管理】 協力枠組具体化へ  水産庁 19・20日東京で協議

水産庁は、19・20両日、ウナギの国際的資源保護・管理にかかわる第5回非公式協議を東京で開き、養鰻業界も含めた非政府機関によるウナギの資源管理の協力の枠組みに向けた議論を具体化していく。日本からは宮原正典農林水産顧問(前水産庁次長)らが出席する。ジャポニカ種ウナギ(ニホンウナギ)の資源悪化が進む中、水産庁は2012年9月に中国、台湾との3者でニホンウナギの国際的資源保護・管理に関わる非公式協議を開催。アジア太平洋経済協力(APEC)での協力を見据えて、ニホンウナギの国際的資源管理で協力することを確認。同年12月フィリピンのマニラで第2回、昨年5月に中国の上海で第3回の非公式協議を行い、情報を交換するとともに、協力強化を確認した。昨年9月、福岡市であった第4回非公式協議からは、韓国、フィリピンも参加。ニホンウナギ以外のウナギも管理の対象に加えることを決めるとともに、今後予想される規制で影響を受ける養鰻業界も含めた非政府機関による、ウナギ資源管理の協力の枠組み設立が提案されていた。

(みなと新聞 2014年3月13日の記事より)

【中国・湖北省】 初のウナギ養殖場

中国湖北省初のウナギ養殖場が、同省荊門市京山県に設立された。水産加工会社の湖北洋水産品養殖有限公司が1億5000万元を投じて建設した。ウナギ加工工場も併設する。同市水産局のウェブサイトが伝えた。京山県の地熱資源を活用する。敷地面積200ムー(約13.3ヘクタール)の土地に、総面積2万2000平方メートルの養殖池を70ヶ所建設する。第1期事業の20ヵ所が完成した。年間で700トンのウナギを生産し、東南アジアなどに輸出する。

(みなと新聞 2014年3月13日の記事より)

【水政審企画部会】 計画生産の必要性記述 白書

水産政策審議会は27日の第48回企画部会で、2013年度水産白書の第Ⅰ章「特集 養殖業の持続的発展」の1次案を決めた。第4節「養殖業の持続的発展のために」は、業界全体での計画生産の必要性を記述。2月に水産庁が開いた養殖魚需給検討会の内容に触れ、14年漁期のブリ、カンパチを14万トン、マダイを7万2000トンとした生産数量ガイドラインを示した。第3節「養殖水産物と食卓」は、養殖魚の輸出促進に必要な取り組みを掲載。輸出先国の衛星管理基準を満たす、慎重なマーケティングを行うことの重要性などを示した。具体的な取り組み例として、全国養殖魚輸出振興協議会が昨年11月にモスクワで開いた養殖魚セミナー、熊本県のブリミーが10年から手掛ける完全養殖クロマグロの米国輸出などを挙げた。
養サケとの比較も
第2節「養殖生産をめぐる課題」は、ブリ、マダイとノルウェーサーモンのコスト構造を比較。餌代や増肉係数などサーモン養殖業の優位性を解説した。第Ⅰ節「これまでの養殖業の展開」は日本の養殖生産量推移を記述。12年の生産量は前年比15%増の107万トンだったことを示した。

(みなと新聞 2014年2月28日の記事より)

【研究】 水研センター 大型水槽によるニホンウナギ仔魚飼育に成功

(全国)水産総合研究センターは、2月12日、新開発した大型水槽で、人工的に生産したニホンウナギのふ化仔魚から200日齢の仔魚(レプトセファルス幼生、約900尾)を育て、さらにシラスウナギに変態するまで育てることに成功したことを発表した。これまで、シラスウナギの人工生産は個別に視認しながら手作業での管理を行ってきたが、小型水槽であるがゆえに非常に労力がかかっていた。そのため、水研センターでは、1000Lの大型水槽を用いる新たな飼育方法を開発していた。平成25年6月に水研センター増養殖研究所志布志庁舎で得た約2万8000尾のウナギふ化仔魚を同所南伊豆庁舎に搬入して飼育を開始し、同年12月25日時点で200日齢となる約900尾のウナギ仔魚(レプトセファルス幼生)を飼育し、さらにシラスウナギまで育てることに成功した。この開発により、さらなる飼育水槽の大型化と作業の省力化に展望が開け、シラスウナギの大量生産に向けて大きく前進すること、今回開発された手法により水槽の材質の選択の幅が広がることなどから種苗生産の効率化が図れると期待されている。本成果は、農林水産技術会議委託プロジェクト研究「水産業再生プロジェクト」のうち「天然資源に依存しない持続的な養殖生産技術の開発・・・シラスウナギの安定生産技術の開発・・・」により得られたもの。なお、本成果は「ウナギ仔魚飼育方法及び装置」として特許出願している(特願2013-263898)。2014年は好漁に恵まれたシラスウナギであるが、資源の減少傾向が否定できない中、安定的な人工種苗生産技術の開発は急務である。今回の成果によって、シラスウナギの人口種苗の安定生産が進み、水研センターが掲げる2016年度までに1万尾の種苗を生産できる技術開発の確立に一歩近づいた。

(月刊養殖ビジネス 2014年3月号より)

【魚類養殖経営の安定】 シンポの決議実践を  目標生産量、輸出の強化

全国海水養魚協会(全海水、嶋野勝路会長)が7日、愛媛県宇和島市で開いた全国海水養殖シンポジウムで、①養殖を将来につなぐため、養殖業者の総意として決議した政策を一人一人が浜で実践する ②需要に見合う生産量の厳守と消費拡大策を強化する・・・の2本柱を決議した。決議した政策とは、「需要に見合う生産量の厳守」と「消費拡大策の強化」である。具体的には、水産庁が4日示したマダイ、ブリ類の養殖生産数量ガイドラインを守ることと、国内の消費拡大と海外輸出促進の取り組み強化だ。養殖マダイの産地相場が弱含みで推移、まさに「今後の相場展開は予断を許さない」状況。2月中旬の県産養殖マダイの相場は1尾1~2キロのオールサイズでキロ当たりの700円。一部で700円割れもみられる。一方、ブリ類の産地相場は持ち直しているが、適正相場の維持が課題だ。ブリ類とマダイ。この二大魚種の適正相場の維持が養殖経営の安定に欠かせない。しかし、数年ごとに繰り返される相場の乱高下は、生産者が求める経営安定の基盤を乱す要因になっている。水産庁は1月開いた養殖魚需給検討会(座長・馬場治東京海洋大教授)の意見を踏まえ、今年の養殖ブリ類の目標生産量を14万トン、養殖マダイの目標生産量を7万2000トンと策定。委員として同検討会に出席した全海水の嶋野会長は水産庁案に、「国の目標値を全国の養殖業者に伝え、計画生産への参加率を高める」と需給バランスの適正化に理解を示した。嶋野会長は同シンポジウムで1月27日に大阪市で開いた全国代表者会議の報告を行い、「全国の各浜で需要に見合った計画生産を」と呼びかけた。国内外の販売状況などから「現状では種苗の導入量を増やせる状況にはないと意見が一致した」と説明した。その上で、各県の意向を踏まえ、需要に合わせて最終的に2014年度の養殖計画尾数(種苗投入尾数)は「ブリ・ハマチが1785万6000尾(前年度計画比99.8%)、カンパチ867万7000尾(102.2%)、ヒラマサ63万1000尾(60.2%)、マダイ4358万3000尾(103.8%)」と報告した。もう一つの消費拡大策の強化は、国内の消費拡大とともに海外輸出促進の取り組み強化が必要・・・竹田英則・全海水副会長は同シンポジウムで輸出事業の取り組みを報告。オールジャパンで養殖魚の「ジャパンブランド確立」に取り組む。「養殖業は今の規模を維持し、今後は輸出もがんばっていきたい」と強調した。

(みなと新聞 2014年2月14日の記事より)

【水研センター】 シラスウナギまで飼育成功  大型水槽活用 安定生産へ「壁突破」

水産総合研究センターは新たに開発した大型水槽で、人工的に生産したニホンウナギふ化仔魚から200日齢の仔魚(レプトセファルス幼生、約900尾)を育て、シラスウナギに変態するまで育てることに成功したと12日発表した。これにより、ウナギ人工種苗の大量生産、完全養殖ウナギの安定生産へ向け「大きな壁を突破できた」(和田時夫・水産総合研究センター理事)。この成果は「ウナギ仔魚飼育方法及び装置」として特許出願した。これまでウナギ仔魚の基礎的な飼育技術の研究開発は、5~20リットルの透明な水槽を用いて行ってきたが、この規模の水槽ではシラスウナギまで成長させられる生産数は1水槽当たり数十尾に限られ、同一の水槽を継続的に使用すると水槽底面や壁面に付着・増殖する細菌の影響で仔魚が死亡するなどの問題があった。昨年6月から新飼育方法に着手。かまぼこを逆にしたような形の不透明な塩化ビニール製1000リットル水槽2個を接続した飼育水槽を製作し、2万8000尾のウナギふ化仔魚を収容。昨年12月9日に184日齢で最初の1尾がシラスウナギに変態した。その後も12月25日時点で200日齢となる約900尾のウナギ仔魚を飼育中で、現在25尾(2月11日現在)がシラスウナギに変態、成長を続けている。

(みなと新聞 2014年2月13日の記事より)

循環器疾患死亡リスク サンマ毎日1尾で20%低下
滋賀医科大グループ解析 魚脂肪酸摂取で効果

国民栄養調査の参加者を対象とした長期追跡研究 NIPPON DATA(ニッポンデータ)80で、食事から摂取した魚介類由来の脂肪酸が多いほど、その後の24年間の循環器疾患死亡リスクが低いことが明らかになった。滋賀医科大アジア疫学研究センターの三浦克之センター長・教授が研究代表者を務める厚生労働省研究班(指定研究)のNIPPON DATA研究で、滋賀医科大・宮川尚子特任助手らのグループが解析。論文は欧州動脈硬化学会詩「Atherosclerosis」2月号に掲載される。
脳卒中や心臓予防も
対象者は、無作為に抽出された日本全国300地区の一般住民対象に1980年実施された国民栄養調査に参加した30歳以上の男女のうち、脳卒中や心筋梗塞などの既往歴のある者などを除外した9190人(男性428人・女性5162人 平均年齢50歳)。80年から2004年まで24年間追跡したデータを解析した。24年の追跡期間中、879人が循環器疾患(脳卒中または心臓病)で死亡したが、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)の合計摂取量と、その後の循環器疾患(脳卒中し心臓病)による死亡リスクとの関連を分析。合計摂取量で4郡に分け、最も少ない群の摂取量1日0.42g(サンマの4分の1尾程度に相当)に対し、最も多い群は1日1.72g(サンマ1尾弱に相当)だったが、摂取量の最も少ない群に比べて最も多い群では循環器疾患死亡リスクが20%低くなった。世界的にみて魚介類を多く摂取している日本人を、20年以上の長期間追跡した検討は初めて。わが国で初めて魚介類由来脂肪酸摂取が多いほど循環器疾患(脳卒中と心臓病)死亡リスクが低くなることが示されたことになる。これにより、毎日サンマ1尾程度の魚介類から脂肪酸を摂取することで、将来の脳卒中や心臓病を予防できる可能性が示されたといえる。

(みなと新聞 2014年2月6日の記事より)

【米メーン州】 ウナギ稚魚漁規制を強化  14年は34%減枠の5トン

【バンクーバー】米メーン州がウナギ稚魚操業をめぐり、操業管理を厳格化し、2014年漁獲枠を前年比34%減の5.4トンに設定すると発表した。同操業をめぐっては資源保護を重視する州政府と、憲法で保証された権利を主張する先住民が対立。操業ライセンスの発行権を州政府、先住民部族のそれぞれに認める二本立てから、州政府に一本化した。また、漁獲を随時報告するカードを、先住民、非先住民を含め、操業中の常時携行を義務付ける。ウォルター・クミエガ州下院議員が提出したメーン州エルバー・ライセンス規制改正法に基づき、現行規則を改正した。新規則では、先住民部族は今まで通り州が配分したライセンス数の枠内でライセンスを発行できるが、その明細を全て州政府に報告。州政府から確認通知があって初めてライセンスが公式に発効する。また、州政府は過去3年平均の漁獲量に基づき、漁師ごとに個別操業枠を設定。ダービー方式では漁獲競争が過熱化し、資源保護への悪影響を防止するためで、漁師が自己割当枠を5%以上オーバーした場合には、その分に相当する罰金が科される。次年度の操業もできなくなるという厳しいものだ。漁獲量の報告はカードで行うこととなり、このカード漁師が操業中は常時携行していなければならない。違反すると2000ドルの罰金が科される。使用漁具も従来のエルバー専用網の使用を禁止し、さで網のみが認められる。仮設された水揚げ施設にも14年にはライセンスが州から発行されるが、15年からは永久的な施設のみにしかライセンスは発給されない。これにより密漁を防止するのが狙いとみられる。先住民側からは新規則は憲法違反だとの声もまだ上がっており、操業開始まで2ヵ月足らずの現時点では先行きは楽観できない。

(みなと新聞 2014年2月6日の記事より)

【海外 ベトナム】 13年エビ輸出額4割増  日本向けは15%増

【バンクーバー】ベトナム水産物輸出加工業者協会(VASEP)は1月27日、2013年のベトナム産エビ類輸出総額が前年比39.1%増の31億1400万ドルに達したと発表した。対日輸出額は14.7%伸長し、8億3100万ドルでトップだった。日米など主要市場を含め、ほぼ全ての市場向けが増加。なお、VASEPが昨年12月に発表した年間見通しの37%増、28億ドルを上回る結果となった。主要輸出国では対欧州連合(EU)が31.3%増の4億947万ドル。対日輸出額より少ないが、倍の伸びを記録した。主要輸出国以外の市場向けで前年比大きく伸びたのは、マレーシア向けの83.9%増(729万ドル)・カナダ向け73.7%増(1億2100万ドル)・中国/香港の49.1%増(3億8110万ドル)・韓国が31.2%増(2億2400万ドル)など。EU圏内の内訳はドイツが9710万ドル(18.9%増)・英国が8090万ドル(59.6%増)・ベルギーが6150万ドル(73.5%増)だった。北米やEU、中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)向け輸出の伸びが目立った。

(みなと新聞 2014年2月6日の記事より)

【生産】 宮崎県 やまめの里漁業生産組合など サクラマス養殖に成功

(宮崎) 渓流に生息するヤマメの稚魚を海で養殖し、サクラマスに育てる試みに、五ヶ瀬町のヤマメ養殖組合「やまめの里漁業生産組合」と宮崎県水産振興協会が成功した。淡水養殖に比べ短期間で2倍以上の大きさになり、刺身でも食べられる。1月16日には県や漁協など20団体が協議会を設立。桜の開花に合わせ、「みやざきサクラマス」というブランドで全国に売り出す予定だ。発案したのはやまめの里漁業生産組合の秋本治組合長。「新たな付加価値をつけたい」と、ヤマメを海で育ててみることを思いついた。延岡市の浦城湾にある県水産振興協会の育成場が冬場は使用されていないことに着目し、2012年冬、組合と協会が共同で試験養殖に乗り出した。だが、淡水で育てた稚魚をいきなり海に入れるとほとんどがへい死。塩分濃度1%の水槽に入れて輸送した後、濃度2%の特設の生簀で1日慣らしてから、濃度3.5%の海水に放す方法が最適と判断した。80g未満の稚魚が約4ヵ月で約50㎝、約1㎏に成長。“黄金イクラ”として珍重される卵もヤマメの5倍以上採れた。昨年末からの2回目の養殖では、稚魚約1万尾のうち約7割がサクラマスに育っている。協議会は来月、東京で試食会を行う予定。

(月刊養殖ビジネス 2014年3月号より 『読売新聞』 2014.1.30 )

【世界のサケ・マス生産】 今年4%増の213万トン

【シアトル】 今年の世界のサケ・マス生産量は前年比4%(9万トン)増の213万トンになりそうだ。水産物コンサルティング会社コンタリが見通しを発表した。同社のラグナー・ニストイ社長は生産と価格が均衡を保っていると指摘。ノルウェークローネとユーロの為替相場を考慮に入れるべきだが、昨年の低水準の生産が一段の価格高につながったと述べた。同社長はここ数年は生産者の収益がより安定し、増加傾向にあると言及。利払い、税引き前の利益水準は歴史的な増加幅だったと加えた。同社の今年の生産予測は前年比5%増を見込む投資銀行ハンデルス銀行の予想とほぼ一致している。

(みなと新聞 2014年1月27日の記事より)

【生産】 養殖シロチョウザメ100億円市場目指す 宮崎県が魚肉売り込み

(宮崎) 養殖シロチョウザメの魚肉の売り込みを宮崎県が進めている。県はマンゴーのような全国的ブームに発展させ、「キャビアとともに100億円市場に成長させたい」と意気込む。シロチョウザメは古代から生息する純粋種で、人工交配したベステルチョウザメより味が良く、欧州や中国で珍重されている。県水産試験場小林分場(小林市)は1991年、民間業者からシロチョウザメを譲り受けた。養殖の成否の鍵を握る水温調整について研究を重ね、2011年、完全養殖で稚魚の大量生産に成功。県内の養殖業者に年2万尾を安定供給できるようになった。県内19業者は3万5000尾を養殖中で、12年は魚肉2000㎏を出荷、1㎏当たり2000円で取引された。将来的には年間数百tの出荷を目指す。キャビアも13年11月には50㎏を初出荷しており、魚肉とキャビアの組合せで需要拡大を図る。チョウザメでの町おこしに取り組む小林市の飲食店では、ポン酢で食べる刺身「チョウ刺し」が人気。宮崎市の大型リゾート施設シーガイヤでもチョウザメのハンバーガーやすき焼きを提供している。。

(月刊養殖ビジネス 2014年3月号より 『信濃毎日新聞』 2014.1.27 )

【厚労省】 エトキシキン基準を緩和
養エビ 残留値0.2ppmへ改正

厚生労働省は21日、食品、添加物などの基準を一部改正し、養殖エビ中のエトキシキン残留基準値として0.2ppmを正式に適用した。エトキシキンは抗酸化剤として飼料に添加されており、改正前の基準値は0.01ppm。インド産やベトナム産エビ輸入の障壁となっていた。今回の新基準適応に伴い、インドやベトナム、フィリピンへのエトキシキン命令検査を解除した。ベトナム水産物輸出加工業者協会(VASEP)は「今後はベトナム産エビ輸出は回復するだろう」とコメント。インド海産物輸出振興局のリーナ・ナイヤー局長は「われわれは規制後、直ちに厚労省や日本政府に働き掛けを始めた。(今回の決定は)インドにとっては喜ばしいことで、今後、日本へのエビ輸出は増えていくことだろう」と期待を示した。日本は2012年夏から残留基準値を0.01ppmに規制。ベトナムやインドからのエビ輸入量は2桁の減少となった。昨年から新基準設定について手続きが進められていた。

(みなと新聞 2014年1月27日の記事より)

【米メーン州】 ウナギ稚魚漁 全面閉鎖も
管理法 先住民反発に強行姿勢

【バンクーバー】 米北東部のメーン州で、日本の重要で魚価が高騰するウナギ稚魚漁業ライセンスをめぐり、州政府と先住民の対立が表面化している。州稚魚資源をめぐっては乱獲により漁獲枠を最大4割削減する事態に。州政府は先住民のライセンス発給権を含む一括管理を主張したのに対して、先住民側は共同管理を提案している。ポール・ルパージュ州知事は「先住民も関連州法に従うべきであり、不服なら稚魚操業を全面的に閉鎖する」と主張。背景には州管理の不適切さが稚魚資源を減少させたとの非難がある。州政府と先住民が歩み寄りがみられず、操業閉鎖になれば、日本側業者への影響が強く懸念されることから、今後問題の推移に関心が寄せられている。先住民側は「州は昨年1万8253ポンドを漁獲したが、先住民は漁獲枠の半分にも満たない3600ポンドの漁獲にとどまった。乱獲の批判は州政府による管理に向けられるべきであり、先住民がライセンスを州が規定した数を上回って発給したから乱獲になったというのは納得できない」と共同管理提案の背景を説明した。今回の騒動が今後の州政府による2014年漁獲枠の削減にどう反映されるか、また州知事や州天然資源局が今回の先住民提案に最終的にどう応じるかは現時点では不明であり、もの問題の今後の推移が注目される。

(みなと新聞 2014年1月24日の記事より)

【生産】 日本水産㈱ 鳥取・境港沖でギンザケ養殖

(鳥取) 水産大手の日本水産㈱が、鳥取県境港市沖の美保湾でギンザケの養殖に取り組んでいる。同社は、宮城県女川町にギンザケの生産拠点を構えていたが、東日本大震災による津波で養殖場が全滅。海面養殖には適さないとされてきた日本海で、試行錯誤しながら技術を確立し、本格的な事業化を目指している。昨年12月に生簀に移された300gほどの稚魚計45万尾は、3月下旬には出荷サイズの1.2㎏ほどに成長する。日本水産は太平洋沿岸の宮城県女川町で、年間2000tのギンザケを生産していたが、2011年3月の震災で壊滅的な被害を受けたため、海水温がギンザケの養殖に適した境港を新天地に選び、同年10月に試験養殖を始めた。宮城では生簀を鉄製の枠で囲っていたが、日本海では荒波にもまれて壊れかねないとロープと浮きに変えてみたが、野生のアザラシが生簀に入り魚を食べてしまったという。最終的にはプラスチック製のしなる枠で囲い、生簀全体を網で覆った。ギンザケは20℃以上になると生きられないが、美保湾は時期により海水温が宮城より約2~5℃高いため、海面で養殖できる期間が2ヵ月ほど短い。また、極端に水温が低くならず、餌食いが良いことが分かったため、短期間で成長させるための工夫を重ねた。自動給餌機を生簀に設置し、魚が疑似餌を引っ張った回数で食欲をはかるセンサーを独自に開発、食欲旺盛な時にエサの量を増やした。機械には3日分のエサを蓄えておけるため、海が荒れて沖での作業ができない場合への対策にもなっている。試験養殖1年目は約110t、2年目は約470tを出荷。3年目は800tを見込む。境港市内に水産加工場を建設し、来年1月に従業員80人程度で稼動を始める予定だ。将来的には年間2000tの水揚げと30億円の売上を目標にしている。県と境港市は水産加工場の総工費約17億1000万円のうち、計4億2000万円を支援。新規雇用の人件費なども補助する。

(月刊養殖ビジネス 2014年3月号より 『朝日新聞』 2014.1.23 )

【FAO 需給動向報告・・・サケ・マス<下>】 ブラジル市場が急拡大 今後の価格動向に不透明感

フランスの昨年第1四半期のサケ・マス輸入高は前年同期並みの3万6283トン、16%増の2億7200万米ドルで単価高が成長要因となった。製品形態や供給元に変化があり、チリ産フィレーは12%増の5508トン。チリ産サケ・マス製品輸入は全体で数量が55%増、金額が19%増だった。ドイツは昨年1~3月期輸入4%増の2万9887トンだった。ノルウェー産生鮮アトランが6%減の一方、スモーク、冷凍はそれぞれ10%、11%増えた。これはチリ産輸入の増大を示し、同国からの輸入は3倍に急増。ただ、全体のシェアは4.6%と小さい。

◆日本
日本は昨年第1四半期に前年同期比3%増の8万5331トンを輸入。金額は36%減った。価格下落は年初のチリ産サケの相場下落によるもの。円安進行や運賃コストの上昇、繰り返し在庫が高水準にあったことも影響した。チリ産は輸入全体の大部分を占めるが、昨年1~4月期は8%減。ノルウェー産は27%:減となり、日本の需要が当時の価格帯についていけない裏付けとなった。一方、ロシア、ニュージーランド、カナダ産は5倍の伸びを示した。

◆米国
米国は2012年から市場が回復している。昨年第1四半期の輸入高は14%増の7万7000トン。輸出は15%増の5億7800万ドルだった。ブラジルは世界でサケ・マス消費が最も急速に伸びている国の一つだ。12年の輸入量は2000年比9倍以上の6万3300トン。金額で2億9650万ドルに達した。経済成長や人口増加で中間富裕層がより高品質な水産物を求めていることが背景にある。消費増は今後も安定的に続く見込みで、チリ産サケが恩恵を受けるだろう。ブラジルのサケ・マス輸入は全量をチリ産に依存しており、12年は全体の78%を生鮮アトランが占めた。ラウンドの冷凍は残り9%、冷凍フィレーは11%だった。ブラジル向けの輸出価格は一般的に米国向けが指標となっている。12年の生鮮アトランの同国輸入単価(FOB)は米国を下回るキロ5.46ドル。地理的要因で米国向け出荷より運賃が安いためだ。チリ産トラウトはサーモンと市場で競合する。伝染性サケ貧血症の感染が広がった10年の輸入(6630トン)がピークで、12年は4270万トンまで減った。

◆予測
主要市場の需要は底堅いものの、中間業者が価格を消費者に転嫁し始めると現在の価格水準を維持するのは難しいかもしれない。一方、天然物の漁獲量の減産や病気の広がりも考えられるため、現在の供給動向が大幅な価格下落に直結するとも言い切れない。供給圧力が過度に長期にわたれば、コスト高で昨年みられた市場への広がりを失う可能性もある。価格面ではチリ産はノルウェー産の従来の市場を足掛かりに利益を享受できるかもしれない。天然物の加工業者も養殖物で席巻されている市場への供給増の機会を得ている。一方、餌代の上昇は利益を押し下げる要因になるだろう。

(みなと新聞 2014年1月23日の記事より)

【年頭会見】 大きな補助事業なく委託主体
マリノフォーラム21 井貫 晴介会長

マリノフォーラム21の井貫晴介会長は21日の年頭会見で、「大きな補助事業がなくなり、委託事業が主体」となったとし、来年度の事業について次の通り説明した。

①「各地域の特性に応じた有明海の漁場環境改善実証事業」は水産庁の委託事業で2013~17年度の予定。福岡、熊本、佐賀、長崎の4県の地先で漁業者が実施できる漁場改善技術を実証する。

②「浪江町の新しい水産業デザイン実現化事業」は復興庁予算による福島県浪江町からの委託事業で、13年9月~16年1月。「浪江町水産業協働委員会」と「浪江水産業ワーキンググループ」の事務局業務を行い、請戸漁港および浪江町水産業の復興に向けて、関係者の合意形成、市場等調査、マーケット構築、新商品開発、共同利用施設の基本設計などを実施する予定。現在はアンケート調査や視察準備を行っている段階。

③「緑と水の環境技術革命プロジェクト事業(事業化可能性調査) 超長期保存可能な養殖ブリの1万トン輸出事業の可能性調査」は食品産業局の定額補助事業で13年度単年度。オンスイの「超冷薫」技術を利用した養殖ブリの冷凍流通システムの市場可能性を調査するもの。

④「クロマグロ養殖用餌料高度化促進事業」は水産庁の2分の1補助事業で11~13年度。日清丸紅飼料との事業で、近畿大の協力を得て大口径、高脂質のクロマグロ成魚用EPの開発に取り組む。

⑤「海外水産資源管理基礎調査委託事業」は水産庁の委託事業で、途上国における的確な資源管理措置を推進するための漁業協力のあり方を調査するもの。14年はタンザニア、パラオの現地調査を実施する。14年度に取りまとめる予定。

⑥「海外水産協力効率化推進事業」は水産庁の補助事業。セントルシア、東チモールへの調査は実施済み。今後タイ、エリトリアなど数カ国への調査を実施する予定。

(みなと新聞 2014年1月22日の記事より)

【海外・米メーン州】 ウナギ稚魚操業にさざ波 州一括管理案に先住民反発

【バンクーバー】 米メーン州のウナギ稚魚操業ライセンスをめぐって新たな問題が持ち上がった。州水域のウナギ稚魚操業で州海洋資源局(DMR)が2014年漁獲枠を前年実績の25~40%削減で協議している中、下院議員が提出した同操業ライセンス発給権を先住民部族と州政府が分担していたものを、州政府が一括管理しようとする動きがあるためだ。先住民側は米憲法で保証される領域内自治権を侵すものとして強く反発している。州では稚魚価格の異常な高騰から漁獲意欲が一気に高まり密漁などの違法操業も増加。異常な漁獲努力増加で資源的な危惧を強く懸念したDMRは、14年総漁獲枠の大幅削減で公聴会を開き、関係者との協議を進めている。方案は州内デアーアイル選出のウオルター・A・クミーガ州下院議員(民主党)が提出。操業ライセンス発給権を州政府のみとし、違反者に対する罰金額や法的罰則を強化している。州では今までにも既に先住民部族が州の規定する発給可能ライセンス数をオーバーし訴追された例が数多くあり、13年漁期には双方のにらみ合いから当局が介入する騒動にまで発展した。パサマクオティ族やペノブスコット族代表者は方案についての諮問会で、自分らの領地内での天然資源管理権を侵すものだといずれも強硬な反対を表明した。この問題はウナギ稚魚の漁獲ライセンスだけにとどまらず、さらに広い範囲での州政府と先住民部族との対立の火種をはらむだけに、25~40%カットで行われる予定の今年の操業の行方に影響しかねず、輸入国である日本としても無視できない問題だ。

(みなと新聞 2014年1月22日の記事より)

【FAO 需給動向報告・サケ・マス<上>】 生産者、歴史的収益へ チリは業界再編続く

サケ・マス養殖業界は根強い需要と供給減による価格の高止まりを受け、歴史的な輸出額を享受しそうだ。ノルウェーの養殖業者は堅調な輸出単価の後押しで好調な業績を続ける。欧州連合(EU)向け輸出は今後も見通しが明るい。一方、チリは昨年第一四半期に多くの事業者が赤字に陥った。主要輸出先の日米両国で価格下落などに見舞われたためだ。今年も魚病や餌の高騰によるコスト高が追い打ちをかけそうな一方、業界の再編が続くものとみられる。価格上昇は2012年後半から始まり、昨年は5月にEU市場で過去最高水準に達した。チリの冷凍ギンザケは日本で5月に相場が上向き始め、米国も前向きな傾向が続く。単価高に対する消費者の反応は供給増と相まって、今年後半に価格下落を招くとの見方もある。ただ、急落はないというのが大勢を占める。

◆ノルウェー
ノルウェーの昨年のサケ・マス輸出価格は第1四半期に堅調に上昇し、4月に2年ぶりにキロ40ノルウェークローネの大台を超えた。1~3月期輸出高は数量が前年同期比4%減の一方、金額は22%増の8億クローネと歴史的な数字を記録。供給減は13年の海水温低下と最大バイオマスの規制が影響している。同国の最大輸出先国(地域)はEUで、昨年第1四半期の輸出高は3%増の14万7422トン、32%増の55億1000万クローネだった。仕向け先は国内で燻製品と競合するポーランド向けが最多だ。消費国では生鮮アトランが主力のフランスが最大市場で第1四半期は数量が前年同期並みの一方、金額は27%増えた。英国の需要も同様に強い。EU以外ではアジア向けが減少。日本、ベトナム、台湾の落ち込みが影響した。一方、昨年第1四半期は2006年以来、ロシア向け輸出が数量ベースで19%:減と初の前年割れを記録。ただ、金額は11%増となった。EU以外の市場では潜在的な底堅い需要が数量減、単価高の金額増を生む構造となっている。トラウトの輸出高は昨年第1四半期が20%増の4億8200万クローネと、歴史的な水準に達した。アトランと同様に数量増よりも単価高が押し上げ要因となった。主要輸出先国別では数量はロシア向けが4%、日本向けが9%それぞれ減った。 

◆チリ
サーモンエックスによると、米国向けチリ産生鮮価格は上昇が続く。2-3トリムC部門は昨年5月中旬に5.25米ドルと前年比45%高にアップ。ブラジルはドレス10-12が人気アイテムで、キロ7.3米ドルで安定。日本向けトラウトがキロ600円の一方、ギンザケは昨年第1四半期の底値から脱しキロ550円をつけている。

(みなと新聞 2014年1月21日の記事より)

【養殖魚需給】 ブリ類14万トン マダイ7.2万トン 水産庁が生産目標案

水産庁は16日、農水省で養殖魚需給検討会(座長・馬場治東京海洋大教授)を開き、今年の養殖ブリ類(ハマチ・カンパチ・ヒラマサ)の目標生産量を14万トン、養殖マダイの目標生産量を7万2000トンとする案を示した。ブリ類の生産量は14万トンを上回ると需給バランスが崩れ、価格が下落する傾向がある。2006~10年の5中3平均値と同水準の値とした。同案に対し、嶋野勝路委員(全国海水養魚協会会長)は「国の目標値を全国の養殖業者に伝え、計画生産の参加率を高めていく」、大森敏弘委員(全漁連常務)は「全海水や県の協力をいただき、生産者が納得する形で進められるかが課題」とした一方、羽田五輪委員(築地魚市場鮮魚三課長)は「数量を減らしたにもかかわらずブリの相場が下がった場合、養殖業者は次にブリの稚魚を買わなくなる。そうなればブリの数量はさらに減る。本当に全国的な指導ができるかのか」と疑問を呈した。検討会は水産庁で昨年行われた「養殖業のあり方検討会」で養殖魚の計画生産に関する答申を受けて開いた。民間企業、有識者、全国団体でつくる8人の委員が養殖魚の目標生産量、漁協や養殖業者が目標数値を定めるのに必要な情報などを議論した。

(みなと新聞 2014年1月20日の記事より)

【年頭会見】 もう一度原点回帰を
水産総合研究センター 松里壽彦理事長

水産総合研究センターの松里壽彦理事長は16日、水産庁記者クラブで年頭会見した。水産行政を科学的に支えるのが水研センターの役割とし、「もう一度原点に返り、産業の現場に貢献する技術開発を目指す」と強調した。会見要旨は以下の通り。

昨年、和食文化がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本の水産物をアピールする絶好の機会が訪れた。この機を捉え、水産物を持続的に利用できるよう科学技術の開発に努めたい。

マグロ、ウナギ 研究に注力

当センターは学問的な評価で世界一を10年間維持しているが、われわれの目的はそれを産業に生かすこと。例えば、昨年成功した養殖ブリの人口種苗の早期生産。早期採卵の技術は数年前からできていたが、現場では全く使われていなかった。種苗生産施設の種苗は体長3~4センチだが、実際に養殖業者が求める種苗は体長12~13センチ。われわれの種苗と養殖業者が求める種苗のサイズが全く違っていた。そこで中間育種を行う業者にお願いしながら普及ささせた。このような努力をしなければ、現場に技術を落とし込めない。他にもそのような例がたくさんある。分野別では世界的に資源が減少しているクロマグロ、ニホンウナギの研究に力を入れる。クロマグロは国内唯一のマグロ親魚の陸上飼育施設である西海区水産研究所の「まぐろ飼育研究施設」で昨年7月から順調に飼育を進めている。環境条件を制御し、養成親魚からの計画的な採卵技術の開発を行い、4年後に10万尾の種苗を生産することを目標にしている。ウナギは回遊生態の解明など天然資源に関する生物学的研究にも取り組まなければいけない。ただ、まだ少数の卵や仔魚が採集されただけで、シラスウナギの来遊につながる具体的な知見は薄い。引き続き、卵稚仔魚調査航海や関係国との研究交流を進め、適切な資源管理の策定に役立つよう努める。

(みなと新聞 2014年1月20日の記事より)

【生産】 全国初・サクラマスの循環型陸上養殖
㈱夢創造が6月にも商品化

(栃木) ㈱夢創造は6月の商品化を目指し、町内と那須烏山市内の養殖場で「那珂川町温泉サクラマス」の陸上養殖に取り組んでいる。通常サクラマスは海上養殖が主流で、温泉水を循環させて行う陸上養殖は全国初となる。同社の野口勝明社長は、那珂川にヤマメが生息することから海にくだるサクラマスに注目。2012年7月から(独)水産総合研究センターと宇都宮大学農学部の協力を得て養殖の研究・開発に着手した。現在は温泉水の塩分調整を行い、サクラマスの生育に適した塩分濃度を探っている。養殖場はプール跡や小学校跡を利用する温泉トラフグの養殖プラントを応用。体長10㎝のヤマメを約8ヵ月かけて40㎝、1㎏まで育て、当面300尾の生産体制を敷く。温泉サクラマスとして飲食店などに1尾4000円で出荷する予定で、今後、同社は養殖技術のノウハウや養殖プラントの販売も行う考え。

(月刊養殖ビジネス 2014年3月号より 『下野新聞』 2014.1.17 )

【ベトナム水産物】 輸出額14年も続伸へ 対日はエビ増加に期待

【バンクーバ】 ベトナム水産物輸出加工業者協会(VASEP)は14日、2013年の年間総輸出額が前年比10.1%増の68億ドルとなり、14年も続伸するとの見通しを発表した。14年は日本、米国、欧州連合(EU)など主要輸出市場が回復基調で、中国、香港向けも増加を見込む。対日輸出は日本がエビ中のエトキシキン残存率を緩和したことを好材料に指摘。EU向けはベルギーにベトナム水産物配送センターを造ることなどから伸長予想となった。日本向け輸出の見通しについて協会は、日本がエビ中のエトキシキン残存率を従来の0.01ppmから0.2ppmへと緩和したことかをエビ輸出伸長の好材料として挙げた。対EUの見通しでは、ベルギーのゼーブルージュ港湾局と覚書を交換し、同時にベトナム水産物の配送センターを整備することから、従来よりもEUせん圏内への輸入ベトナム水産物の配送所要時間が短縮され、EU向け輸出の伸長が見込まれるとした。対米輸出は13年が17億7000万ドルとなり、14年は20億ドルと増加を予想。一方で、対米輸出の課題を2つ指摘した。一つはベトナム産ナマズの輸入検査が現在の食品医薬品局(FDA)から、14年には農務省に移管されるため輸出が難しくなること。もう一つは、14年にベトナム産カイヤンの冷凍フィレーに対する反ダンピング関税の見直しを課題に挙げた。

(みなと新聞 2014年1月17日の記事より)

【宮崎・鹿児島 シラスウナギ】 年末年始 一定の採捕
台中好漁に「期待外れ」

【鹿児島・宮崎】 昨年12月に解禁したシラスウナギ漁は、年末年始の闇の大潮で一定の採捕はあったようだ。しかし、業界関係者は「台湾、中国の好漁からすると、期待外れだった」とみている。鹿児島県によると、昨年12月の県下の採捕量は約19キロ(前年同月比58%増)。「21日からのスタートと採捕期間が短いものの、不漁だった2011、12年を上回った。ただ、過去には800キロ以上獲れた年もある」と説明。1月の採捕量実績はまとまっていないものの、「闇の大潮で獲れたとは聞いている」と話す。宮崎県によると、昨年12月の採捕量は85キロで、1月13日現在の累計で189キロ。11月22日から採捕がスタートした昨シーズンに比べ同日現在の累計比は4.5倍。「不漁だった過去4年に限って比較すると好漁と言える」(宮崎県) 鹿児島、宮崎県ともに闇の大潮以降は、まとまった採捕が見られないもよう。今期の漁模様について、「もう1ヶ月みないと判断できない」と鹿児島県。

土用丑まで高値維持

業界関係者によると、国内のシラスウナギの池入量は現在約9トンで、前年同期の約9倍。今季池入れしたシラスウナギの成鰻・新仔の出荷は6月ころスタートし、本格化は土用の丑を過ぎる8月以降。成鰻の池上げ価格は現在に比べ多少下がるが、高値で推移するもよう。「秋以降に池上げ価格、かば焼き製品の価格に動きがあるだろう」と関係者はみている。

(みなと新聞 2014年1月16日の記事より)

【輸入:加工ウナギ】 前月並みの高値水準 荷動き低調続く

加工ウナギ(無頭背開) 卸値は現在、中国産・国産とも前月並みの水準で推移。中国産10キロ版70~80尾はキロ4800円前後、50尾は4000円前後、40尾は3800円前後。国産70~80尾は1万円超え、60尾は9500円前後、50尾は9000円前後となっている。シラス漁の復調が伝えられるが、「すぐに製品になるわけでない。在庫も高値原料によるもの」(卸筋)で、相場への影響はみられない。シラス不漁が続き、生産者が池を減らしたり、休業したため、「池のキャパ自体が少なくなっている」。むしろ相場が安値に振れる材料としては、売れ行きの鈍さから「換金目的の売り」といったケースが考えられるという。高値続きで「売り場から外す」末端が多く、昨年12月の荷動きは「変わらず低調」だった。年が明けても「シーズンオフということもあり(荷動き)低調」だ。

(みなと新聞 2014年1月16日の記事より)

【資源】 琵琶湖アユの調査  産卵数、昨年の6.4倍

(滋賀) 2012年に産卵数が極端に減った琵琶湖のアユについて、滋賀県は12月13日、13年は産卵が平年より早く、12年の産卵数の6.4倍を確認したと発表した。平年の産卵数には戻っていないものの、養殖用の稚アユ漁も順調で、琵琶湖を代表する水産資源は回復傾向にある。県水産課によると、琵琶湖に流入する11河川で行った調査で、13年は45.1億粒の産卵を確認した。平年値の4割にとどまるが、エサのプランクトン不足などでわずか7億粒にとどまった12年を大きく上回った。13年の産卵は8月下旬に始まり、平年より10日~半月早い9月中旬にピークを迎えた。同課は「8月下旬以降の雨で水温が下がり、アユが河川に遡上して産卵しやすい条件ができた」と推測。12月1日から始まる養殖用の稚アユ漁は09年以降では最も早く、養殖業者が発注した計約27.5tを5日間で捕り終えた。昨年は約26.8tの確保に21日間かかっていた。県は河川から琵琶湖へ下ったアユの数は128億尾で、平年の52%とみている。

(『京都新聞』 2013年12月14日の記事より)

【資源】 シラスウナギ、国が漁獲量削減要請  徳島は規制せず様子見

(徳島) 漁獲量が激減しているシラスウナギを保護するため、水産庁が都道府県に対して漁獲量の削減や漁期の短縮を要請したことが分かった。法的拘束力はなく、12月15日から漁期を迎えた徳島県は「ほかの自治体の動向を見守る」として当面規制はしないことで決定した。シラスウナギ漁のルール策定はと都道府県の管轄となっている。県水産課漁業調整室によると、漁協組合幹部役員や学識経験者ら10人による「県内水面漁場管理委員会」で議論し、漁獲規制を行わない方針を固めた。しかしその一方で県はシラスウナギの漁獲を許可している約30の漁協に対し、これまで以上に正確な漁獲量の報告を求めた。規制に乗り出す自治体もある。静岡県は12月1日から2014年4月末までの漁期中に15日間の休漁日を設けることを決めた。シラスウナギの生態は謎が多く、研究は進められているものの、よく分かっていない。過去10年、徳島県内の漁獲量で最も多かったのは05年の5561㎏となっているが09、10年は700㎏台、11、12年は300㎏台と近年は不漁が続いている。このため取引価格は05年の1㎏10万円が、12年には197万円に高騰。養殖業者やウナギ料理店などは頭を抱えている。県の漁期は、海が4月15日、川が同30日までとなっており、吉野川や那賀川の河口周辺が主な漁場となっている。

(『徳島新聞』 2013年12月5日の記事より)

【研究】 水研センターなど アカムツ稚魚の育成に成功

【福井】 (独)水研総合研究センター日本海区水産研究所と富山県農林水産総合技術センター水産研究所などの共同研究チームが、高級魚のアカムツ(ノドグロ)を人工的に卵から稚魚まで育てることに成功した。生育に適したエサや水温が明らかにになり、稚魚の量産化の道が開けた。成果を活用すれば、今後アカムツの養殖につながる可能性もある。アカムツは新潟沖などを中心に日本海側に多く生息し「白身のトロ」とも呼ばれ高値で取引されるが、年ごとの漁獲は安定していない。成魚になるまでの生態や生育環境も不明で、人工生産は難しいとされてきた。両研究所と新潟水族館の3機関は13年9月、新潟沖でアカムツの受精卵約40万個を採取、各施設でふ化させ、ふ化後の仔魚から魚の形態が整い始める稚魚まで育つのに適した環境や必要なエサを調べた。その結果、プランクトンの一種のシオミズツボワムシの小型サイズ(約0.16~0.18㎜)を最もよく食べること、飼育する水温は成魚が捕れる18℃よりも高い20℃以上が適していることが明らかになった。水産総合研究センター日本海区水産研究所の山田達哉資源増殖グループ長は、より効率よく稚魚を得るための今後の課題として、成育に従ってどのような栄養バランスが重要かを解明し、適切なエサを与える必要があると指摘している。

(『毎日新聞』 2013年12月4日の記事より)